2021年3月17日更新

『さんかく窓の外側は夜』最終回までネタバレあらすじ解説【BL×ホラー】

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さんかく窓の外は夜
(C)ヤマシタトモコ/リブレ

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『さんかく窓の外側は夜』の魅力をネタバレありで紹介【最終回まで】

さんかく窓の外側は夜
(C)ヤマシタトモコ/リブレ

人気ホラーBL漫画『さんかく窓の外側は夜』が、ついに実写映画化。2021年1月22日から実写劇場版が公開されました。原作者のヤマシタトモコは、2007年の「このマンガがすごい!(BL部門)」にて1位を獲得した『くいもの処明楽』で知られる人気漫画家です。 BLコミックとしては異例の本格ホラーも楽しめる本作は、強い霊感を持つ登場人物達の人間模様や、ストーリー展開に従って深まっていくミステリー要素が見どころとなっています。 2021年3月現在、最終巻である10巻まで刊行されている『さんかく窓の外側は夜』。この記事では、本作についてネタバレありで魅力を紹介します。

『さんかく窓の外側は夜』あらすじ【お互いを補完する心霊探偵バディ】

『さんかく窓の外側は夜』の主人公は、霊が見えすぎる男・三角康介(みかどこうすけ)。霊に対して恐怖を抱いていた彼は、特異体質を隠しながら普通の書店員として働いていました。 しかし、ある日書店の霊を祓いにやってきた除霊師・冷川理人(ひやかわりひと)と出会ったことで、彼の運命が動き出します。 一目で三角の才能を見抜き、この出会いに「運命」を感じた冷川。彼は三角の体質を利用して書店にいた霊をその場で除霊し、三角に助手になるように勧誘します。 霊を避け続けてきた三角でしたが、報酬の良さに惹かれてしぶしぶながらも冷川の事務所で働くことに。こうして「祓える男」冷川と「視える男」三角の心霊探偵コンビが結成されたのですが、2人は知らず知らずのうちに、ある凶悪事件の真相に近づいていくことになるのです。

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『さんかく窓の外側は夜』の魅力をネタバレありで紹介!

【ホラー×BL】超怖いのに除霊シーンが官能的

冷川の除霊スタイルは、三角に触れて霊的な「手」を伸ばし、霊を掴んで「ぶん投げる」というもの。その際、冷川と三角の魂は触れ合っており、魂の相性が良い2人は肉体を越えた快感を得ていると言います。 本来、恐ろしいはずの除霊シーンですが、三角が息も絶え絶えといった様子で冷川にしなだれ掛かっている描写は官能的。年齢指定のある描写が一切出てこない本作で、唯一の官能シーンと言えるでしょう。BLで精神的な繋がりを重視するタイプの人にオススメです。

「会話のセリフ」と「呪うセリフ」

普段の会話を表す白い吹き出しとは異なり、「会話のセリフ」と「呪いのセリフ」が重なっている黒い吹き出しが出てくるのが本作の特徴の1つ。黒い吹き出しの「呪いのセリフ」は霊感の無い人には聞こえていないらしく、霊能力者にだけ伝わる周波数として描かれています。 実際、英莉可が黒い吹き出しで話したシーンでは、他にも人がいるにもかかわらず、冷川と三角にしかそのセリフは聞こえていませんでした。

英莉可は悪魔なのか?孤独を抱えた少女と「先生」の教え

黒い吹き出しで数々の人を呪い、死人の出るような事件を引き起こしていた英莉可。さっぱりとした態度で呪いの言葉を吐いていた彼女ですが、実は彼女も被害者の1人でした。 英莉可に人を呪うように指示していた犯人は、宗教団体「掌光の教え」で“先生”と呼ばれる男。謎の多いその男は、思春期の彼女に殺人を起こさせる他、四六時中ボディガードの監視を付けるなどして自由を奪っていました。 数々の人を呪ってきた英莉可ですが、三角や冷川と関わっていくうちに、人を呪うのではなく人を救うために力を使いたいという本心を明かします。そして教団を抜けることを決心し、冷川や三角と共に“先生”に立ち向かっていくことになるのです。

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タイトルにもある「三角形」の謎とは

『さんかく窓の外側は夜』という意味深なタイトルにもあるように、本作では三角形が至る所に登場します。三角の名前はいわずもがなですが、他にも冷川が張る結界の形や、三角の腰に現われた痣の形も「三角」です。 三角の腰に痣が現われた後、彼は冷川の存在をより近くに感じるように。さらに、三角が他の霊能力者に近づくと冷川にも分かったり、三角の居場所を感知したり出来る機能があります。 「三角形」が冷川の三角に対する執着心や独占欲を暗喩しているとすると、『さんかく窓の外側は夜』というタイトルには「冷川の結界の中でしか三角は安心して生きられない」「結界の外は夜(=魑魅魍魎の世界)」と解釈出来ます。

『さんかく窓の外側は夜』の最終回は?最終巻までネタバレ解説

『さんかく窓の外側は夜』7巻ネタバレあらすじ解説

7巻ではついに英莉可を利用していた黒幕、“掌光会”の先生に冷川と三角が迫ります。 本当は誰も呪いたくないと本心を露わにした英莉可は三角への不信感を拭い去り、2人に協力してくれることに。彼女や迎、逆木の協力で、冷川と三角は先生の自宅に魂の状態になって潜入します。しかし先生らしき黒い影に見つかってしまったため、魂を帰還させました。 その後三角の母親や先生の回想シーンから、先生こそが三角の父親であることが判明。先生は“悪いモノ”を引き寄せる自分の体質を懸念して、三角の母親と自分にお互いのことを思い出せなくする呪いをかけていたのです。

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『さんかく窓の外側は夜』8巻ネタバレあらすじ解説

先生の手から逃れることを決意した英莉可は、ボディガードの逆木と連れだって逃亡することに。英莉可の母親が用意してくれた部屋で、彼女は冷川達と連絡を取ります。 どうにかして先生がやろうとしていることを阻止したい英莉可は、冷川や迎達に先生の力を弱める方法を相談。そこで、重要な手がかりとなる先生の名前を見つけ出すことが決まります。 しかし、冷川は「先生から金も力も全て奪えば良い」という三角には受け入れがたい意見を主張。反論するも、冷川の力によって「1度入ったら出られない」空間に三角は飛ばされてしまいます。 三角は出口を探すうちに出会った女性から「呪いを解きたいならその人の憎しみを考えてみて」とアドバイスを受け、彼女の誘導で空間から脱出。慌てて冷川の居所を探っていると、なんと彼は冷川と共に先生と対面を果たしてしまいます。

『さんかく窓の外側は夜』9巻ネタバレあらすじ解説

先生から呪いの攻撃を受けた三角は、冷川を置きざりに逃げてしまっていました。そのことを後悔しながら、三角は迎と英莉可と共に、先生の力の源である呪いの“下水管”を壊し、先生が力を使えなくする計画を立てます。 その頃先生の家では、先生が冷川にある取引を持ちかけていました。名前の思い出せない妻と子供を憎み続けている先生は、冷川に三角を消してくれるならここから解放すると言うのです。 そして、三角や迎、英莉可達が先生の家に突入します。結界が張られていたため全員が離ればなれになってしまいますが、三角は先生と対峙し、迎は幼少期の姿になった冷川と対面していました。 一方、2人と分かれた英莉可と逆木は生気の抜けた英莉可の父親を発見。彼女を金儲けの道具にしたその男に対し、逆木は拳を振り上げて父親を壊したのでした。

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『さんかく窓の外側は夜』10巻をネタバレあらすじ解説

最終回では、先生の家に囚われていた冷川と三角がついに対面を果たします。冷川はこの家から逃げられないと思い込んでいましたが、呪いはすでに冷川の中にしか残っていませんでした。 2人が出会ったことで呪いは一瞬で消え去り、無事に結界から脱出することに成功。2人は迎や英莉可達と再会の喜びをわかち合います。 警察の半澤は、呆然自失状態で家に残っている先生を脱税の疑いで逮捕。その後、各々の面子は分かれて帰路につき、帰宅した三角は母親と父親(先生)のことを話し合ったようです。 ひとり事務所へ戻っていた冷川の元に、しばらくして三角が現われます。かつて冷川が強制的に結んだ契約書は三角が破ってしまいましたが、彼はもうこんなものは必要ないのだと冷川に話し、こうして心霊探偵コンビは復活したのでした。

『さんかく窓の外側は夜』登場人物紹介

冷川理人(ひやかわりひと)

霊を「ぶん投げる」ことで祓う除霊師、冷川理人(ひやかわりひと)は、表向きはただの清掃業者として除霊を行っています。霊がはっきりと見える三角とは異なり、冷川は「聞こえる」能力者。三角ほどではありませんが、霊的な現象をぼんやりと見ることや、結界を張ることも出来るようです。 イケメンの上に高身長と容姿に恵まれている冷川ですが、実はその生活能力はかなり残念。他人の気持ちに疎く、親も友達もいないという彼からは、なにやら壮絶な過去が察せられます。

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三角康介(みかどこうすけ)

霊が見えすぎる男、三角康介(みかどこうすけ)。幼少期から霊に対して恐怖心を抱いており、眼鏡を外せば霊だけはっきり見えてしまう、という理由から眼鏡を掛けています。 他人には自分の能力を口外していなかった彼ですが、冷川と出会ったことで「見える自分」を受け入れられるように。生活能力に乏しい冷川に代わってお茶出しや空気読みを率先して行うなど、今では冷川にとってなくてはならない存在となっています。

非浦英莉可(ひうらえりか)

冷川&三角コンビがある事件を追っている中、霊から聞いた「ヒウラエリカ」という謎の人物の名前。その正体は、なんと普通の女子高生でした。偶然彼女と知り合った2人は、次第に彼女の裏の顔に気づき始めます。 死人を身体に取り込むことで人を呪う「呪い屋」として、数々の事件に関わっていた英莉可。物語の核心に近づくキーパーソンです。

迎系多(むかえけいた)

迎系多(むかえけいた)は、優れた観察眼を活かして占い師をしている男。相談者に対して親身に寄り添う姿勢が評価されており、女性からの人気が高い占い師です。 占いはインチキですが、迎の霊感は本物で、簡易的な結界を張ることも出来るようです。昔見た映画『エクソシスト』の影響でクリスチャンになったという彼は、強引に霊を祓う冷川とは異なり、霊に納得して貰うまで話すという手段で霊を祓います。

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実写映画『さんかく窓の外側は夜』も見逃せない【岡田将生×志尊淳】

『さんかく窓の外側は夜』
©2020映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre

映画版『さんかく窓の外側は夜』では、ドラマや映画で活躍する人気俳優、岡田将生と志尊淳がダブル主演!2人の共演は初ということですが、実力派として知られる俳優陣がどのような冷川&三角コンビを演じているのか、ぜひ劇場でチェックしてみてください。 脚本は映画『重力ピエロ』や『プリンセス トヨトミ』、『本能寺ホテル』などの話題作を手がけた相沢友子。監督はCMや映画、どちらでも高い評価を受けている森ガキ侑大です。 岡田将生演じる「祓える男」冷川と、志尊淳演じる「視える男」三角のタッグに加え、話題のクリエイター達が集結した映画版『さんかく窓の外側は夜』は、2021年1月22日から公開が開始しました。ぜひ映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

実写映画『さんかく窓の外側は夜』のあらすじと結末ネタバレ

『さんかく窓の外側は夜』
©2020映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre

三角康介は、昔から不気味なモノが見えてしまう体質の書店員。ある日凄腕の除霊師・冷川理人と出会って才能を見出された三角は、「僕といれば恐くなくなりますよ」との誘いに釣られて半ば無理矢理コンビを組まされてしまいます。 除霊師としては頼りがいのある冷川ですが、生活能力や情緒には欠けるため、三角はお茶出しや空気読みなどを自ら買って出るように。そんな中、冷川の知り合いの刑事・半澤からある殺人事件の捜査協力が舞い込みます。 未解決事件の真相に迫る2人は、犯人の霊から「ヒウラエリカ」という人物の名前を聞き出すことに成功。しかし、その人物の正体は女子高生の非浦英莉可だったのです。

半澤から沢山の被害者が消えたという雑居ビルに招かれた三角と冷川は、異様な気配を感じるその場所で非浦英莉可の姿を見つけます。そのビルは彼女が人の悪意を溜めている“貯金箱”のような場所でした。 英莉可がしている呪い稼業は経済的だと話す冷川に対して、三角は金儲けのために人が死んでも構わないのかと反論。しかしその後、三角は半澤から冷川が宗教団体の集団殺人事件の生き残りであることを聞き、彼の冷酷さの原因は壮絶な過去にあったことが判明します。 そんな自身の過去を忘れていた冷川でしたが、英莉可と共に“貯金箱”を壊そうと雑居ビルへ入ったことがきっかけで過去を思い出すことに。自分の力を憎みつつも、この力で人を救うことに希望を見出した冷川は雑居ビルの“貯金箱”を破壊し、呪いの根源を絶つことに成功しました。

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『さんかく窓の外側は夜』はホラー要素もBL要素も楽しめる!原作を読んで映画に備えよう

『さんかく窓の外側は夜』
©2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre

ホラー×BLという新しいジャンルで注目を集めている『さんかく窓の外側は夜』。官能的な除霊シーンや冷川の三角に対する嫉妬などのBL要素だけではなく、ストーリーの展開に従って明らかになっていく意外な過去や人間関係も本作の見どころです。 BL好きはもちろん、ホラーやバディものが好きな人にもオススメしたい作品なのでぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?