2022年6月14日更新

『キングダム』政と漂のモデルは秦の始皇帝!基本情報から母や弟との関係まで徹底解説

キングダム
(C)原泰久・集英社/NHK・NEP・ぴえろ

『キングダム』は週刊ヤングジャンプ誌上で連載されている、古代中国を舞台とした歴史戦国漫画です。下僕だった少年・信(しん)が天下の大将軍を目指す物語で、アニメ化や実写映画化を果たすなど大人気を博しています。 もう1人の主役とも言えるのが、「中華統一」の夢を持つ秦(しん)の王である政(せい)。この記事ではそんな政がどんな生い立ちを持ち、どんな活躍をするのか、史実を交えながら解説します。また信の幼馴染で政と瓜2つの漂(ひょう)が何者かについても紹介していきます。

本記事では『キングダム』のネタバレを含む可能性があります。注意して読み進めてください。

政と漂のプロフィール

政のプロフィール

所属秦国
地位皇帝
身長169cm
誕生日2月18日
声優福山潤
実写版俳優吉沢亮

31代目秦国皇帝の嬴政(えいせい)は、物語序盤ではまだ少年ですが、王だった父が亡くなったため秦王となることに。 政が王になることを快く思わない弟・成蟜(せいきょう)の反乱を受けたために王都から逃げ、その先で出会うのが信です。信の''天下の大将軍になる''という大それた夢と同様に、政もまた中華の統一という果てしない野望を語り、信から認められる存在へ。王都を奪還するために共に戦い、以降も互いの夢のために乱世を生き抜きます。

政の性格は?

年齢の割に大人びた、落ち着いた性格です。常にポーカーフェイスを崩しませんが民を思う気持ちは強く、平和な世を作るため中華統一を目指します。昌文君(しょうぶんくん)をはじめとした家臣たちからは強く信頼を寄せられており、政にとっても家臣たちは頼れる存在です。 特筆すべきは、政のカリスマ性。敵味方問わず王の資質を感じさせるほどです。ただ、まだ若い政に代わって政治を執り行っていた呂不韋(りょふい)とは長く対立していました。後に政治闘争に負けた呂不韋は政の成長を認め、現在は隠居しています。また、ビジュアルでは整った顔と力強い目が特徴です。

漂のプロフィール

地位里典の下僕→政の影武者
身長不明
誕生日不明

戦争孤児だったため、信と共に下僕として育った漂。実力は信と拮抗しており、2人で天下の大将軍となることを約束していました。 政の部下である昌文君(しょうぶんくん)が政と瓜二つの漂を見つけ、影武者とするため漂を王宮へ連れて行きます。漂は初めそのことを知らされておらず、仕官に向かった先で政から影武者の事実を知らされることに。命の保証ができないと言われますが、天下の大将軍に繋がる大任だと引き受けます。 重大任務として、漂は政が逃げるための脱出作戦を決行。交戦した際には政のフリをした漂が指揮を執り、その姿は''将''であったと語られました。下僕の身分だったものの政も優秀さを認めており、才気あふれる人物だったことが伺えます。 しかし作戦は失敗し、漂は瀕死の状態で信の元に。信に夢を託し息を引き取ります。漂にはモデルとなった人物は存在せず、『キングダム』オリジナルのキャラクターです。

政のモデルは秦の始皇帝!史実との人物像の違いは?

政のモデル「秦の始皇帝」ってどんな人物?

政は史実の秦の始皇帝をモデルとしており、いずれ政が始皇帝になるのだと思われます。史実ではどんな人物だったのでしょうか。 一言で言ってしまうと史実の始皇帝は暴君とされています。多くの犠牲を出した暴虐の王と語られており、漫画の政とは随分違った印象。また人を信用しない疑り深い性格とも言われており、家臣たちも極力近くに置かず、気に入らない者はすぐに左遷されてしまったそうです。 そんな性格ですから、漫画のように自ら戦場に赴いたという事実は残っていません

幼少期

政は王族としての身分が低かったために、幼少期を敵国の趙で人質として母と過ごしていました。漫画では母からも愛されず虐待される日々で、呂不韋の手引きによって秦へ逃げ帰ることに。その際に女商人の紫夏(しか)から人を信じる気持ちなどを教えられ、紫夏との別れを経て命からがら秦へたどり着きます。 史実では、趙で幼少期を過ごした記録は残っていますが、すでに秦は巨大な国家だったため丁重に送り届けられたそうです。

暴君だけど賢い秦の始皇帝

漫画での呂不韋と政の関係性は史実に近いものですが、史実では呂不韋を自殺に追い込みさらに子供たちまで殺しています。 正式に王となった政は次々と隣国を滅ぼしていきます。中でも趙を滅ぼした際には自分と敵対していた人物たちを生き埋めにする暴挙に出ており、中華統一後には自分に反感を抱く学者を400人以上虐殺しました。この他にも多くの人々が犠牲となっており、漫画で描かれる民を大切に思う政とは大きな違いが。 そんな暴君の政ですが、中華を統一した後に政治制度や漢字書体を整え、陵墓や万里の長城を建設するなど、歴史的な偉業も多く果たしており名君としての一面も。このような賢い王としてのイメージは漫画の政にも見受けられます。

政の歩んできた壮絶な人生

母・太后(たいこう)との確執

後宮を統べる太后は、政の実の母です。それにも関わらず、彼女は政に対して愛情を持ち合わせていません。その理由は政の出生にあります。 もともと太后は美姫(びき)という名前で、舞妓をやっていました。そんな彼女に目をつけ、贈り物を送り、口説いていたのが呂不韋です。しかしついに美姫の許婚になった彼は、美姫を荘襄王に献上してしまったのでした。 呂不韋の出世に利用された彼女は、秦の王族・政を産んだことで出身国である趙で迫害されてしまいます。まともな働き口も見つからず、男相手に小遣い稼ぎをする日々。そんな美姫のストレスのはけ口となったのが、息子である政だったのです。 太后にとって政は嫌悪する思い出の具現化であり、政への虐待が続いたのでした。

政の恩人・紫夏(しか)の存在

趙で迫害され母からは虐待されていた政は、五感を失い心も壊れてしまいます。そんな中、父親である秦王が死亡し、彼は次期王になると決定しました。しかし政の出国が趙にバレれば、確実に暗殺されてしまいます。そこで秦は関所の通過が容易である、商人の紫夏に目を付けたのです。 周囲の人物は危険すぎる仕事に反対しましたが、紫夏は政の生い立ちを知り仕事を引き受けました。ギリギリで関所を通過したものの、政の出国が見つかり趙に追われることに。そして紫夏は自分の命を犠牲に、彼を送り届けたのでした政は紫夏の言葉や行動によって心を取り戻しており、彼女は政にとって恩人なのです。

弟・成蟜(せいきょう)との関係

王の座を狙う成蟜

政の異母兄弟である成蟜は、この世に生まれ落ちた瞬間から次期王候補として持ち上げられて育ちました。そのため平民を蔑み自分以外の人間の命を軽く考える、傲慢で歪んだ性格になっていきます。 そんな彼が突如王となった、平民を母に持つ兄を受け入れるはずがなく、王都を牛耳る反乱を開始しました。政と信が出会ったのはこの反乱の最中であり、漂が亡くなった理由も成蟜の反乱です。 そしてギリギリの戦いではあったものの、信や山の民の力を得て政は成蟜に勝利しました。

後宮勢力に立ち向かうために

政に敗北した後の成蟜は、軟禁状態にありました。しかし秦がピンチになった際に、政への協力を条件に解放されます。解放後は持ち前の人脈を駆使し、政の勢力争い勝利に大きく貢献しました。 そして妻の実家である屯留(とんりゅう)が趙に攻められた際は、自ら兵を率いて進軍します。そこで趙と繋がっていた自国の将軍から反乱を持ちかけられても、成蟜は揺らぎませんでした。呂不韋の陰謀で反乱の主犯に仕立てあげられてしまうも、政は成蟜の人間的な成長を信じています。 そして成蟜は自力で牢屋から脱出し、政を助けるため、妻を守るために戦いました。最期は信に政を頼み、息を引き取ったのでした。政は出自で人間を差別していた成蟜の心を、その偉大さで浄化してみせたのです。

秦国の王としての政

信との出会い

成蟜の反乱で王都を追われた政と信が出会ったきっかけは、王の影武者として殺された漂でした。親友である漂の死を見届けた信は、託された場所へと向かいます。そこに1人で隠れていたのが政です。信は漂の想いを受け継ぎ、数少ない政の矛として王都奪還に大きく貢献しました。 その後政は自身が抱く中華統一の野望を語り、信はそれに共感し賛同します。こうして2人は目標に向け、ともに歩を進めると誓ったのです。 政は一国の皇帝であり、信は元下僕であるただの武将です。しかしともに危機を乗り越えた2人の絆は強く、親友のような間柄になりました。

正妻・向がもたらす幸せ

向は煌びやかな宮女の中では、地味な見た目をした少女でした。しかしなぜか政は伽に彼女を何度も呼び、向自身もそれを疑問に思います。そして政は向がいると安心することを伝え、向も本心から政に惹かれていったのです。 その後は太后と呂不韋の関係を知り命懸けで政に報告したりと、陰ながら政の活動を応援するように。そして距離を縮めた2人はついに子供を授かり、向は政の正妻となりました。34巻では政に似た麗(れい)という子供が政と向の間に生まれました。漫画で描かれているのは麗だけですが、もう1人子供がいます。 結婚した後も、2人の仲は良好です。子供が生まれてからは戦地に赴く政を鼓舞したり、太后に母としての生き方を説いたりと、皇帝の妻として立派に成長していました。

秦国の国王・政はここがかっこいい!

政はなんと言っても、飾りの王ではないところが1番の魅力です。王座を奪おうと反乱を起こした成蟜は、部下に戦わせるのみで自分は弱く痛みも知らない人物でした。 しかし政はその過酷な生い立ちから人の痛みを知っており、必要であれば自らも戦地に赴きます。彼の魅力が1番わかるのは、自ら足を運び痺れる演説をおこなった合従軍編でのワンシーンでしょう。 合従軍と呼ばれる隣国が協力して結成した軍隊により、秦が滅亡の危機に瀕した時のこと。王都に通じる蕞(さい)という場所が最後の砦となりました。この時秦軍は主力を別の場所へ送り込んでいたため、蕞に戦える兵士はほとんど残っていません。 そこで蕞に住む一般の民たちを民兵として登用することに。しかし民は圧倒的な戦力差に絶望し今にも降伏しかねない状態。 政は王であるにも関わらず自ら出陣し、民衆に語り掛けます。政の飛ばした檄により民衆は声を上げ沸き立ちました。この立派な王としての姿に昌文君は感動し涙を流すほどでした。政の檄と作戦により、秦は非常に不利な戦況を覆し見事合従軍に勝利するのです。

吹き出し アイコン

蕞での演説シーンは、王としての器を民衆や趙に見せつけた超イカすシーンだった!
政は顔がかっこいいだけじゃないんだよな。惚れそう。

政は今後どうなる?

上記の通り、史実では秦の始皇帝となると政。史実に従えば謀略により敵将の李牧(りぼく)を陥れることで趙を破るとされています。その後他国も滅ぼすことで、中華の統一を果たします。 しかしそこで『キングダム』が完結するのかどうかはまだわかりません。政は50歳ごろに病死するとされています。また秦も中華統一後にわずか15年で滅んでしまいます。統一後はどの程度描かれるのでしょうか。 作者の原泰久はテレビ番組のインタビューで、武力統一の肯定をしてはいけないという思いで最終回を描きたいと語りました。武力によって天下の大将軍となった信と始皇帝となった政が、一体どんな顔をするのかについて考えているとのことです。

政と漂を演じたのは声優・福山潤と俳優・吉沢亮

声優・福山潤がアニメ『キングダム』で政と漂を演じた

殺せんせー役の福山潤
(C)松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会

アニメで政と漂を演じたのが、『暗殺教室』の殺せんせー役などで知られる声優の福山潤。幅広い役柄を演じこなしますが、政の高貴でありさらに冷静で優れた指揮官という役どころは「コードギアス」シリーズのルルーシュ・ランペルージに通じるものがありました。 幼さの残る漂と落ち着いた政の声をトーンの違いで表現しています。

俳優・吉沢亮が実写映画『キングダム』で政と漂を演じた

キングダム  吉沢亮
(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

実写映画ではブレイク中の吉沢亮が政と漂を好演。吉沢と言えば映画「銀魂」シリーズの沖田総司役では、原作を忠実に再現したビジュアルの完成度の高さが話題を呼びました。さらに剣道二段の腕前からアクションにも定評があります。顔が瓜二つの2人を表情で見事に演じ分けました。

『キングダム』の政は自ら民を導く秦国の王だった!

この記事では政と漂について紹介しました。漂は序盤で命を落としてしまいますが、信や政に大きな影響を与えており物語を語る上では欠かせない存在です。 政は漫画で民のことを考えた優しい王として描かれていますが、史実では暴君として知られていました。今後政はこのまま立派な人物として中華統一を果たすのか、それとも史実のような一面が見えることがあるのでしょうか。完結まで政から目が離せません。