2020年12月16日更新

『異世界おじさん』魅力をネタバレありで紹介!異世界“から”帰ってきたおじさん

異世界おじさん

異世界から帰ってきた男の悲哀をコミカルに描いた『異世界おじさん』。「異世界もの」というジャンルのイメージが固まりつつあるからこそ笑える新機軸の作品です。この記事では、そんな『異世界おじさん』の魅力についてネタバレを交えて解説していきます。

目次

『異世界おじさん』の魅力をネタバレありで解説!異世界から帰還したおじさんがヤバイ?【ネタバレ注意】

『異世界おじさん』は、殆(ほとん)ど死んでいる(作者名)の漫画作品。元々twitterやpixivで投稿されていましたが、2018年以降は「ComicWalker」で連載配信中です。紙媒体でのコミックも刊行されており、2020年12月現在で5巻まで出ています。 『異世界おじさん』は、よくある「異世界もの」を逆手にとったコメディ作品。良くも悪くも定着した「異世界もの」のテンプレート設定をいじるメタ的な面白さが特徴的です。 そして何より、異世界から帰還した主人公、「おじさん」のキャラが非常に立っています。古き良きオタクでありながら、異世界で剣と魔法を使うおじさんのインパクトは絶大です。 今回は、そんな『異世界おじさん』の魅力について、ネタバレを含めて解説していきます。おじさんを取り巻く環境や、彼の異世界時代の活躍について触れていきましょう。 ※この記事は2020年12月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

『異世界おじさん』のあらすじ【よくある異世界ものとは訳が違う「帰還者」と甥っ子のコメディ】

2017年秋、17年間眠りについていた男が突然目を覚まします。彼は17歳のときに交通事故に遭って以来、長い間昏睡状態に陥っていました。 そんな男の元に、彼の甥っ子が渋々訪ねてきます。すると叔父は奇妙な言葉を話し、自分は異世界「グランバハマル」にいたと言い始めました。彼はおじさんがおかしくなったと、突き放そうとします。 そこで、おじさんは甥っ子に目の前で実際に魔法を使ってみせました。「グランバハマル」で習得したという魔法を目の当たりにした彼は、おじさんの話を信じることに。 そしておじさんに、これらの能力を活かしてYouTuberとなることを勧めます。こうして2人はルームシェアを始め、おじさんは異世界での体験を彼に聞かせるのでした。

『異世界おじさん』の魅力①:個性的なキャラクターたち

おじさん

おじさんは本作の主人公。17歳で事故に遭い長らく眠っていましたが、17年後に突如目を覚まします。その間、意識は異世界「グランバハマル」に飛ばされて彼はその地で冒険をしていました。

高丘敬文(たかおかたかふみ)

高丘敬文(たかふみ)は本作の準主人公で、おじさんの甥っ子。目覚めたおじさんの能力を知り彼とルームシェアを始めます。常識人風ながらどこかズレているところがあり、ある意味おじさんとは似た者同士です。

藤宮澄夏(ふじみやすみか)

藤宮澄夏はたかふみの幼なじみの大学生。昔からたかふみに好意を寄せていますが当人からは振り向いてもらえない様子。おじさんの冒険譚を聞き、彼の能力を知っている人物の1人。

ツンデレエルフ

ツンデレエルフはグランバハマルでおじさんが助けたエルフの冒険者。助けられて以来彼に惚れており、何かとつきまといますが愛情の裏返しで罵声を浴びせてばかり。恋心に疎い彼からはストーカーとして恐れられている様子。

『異世界おじさん』の魅力②:異世界転生モノの真逆という斬新な設定

『異世界おじさん』の魅力といえばやはり、その斬新な世界観設定にあるでしょう。主人公が異世界に行ったきりの作品であふれる中、あえて“帰還”した者にフォーカスを当てています。 多くの異世界転移/転生ものは、“都合のいい”異世界での生活を描くことがメイン。読者は、現実を嫌う主人公が新しい世界で活躍することに、カタルシスを感じます。 しかし本作は異世界から戻ってきた者が主人公。異世界での経験や考え方が現実社会でどう働くのかが、面白さのポイントになります。 現代の知識・経験を異世界で活かすのではなく、その逆なのが本作です。そして17年もの間眠っていたおじさんにとっては、現代はある種の異世界ともいえます。そういう意味でいえば本作も立派な「異世界もの」作品なのです。

『異世界おじさん』の魅力③:おじさんのジェネレーションギャップとSEGA愛

17年間眠っていたおじさんは言わば現代の浦島太郎。彼は自分が当時触れていたものが過去のものであることを知り、ギャップを感じます。彼は現代の人間でありながら「過去」の人間でもありました。 そんなおじさんと現代社会とのジェネレーションギャップも本作の魅力の1つ。技術の進歩や知らない世界に困惑する彼の姿をコミカルに表現しています。 そしてもう1つが、おじさんが生粋のSEGA党だという点です。異世界時代も、実際にゲームで得た知識や経験を活かして冒険していました。目覚めた後に最もショックだった出来事はなんと、SEGAがハード戦争に負けたことでした。 実際、SEGAゲーマーはコアなファンが多いことで知られています。ゆえに熱のこもった愛を語るSEGAオタクの彼からは、独特の面白さが生まれているのです。

『異世界おじさん』の魅力④:おじさんに恋するエルフが超かわいい!

『異世界おじさん』にも、ラブコメ要素が存在します。それこそがツンデレエルフの存在です。本作はメタなギャグのみならず、男女のすれ違いも笑いに変えています。 おじさんは異世界に行った後も、決して良い見た目ではなくオークと間違えられるほどでした。そんな中、彼はエルフを助け、彼女はそのまま恋に落ちてしまいます。 しかし、彼の前で素直になれない彼女は裏腹に憎まれ口を叩いてばかり。そんな彼女のツンデレぶりは見ていて思わずニヤニヤしてしまいます。 おじさんをはじめ本作の男キャラは揃って女性の気持ちに鈍感です。2人がすれ違う様子や、思いつめたエルフが暴走するさまも面白さの1つでしょう。 このように本作はラブコメとしても楽しめるようになっているのです。

おじさんの能力を解説!【多数ある魔法の一例を紹介】

グランバハマルから帰還したおじさんは様々な能力を持っていました。彼は魔法を見せることで、たかふみたちに自分の話が本当であることを証明します。 以下に示した魔法は、ほんの一例に過ぎません。様々なものを亜空間に収納できる収納魔法や、姿を変える変身魔術など、おじさんは様々な魔法を使うことができるのです。彼は他にも、空を飛んで移動する能力や、相手の考えを読むことができる読心術も持っています。 おじさんはいったいどれだけの能力を持っているのでしょうか。今後はさらに特殊な能力を持っていることが明らかになるかもしれませんね。

ワイルドトーカー

おじさんが転移時に神から与えられた能力です。精霊や魔族の言葉が翻訳され、異種族間の会話が可能。なお、彼は精霊との会話によって力を借りることで、強力な魔法を使うことができます。

イキュラス・エルラン

記憶を映像化する魔法。おじさんが異世界で経験してきた記憶を現実世界で再現するために用いられます。自分以外の人間の記憶を再現することも可能です。

イキュラス・キュオラ

記憶を消去する魔法。嫌な過去や知りたくなかったことを記憶から取り除けますが、何かがきっかけで記憶が戻ることも。記憶が戻る際は鼻血などの身体的な負荷が前兆として表れます。

ワーグレント・セルド(マグナ、ヒルナ)

風を操る魔法で、ものを動かすことができます。現在の世界では日本語で詠唱しても発動が可能です。

レグスウルド・スタッガ

光の手錠のようなもので手を繋ぎ、相手を動けないようにする拘束魔法。

キライドルギド・リオルラン

光から剣を作り出す魔法。おじさんがグランバハマルに転移して初めて使った魔法です。

レグスウィッドゲルドーナ

起動力を上昇させる魔法。

バライブートフォルグバストール

巨大のな炎の鳥を生み出し、その鳥で敵を焼き尽くす魔法。

おじさんが異世界で成し遂げた功績を紹介!オークの亜種として駆逐されそうになるも奮闘

水の湧き出るつぼの制作

干ばつで苦しむ村を訪れたおじさんは、魔法を込めた呪符を用いて「水の湧き出るつぼ」を作成。村は救われ、おじさんは村を救った英雄となったかと思いきや、まさかの吊し上げに。 つぼ制作の何らかの工程が村の禁忌に触れたため、つぼはたちまち割られてしまいました。

魔毒竜(ヴェノムドラゴン)を倒す

おじさんは襲われているエルフを助けるために、魔毒竜に立ち向かいます。魔毒竜は通常では倒せないと言われる魔物でしたが「がんばって工夫した」結果、彼は討伐に成功。そしてこの出来事をきっかけに、ツンデレエルフは彼につきまとうようになるのでした。

大規模結界の解除と再構築

封印都市ルバルドラムには、神話級の魔獣から街を守るための大規模結界が張られていました。しかし既に失われた魔法技術で張られていた大規模結界を、おじさんが破ってしまいます。 魔獣が大挙してやってくる中、彼は精霊の力を借りて大規模結界を張り直して侵攻を防ぎました。同時に、元の結界を壊した彼は精霊たちからめちゃくちゃに怒られます。

ドルド村の防衛

おじさんは冒険者のアリシア一行と出会い、ドルド村をゴブリンから守る依頼を手伝うことに。けれども、押し寄せたゴブリンの数は予想以上に多く、一行は絶体絶命。彼の作戦も失敗し最後は山を崩すことでゴブリンの軍勢をせん滅しました。 依頼は無事果たしたものの、ここでアリシアがルバルドラムの一件を見ていたことが発覚。恥ずかしくなったおじさんは一行の記憶をそっと消してしまうのでした。

シャレグ村の魔物討伐

アリシア一行と再会したおじさんは、再び彼らが受けた依頼を手伝うためシャレグ村へ。村を襲う魔獣がハリネズミのような姿だと聞いた彼は、それはソニックだと盛大に勘違いし対話での解決を図ります。 ところが現れたハリネズミ風の魔獣はソニックに似ても似つかぬ姿で、性格も非常に冷酷でした。その姿を見た彼は魔法で魔獣を黒焦げにしてしまいました。

「異世界もの」の常識を覆す!『異世界おじさん』の展開が気になる

『異世界おじさん』の設定の着想は、流石の一言です。異世界もののテンプレートが分かるからこその面白さがあります。設定を聞くだけでも本作が面白いと感じられることでしょう。 さらに、本作はおじさんのキャラが面白さを引き上げています。オタクで顔も良くない、奥手で人付き合いの苦手な彼は異世界でも悪戦苦闘していました。 卓越した能力を持っていましたがそれも活かしきれず。何事も様にならず、カッコよくない彼の姿からは笑いと共に哀愁が感じられます。 “異世界”のお約束と「おじさん」の化学反応こそが、本作の面白さのミソだといえるでしょう。加えて、おじさん大好きエルフの存在も、読者の胸をつかんで離しません。 “飛び道具”かと思いきや、しっかり「異世界もの」をしている本作の今後に要注目です。