Amazon Prime Videoが名作リブート!ドラマ『ジャック・ライアン』とは?
ドラマ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン 』とは?
アメリカの人気作家トム・クランシーが創作した小説「ジャック・ライアン」シリーズ。『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)をはじめ『今そこにある危機』(1994)、『エージェント:ライアン』(2014)など、これまでにも度々映画化されてきました。 この人気シリーズのドラマ化に挑戦したのがAmazon Prime Video。『LOST』を手がけたカールトン・キューズ、『プリズン・ブレイク』の脚本家グラハム・ローランドなど、ドラマのプロともいうべき製作陣をむかえた本作は、Amazon Prime Original作品の代表作となりそうな出来栄えをみせています。
VODならでは?一気に見たくなる作り込まれたストーリー
『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』の特徴は、原作をもとに完全オリジナルストーリーをつくりあげている点。リアルタイムな世界情勢を物語に盛り込むことで、現代社会を生きるジャック・ライアンを描きだします。 CIAでテロ対策の分析官をつとめるジャック・ライアン。不審な金銭取引を追ううちに、ムーサ・ビン・スレイマン率いる大規模なテロ組織と対峙することになります。新任の上官ジェームズ・グリーアとともにテロリストの足跡を追い、やがてアメリカ本土を狙ったバイオテロが計画されていることを知った彼が、テロ阻止のため世界中を奔走するストーリーです。 また彼はテロ組織との攻防を続ける傍ら、キャシー・ミュラーという女性に惹かれていきます。ただし、この女性が伝染病の研究者だというのがポイント。すべての登場人物がテロに巻き込まれていく様が生々しく描かれるのです。
異色の経歴をもつ捜査官、ジャック・ライアン
第1話のジャック・ライアンは、日課の運動をして会社に向かうも車と衝突しそうになり、会議にはギリギリの到着で、同僚の前で上官にイビられてしまいます。 どこにでもいるデスクワークの男、そんな雰囲気を纏って登場する彼ですが、元軍人・元やり手金融マンというプロフィールの持ち主。タダの捜査官ではない、と思わせる銃の扱いや身のこなしは、彼にミステリアスな魅力を与えているでしょう。 テロ計画が進行していることに気付いたときには、自信をもって意見を言い、誰より強い正義感を見せます。物腰柔らかでありつつ、毅然とした態度を崩さないところがジャック・ライアンのかっこよさかもしれません。
人がなぜ「テロリスト」になるのかを克明に描く
本作最大の見どころは、捜査官側とテロリスト側の両方の視点から物語が進むことでしょう。 そうすることでCIAとテロ組織の戦いは、どちらが正義でどちらが悪と言い切れないものになるのです。ジャック・ライアンが市民の平安を守るヒーローならば、次々とテロを仕掛けるムーサ・ビン・スレイマンも彼の同志にとってはヒーローなのです。 さらに様々な境遇の人物がテロに巻き込まれていくことで、なぜ人が「テロリスト」になってしまうのかというテーマにも踏み込んでいます。たとえばスレイマンの息子は、その象徴的な存在。大好きな父親のすることに憧れて、見よう見まねで銃を掲げる少年の姿は、知らず知らずのうちにテロに加担していく世代がいることを如実に表現しています。
ジョン・クラシンスキーは180kgの重量上げができるようになった!?
Amazon Prime Videoが初めて本格アクションに乗り出した本作。劇中のコンバットシーンや銃撃戦は大作映画顔負けの迫力です。もともと「ジャック・ライアン」シリーズはミリタリーアクションが充実していることで有名。シリーズファンの期待に応えるべく、5代目ジャック・ライアンに抜擢されたジョン・クラシンスキーは徹底的な肉体改造に挑んだのだとか。 ジャック・ライアンを「アメリカのジェームズ・ボンド」と言い表したジョン・クラシンスキーですが、なんと彼のトレーナーは「007」シリーズでダニエル・クレイグのトレーニングも監修した人物だそう。 ドラマ撮影の半年前からトレーニングを始めた彼は、約180キロの重量上げもできる身体に鍛え上げたといいます。また、ボートが趣味のジャックを自然に演じられるようなトレーニングメニューが組まれました。役作りにおいても、作品のリアリティを追求していることがわかります。
テロリストは良き夫で優しい父親、そして素晴らしい指揮官。
ジャック・ライアンたちと対立するのはアリ・スリマン演じるムーサ・ビン・スレイマン。本作に登場するテロリストは「根っからの悪」ではありません。 テロ組織のリーダーであるスレイマンは、家族思いの良き父であり、弟を愛する優しい兄であり、理想的な指導者でもあります。彼をテロ行為へ掻き立てる第一の理由は、アメリカ軍によって家族を殺されたこと。 物語が進行していく中で、彼がどんな過去を送ってきたかが明かされます。弟を守りながら貧困に耐え、西欧人のなかでキャリアアップをはかるものの、偏見と差別の犠牲になったスレイマン。不満や怒りが積もり積もって、やがて彼本来の温厚さは影を潜めてしまうのでした。
次に狙われるのはどこか。徐々にみえてくるテロのパターン
本格アクションが見どころではありますが、物語を一貫して繰り広げられるのは、ジャック・ライアン対スレイマン、2人のキレ者による頭脳戦。 スレイマンらにとって、仲間の遺体は物を隠す入れ物、子どものおもちゃでさえ立派な通信手段になるのです。ありとあらゆる方法で計画を進めようとするスレイマンらに対し、先手を読んで対策するジャック・ライアン。 エピソードを進めるうちに、視聴者にもテロリストの行動パターンがみえてくることでしょう。
シーズン2の制作は決定済み!
『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン 』シーズン1全8エピソードはAmazon Prime Videoだけで配信中。かなり見応えのある作品ですが、毎回絶妙なタイミングで終わるので、一気に見終えてしまえるはず。 実はシーズン1配信前の時点でシーズン2の製作が決定済み。全米では2019年春に配信される予定だと明かされました。 Amazon プライム 会員ならすぐに見られる良質ドラマ、ぜひ視聴してみてはいかがでしょうか?