映画「キングダム1」ネタバレあらすじを結末まで解説!実写キャストが原作を超えたシーンはここだ!
続編公開に向けて、完成度の高さに再び注目が集まる実写映画『キングダム』。そんな本作のあらすじをネタバレ解説しつつ、高評価の理由にも迫ってみました。 ※この記事には映画『キングダム』のネタバレが含まれています。未鑑賞の人は注意してください!
映画『キングダム』概要・あらすじ【ネタバレなし】
公開日 | 2019年4月19日 |
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上映時間 | 134分 |
主題歌 | ONE OK ROCK「Wasted Nights」 |
スタッフ | 原作:原泰久 監督:佐藤信介 脚本:黒岩勉 , 佐藤信介 , 原泰久 |
メイン キャスト | 山崎賢人(信) , 吉沢亮(漂/嬴政) , 長澤まさみ(楊端和) , 橋本環奈(河了貂)ほか |
2019年公開の実写映画『キングダム』。山崎賢人が主人公・信を演じ、吉沢亮が漂と嬴政(えいせい)の1人2役を務めました。その他にも橋本環奈、長澤まさみ、大沢たかおらが出演し、質の高い実写映画として評価され興行収入は57.3億円を記録。その年の日本アカデミー優秀作品賞を受賞しました。 2022年7月15日には続編『キングダム2 遥かなる大地へ』が公開されました。
映画『キングダム』簡単なあらすじ【ネタバレなし】
中国・春秋戦国時代。西方の国「秦」の少年・信(しん)と漂(ひょう)は、いつの日か“天下の大将軍”になる夢を抱いていました。 ある時2人の前に秦国王に仕える大臣・昌文君(しょうぶんくん)が現れ、どういう訳か漂を王宮へ召上げることに。その後しばらくして突然、漂が瀕死の状態で帰ってきます。 実は漂は瓜二つの顔を持つ秦国王・嬴政(えいせい)の影武者となっており、嬴政の弟・成蟜(せいきょう)の反乱によって命を落としたのでした。 それを知った信は激しく憤りつつも、嬴政を守った漂の意志を引き継ぎ、王座奪還に協力することを決意。やがて嬴政の本当の目標が「中華を統一し、唯一王となる」ことと知り、信は自分と漂の夢をそこへ重ねていきます。
実写映画のストーリーは原作の何巻にあたる?
本作は原作1巻〜5巻の「王弟反乱編」までの実写化で、続編では5巻~7巻の「蛇甘平原編」が描かれます。
映画『キングダム』結末までのネタバレあらすじ
起:戦乱の時代に“天下の大将軍”を夢見た幼き少年たち
春秋戦国時代の中国、その西方を治める国「秦」。大将軍に憧れる奴隷の少年・信と漂(ひょう)が暮らす村に、文官・昌文君(しょうぶんくん)がやって来ます。漂は王宮へ登用されることになり、信との再会を約束して去っていきました。 しばらくして、瀕死の状態で村へと戻ってきた漂。彼が遺した地図と剣を手に信が村を出たあと、追手によって村人は皆殺しにされました。 地図の村には漂と瓜二つな秦国王・嬴政(えいせい)がいて、刺客の一族・朱凶に襲われます。信は漂の仇である彼を斬り伏せ、河了貂(かりょうてん)の手引きで追手を巻きました。
承:秦国王・嬴政と王弟・成蟜、腹違いの兄弟の間で渦巻く確執
信は漂が自ら身代わりになったのだと知り、彼の遺志を継いで嬴政に協力することにします。 一方の王宮では、かつての大将軍・王騎が王弟・成蟜(せいきょう)に昌文君の“偽の”首を献上し、褒美に領地をもらっていました。 信たちは刺客のムタを撃退しながら、昌文君や部下が待つ合流予定地に到着。嬴政は父の死後13歳で即位したこと、彼の母が平民の踊り子であり、両親とも王族の成蟜から忌み嫌われていることなど、秦の現状について信に語り始めました。 成蟜は自分が王に相応しいと考え、実権を握る右大臣が留守のうちに反乱を起こしたのです。
転:総勢8万人の軍勢と戦うべく、因縁深い山の民のもとへ
合流した昌文君たちを加えたとしても、嬴政軍と反乱軍との戦力差は圧倒的。山の民に協力を求めることにしたものの、嬴政の先祖と彼らの間には因縁が……。 山の民の長老たちは「嬴政の首をはねろ」と騒ぎますが、山の王・陽端和(ようたんわ)は嬴政と信の言葉に心を動かされ、王座奪還への協力を約束しました。嬴政たちは山の民に変装し、陽端和らと共に成蟜の援軍を装って堂々と王宮に侵入します。 抜け道を進む信たちは処刑人ランカイを何とか仕留め、成蟜の玉座へとたどり着きました。
結末ネタバレ:秦を襲った反乱の収束、そして中華統一の未来へ向かって……
成蟜の側に控えていたのは、虐殺の限りを尽くし用心棒に成り下がった元将軍・左慈。信は彼に圧倒されながらも漂を思い出し、激しい斬り合いを制します。寄せ集めの反乱軍は戦意を喪失し、それでも抵抗を続ける成蟜を嬴政が殴り飛ばしました。 同じ頃、正門で囮になる嬴政たちは苦戦を強いられますが、そこへ王騎の軍が出現。王騎の加勢で形勢逆転し、嬴政が反乱軍の命を保証したことで事態は収束します。 信は将軍として嬴政の夢に付き合うと言い、河了貂も金のために協力すると笑うのでした。
映画『キングダム』の感想・評価
原作漫画の魅力をそのままに、カッコよく実写化してくれてよかった!ストーリーを詰め込みすぎず、5巻分を丁寧に映像化した脚本力が成功のカギだった気がする。キャスト達のアクションシーン最高でした。特に大沢たかおの王騎の笑い方。漫画からそのまま飛び出てきたようでした。続編にも期待!
吉沢亮目当てで観に行きましたが、他のキャストもみんな演技がめちゃくちゃ良かったです。私は原作未読だったので、楊端和が仮面を取ったときはいい意味で裏切られました。ラストは信と左慈のバトルシーン、アツすぎました。原作を知らなくても十分楽しめました。
映画『キングダム』実写キャスト一覧
信(しん) | 山崎賢人 |
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漂(ひょう)/嬴政(えいせい) | 吉沢亮 |
楊端和(ようたんわ) | 長澤まさみ |
河了貂(かりょうてん) | 橋本環奈 |
成蟜(せいきょう) | 本郷奏多 |
王騎(おうき) | 大沢たかお |
騰(とう) | 要潤 |
壁(へき) | 満島真之介 |
昌文君(しょうぶんくん) | 高嶋政宏 |
バジオウ | 阿部進之介 |
左慈(さじ) | 坂口拓 |
里典(りてん) | 六平直政 |
朱凶(しゅきょう) | 深水元基 |
信(しん)役/山崎賢人
信は本作の主人公で、大将軍になるという夢を持って、兄弟のように育った漂(ひょう)とたくましく生きている戦争孤児の少年です。漂を失うことになった事件をきっかけに、のちの始皇帝となる政に出会い、やがて飛信隊を率いる将軍にのぼりつめます。 演じるのは山崎賢人。端正な顔立ちを生かした役のイメージが強い彼ですが、泥臭い役も似合うことを今回見せてくれています。暑苦しさを感じるほどの眼力は、生意気で怖いもの知らずな信にぴったり。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
原作の信の荒々しさと快活さを、その表情や仕草でわかりやすく表現していた山﨑賢人版の信。朱凶、ムタ、ランカイ、左慈と目の前に立ちはだかる敵と対峙する度に成長していく様子はもちろん、荒削りながらも驚異の身体能力を見せていく信を見事なアクションで演じ切っていました。
嬴政=漂(えいせい=ひょう)役/吉沢亮
嬴政(えいせい)はもう1人の軸となる人物。中国の統一という大志を抱く幼き頃の始皇帝です。漂(ひょう)は、もともと信と共に生きていた戦争孤児ですが、顔が政にそっくりなことを買われ王宮で影武者として暮らしていました。しかし、クーデターに巻き込まれ命を落とし、信が政と出会うきっかけをつくります。 この2役を演じるのは吉沢亮です。原作での政の美しくしなやかな強さを感じさせる表情が、鼻筋の通った綺麗な顔にハマっています。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
吉沢亮が嬴政と漂の二役をどのように演じ分けるのかが大きなポイントになっていましたが、表情を見ただけでどちらなのかすぐにわかるほどに完璧!奴隷ながらも凛とした漂、国王として凛とした嬴政、この2人の微妙な違いを表情だけで演じ分けていたのは素晴らしいの一言です。
楊端和(ようたんわ)役/長澤まさみ
楊端和(ようたんわ)は山の民を統べる王です。男性顔負けの圧倒的な力と頭脳を持ち合わせているカリスマで、他の山民族からは"山界の死王"として恐れられています。 民族を先頭で率いて戦う武闘派女王を演じるのは長澤まさみです。本作が初の本格アクションになったといいます。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
美しくもどんな男よりも強い楊端和を演じた長澤まさみ。その外見は凛々しく、“山界の王”にぴったり。仮面も忠実に再現され、話し方も落ち着いた声で低めにしており、戦闘時でもあまり表情を変えずに堂々と敵をなぎ倒していました。二刀使いのアクションも流れるように美しい!
河了貂(かりょうてん)役/橋本環奈
河了貂(かりょうてん)は王都を目指す信と政が道中で出会う少年のような女の子です。天涯孤独の少女で、2人の前に現れたときはトレードマークである鳥を模した蓑を着ています。正体はとある種族の末裔で、頼る人がいないなか日々を懸命に生きている人物です。 この役を演じるのは橋本環奈。原作での貂は、次第に聡明な美人軍師へと成長していきます。映画の続編が制作され美人な貂が出てくるとするなら、この配役も納得です。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
原作ではコロコロしたマスコット的キャラとして登場する河了貂。映画版では原作よりも色とりどりな羽根で作られた“鳥の蓑”を着て、やはりコロコロ動き回っていました!ムタの吹き矢を使いこなして参戦しています。ただ映画版では、まだ女であることは明かされませんでした。
成蟜(せいきょう)役/本郷奏多
成蟜(せいきょう)は政の弟で、クーデターを起こす人物。平民の母を持つ政に次期王位の座を奪われ、並々ならぬ復讐心を燃やしています。政にとっても倒すべき相手ですが、信にとっても彼のせいで大切な漂が死ぬことになってしまったので憎むべき相手といえます。 演じるのは本郷奏多。鋭い目つきとダークでニヒルな雰囲気が、反乱を企てる権力主義な成蟜そのもの。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
一番原作に外見が近いという前評判通り、本郷奏多演じる成蟜はどのシーンでも見事にあの嫌味な王弟そのもの。尊大なのに臆病なところも、小物感が漂っています。特に最終的に嬴政と相対して拳で殴られるシーンは、かなり原作に忠実な出来栄えです。
王騎(おうき)役/大沢たかお
王騎(おうき)はかつて全土に名を轟かせた将軍の1人で、"秦の怪鳥"の異名を持つ伝説的な英雄です。一線は退いているものの、その圧倒的な強さと存在感、人間性に信が憧れている人物でもあります。 分厚い唇とキャラの濃い喋り方が特徴的な王騎を演じるのは大沢たかおです。王騎のようにこってりというよりはさっぱりした顔立ちなだけに、原作の王騎とは少し印象が違います。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
原作ファンにとっては、大沢たかお演じる王騎ほど再現率が気になるキャラもいなかったでしょう。確かに外見は体も大きくしたという事前準備が活きて、堂々とした風貌。しかしあの独特な話し方は?とドキドキしていたら、なんと少し声が高め!「ンフフ」という笑い方も割と想像通りでした。
騰(とう)役/要潤
騰(とう)は王騎の副官で、非常に優秀な人物です。王騎が目立つため、騰の活躍は目につきにくいところがありますが、あの王騎の側に仕えている時点で相当な切れ者であることがうかがえます。くりっとした瞳と笑みを絶やさない口元、カールしたヒゲが特徴的なキャラクターです。 つかみどころがない騰を演じるのは要潤。裏の裏を考えて行動をしていそうな意味深な表情が多い騰。腹の内をみせないミステリアスな雰囲気はまさに要にぴったりです。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
要潤が演じた王騎の副官・騰は、外見的にはカールしたヒゲに工夫が感じられます。登場シーンがあまり多くはありませんが、表情も変えずに黙々と王騎の側に仕える様子は実に騰らしく、もう少し見せ場があっても良かったかもしれません。
壁(へき)役/満島真之介
壁(へき)は政の筆頭家臣である昌文君の副官で、非常に真面目で根は優しい人物。気さくな兄貴分として、なにかと信のことを気にかけています。優秀な人物ですが、他のキャラクターのように強烈な個性はありません。地道な努力でひとつずつ功績をあげているキャラクターです。 この壁を演じるのは満島真之介。顔の雰囲気は壁よりも優しい印象ですが、人の良さそうな部分が似ていますね。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
嬴政への忠誠心厚い昌文君の副官・壁を、原作に近い外見で演じた満島真之介。原作ではより深く信との交流が描かれていますが、映画版では時間の都合上か端折られてはいます。それでも左慈との戦いで信に加勢して深手を負う重要なシーンは、しっかりと描かれていました。
昌文君(しょうぶんくん)役/高嶋政宏
昌文君(しょうぶんくん)は秦の文官のひとりで、政の筆頭家臣です。非常に優秀な人物で、政をはじめ周りからの信頼と評価を得ているだけでなく、将軍としても王騎にその腕を認められるほどの実力者。作品の冒頭から文官としての活躍が目立ちますが、実は文武兼ね備えたキャラクターなのです。 政陣営にとって重要な人物である昌文君を演じるのは高嶋政宏。精悍な顔つきは昌文君に通じるところがありますね。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
眼光鋭い嬴政の忠臣・昌文君は、やはり目力の強い高嶋政宏が演じて正解でしょうか。風貌も演技も申し分なく、特に王の避暑地で合流し、嬴政と再会できたシーンの昌文君の「王が生きていて震えるほど嬉しい」感じは、原作同様によく伝わってきます。
バジオウ役/阿部進之介
【#キングダムな漢たち】
— 映画『キングダム2 遥かなる大地へ』公式アカウント (@kingdomthemovie) March 8, 2019
バジオウ
/#阿部進之介
楊端和(ようたんわ)に付き従う、山民族のナンバー2。
武器として双刀を扱う。#キングダム#4月19日公開 pic.twitter.com/SkrKD7lnzl
バジオウは楊端和率いる山の民のNO.2という実力者です。二刀流で敵を圧倒する強さの持ち主ですが、もともとはバジ族という戦で全滅した一族の生き残り。かつて楊端和に敗れたことをきっかけにその一族に入りますが、それまでは人の内臓を食べ、言葉も話すことができない野生児でした。 野性味あふれるバジオウを演じるのは阿部進之介。バジオウは基本的にお面をつけたキャラクターですが、お面の下の顔は切れ長な目が印象的です。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
阿部進之介演じるバジオウは、最後までお面を取ることはなく、その素顔はわかりません。ただ左慈との戦いで面の下が割れて少し口が見える場面も。また、嬴政たちが山の民と初めて遭遇するシーンではバジオウは山の民の言葉しか話さず、河了貂が通訳するという映画オリジナル設定もありました。
左慈(さじ)役/坂口拓
左慈(さじ)は成蟜側に付いている凄腕の剣豪で、原作では「人斬り長」と呼ばれる竭氏傘下の将軍です。実写版では狂気をはらんだ元将軍となり、信の最後の敵として本殿に現れます。序盤にも登場しており、政を追跡する指揮を執って信たちの村を焼き払う非道ぶりを見せていました。 左慈を演じたのは、アクション俳優の坂口拓。本作のアクション監督・下村勇二と組んだ主演デビュー作『VERSUS ヴァーサス』からアクション一本でこの世界を渡ってきた坂口拓の“ラスボス感”は、信どころか観客までも圧倒する存在感を放っていました。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
原作では、服に血が付くくらいで人を斬る気性の荒い性格として描かれていた左慈。実写版で元将軍に改変され、天下の大将軍を目指すと言う信に「夢を見てんじゃねぇよ」と一喝し、力の差を見せつける戦いのシーンは実写版ならではの最大の見せ場に。原作と違う設定が功を奏した一番の改良点だったのでは?
里典(りてん)役/六平直政
里典(りてん)とは村の長を務める人物の役職名で、彼は戦災孤児となった信と漂を引き取って、下僕として働かせていました。本名は原作・実写版ともに明らかになっていません。 演じた六平直政は劇団出身の俳優で、その強面を活かしたヤクザや刑事といった役柄も多い個性派俳優。信と漂に厳しい一方、昌文君など上の者に媚びる様子も上手く演じ分けています。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
基本的には原作に忠実に描かれていた里典。髪型や少し垂れた頰など外見もそっくりで、信と漂に対する態度もかなり原作を意識して演じられていたようです。
朱凶(しゅきょう)役/深水元基
朱凶(しゅきょう)とは暗殺一族の名で、実写版に登場した朱凶は徐完(じょかん)という暗殺者です。嬴政の影武者だった漂に致命傷を負わせた張本人で、漂の跡を追って信を追い詰めますが、返り討ちにされました。 特殊メイクを施して朱凶を演じたのは、俳優の深水元基。モデル出身の俳優で、信が最初に出会う強敵として、長身を生かした見事な立ち回りを演じてみせました。
【ネタバレ注意】実写キャストの評価
そのイケメンな素顔を特殊メイクで完全に隠し、「原作そのまま」と言われるほどの完璧さで朱凶を演じた深水元基。本作の実写化クオリティーの高さを証明するキャラの1人となりました。
羌瘣(きょうかい)役/清野菜名
羌瘣(きょうかい)は「キングダム2」で描かれる「蛇甘平原編」からの登場キャラクター。独特の呼吸法を操る「巫舞」の使い手であり、武芸にも頭脳にも秀でています。 「キングダム」では女性キャラクターですが、史実では嬴政に仕えた“男性の”武将です。 続編のキーパーソン・羌瘣を演じるのは、演技力、アクションともに折り紙付きの清野菜名。「今日から俺は‼」シリーズなどでも、豪快で美しい回し蹴りを披露しています。キャストが発表された際、「適任で文句なし!」と話題になりました。 ちなみに原作の連載10周年記念PVでは、羌象役の山本千尋が羌瘣を演じています。
【ネタバレ】映画はどれだけ原作に忠実だったのか?
原作を忠実に再現したシーンはここだ!
漂(ひょう)が信の目の前で力尽きるシーンはほぼ忠実に再現されており、特に信の「漂ー!」と叫びながら慟哭する場面は原作同様涙なしには見れません!続いて信が嬴政(えいせい)と初めて対面するシーンでは、原作とは少し違い、まったく状況を知らない信が朱凶の登場で徐々に現状を把握していきます。 山の民と遭遇する場面では、バジオウが山の民の言葉しか話さないのが違う点ですが、嬴政だけを連れて行く場面もなく、みんな一度に縄に繋がれて山の城へ連行されます。しかしそれ以外はすべてほぼ原作通りで、楊端和(ようたんわ)が登場するシーンはかなり忠実に再現されていました。 映画で王騎が登場するシーンは、まず昌文君(しょうぶんくん)の首を成蟜(せいきょう)に差し出す場面と、クライマックスに現れて場を納めるシーンがあります。 王騎のシーンは出来るだけ原作に近づけようという心遣いが感じられますが、クライマックスには魏興を一刀両断する代わりに大鉾を振り回して兵士を蹴散らす場面が加えられていました。その場には迫力を出すために風まで巻き起こす演出も!
特筆すべきオリジナルシーンは?
映画オリジナルのシーンで特筆すべきなのは、なんといっても左慈との戦い。原作では信たち精鋭部隊が戦う順番は、右龍の左慈→本殿のランカイでしたが、映画では逆にしています。 そこで左慈に“元将軍”という設定を加え、残虐すぎて将軍の地位を剥奪されてただの人斬りに成り下がった左慈と、大将軍を夢見る信を対比させています。「夢を持つこと」の大切さを語るシーンになっており、劇中でも一二を争う重要場面に改変している点が素晴らしい! また、冒頭に奴隷に売られる前の信を映し出し、通りがかった王騎の軍勢を見て大将軍に憧れる様子も追加。漂が王宮へ移った後に信が1人で修行するシーンも加えられ、その時の石人形の脳天を剣で刺す訓練が左慈との戦いで活きてくるのも、計算された流れで良かったのではないでしょうか。 映画のラストは、信は戦場に出て一歩ずつ大将軍への道を歩む決意を嬴政に伝え、まさにこれから壮大な物語が始まるという期待感に包まれます。最後にそれまでまったく笑わなかった嬴政が、満面の笑みを浮かべるシーンが最高!
映画がもっと面白くなる撮影裏話
壮大なスケール感を生み出した中国ロケ
中国を舞台にした物語のため、製作当初から中国ロケを視野に入れていたという本作の製作陣。ロケハンの末に見つけたのが、浙江省寧波市にある「象山影視城」でした。ここには春秋戦国時代の宮殿のオープンセットがあり、それが決め手になったとか。 撮影用の馬やエキストラなど、日本では到底調達できないほどの数を用意できる中国ロケに多くを助けられたといいます。クライマックスの王宮での戦いのシーンでは、既存のセットを秦のイメージである黒に塗り替えるなど細部にもこだわりました。 象山平原で撮影された王騎たちの騎馬隊が大平原を行く冒頭のシーンがクランクインとなり、ロケ後半には+兵士役のエキストラ1万人を動員*した王宮の戦いが撮られました。どちらも本作の壮大なスケール感を作り上げた入魂の一場面です。
工夫を凝らした役作りとアクションシーン
信役の山崎賢人は本作が本格的なアクション初挑戦で、撮影が始まる半年前から特訓や肉体改造に挑んだそう。実は数ある信のアクションシーンでも、なんと最大の敵・左慈との戦いが最初の撮影だったとか!不安を抱えながらも、左慈役の坂口拓に「本気で斬りかかってこい」と言われ、信が覚醒する様をリアルに表現できたといいます。
嬴政役の吉沢亮もアクションシーンのため、工夫を凝らして準備を整えてきました。剣道有段者でもある吉沢亮は漂と嬴政の二役を演じる上で、野生的な漂と癖のない太刀筋の嬴政と、剣さばきでも違いを見せています。
王騎役の大沢たかおが挑んだのは、原作の王騎さながらの太い腕を作り上げること。腕の部分だけ筋肉スーツを用意する案もあったそうですが、自らトレーニングで鍛え上げてきたのだとか。大沢たかおの役者魂が実写の王騎に説得力をもたらしました。
続編は『キングダム2 遥かなる大地へ』
映画好きな原作者・原泰久も脚本チームの一員として加わった本作。納得いくまで詰めたという物語は、いわば『キングダム』の序章といったところ……。 これが英断だったと思うのは、ヘタに原作の良いところばかりを詰め込み過ぎず、あえて続編ありきの「始まりの物語」に徹した点です。広大な地を求めて中国ロケを敢行、原作に忠実にキャラクターを作り出して場面を再現し、物語も無理なくまとめて続編への期待を煽ってくれました。 そして、ファン待望の続編「キングダム2」が2022年7月15日に公開!新キャストに佐藤浩市や玉木宏らを迎え、信の初陣を描く「蛇甘平原編」が実写化されました。 主題歌は、Mr. Childrenが同作のために書き下ろした「生きろ」です
高評価が集まった映画『キングダム』をネタバレ解説でおさらい
映画『キングダム』の制作では、原作者の原が1年以上にわたって脚本会議に参加しており、原作者が満足する完成度に仕上がっています。