2018年5月21日更新

「レディプレ」で再注目!「バカルー・バンザイ」は超豪華キャストを楽しむべし!

さまざまな名作SFをオマージュした『レディ・プレイヤー1』が大ヒット。中でも主人公の「バカルー・バンザイ」ルック・ドレスアップが、ツウなネタとして話題を呼んでいます。実はSFファンにとってもおなじみの名優たちが勢揃いした贅沢な痛快作の見どころをご紹介しましょう。

今だから見たい!『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』ってどんな映画?

大ヒット中の『レディ・プレイヤー1』の中で主人公ウェイドのアバター、パーシヴァルがヒロイン、アルテミスとの初デートで選んだ服が、『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』で登場する派手なスーツでした。ピーター・ウェラーが演じるバカルー・バンザイが、ステージシーンで纏っていたものです。適度にレトロなセンスは、怪しげなダンスホールの雰囲気にもマッチしていました。 「バカルー・バンザイ」が北米で公開されたのは1984年のこと。日本では劇場で公開されることなくビデオスルー扱いとなっていたことから、逆にカルト的に注目されました。今回、「レディプレ」をきっかけに改めてチェックしてみたのですが、なによりまずはその超豪華なキャスティングにびっくり! 作品としては同年代のSF映画に比べてもそうとうB級感が溢れていますが、決して退屈しません。それはやはり、芸達者な面々の熱演&怪演のおかげ。忘れちゃった人も見逃していた人も、「見直してみる」絶好のチャンスがやってきました。

天才的なヒーローが奇怪な異星人とバトル!?「バカルー・バンザイ」のあらすじ!

脳神経外科医としても物理学者としても、天才的。さらに、イケメンたちと組んだロックバンドも大人気。隙なし敵なしのイケメンセレブ、バカルー・バンザイは、次元を越える実験中に異次元に閉じ込められた奇怪な異星人を目撃します。 ほどなくその実験の鍵を握るデバイス「次元波動装置」が、人間の姿で街に潜んでいた異星人「第10惑星のレクトロイド」たちから狙わることに。バカルーと仲間たちは凶悪なレクトロイドの野望を打ち砕くために、命懸けの戦いに挑みます。

どこかで見たことがある有名俳優たちが続々登場!

バカルー・バンザイを演じたピーター・ウェラーは、ロボコップでブレイク

何をやらせてもスタイリッシュな主人公バカルー・バンザイを演じたのは、ピーター・ウェラー(テレビ放映時の吹替えは野沢那智)。外国人俳優の中にあってもひときわアクの強い顔立ちは、一度見たら忘れられないインパクトがあります。ふだんはクールなのに熱血漢としてのカロリーの高さも、魅力。設定どおり日本人とアメリカ人のハーフに見えるかどうかは、微妙ですが。 日本の映画ファンにとってもっとも印象深いピーター・ウェラー出演作品と言えば、やはり『ロボコップ』(1987年)でしょう。序盤、熱血警官でありながら無残に殺害され、ロボット化。その顔はほとんどマスクに隠されていますが終盤のボス戦で露出、メカに張り付いた顔の生々しさが強烈でした。 ちなみにピーター・ウェラーは、『リバイアサン』(1989年)で人間から変身していく怪物と、『スクリーマーズ』(1995年)で人間モドキ系殺人兵器と、それぞれ死闘を繰り広げています。どんな相手であろうとも決して迫力負けしないところが、さすがです。

リザルド博士の正気と狂気を巧みに表現。ジョン・リスゴーは目力が凄い!

もともとは優秀な物理学者で好青年だったエミリオ・リザルド博士。しかし、次元波動装置の開発実験中に第8次元でレクトロイドに遭遇して以来、人が変わってしまいます。実は中身が凶悪な異星人にすり替わっていたというキャラ設定は、まさにジョン・リスゴーにぴったりのややこしい役柄です。 圧倒的な目力など、顔立ちのインパクトのおかげでアクション、サスペンス系作品に数多く出演しています。とくに1992年に主演した『レイジング・ケイン』で見せた複雑怪奇な狂気の演技は、鬼気迫る迫力で印象に残りました。 その一方で、人間ドラマを描いた作品でも、ジョン・リスゴーの優れた演技力は高い評価を得ています。たとえば『愛と追憶の日々』(1983年)では、浮気をしながらも憎めない銀行員役を好演して、アカデミー助演男優賞にノミネートされました。レクトロイド役とはずいぶんギャップがありますが、そういう二面性こそが、ジョン・リスゴーの魅力なのです。

ハリウッドを代表する、ふたりの個性派名優たちが熱演

サブキャラ扱いながら、やはり個性的な顔と演技で主役級を食いかねないほどに目立っているのが、ジェフ・ゴールドブラムとクリストファー・ロイド。とくにSFアドベンチャー好きならば、ついつい彼らの演技に見いってしまうことでしょう。 ジェフ・ゴールドブラムのヒット作といえば、真っ先に想い浮かぶのは『ジュラシック・パーク』(1993年)。アクション・アドベンチャーとしては『バイブス 秘宝の謎』(1988年)でシンディ・ローパーと共演しています。 『SF/ボディ・スナッチャー』(1978年)や『ザ・フライ』(1986年)での、知的なのにどこか不気味な存在感も魅力的でした。一方で『眠れぬ夜のために』(1985年)のようなコミカルな演技も巧みにこなすなど、多彩なジャンルの作品で活躍しています。

クリストファー・ロイドは、やはり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)の「ドク」ことエメット・ブラウンが最高のはまり役。「8次元ギャラクシー」では人間に化けたレクトロイドのひとり「ビッグ・ブーティ」を演じていますが、半分以上は被り物での出演にも関わらず、いかにも彼らしい奇怪でユーモラスな演技を楽しませてくれます。

「プリティ」なだけではない、悲鳴まで艶っぽいペニーを演じるのは、エレン・バーキン

涙にまみれてメイクがボロボロという、ヒロインとしてはかなり残念な登場シーンが衝撃的なペニー・プリディを演じたのは、ブロードウェイでも活躍したエレン・バーキン。整った美女、というよりはキュートな顔立ちと健康的なお色気が魅力的な女優ですが、「8次元ギャラクシー」でもその魅力を遺憾なく発揮していました。 ただ可愛いだけではないことを実感させてくれたのが、物語終盤にレクトロイドにさらわれてから。ビリビリに引き裂かれた服で地下道のような場所に引きずられていくシーンでの慟哭と嗚咽は、まさに迫真の演技! 『スウィッチ/素敵な彼女?』(1991年)でも女に生まれ変わった男、という難しい役柄を巧みに演じるなど、その実力はやはり本物です。

妙なJAPANESEカルチャーの取り扱いなど「突っ込みどころ」が満載!

豪華なキャストによる熱演とともに飽きることなく最後まて見いってしまう重要なエッセンスが、B級ならではの遊び心溢れるアイテムたち。 たとえば冒頭、バカルーが次元を越えるために使ったジェットカー「HB88」などは、とても超音速で走れるとは思えないような無骨なルックスながら、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンに負けない強い存在感を発揮しています。 日本人的には、実験時にバカルーが頭に巻いたハチマキに書かれている「生活美」という漢字がなんとも意味不明。レクトロイドのアジトに置かれている、赤ちゃんグッズはさらに正体不明。そうした「突っ込みどころ」もまた、「8次元ギャラクシー」の楽しみ方と言えそうです。

伝説的エンディング「バカルー歩き」は、クセになるかも……。

いかがでしたか?日本ではあまりメジャーとは言えない『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』ですが実は今、「見直してみる」価値のある作品のひとつと言えそうです。 最後にひとつ、観るときのアドバイス。エンドロールまでしっかり付き合いましょう。主要キャスト十数人が揃ってぞろぞろ練り歩く通称「バカルー歩き」は、気ままで自由なユルさがいかにも「らしくて」心地よい名シーンです。