2019年4月11日更新

「Apple TV+(プラス)」はNetflixに勝てるのか。アップルの新サービスを徹底解剖

2019年3月25日にアップル社で発表された新動画配信サービス「Apple TV+(プラス)」。どんなサービスで、どうしたら観ることができるのかなど、気になるその内容について最新情報をまとめていきます。

アップルが提供する「Apple TV+(プラス)」とは?

これまでアップル社は、テレビに接続して動画配信サービスやネット動画を観ることができるメディアストリーミング端末「Apple TV」を展開してきました。2019年4月現在では、Apple TV HD(第4世代)とApple TV 4Kが入手可能です。 そして2019年3月25日、新サービス「Apple TV+(プラス)」を発表。Apple TVで有料チャンネルを購読できる「Apple TVチャンネル」内で提供される新しい動画配信サービスで、Apple TVチャンネルもこのイベントで紹介された新映像アプリです。 Apple TV+で配信されるコンテンツはすべてオリジナルで、しかもそれらの映像作品を手がけるクリエイターたちの顔ぶれが超豪華!ここではApple TV+のサービス概要と、他の動画配信サービスと比較して今後の展開を予想していきます。

Apple TV+(プラス)のサービス概要

イベントでは「素晴らしい物語は世界を変えることができる」という言葉を、背景に登場したCEOのティム・クック。アップル社が提供する独自の映像サービス「Apple TV+(プラス)」の内容をプレゼンテーションしました。 紹介ムービーではスティーブン・スピルバーグをはじめ、著名な監督や俳優たちが登場し、それぞれが映像の魅力と「語るべき物語」について語っています。これら素晴らしいクリエイターたちが、Apple TV+にオリジナルの作品を提供していくわけです。 そして、Apple TV+は「広告なしのサブスクリプションサービス」であり、「アップル独自のオリジナルコンテンツを配信」し、「100以上の国と地域でサービス展開」する予定であることを発表。サービス開始は2019年秋の予定であることを明かしています。

Apple TV+を提供する「Apple TVチャンネル」とは?

メディアストリーミング端末のApple TVのサービス内容を、さらに充実しようと進化させたのが「Apple TVチャンネル」。Apple TV+はこの中で有料コンテンツの一つとして、2019年秋から提供されます。 これまで別々のアプリやサービスで、有料チャンネルや配信サービスを利用していたユーザーに向けて、Apple TVチャンネルはそれらをApple TVのアプリ1つで一元管理できる利点を示しています。しかも「Siri」を利用して、複数のサービスから観たいコンテンツを探すことも可能。おすすめ機能もあるとのこと! コンセプトは「自分の欲しいものにだけ支払い」でき、「一つのアプリにオールインワン」で「オンデマンドで広告フリー」。その上、最高の映像とサウンドでファミリーシェアリングにも対応というもの。 Apple TVが10の国と地域で展開されていたところ、Apple TVチャンネルでは100以上にサービスを拡大。Samsung、LG、SONY、VIZIOのスマートTVやRoku、AmazonのFire TVでも利用できるようになります。Apple TVチャンネルのサービス開始は2019年5月の予定です。

新サービスに参加する大物クリエイターの顔ぶれがやばい!

先述のイベントでの紹介ムービーには、スティーブン・スピルバーグ、J・J・エイブラムス、ソフィア・コッポラ、M・ナイト・シャマラン、デイミアン・チャゼル、ロン・ハワードなど著名な監督たちが登場。スピルバーグは会場にも登壇するという力の入れよう! さらに、ムービーの中には『アクアマン』のジェイソン・モモア、『ドリーム』のオクタヴィア・スペンサー、『バンブルビー』のヘイリー・スタインフェルドの姿も。さらにリース・ウィザースプーンとジェニファー・アニストン、スティーブ・カレルやシンガーソングライターのサラ・バレリスが登壇し、バレリスはステージで歌も披露しています。 一部製作中の映像も流れ、イベントの最後には大トリとして、アメリカでは知らない者がいないというほど著名な人気司会者オプラ・ウィンフリーも登壇。自身が出演する2本のドキュメンタリー番組について紹介し、この豪華な顔ぶれのイベントは幕を閉じました。

『世にも不思議なアメージング・ストーリー』のリブートが配信決定

スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めたオムニバスのシリーズである『世にも不思議なアメージング・ストーリー』のリブート版が、どうやらApple TV+スタート時の目玉となるようです。 『世にも不思議なアメージング・ストーリー』は、1985年から1987年の間にNBCで放送されたテレビシリーズ。1話完結のオムニバス作品で、2シーズンで合計45話が放送されました。シリーズ中多くのエピソードで、スピルバーグが原案を手がけています。 この作品がどのように新たにリブートされ、どんな内容で1シリーズ何話ほど配信されていくのか、大いに気になるところですね。

現在明らかになっているその他の注目コンテンツ

ニュース番組を舞台にしたコメディ『The Morning Show (原題)』

リース・ウィザースプーン、ジェニファー・アニストン、スティーブ・カレルの3人が出演する『The Morning Show』は、ニュース番組を舞台にしたシチュエーション・コメディ。カレルは朝のニュース番組のアンカーマン役を務めるようです。

ディストピアSFドラマ『See (原題)』

『See』はジェイソン・モモアとアルフレ・ウッダードが主演を務めるディストピアSFドラマで、ウイルスによって人口が激減した近未来世界が舞台。『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』のフランシス・ローレンスが監督を務めます。

アンソロジーシリーズ『Little America(原題)』

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コメディアンで俳優のクメイル・ナンジアニがプロデュースするアンソロジーシリーズ『Little America』は、アメリカンドリームを夢見る移民たちの生き様を描きます。ナンジアニは自身もパキスタン移民であり、どんな物語になるのか注目です。

子供向けコンテンツ『Helpsters(原題)』

『セサミストリート』のビッグバードをメインキャラクターにした子ども向けコンテンツで、セサミストリートの仲間たちが子どもたちにプログラミングを教えるといった内容。イベントではビッグバードが新しい仲間「コーディ」とともに登場しました。

ミュージカルコメディ『Little Voice(原題)』

J・J・エイブラムスがプロデュースする『Little Voice』は、ニューヨークを舞台にした若いアーティストたちのミュージカル・コメディ。サラ・バレリスの出演が決まっています。

オプラ・ウィンフリーとは何者なのか?

日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは超有名人のオプラ・ウィンフリー。25年もの長期間、アメリカで放送されたトーク番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』の司会者で、「世界で最も有力な女性」と呼ばれるほどの影響力を持っています。 2006年には大統領候補のバラク・オバマを支持し、当選にも大いに影響を与えたといいます。その知名度と影響力から、大統領候補にも名が上がるほど! そんなオプラがApple TV+で、2本のドキュメンタリー番組に加え『Oprah’s Book Club(原題)』という読書のトークショーコーナーも受け持つとくれば、その注目度は上がるばかり。Apple TV+を機会に、オプラの存在を知る日本人も増えることは間違いありません。

Apple TV+(プラス)の気になる料金について

Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Hulu、U-NEXT、そして2019年からサービスをスタートするディズニープラス、ディズニーデラックスといった業界大手と競合することになるApple TV+。当然、その料金設定が気になってきますね。 業界1位のNetflixは月額料金が864円(スタンダードプラン)。そして豊富なコンテンツ見放題のAmazonプライム・ビデオは月額400円で加入できます。ドラマの見逃し配信も多いHuluは月額1,007円と、1000円前後が業界の主流なようです。 そんな中、Apple TV+は料金などサービスの詳細情報を、2019年秋に発表する予定。 オリジナルコンテンツも広く展開するNetflixや、低価格で質の高い配信事業を行っているAmazonプライム・ビデオと競い合うとすれば、少なくとも1000円以下の設定を考えたいところ。ディズニープラスの料金がいくらになるのかということも、大きな注目点かもしれません。

Apple TV+はNetflixやディズニープラスに勝てるのか?

Apple TV+の発表イベントでは、とにかく参加する豪華な顔ぶればかりが目立ち、製作中の映像が一部流れただけ。それぞれの番組の内容も、まだそれほど詳しくはわかっていません。 ディズニープラスの自社コンテンツのバラエティ豊富さと吸引力は圧倒的なものがありますが、もちろん王者Netflixも易々とその玉座を明け渡すようなことはないでしょう。Apple TV+のコンテンツは、ほぼ完全オリジナルなだけに未知数なところが多々あります。 特に日本人にとっては、主にアメリカで著名なオプラ・ウィンフリーがビッグ・コンテンツとなっている分、明らかに魅力を欠く部分もあるような気もします。料金などが発表される2019年の秋までに、コンテンツの詳細情報がどれほど明らかになるか、そこに期待していきたいですね。

Apple TV+(プラス)は動画配信サービスの新たな起爆剤になるか

ディズニープラスが発表された時と同じく、ストリーミングサービス業界に再び大きな衝撃が走ったApple TV+(プラス)の登場。ユーザーとしては、今後も様々なサービスが展開され、サービス自体も向上していくことで、より豊富な選択肢が増えるという願ってもない事態です。 オプラ・ウィンフリーがイベントで語った「アップルの世界は10億人以上もの人々のポケットに入っている」という発言から考えても、アップル社はすでにそれだけの個別スクリーンを所有しているともいえます。これは大きな強み! 世界中のアップルユーザーが包括的にApple TVチャンネルを使いこなしていけば、確かにストリーミングサービス業界にはまた新たな風が吹くかもしれません。今後の情報解禁を楽しみに待ちたいものです。