2024年6月7日更新

『キングダム』龐煖(ほうけん)が死亡!?猛る武神の敗因や実在のモデルを解説

このページにはプロモーションが含まれています
映画キングダム 大将軍の帰還、龐煖、吉川晃司
(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

アニメや実写映画なども大人気で、社会的なブームを巻き起こす漫画『キングダム』。 この記事では作中でも屈指の強敵と言われる龐煖(ほうけん)について徹底解説!彼が作中でどのような活躍を見せたのか、また死亡したのかどうかなどについて詳しく紹介していきます。実写版キャストの情報など、龐煖に関する気になるポイントをあますことなく取り上げているので、ぜひチェックしてみてくださいね。 ※この記事は「キングダム」の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

AD

『キングダム』龐煖(ほうけん)の基本プロフィール

初登場 11巻115話
所属国 趙国
地位 三大天
声優 高塚正也
実写キャスト 吉川晃司

龐煖(ほうけん)は秦国と敵対する趙国の武将です。趙国最強の武将と謳われる「三大天」の一角であり、作中でも最強クラスの存在として描かれています。 原作漫画では11巻からの「馬陽攻防編」で趙軍の総大将として初登場。13巻ではまさかの単騎で夜襲を行い、信(しん)が率いる飛信隊と相対します。 飛信隊の前に現れた際には「我 武神 龐煖也(われ ぶしん ほうけんなり)」の言葉と共に、圧倒的な武力を以てたった一人で飛信隊を敗走させ、絶対的強者としての存在を見せつけました。 龐煖は秦国六大将軍の摎(きょう)や王騎(おうき)、彼らに並ぶ実力を持つ麃公(ひょうこう)といった強者を次々と討ち取っており、正しく「武神」の名に相応しい戦果を挙げています。 それと同時に、飛信隊との因縁や強者を討ち取ることに執着する自己中心的な性格から、信たちとの決着が望まれている「悪役」であるのが龐煖です。

龐煖(ほうけん)が死亡!最後は何巻?

死亡シーン 58巻627話

最強と呼ばれる龐煖が死亡したのは原作漫画58巻627話、朱海平原の戦いの15日目でのことでした。彼は飛信隊の前に立ちはだかり、まずは羌瘣と戦って彼女をボロボロにします。 大切な仲間を傷つけられたことに怒った信は、荒れ狂う心に任せるままに龐煖に攻撃。実力差があるため、はじめは龐煖が勝つようにも思われましたが、信は何度も立ち上がって挑み続けました。結果、そんな彼に身体を両断されるという形で龐煖は死亡します。

AD

最後は信との一騎打ちの末に死亡

秦と趙の大戦のなか、李牧本陣に辿り着いた信たちの前に立ちはだかったのは龐煖でした。両国の存亡をかけた戦いは、信と龐煖の壮絶な一騎打ちに懸けられることに。龐煖・王騎・信。勇猛な3武将の戦いに終止符を打つ、最後の戦いが幕を開けることになります。 ここで両者は全力で矛を振るい、満身創痍になりながら激戦を展開。そんな中、龐煖は何度打ちのめしてもゾンビのように立ち上がってくる信を相手に「なぜこんなことが起こる……」と動揺を見せます。 ボロボロになりながらも「俺には生きてる仲間が大勢いる」と叫び、決して戦うのをやめようとしない信。そんな彼を前にしたことで、確固たるものだったはずの龐煖の信念が揺らいでしまいます。 龐煖はそんな迷いを振り切って戦いを続けますが、最後には信の渾身の一撃が炸裂し、彼の巨大な矛ごと彼の身体を両断しました。ここで2人の因縁はついに決着。王騎の遺志を継いだ信が、ついに勝利を収めることに成功したのです。

最強・龐煖(ほうけん)の敗因とは?なぜ死亡したのか

武を極めることで「求道者」、つまり世から苦しみをなくし人類を救済する存在になることを目指していた龐煖。しかしそんな自分に抗い続ける信の姿を見て、「道が間違っていたとでも言うのか」「そもそも道そのものが無かったのでは」という疑問を感じてしまいます。 このように、自身が長年貫いてきた「求道者」としての姿勢に対する揺らぎや迷いが出てしまったことこそが、龐煖の敗因といえるのではないでしょうか。 もしかしたら龐煖は最後に自らの強さが本質的なものではないと悟り、信たちが持つ強さの理由を見つけたのかもしれません。『キングダム』における強さの本質は、やはり大切な人々の思いを繋ぐ「誰かのための強さ」ということなのでしょう。

AD

猛る姿はまさに「武神」!龐煖の戦う理由・性格は?

制御不能な「武神」龐煖

龐煖は『キングダム』に登場するキャラクターの中でも最強とされており、作中屈指の強さと人気を誇る王騎を始めとした実力者達を何人も討ち取っています。 そんな自他ともに認める「武神」龐煖ですが、彼が戦う理由は決して国のためなどではなく「他の強者の存在を許せない」という極めて自分本位なものです。 彼が趙の武将である理由は単純に「都合がいいから」。馬陽の戦いで総大将を務めたのも「王騎を討ち取る好機だから」でしかなく、自らの勝利のためならば味方も平然と斬り捨てる冷酷さも併せ持っています。 戦場に突然現れては強者を討ち取って去っていく姿は最早天災のような存在であり、敵味方の両方から怖れられています。

龐煖が抱える精神的な「矛盾」

龐煖のひたすらに最強であろうとする在り方は「求道者」とも言えますが、因縁の相手である王騎を討ち取った後にある悩みを抱えることになります。 その悩みとは「王騎が強かった理由が分からない」というものであり、答えが分からないまま戦場を彷徨う姿からは、真の強者にあるべき「何か」が欠けている印象を受けます。 ある時、秦の大将軍・麃公(ひょうこう)との戦いで自らの抱える弱みを指摘されます。麃公は龐煖のことを「己の中の矛盾に気付いていない、ただのど阿呆」と評したのです。 麃公との一騎討ち自体には勝利したものの、戦いの最中に指摘された「強者を討ち取っても満たされない」という「矛盾」こそ、龐煖という人物の核たる部分なのかもしれません。

AD

「怪鳥」王騎(おうき)との戦いで生まれた悩み「強さ」の本質とは

王騎との因縁

龐煖と王騎(おうき)の一騎打ちは「馬陽攻防編」最大の山場であり、物語を通して2人の因縁が語られます。 かつて秦軍本陣を襲撃した龐煖は、六大将軍の一人・摎(きょう)を討ち取ります。しかしその直後、仲間の死に激怒した王騎との戦いで龐煖は敗北、その時に付けられた傷は今でも彼の顔に大きく刻まれています。 この敗北以来、龐煖は王騎への復讐心に駆られることとなり、「馬陽攻防編」で総大将を務めたのも同じ三大天である李牧(りぼく)「王騎を討ち取る好機である」と唆されたからでした。 「馬陽攻防編」のラストで遂に龐煖は王騎との一騎打ちを行い、李牧の奇策も講じて王騎は致命傷を受け撤退、信たちに後を託して王騎は亡くなります。

王騎の「強さ」の理由とは?

王騎に勝利した龐煖ですが、その後の彼は「王騎が強かった理由が分からない」という悩みを抱えることとなります。死した後も作品内外で絶大な支持を受けている王騎ですが、彼の「強さ」が純粋な武力ではないということは誰もが知るところです。 王騎の「強さ」はその人柄にあり、彼の想いを受け継いで戦い続ける信たちの姿は、まさしく王騎が体現した「思いを紡いでゆく人の強さ」を示しています。 しかし、自分のためだけに戦い続ける龐煖にはそれが理解できませんでした。王騎が何故あれほどまでに強かったのか、その「答え」を探すために龐煖は戦場をさまよい続けているのです。

AD

龐煖(ほうけん)と信の一騎打ちから見る過去の因縁

【馬陽の戦い】信が作戦を成功させるも龐煖が勝利

信と龐煖がはじめて戦ったのは「馬陽の戦い」でのことです。龐煖の奇襲を受けて多くの仲間を失い、自身も気絶させられた信は、目覚めた後作戦を立てて相手を討とうとします。 作戦は三方向からの槍攻撃で油断させたスキを突き、信が龐煖に背後から襲いかかるというもの。実行に移した結果うまくいき、信は龐煖に一撃をお見舞いしますが、致命傷には至らなかったばかりか反撃を食らってしまいます。 信は仲間が助けてくれたおかげでどうにか生き延びますが、彼にとって龐煖との初の戦いは苦い思い出を残すものとなりました。

【合従軍との戦い】信が龐煖に深手を負わせることに成功!

このふたりの二度目の邂逅は「合従軍との戦い」でのことです。信は自分たちの前に立ちはだかる龐煖に一騎討ちを挑み、激しく刃をぶつかり合わせます。 信は戦いの中で追い詰められながらも、龐煖の刃が「軽い」と断じながら立ち向かい続けました。最終的には龐煖の胸を剣で刺し、さらにその顔面にまともに攻撃を食らわせるなど、深手を負わせることに成功します。 一度目の戦いでは痛い目を見せられた信でしたが、二度目の戦いでは逆に龐煖に一泡吹かせることに成功したわけです。龐煖もこれには驚きを隠せないばかりか、信と大将軍たちの姿を重ね合わせることまでしていました。

AD

王騎の「強さ」を受け継いだ信

はじめて2人が対峙した「馬陽攻防編」から8年後の「鄴攻略編」では信が王騎の矛を正式に受け継ぐことになります。王騎が信に託した矛は戦いの後に政(せい)が預かっていましたが、鄴攻略のため王騎の矛は改めて信の手に渡ります。 王騎の矛を手にした信は、趙の武将・趙峩龍(ちょうがりゅう)との一騎打ちへ。本来は智将タイプの趙峩龍ですが、「亡くなった仲間への想い」を力に変えて信を追い込みます。 思わぬ強さに追い込まれる信ですが、信もまた「仲間への想い」を「強さ」に変えられる人間でした。意識がもうろうとする中で信は「王騎の姿」を思わせる一撃を放ち、趙峩龍との一騎打ちを見事に制します。 王騎の「強さ」を受け継いだ信ですが、そんな信の元に突如龐煖が現れます。龐煖は死んだはずの王騎の力を信から感じ取り、信との戦いで自らが求めている「答え」を見つけようとします。 その戦いで信は龐煖相手に激闘の末勝利をおさめ、長きにわたる因縁にしっかりとケリをつけるのでした。

史実における龐煖を『キングダム』と比較

史実の龐煖は文武両道で親しみやすい才人

史実における龐煖も趙の将軍として『漢書』の「芸文志」で活動や人柄が語られています。 「芸文志」で紹介される龐煖の肩書は武将・哲学者・弁論家・軍事戦略家と幅広く、趙の筆頭将軍でありながら複数の著作を執筆した文武両道の才人として名高い人物です。 後に燕の将軍となり龐煖に討たれる劇辛(げきしん)とは若い頃に親交があり、劇辛は当時の龐煖を「とても親しみやすい好人物」だと評しています。 また、悼襄王(とうじょうおう)の三代前の君主、武霊王(ぶれいおう)に兵法について弁論を命じられた際は「戦わずして勝つ」ことの大切さを趙の現状を交えて説き、武霊王を感嘆させたという逸話もあるほどの理知的な人物でした。 『キングダム』の龐煖が武力一辺倒の自己中心的な武将なのと比較すると、全くの別人と言ってもよい程に違う人物像なのがわかります。

AD

「趙の大将軍」龐煖は史実でも恐れられていた実力者

武霊王をも感嘆させた龐煖ですが、国の政治や軍事に関わることは50年以上に亘ってほとんどなかったそうです。しかし『キングダム』の時代、悼襄王の代になると出奔した廉頗(れんぱ)と楽乗の穴を埋める形で李牧と共に将軍に抜擢されます。 将軍としての活躍は名将として勇名を轟かせた結果合従軍の総大将まで上り詰め、秦の王翦(おうせん)ですら彼との直接対決は避けたと言われる程でした。 「趙の大将軍」と呼ばれるに相応しい名将でしたが、彼が燕に遠征している隙をついた秦による鄴攻略戦には転進も間に合わず、多くの領土を奪われ悼襄王も死亡してしまいます。そして次代の幽繆王(ゆうぼくおう)は龐煖を用いず、以降彼の名が歴史に現れることは無くなります。 『キングダム』の龐煖とは性格や得意分野こそ全く違いますが、秦含む他国から心底怖れられた大将軍であったことは共通しているようです。

アニメ・実写で龐煖(ほうけん)を演じる俳優・声優は?

実写版「キングダム」で龐煖を演じるのは?

映画キングダム 大将軍の帰還、龐煖、吉川晃司
(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

実写版映画「キングダム」で龐煖(ほうけん)を演じたのは、ミュージシャンであり俳優の吉川晃司(きっかわこうじ)でした! 実写映画の第3弾『キングダム3 運命の炎』、第4弾『キングダム 大将軍の帰還』では龐煖が登場する「馬陽の戦い」が描かれます。吉川は信や王騎の因縁を持つ作中最強格のキャラクターを見事に再現しており、ファンも納得のキャスティングと言えるでしょう!

AD

アニメ『キングダム』で龐煖を演じる声優は高塚正也

テレビアニメで龐煖を演じたのは声優の高塚正也。これまで数々のシリーズ作品で多くの役を演じているベテラン声優であり、その演技の幅は声優界でも随一です。 高塚の代表作は「戦国無双」シリーズの直江兼続と黒田官兵衛。直江兼続では「愛」と「義」を信奉する高潔な武人を、黒田官兵衛では天下泰平のため手段を選ばない冷酷な現実主義者という真逆のキャラクター像を演じ切る実力を持っています。 『キングダム』では龐煖の他にも、ランカイなど多くの役柄を演じており、さらにはナレーションまで担当しています。信の戦友から宿敵まで『キングダム』の中だけでも幅広い役を担当している高塚は「武神」龐煖も見事に演じ切っていました。

「強さ」を求める求道者・龐煖(ほうけん)の最後を解説しました!

映画キングダム 大将軍の帰還、王騎、龐煖
(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

今回紹介してきたように、『キングダム』の龐煖は史実とは大きく異なる人物像なキャラクターとして描かれていることが分かりました。しかし、漫画と史実どちらにおいても「絶対的な大将軍」であることには代わりなく、秦の最大の敵の一人として立ちはだかる人物でした。 漫画では壮絶な最期を迎えた龐煖。実写映画やアニメではまだまだ活躍の場があるはずなので、そちらの展開を楽しみに待ちましょう!