2018年6月18日更新

日本特撮界への影響がやばい!石ノ森章太郎とは?【仮面ライダー、スーパー戦隊の生みの親】

孤高のヒーローを数々生み出した、石ノ森章太郎。彼が特撮界にも多大な貢献をしていたことを、皆さんは御存知でしょうか?石ノ森章太郎の軌跡をたどると共に、彼が特撮界に残したものを見てみましょう。

孤高のヒーロー達を生み出した石ノ森章太郎とは?

009、仮面ライダー、キカイダー……。他のヒーローとは違う、どこか影のようなものが差したヒーローを多数生み出した石ノ森章太郎。 彼が残した影響は、特に日本特撮界に対するものが大きくなっています。「仮面ライダー」シリーズと「戦隊ヒーロー」シリーズという、業界を支える2大シリーズを生み出したと聞けば、そのやばさが分かるというものです。 今回は石ノ森章太郎の情報をまとめました。なお、石ノ森は長く「石森章太郎」名義で活動していましたが、本記事では原則、現在の公式表記となっている石ノ森章太郎としています。

石ノ森章太郎の略歴をまとめてみた

石ノ森章太郎は1938年に生まれました。本名は小野寺章太郎、1984年までのペンネームは石森章太郎です。 デビューは1954年、高校在学中でした。伝説の「トキワ荘」メンバーの1人として早くに頭角を現します。 月に数百枚の原稿を書き上げる有名作家として活躍する傍ら、1971年には東映が制作する特撮作品の原作に携わり、その漫画化も担当しました。後の『仮面ライダー』です。 その後も東映との良縁から特撮の原作を請け負う傍ら、漫画家としても変わらぬ活躍を続けました。また、自身が原作を務めた作品では各話監督も度々つとめています。 1998年、心不全で死去。享年60歳という、早すぎる死でした。

未完の代表作『サイボーグ009』は"まんが家第1作"?

まんが家としての石ノ森章太郎の代表作『サイボーグ009』。1964年の連載開始から28年にわたって連載され、完結編の構想がありながら執筆前に石ノ森が死去してしまったため本人の手で完結編が描かれることはありませんでした。 悪の組織ブラックゴーストの手によってサイボーグにされてしまった009・島村ジョーは、同じくサイボーグとなった00シリーズの面々とともに組織を脱走します。ジョーたちは世界の闇と向き合いながら平和のために戦い続けるのです。 本作の執筆背景には、売れるものを描くという石ノ森の考えがあります。既に売れっ子作家だった石ノ森でしたが、プロとしてエンターテインメントを意識した点をもって本作をまんが家第一作と自認していました。 1966年には東映動画により映画が制作され、翌年最初のTVシリーズが放送。以降21世紀になるまで繰り返し映像作品が制作されています。

現代までシリーズが続く永遠の変身ヒーロー『仮面ライダー』

1971年に放送が始まった『仮面ライダー』もまた、石ノ森の代表作とされています。石ノ森は作品のコンセプトや設定・仮面ライダーのデザインを担当した上で原作漫画を執筆しました。 悪の秘密結社ショッカーに囚われ、改造人間にされてしまったバイクレーサー・本郷猛は秘密基地を脱出。バイクの師匠・立花藤兵衛の元に身を置き、ショッカーの世界征服の野望を打ち砕くために戦うのです。 サイボーグ009で生まれた"悪の力で戦う正義の味方"というコンセプトを継承する作品となっています。本郷猛を演じた藤岡弘、がバイク事故で出演不能となった際には佐々木明が演じる仮面ライダー2号・一文字隼人が登場。 同時に番組も娯楽要素の強い作風にリニューアルされ、子どもの心を掴みます。藤岡の復帰を契機に仮面ライダー1号が復活すると、"普段は1人で戦うライダーが共闘する大事件"という熱いドラマも展開されるようになりました。 2年に渡る放送終了後は続編『仮面ライダーV3』が誕生、以降も2018年現在まで続く長寿シリーズとなっています。

『秘密戦隊ゴレンジャー』漫画版が路線変更した理由とは?

「仮面ライダー」シリーズ同様の人気を誇る「スーパー戦隊」シリーズ。半世紀近く続きながらも中断はわずか1度のみと、文字通り特撮界を支え続ける本シリーズの1作目が『秘密戦隊ゴレンジャー』。 仮面ライダー同様石ノ森・東映タッグで制作された本作は、国際秘密防衛機構イーグルの5人の隊員が色違いの強化スーツに身を包み戦うチームものです。スパイものとしての性質も併せ持っており、大人気番組となりました。 石ノ森はヒーローのデザインを手がけた他、敵怪人のデザインも複数手がけ、シリアスとコミカルが同居する作品の雰囲気を生んでいます。そんな石ノ森の執筆した漫画版は、途中から『ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ』に改題、内容もコメディへと変わってしまいました。 石ノ森はこの変更に関し、テレビ版のテンポよく展開されるコミカル路線をそのまま漫画にするのは難しかったと語っています。漫画版路線変更の理由は、漫画と映像のリズムの違いにあったのです。

世紀のヒーロー共演で石ノ森章太郎が出した制作の条件とは?

双方ともに日本を代表する特撮シリーズである「ウルトラマン」と「仮面ライダー」が共演したら……という夢が実現したのが、『ウルトラマンVS仮面ライダー』。1993年に発売された作品です。 両シリーズの総集編と新撮ドラマからなり、ドラマ部分は怪獣と怪人が合体するという危機的状況を前に、怪獣と戦っていたウルトラマンに助太刀する形で仮面ライダーが巨大化するというクライマックスになっています。巨大化の理由はズバリ「奇跡」! ファン垂涎の映像ではありますが、突如仮面ライダーが巨大化するというのはとても衝撃的な展開でした。それを聞いた石ノ森は"ある条件"を付けて制作許可を出します。 その条件とは「ウルトラマンも等身大になり、サイクロン(仮面ライダー専用のバイク)に乗ってほしい」というもの。このシーンは本編中ではなく、エンディングの一コマで描かれることとなりました。

石ノ森が残したものは世界に羽ばたく

石ノ森章太郎作品は一筋縄ではいかない魅力が持ち味のひとつです。特に代表作である『サイボーグ009』は人間の持つ悪意と世界の矛盾が鋭く描かれ、時代に合わせて何度もリメイクを繰り返す人気作となっています。 また、「仮面ライダー」シリーズは悪の力で改造された正義のヒーローという図式が他の作品には中々ない魅力を生みました。現代のスタッフはこれを「悪の使う力を正義に使う主人公」として発展させ、バラエティ豊かながらも統一感をもったシリーズ作を生んでいます。 石ノ森の手を離れた「戦隊ヒーロー」シリーズもチームヒーローの代表作として視聴者に愛され「パワーレンジャー」シリーズとして海外進出を実現しました。2017年には完全新作のハリウッド映画も制作され、その影響力は海外にまで及んでいるといえます。 石ノ森章太郎の存在の大きさとその影響力が少しでも皆様に伝わっていれば幸いです。