2020年5月20日更新

「Fate」シリーズの間桐桜は悲劇のヒロイン、凄惨な過去から彼女を救う2つのルートとは

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「Fate」シリーズの悲劇のヒロイン、間桐桜を解説!まずはプロフィールを紹介【ネタバレ注意】

「Fate」シリーズに登場するヒロインのひとり間桐桜。過酷な運命を背負わされ育った彼女のプロフィールをまずはみていきます。 桜は3月2日生まれ、O型。156cmの小柄な女の子です。主人公・衛宮士郎の同級生である間桐慎二の義妹であり、弓道部に所属しています。衛宮士郎に強い憧れを抱いており、弓道を始めたのも士郎の影響です。 控えめな雰囲気でおとなしそうな雰囲気を持つ彼女ですが、意外にも怪談が好きという一面も。彼女にとっては現実が怖いものであり、怪談というフィクションの世界にふれることで忌むべき現実世界を生きるためのバランスを保っているのです。 今回はどこか影のある彼女について詳しく解説していきます。 ※本記事では「Fate」シリーズのネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意下さい。

常に無表情だった間桐桜、触れ合いを通じて感情を取り戻していく

桜はおっとりとしていて献身的な性格の持ち主。衛宮士郎のために彼の家に通い家事をするほどです。しかし、士郎が彼女と出会った当時は、彼女は無表情で心を閉ざしているような状態でした。 じょじょに彼女が感情を表に出せるようになった影には、士郎や桜にとって姉のような存在となる藤村大河の影響があります。作中でも随一のギャグ担当キャラであり、衛宮邸に入り浸っている大河との交流が、桜の笑顔を増やしていきました。 基本的には優しい性格の彼女ですが、こうと決めたら譲らない頑固さも持ち合わせています。衛宮邸へ通うことも、彼女が粘って士郎から許可を取り付けたことが背景にあるのです。

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料理の腕は一級品!家庭的な一面も

衛宮邸で料理を振る舞ったり家事をしたりと、家庭的な印象が強い桜ですが、最初から上手だったわけではありません。最初はおにぎりをうまく握れないほどのレベルだったのです。 家事や料理を一通り卒なくこなせる士郎に教えてもらい、料理の腕も上達していきました。最終的には、料理上手な彼に、洋食では自分よりもうまいと言わしめるほどの腕前に。 さらに彼女は作中でもトップクラスの大食いとして描かれています。年頃の女の子らしく体重計に乗っては苦悩しているようですが、食べることが好きなのか、食べる量は減らさないようです。それでも彼女のスタイルはよく、細いウエストラインを維持しています。

実は遠坂凛の実妹だった!後継者争いを忌避し、間桐家に渡る

ここからは桜の生い立ちをみていきましょう。間桐慎二の義妹である彼女は、実は遠坂凛の実妹で、遠坂家の次女として生まれました。その後、表向きは間桐家と遠坂家の同盟の証として、桜が間桐家へ養子として出されたのです。 遠坂家において魔術は一子相伝のため、第一子である凛にしか伝えることができません。後継者争いを避ける意味でも、桜を家に置いておくわけにはいかなかったのです。しかし、桜も希少な才能を持って生まれていたため、彼女のためにも魔道の家門が養子先に選ばれました。 一方の間桐家は、後継者となれる人物がいない状態でした。家系を存続させるために、桜を養子として迎えたのです。

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凄惨すぎる間桐家での暮らし

養子に出されて以降、桜は遠坂家との接触は禁止され、間桐家での居場所もなく孤独ななか生きていくことに。間桐家の当主・間桐臓硯(まとうぞうけん)によって、本来身体には合わない間桐の魔術をなじませるための“調整”を受けさせられます。 この“調整”の内容があまりに凄惨。大群の蟲がうごめく蟲蔵に放り込まれ、何時間も蹂躙され続けるのです。幼少期から何年も繰り返しこの“調整”を受けており、彼女は次第に人間らしい感情を失っていってしましました。 また、家を継ごうと躍起になっている義兄の間桐慎二にも彼女は疎まれ、暴行を受けています。間桐家では、およそ人間らしい扱いを受けられずに暮らしてきたのです。

希少な魔術回路を持つ間桐桜、境遇によって真価は発揮できず

桜の生まれ持った魔術回路は「架空元素・虚数」というもの。これは、名家の庇護がなければホルマリン漬けの標本にされてしまうと言われているほど、希少な属性です。 レアな魔術回路を持ち、十分な魔力量も持っている彼女ですが、間桐家では家を継ぐための子を産む“胎盤”として扱われたため、まともな魔術の手ほどきは受けていません。さらに、無理やり蟲によって調整されているため、生まれ持った素質を活かす魔術は使えない身体となっているのです。 そんな彼女が唯一とれる攻撃方法は、自身の深層意識・イドを剥き出しにして、負の感情を刃として戦うもののみとなっています。

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汚れた大聖杯と接続し、「マキリの杯」に変貌

桜の苦悩を描き出す「Heaven's Feel」ルートでは、彼女は「アンリマユ(この世すべての悪)」に染まった聖杯と接続してしまいます。これにより、黒桜とも呼ばれる「マキリの杯」の状態に。 黒桜とは、「アンリマユ(この世全ての悪)」の影響を受け、桜が変貌した姿です。長年受けてきた虐待や孤独といった負の感情が、表面化した姿でもあります。 この状態の彼女は、「影」を使役し、あらゆる生物を溶かして吸収する魔術を使用。彼女の理性とは関係なく「影」は動き回り、彼女の精神や衛宮士郎の正義の心を追い詰めていく原因となりました。

間桐桜を救う2つのルート

ノーマルエンド

「Heaven's Feel」では、桜の義祖父である間桐臓硯が暗躍し、桜は「影」を使って無意識にサーヴァントや人を襲い、吸収していました。衛宮士郎は、桜を助けることを決意。彼は片腕を失い、アーチャーの腕を移植してもらい、命を削りながら戦っていきます。 最終決戦となる大聖杯との戦い。士郎はボロボロになりながら大聖杯を壊すものの、彼の生死は不明に。 その後、黒化から解放された桜は日常を送りながら、帰ってこない士郎を待ち続けます。一緒に桜の花を見にこうと、かつて彼と交わした約束を信じ、桜は毎年花の種をまき続けるのです。罪の償いを象徴する花々で飾られた部屋で、年老いた桜は、ひとり士郎を待ち続けるのでした。 士郎の姿はありませんが、桜の心のなかには彼の存在が息づいています。孤独で凄惨な環境で育ってきた彼女にとっては、彼が生きていると信じて待ち続けることが大きな救いとなったのでしょう。

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トゥルーエンド

大聖杯の破壊を前に、衛宮士郎は桜と一緒に生きたいと願います。そこに、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが現れ、自分の命を使って大聖杯を閉じ、士郎を生かすために第三魔法を使用。これによって士郎は魂が抜かれ、命が守られたのです。 彼は腕のいい人形師からもらった身体に魂を定着させることで復活。一方で、桜はこれからも生きていくことで、自分が奪った命の償いをしていくことを決めます。 聖杯戦争が終わり日常が訪れた冬木市で、士郎と桜、凛、そして桜との契約が続いたままのライダーの4人は、一緒に桜を見に行くことに。なによりもありふれた日常を愛していた桜は、ようやく平穏な日常を得たのです。 桜を見る約束も果たされ、隣には英雄になることではなく桜と一緒に生きることを選んでくれた士郎がいます。ハッピーエンドといえるエンディングでしょう。

アニメ版「Fate」シリーズで間桐桜を演じる声優は下屋則子

桜を演じているのは下屋則子。2001年から声優として活動しており、女性声優4人で結成したバンドCri☆siSのギター担当としても活動しています。 アニメ『BLEACH』の浦原商店で働く少女・紬屋雨役や、『神無月の巫女』の主人公・来栖川姫子役、『黒神 The Animation』の主人公・クロ役、『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』の奈良シカジンらの担当上忍を務める風祭モエギ役などが有名。 かわいらしい声質を生かした幼い印象の役や少年役、マスコットキャラクター的な役を演じることも。桜役では儚い演技が印象的です。

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幸せになってほしい系ヒロイン間桐桜が放つ唯一無二の存在感

この記事では間桐桜について紹介してきました。ヒロインのひとりに数えられながらも、その身が背負うものはあまりに重く陰惨としています。多幸感にあふれたいわゆるヒロイン像とは一線を画する存在の彼女ですが、その影の部分もまた彼女の大きな魅力のひとつといえるでしょう。