2020年10月15日更新

平成のヒット映画を振り返る!「千と千尋」や3D映画はこの時代に生まれた

千と千尋の神隠し
©Studio Ghibli/Disney/Photofest

平成時代のヒット映画を平成31年史とともに振り返ろう!ジブリ作品からハリウッド大作まで、平成を彩った数々の名作をその時代とリンクさせながら解説していきます。

目次

平成のヒット映画を振り返る!あの名作邦画・洋画も平成の産物?

新しい令和の時代を迎え、今やすでに平成の時代もレトロの対象になりつつあります。この記事では平成に生まれたヒット映画の数々を、平成31年史とともに振り返っていきましょう。 ジブリの大ヒット作からハリウッドの超大作まで、今も記録と記憶に残る名作たちがきっとあの時代を再体験させてくれます。まずは、平成31年間の興行収入ランキングの1位から5位までを紹介!

平成31年間の映画興行収入ランキングトップ5!

第1位『千と千尋の神隠し』(平成13年):308億円

千と千尋の神隠し
©zetaimage

スタジオジブリのNo.1ヒット作『千と千尋の神隠し』(2001年)は世界各国でも上映され、アカデミー長編アニメ映画賞も受賞。2020年にもリバイバル上映が行われ、同年10月末現在も日本歴代興行収入第1位の座に君臨しています。

第2位『タイタニック』(平成9年):262億円

『タイタニック』
©Paramount Pictures

タイタニック号沈没事故を題材にした壮大なラブストーリー『タイタニック』(1997年)。ジェームズ・キャメロン監督がメガホンを取りました。秀逸な海洋パニック映画でもあり、主演のレオナルド・ディカプリオが世界的大ブレイクを果たした作品です。

第3位『アナと雪の女王』(平成25年):255億円

『アナと雪の女王』(2013年)は、ディズニー・スタジオのファンタジー・アドベンチャーです。ストーリーは、アンデルセンの童話『氷の女王』をモチーフにしています。「アナ雪」の愛称で親しまれ、主題歌「レット・イット・ゴー」も大ヒットし、2019年には続編も公開されました。

第4位『君の名は。』(平成28年):250億円

『君の名は。』
(C)2016「君の名は。」製作委員会

SFファンタジー・ラブストーリー『君の名は。』(2016年)は、新海誠監督による6作目の劇場用アニメです。本作は、一大ブームとなるほどの大ヒットを記録。世界各国でもヒットを飛ばし、劇伴音楽と主題歌を手がけたRADWIMPSの名も知れ渡りました。

第5位『ハリー・ポッターと賢者の石』(平成13年):203億円

J・K・ローリングの魔法ファンタジー小説を映画化した「ハリー・ポッター」シリーズの第1作目(2001年公開)。2011年の最終作「死の秘宝」まで足かけ10年、ダニエル・ラドクリフ演じるハリーの成長をリアルに見守ることができた世界的大ヒット作です。

平成史を映画とともに振り返ろう!【平成元年〜5年】

『魔女の宅急便』(1989/平成元年)

『魔女の宅急便』
©Buena Vista Home Ent./Photofest

スタジオジブリが角野栄子の同名児童文学をアニメ映画化した作品。魔女の血を引く少女キキが独り立ちを目指して成長していく様子を描き、新時代に即した「女性の社会進出と自立」がテーマに。ユーミンこと荒井由実の曲が主題歌として使用されました。

『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990/平成2年)

『ゴースト ニューヨークの幻』デミ・ムーア、パトリック・スウェイジ
© PARAMOUNT/zetaimage

ファンタジー・ホラーの要素を取り込んだメガヒット恋愛映画。ヒロインを演じたデミ・ムーアがブレイクし、主題歌「アンチェインド・メロディ」もリバイバル・ヒットしました。愛する人が幽霊となって現れるストーリーは、その後さまざまな映画で定番となっています。

『ホーム・アローン』(1991/平成3年)

マコーレー・カルキン『ホーム・アローン』
© LFI/Photoshot/zetaimage

クリスマスが舞台のコメディ映画『ホーム・アローン』は、当時10歳だったマコーレー・カルキンの出世作。家に取り残された末っ子ケビンが一人で二人の泥棒を撃退する様が痛快です。本作は、彼の可愛さも相まって世界的な大ブームを巻き起こしました。

『紅の豚』(1992/平成4年)

紅の豚
© Studio Ghibli/Buena Vista Home Video WRITER_EDITOR: bg

宮崎駿の「飛行艇時代」を原案としたスタジオジブリの長編アニメ映画。世界恐慌時代のイタリアを舞台に、豚の姿をした退役軍人パイロットのポルコ・ロッソの活躍を描いています。ヒロインの声を務めた加藤登紀子が主題歌も担当しました。

『ジュラシック・パーク』(1993/平成5年)

ジュラシック・パーク
© Universal Pictures

大人気恐竜パニック映画「ジュラシック・パーク」シリーズ第1作目は、平成5年に公開されました。マイケル・クライトンのSF小説をスティーブン・スピルバーグが映画化。世界中に恐竜ブームを起こし、その人気は「ジュラシック・ワールド」シリーズにも引き継がれています。

この頃はどんな世の中だった?

バブル経済の崩壊とともにスタートした新しい時代・平成。1991年には湾岸戦争が勃発し、PKO協力法が成立して自衛隊の海外派遣が可能になりました。就職氷河期が到来し、非正規雇用のいわゆるフリーターが増加したのもこの頃です。

ジブリのあの名作も?【平成6年〜10年の映画】

『フォレスト・ガンプ 一期一会』(1994/平成6年)

フォレスト・ガンプ
©︎Paramount Pictures/Photofest/zetaimage

ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演のヒューマンドラマ『フォレスト・ガンプ 一期一会』。アメリカの50年代から80年代の歴史を、主人公フォレスト・ガンプの人生を通して辿るストーリーとなっています。VFX技術(視覚効果)によって、歴代大統領など故人との共演を演出したことが大きな話題になりました。

『耳をすませば』(1995/平成7年)

耳をすませば
©Studio Ghibli/BVHE/Photofest

柊あおいの漫画を映画化したスタジオジブリの長編アニメで、思春期の中学生・雫の初恋を描いた『耳をすませば』。雫が恋する聖司の声を高橋一生が務め、本名陽子が歌う主題歌「カントリー・ロード」もヒットしました。

『ミッション:インポッシブル』(1996/平成8年)

敏腕エージェントのイーサン・ハントを主人公としたスパイアクション・シリーズの第1作目。トム・クルーズが長年演じ続けています。1作ごとに過激に派手になるトム・クルーズ自身が行うスタントなしのアクションが特色です。

『もののけ姫』(1997/平成9年)

もののけ姫
©Miramax Films/Photofest

宮崎駿が構想に16年、制作に3年かけたスタジオジブリの長編アニメ映画。中世の日本を舞台に自然と人間との共存を問いかけた作品で、環境問題を前面に押し出しています。カウンターテナーの米良美一が歌う主題歌も印象的です。

『アルマゲドン』(1998/平成10年)

『アルマゲドン』
© 1998 - Walt Disney Studios

『アルマゲドン』は、マイケル・ベイ監督、ブルース・ウィルス主演のSF超大作です。エアロスミスの主題歌「ミス・ア・シング」も大ヒット。地球を襲う小惑星の軌道を逸らすため、掘削のプロたちが宇宙へ飛び立つヒーロー譚が多くの人の心に響きました。

この頃はどんな世の中だった?

1995年に阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が発生。1997年には消費税が5%に引き上げられてデフレ・スパイラルに陥る中、翌年の長野冬季オリンピックでは選手たちの活躍に注目が集まりました。この頃からインターネットや携帯電話が急速に普及しています。

大人気ヒーロー映画が登場【平成11年〜15年の映画】

『グリーンマイル』(1999/平成11年)

『グリーンマイル』トム・ハンクス マイケル・クラーク・ダンカン バリー・ペッパー
©︎Warner Brothers/Photofest/zetaimage

『ショーシャンクの空に』(1994年)を手がけたフランク・ダラボン監督によるヒューマンドラマ。スティーブン・キング原作です。不思議な力を持つ黒人死刑囚コーフィが起こす奇跡を描き、彼と交流を深める看守ポール役でトム・ハンクスが主演を務めました。

『グリンチ』(2000/平成12年)

グリンチ
©︎UNIVERSAL PICTURES/zetaimage

クリスマス・ファンタジーである本作は、ドクター・スースの児童絵本『いじわるグリンチのクリスマス』の実写化映画です。ロン・ハワードが監督を担当。『マスク』(1994年)で一世を風靡したジム・キャリーが特殊メイクでグリンチを演じました。

『ロード・オブ・ザ・リング』(2001/平成13年)

ロード・オブ・ザ・リング
© New Line Cinema

トールキンのファンタジー小説『指輪物語』を原作とした「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の1作目。ピーター・ジャクソンが監督、イライジャ・ウッドが主人公フロド役を務めました。ホビットやエルフが住むファンタジー異世界を広く世に浸透させた作品です。

『スパイダーマン』(2002/平成14年)

サム・ライミ版『スパイダーマン』(2002)
© Columbia Pictures / Sony Pictures/zetaimage

マーベル・ヒーローであるスパイダーマンの実写映画化作品で、サム・ライミ監督が手がけたシリーズの1作目。スパイダーマンをトビー・マグワイアが演じました。これ以降、マーク・ウェブ版やMCU参入のスパイダーマン映画作品が継続的に製作されています。

『ファインディング・ニモ』(2003/平成15年)

ファインディング・ニモ
©T.C.D / VISUAL Press Agency

グレートバリアリーフを舞台にカクレクマノミのニモを主人公にした海洋ファンタジーで、ディズニー/ピクサーの長編アニメ5作目。フル3DCGで美しい南洋の海が描かれ、カクレクマノミもブームに。2016年には続編『ファインディング・ドリー』も製作されました。

この頃はどんな世の中だった?

2001年に起こったアメリカ同時多発テロ事件によって、世界は一変。テロとの戦いの時代が幕を開け、日本では2003年にイラク特措法が成立して自衛隊がイラクに派遣されました。2001年に誕生し、郵政民営化を掲げた小泉政権が最高84%という支持率を叩き出しています。

あのイケメンキャラが生まれた【平成16年〜20年の映画】

『ハウルの動く城』(2004/平成16年)

ハウルの動く城
© Studio Ghibli/Walt Disney Pictures

言わずと知れた、スタジオジブリの劇場アニメ映画。呪いで90歳の老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの奇妙な共同生活を描いています。ハウルの声優を当時SMAPの木村拓哉が務めたことも話題に。ソフィーの声を担当した倍賞千恵子が主題歌を歌っています。

『チャーリーとチョコレート工場』(2005/平成17年)

チャーリーとチョコレート工場
@WARNER BROS/zetaimage

ロアルド・ダールの児童小説『チョコレート工場の秘密』を、ティム・バートン監督が実写映画化した作品。ジョニー・デップ演じる天才ショコラティエのウィリー・ウォンカの奇抜なキャラクターと、シニカルな作風が好評を得ました。

『ダ・ヴィンチ・コード』(2006/平成18年)

ダン・ブラウンの同名小説の映画化で、トム・ハンクス演じるラングドン教授シリーズ第1作目。キリストの婚姻関係の謎に迫ったことで物議を醸し、カトリック教会がイエスへの冒涜だとして映画ボイコットを呼びかける事態にも発展しました。

『HERO』(2007/平成19年)

木村拓哉主演のドラマ『HERO』(2001年)の劇場版として公開され、大ヒットを記録した作品。破天荒な検事・久利生公平が活躍する法廷劇で、2014年にドラマ第2期と翌年に劇場版2作目が製作され、木村拓哉の代表作となりました。

『おくりびと』(2008/平成20年)

『おくりびと』本木雅弘、山崎努
© REGENT RELEASING/zetaimage

第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した、滝田洋二郎監督によるヒューマンドラマ。本木雅弘が主演を務め、元チェロ奏者の納棺師という異色の役柄で強い印象を残し、納棺師という職業にスポットが当たるきっかけになりました。

この頃はどんな世の中だった?

小泉から安倍、福田、麻生と目まぐるしく政権が変わる中、2008年にはリーマン・ショックが世界経済を直撃。日本も先の見えない平成不況から抜け出せず、その一方でツイッターなどSNSによる個人の情報発信が盛んになりました。

3D映像の時代が始まる【平成21年〜25年の映画】

『アバター』(2009/平成21年)

アバター
©20TH CENTURY FOX

ジェームズ・キャメロン監督による異星の異世界を描いたSF大作で、3D映像の魅力を世界にアピールした作品。2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』に抜かれるまで世界興行収入は第1位でした。2022年公開を目指して続編製作も行われています。

『トイ・ストーリー3』(2010/平成22年)

『トイストーリー3』
©︎Disney/Pixar/Photofest

ピクサーのフル3DCGアニメ「トイ・ストーリー」シリーズの第3作目。カウボーイ人形ウッディとスペースレンジャーのバズとの友情を描いています。子どもが大人になり、おもちゃから離れていくことをメインテーマにした大人に向けた内容も新鮮でした。

『コクリコ坂から』(2011/平成23年)

コクリコ坂から
©DISNEY/zetaimage

『コクリコ坂から』は、同名の少女漫画を原作としたスタジオジブリによる長編アニメ映画。宮崎駿の長男・宮崎吾朗監督の第2作目でもあります。1960年代の横浜を舞台に、高校生の松崎海と風間俊の恋模様を描いた作品です。海の声を長澤まさみ、俊の声をV6の岡田准一が担当しました。

『テルマエ・ロマエ』(2012/平成24年)

ヤマザキマリによる同名漫画を実写映画化したタイムスリップ・コメディ。古代ローマ時代の浴場設計技師ルシウスを阿部寛が演じて好評を博しました。古代ローマと日本の風呂文化の比較が面白く、他のキャストの顔の濃さも話題に。

『永遠の0』(2013年)

百田尚樹の同名小説を、岡田准一主演で実写映画化した作品です。日本のVFX技術の第一人者である山崎貴が監督。太平洋戦争時の零戦機による特攻作戦を題材に、受け継がれる命の大切さを伝え、多くの人が改めて当時の人々の生き様に想いを馳せました。

この頃はどんな世の中だった?

日本で衆議院選挙で圧勝した民主党に政権が交代した2009年、アメリカでは黒人初となるオバマ大統領が誕生しました。2011年には未曾有の大災害となった東日本大地震と福島第1原発事故が発生。 2013年には安倍政権が発足してアベノミクスが始まり、東京が2020年のオリンピック開催地になりました。

名シリーズの続編も【平成26年〜31年】

『STAND BY ME ドラえもん』(2014/平成26年)

山崎貴監督が手がけた、ドラえもん映画初となるフル3DCGのアニメ映画。原作漫画の『ドラえもん』のエピソードを再構築し、のび太とドラえもんの出会いからしずかとの恋を描いています。ドラえもんに親しんで育った親世代の感動を呼んだ作品です。

『ジュラシック・ワールド』(2015/平成27年)

『ジュラシック・ワールド』
© UNIVERSAL PICTURES/zetaimage

1993年に始まった「ジュラシック・パーク」シリーズの第4作目で、前作から22年の時を経て「ジュラシック・ワールド」として生まれ変わったパークが再登場。前3作の世界観を踏襲しつつ、DNA操作で新種の恐竜を創造するという要素も画期的でした。

『シン・ゴジラ』(2016/平成28年)

『シン・ゴジラ』
(C)2016 TOHO CO.,LTD.

総監督・脚本を庵野秀明、特技監督を樋口真嗣が務めた東宝「ゴジラ」シリーズの第29作目。東京湾に突如現れた巨大不明生物「ゴジラ」と日本政府との戦いを描いています。それまでのゴジラ映画とは一線を画す大人向けの災害パニック映画として、ゴジラを現代に蘇らせました。

『君の膵臓をたべたい』(2017/平成29年)

君の膵臓をたべたい ロゴあり
©️2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©️住野よる/双葉社

住野よるの同名小説を、北村匠海と浜辺美波のW主演で実写映画化した恋愛映画。膵臓の病を抱えた高校生・山内桜良と「僕」こと志賀春樹の交流を描き、2人の深い絆に多くの人が共感を抱いて「キミスイ」の愛称で長く愛されている作品となっています。

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018/平成30年)

ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』
©︎Supplied by LMK

イギリスの世界的ロックバンド「クイーン」の結成から1985年のライブエイド出演までを追った音楽伝記映画。ボーカルのフレディ・マーキュリーの半生とともにバンド成功物語を描き、彼らの外見から仕草、ライブの再現度の高さも評判になりました。

『翔んで埼玉』(2019/平成31年)

魔夜峰央の同名漫画を実写映画化したコメディ作品で、東京都民に虐げられる埼玉県民の奮闘が描かれます。全編に埼玉や千葉など東京隣県の自虐ネタが満載で、埼玉の伝説的人物・麻実麗を演じたGACKTの原作に劣らぬ美麗さにも注目が集まりました。

この頃はどんな世の中だった?

2014年に消費税が8%に引き上げられ、翌年からマイナンバー制度がスタート。世界ではダーイシュ(ISIL)が勢力を拡大しました。2016年にはトランプ米大統領が就任。同年に天皇陛下が退位の意向を示し、平成は2019年4月で終わり、令和の時代が始まりました。

数々の名作映画が生まれた平成!令和時代の映画にも期待大

バブルが崩壊してから「失われた20年」と呼ばれ、度重なる災害に見舞われた平成時代。令和時代に入り、東京オリンピックを控えていた2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、またもや世界は大きな転換期を迎えています。 しかしそんな激動の時代だった平成には、数多くの名作映画も誕生しています。これからも逆境をバネに映画界は突き進んでいくはず!令和時代ならではの名作誕生にも期待していきましょう。