2024年6月24日更新

『キングダム』呂不韋(りょふい)は死亡した?史実と交えながら秦の狡猾な相国を解説

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『キングダム』は2006年から週刊ヤングジャンプにて連載されている歴史アクション漫画。下僕だった少年・信(しん)と若き秦(しん)の王である政(せい)が共に中華の統一を目指します。 物語の中で、政の越えるべき大きな壁として立ちはだかるのが呂不韋(りょふい)です。同じ秦の国の人間ですがかなりの権力を有しており、政と対立し政権闘争を繰り広げます。 そんな呂不韋のプロフィールや漫画での活躍、史実についても紹介します。さらに実写映画の続編が製作された場合には、誰が演じるかも予想。 ※本記事は漫画『キングダム』のネタバレを含みます。 ※※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『キングダム』呂不韋(りょふい)のプロフィール

所属国 秦国
役職 相国(しょうこく)
初登場 漫画10巻97話 , アニメ1期16話
実写キャスト 佐藤浩市
声優 玄田哲章

『キングダム』では10巻から登場し、最高権力を有する右丞相(うじょうしょう)という地位に就いています。の父が亡くなり政が若くして王となったことで、呂不韋が実質的に政治を執り行うことに。後に呂不韋は丞相より上の相国(しょうこく)と呼ばれる地位に就きます。 史実によると、元々一介の商人だった呂不韋はその貪欲さから富だけでなく秦国を動かすほどの権力を求めます。政の父が後に王に上り詰めることを見抜いた商人の呂不韋は、政の父に近づき取り入りました。それにより政の父が秦王になった際に側近としての地位を手に入れたのです。 呂不韋は、昌平君(しょうへいくん)、蒙武(もうぶ)、蔡沢(さいたく)、李斯(りし)の各分野に優れた4人を呂氏四柱として配下に置いています。 史実と漫画における呂不韋に大きな違いはありません。ただ『キングダム』での呂不韋は、史実よりも野心家で貪欲な人物として描かれています。権力を笠に着て政の暗殺を謀るなど危険な一面も。

『キングダム』呂不韋の作中での活躍

秦国内で圧倒的な権力を持つ呂不韋は、まだ若かった政にとって政治闘争における最大の敵です。それに対して呂不韋は、なんとしても政を排除して自分の地位を揺るぎないものへしようと動きます。 呂不韋は前述の通り、若い政に代わり政治を行っていましたが、成長した政が「加冠の儀」と呼ばれる成人の儀式を迎えます。この儀式を終えると政が正式に実権を握ることとなるため、呂不韋は秦を乗っ取るべく暗躍。

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呂不韋の策略とは?

彼は以前から政の母・太后と関係を持っており、その関係を断つために嫪毐(ろうあい)という人物を送り込んでいました。そして太后が嫪毐と共に、毐国(あいこく)の建国を宣言。毐国は加冠の儀の日に反乱を企てます。 この反乱軍には呂不韋の息がかかった人物が多く紛れ込んでおり、反乱に乗じて秦の王族を皆殺しにする算段でした。さらにそれを呂不韋の蒙武軍が鎮圧することで、民に呂不韋が王だと示すのです。 しかし政はその動きを察知しており、鎮圧するための軍を隠すことで呂不韋や李斯を欺きました。さらに昌平君は反乱が起きることを信が率いる飛信隊に伝えていました。昌平君はここで呂不韋と袂を分かちます。

ついに敗北を認める呂不韋

呂不韋、太后、政の3人の内の誰が秦を統治することになるかは、戦の結果次第。そんな緊迫した状況で「天下」について語るため、呂不韋と政の対談が始まります。 呂不韋は天下とは「金」、貨幣制度にあると述べます。金があるから幸福の尺度が生まれ、人が裕福を求める限り戦争が起きると。秦を最も裕福な国にし、他の国に手を差し伸べることで中華を統一すると語りました。 人の持つ本質は光だと語る政。人は誰しも光を持っているが戦争によって光を見失っている、そのため政は中華を分け隔てなく統一することで戦争をなくすのが正しい政治だと言います。 人が人を殺さなくてもすむ世界を目指す政の成長した姿に思わず呂不韋は涙ぐみ、前提が違いすぎたため話し合いは中止されることに。政や呂不韋が決着を待つ中、飛信隊や昌平君の活躍で反乱軍は鎮圧されました。 企みが明らかになり、政の器の大きさを見た呂不韋は長年にわたる政治闘争の敗北を認めます。その後は隠居を命じられ相国の任も解かれました。

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『キングダム』の呂不韋は死亡した?

結論から言うと、呂不韋は単行本60巻収録の648話で、自害したと語られています。彼は冠位を失ったあと、河南に移り住んでいたのですが、そこの勢力がどんどんと大きくなり危険視されるようになってしまいました。 政は河南へ向かい呂不韋と対話。どうやら彼自身に戦う意志はないようで、反乱を抑える方向で動いてくれると申し出てくれました。それから1ヵ月ほど経った頃、政のもとに驚きの報せが届きます。なんと、呂不韋が部下たちを止めるために、服毒し自害してしまったと言うのです。 これにより呂不韋は死亡……かと思いきや、彼には生存説も囁かれています。実は作中には呂不韋と思われる人物が、馬車に乗り河南を出ていくシーンが描かれていました。もしかしたら彼は自身の死を偽装し、現在は平穏な暮らしを謳歌しているのかもしれません。

史実での呂不韋の最期とは?

隠居した呂不韋の元には、名声によって多くの客人が訪れました。それを知り反乱を疑った政は、呂不韋に釘を刺す旨の手紙を送り流罪に処します。呂不韋はこの処置に絶望したのか、服毒自殺によって生涯を終えました。 絶大な権力を持ち秦の実質的な統治者にまで上り詰めた呂不韋ですが、最後はあっけなく自殺となんとも無残ですね。 政は史実では呂不韋の子供たちを殺しているのですが、『キングダム』では生かしています。

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呂不韋の実写キャストは佐藤浩市

キングダム 呂不韋 佐藤浩市
(C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会

実写版「キングダム」シリーズで呂不韋を演じるのは、ベテラン俳優の佐藤浩市です。1980年から活動を開始し、数多くの映画・ドラマでメインキャストを担当。日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞と最優秀助演男優賞を2回ずつ獲得している、日本を代表する超実力派俳優です。 近年は『ザ・ファブル』や『空母いぶき』など、漫画原作の実写化作品にも多数出演。その経験値と演技力により、呂不韋も迫力満点に演じ切っています。

声優・玄田哲章がアニメ版『キングダム』で呂不韋を不敵に演じた

玄田哲章

アニメ版『キングダム』で呂不韋を演じたのは1948年5月20日生まれの玄田哲章。アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えや「トランスフォーマー」シリーズのコンボイ(オプティマスプライム)役で知られる玄田。 低く深みのある声が特徴の玄田が演じる呂不韋は、声からも貫禄を感じさせる、落ち着いていながらも迫力あるものでした。

呂不韋は圧倒的な権力で立ちはだかる『キングダム』最大の政敵

本作の政治面でのボスとして、長らく政と対立してきた呂不韋。 原作では死亡扱いとなっているものの、アニメ版ではまだまだ見せ場が多いはず。また生存説も囁かれている人物なので、漫画での再登場もあるかもしれません。これを機に本作を改めてチェックし、呂不韋の今後の活躍に備えてみてはいかがでしょうか!