2023年5月25日更新

『ワンダーエッグ・プライオリティ』ネタバレあらすじ解説!エッグの意味や2つの世界の謎を考察

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【毎週更新】「ワンエグ」をネタバレありで解説!ポイントごとに考察

ワンダーエッグ・プライオリティ
ⒸWEP PROJECT

2021年1月に放送スタートしたアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』。本作は社会の闇に鋭く切り込むドラマを生み出してきた脚本家・野島伸司が初めてアニメの原案・脚本を手掛けるオリジナルアニメです。 事前情報の少ない中始まった「ワンエグ」は、1話から謎と考察要素の多さが話題に。この記事では毎週あらすじと共に、謎めいた「エッグ世界」について考察します。 ※この記事は現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

『ワンダーエッグ・プライオリティ』のタイトルの意味とは?

ワンダーエッグ・プライオリティ
ⒸWEP PROJECT

「ワンダーエッグ」は少女が入っている卵です。卵から出てくる少女は、どこかの誰かの友達だった存在。つまり「ワンダーエッグ」自体が「友達」を意味していると考えられます。「プライオリティ」は「優先」という意味なので、『ワンダーエッグ・プライオリティ』で「友達の優先度」という意味に。 主人公・アイは毎週エッグを割って、多くの「友達」と出会っていくことになるのでしょう。その中でどの友達を優先すべきか、助けるべきなのか。そういった友達に優劣をつけることの意味について触れていくような作品になるのではないでしょうか。

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1話「子供の領分」ネタバレあらすじ解説

ワンダーエッグ・プライオリティ
ⒸWEP PROJECT

アイが手にした「ワンダーエッグ」とは?

不登校の大戸(おおと)アイは、深夜の散歩中に謎の声に話しかけられます。謎の声はアイに「君の欲しいもの」である「友達」が入っていると言って、「ワンダーエッグ」を渡しました。 次の日卵を持って玄関を開けると、そこは見知らぬ校舎。アイは再び謎の声に導かれ、エッグを割ると中から少女・くるみが出てきます。

仮想世界での敵「ミテミヌフリ」とは

「エッグ世界」はアイにとっては夢で、くるみにとっては現実です。顔のない敵「ミテミヌフリ」の攻撃のターゲットとなるのもくるみのみで、アイは傷つくことを恐れ戦うことから逃げてしまいます。 「エッグ世界」の屋上には、アイの唯一の親友で校舎から飛び降りて死んだ小糸(こいと)の彫像がありました。1度は逃げたアイでしたが、くるみを救うため「もう見て見ぬふりはしない」と敵と戦うことを決意します。 回想シーンの描写から、転校生だった小糸はアイの代わりにいじめられるように。アイは小糸へのいじめを「見て見ぬふり」をしていたのでしょう。この世界の敵と、アイの後悔の念とが深く関係しているようです。

クリア条件と彫像について考察

アイが敵を倒すと、くるみは消滅。謎の声は「親友を取り戻したいなら」元気を出せと諭し、アイはもっと友達を守ったら小糸が生き返るのではと考えます。謎の声は何人救えば小糸を助けられるかは分からないと言い、この時点で彼女が生き返るとは明言していません。 「エッグ世界」で消滅したくるみも、小糸と同じくどこかの世界で彫像になっており、彼女の友達がその世界に行くまでは永遠にそのままだと言います。このことから、アイは小糸を救うため彼女のエッグを引き当てる必要がありそうです。

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2話「友達の条件」ネタバレあらすじ解説

もう1人のエッグ購入者・青沼ねいるとの出会い

「ワンダーエッグ」のガチャで大量のエッグを入手していた少女・ねいると出会ったアイ。ねいるは自分が死なせた妹を救うためにエッグを購入していました。 2度目の「エッグ世界」で「ワンダーキラー」を倒したアイ。戻ってくるとねいるは入院中でした。アイが友達になろうと言うと、ねいるは初めて微笑み「たまにはいいかもね」と答えます。

「ワンダーキラー」の正体とは

「エッグ世界」ではチャイムが鳴るまで生き残ればいいと思っていたアイ。しかし謎の声が言うには、「ワンダーキラー」=少女のトラウマを倒す必要があると言います。 南のトラウマは、部活のパワハラ顧問でした。戦闘中、南は自分が悪いと呪いのように繰り返します。それはかつてのアイも同じでした。アイも再びいじめられるのが怖くて、小糸を救うために行動出来ず、ひたすら「ごめんなさい」と小糸に謝っていたのです。 変わりたいと強く思うアイは、「ワンダーキラー」にとどめを刺します。南が「さようなら」と決別の意思を示すと敵は消滅。南はトラウマを克服して、くるみと同様に消えていきました。

小糸のいじめの原因は「女の嫉妬」?

1話から頻繁にアイの様子を伺いに来ている担任の教師・沢木先生。回想シーンで小糸は、自分がいじめられている原因は、アイの友達になったからではなく、沢木先生に贔屓されていることで嫉妬されているからだと語っていました。小糸が沢木先生についていく、意味深なシーンも描かれています。 アイの自宅や入院先にもしょっちゅう現れている沢木先生。彼が小糸のいじめや自殺に何らかの関係があるのかもしれません。

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3話「裸のナイフ」ネタバレあらすじ解説

3人目のエッグ購入者・川井リカの登場

地下庭園でアイは新たな少女・川井リカに会います。初対面なのにお金を貸してとせがみ、アイの自宅にも強引に泊まり込むリカ。アイは彼女の勢いに振り回されっぱなしです。 エッグを持つ者が至近距離で寝ると“同期”が発生し、想いの強い方の世界に引っ張られるとのこと。同期によりアイはいつもの学校ではなく、リカの「エッグ世界」で友達を救うことになります。 今回の「ワンダーキラー」はアーティストに粘着していたストーカー女。リカとアイは共闘しますが、敵の攻撃でリカが石化してしまったところで3話は終わります。

リカが戦う理由とは?

リカは元ジュニアアイドルをしていました。彼女の救いたい彫像は、アイドル時代のファンだった女の子・ちえみです。彼女はリカにとって都合の良い「お財布ちゃん」でした。やがてリカは、ちえみがお金を稼ぐために犯罪行為をしていたことを知ります。 事実を知ってリカはちえみに「デブ」「もう来ないで」と酷い言葉を投げつけました。その後リカが目にしたちえみは、ぽっちゃりしていた頃の面影もなく痩せ細った亡骸の姿。 リカは「あのちえみにもう1度会えるなら、私は何人だってぶっ殺す」と言います。これが彼女の戦う理由のようです。 またリカの腕にはリスカ痕が無数にあります。彼女がお風呂でつぶやいた「もう切らない」という約束の真意も気になるところです。

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アイが気づいた小糸への“恨み”

リカの独白を聞いて、アイは自分もどこかで小糸のことを恨んでいたことに気づきます。友達なのになぜ相談してくれなかったのか、なぜ一緒に死のうと言ってくれなかったのか。自分の中の“恨み”に気づいたアイは、「私もぶっ殺す」と一皮むけた表情になりました。 3話でも小糸との回想シーンが入ります。アイが教室を開けると、そこには沢木先生の胸で泣いている小糸がいました。前回よりも沢木先生の存在感を強調する描かれ方になっていて、1話の印象よりも沢木先生が深く小糸と関わっていたことが分かります。

4話「カラフル・ガールズ」ネタバレあらすじ解説

4人目のエッグ購入者・沢木桃恵とアイの出会い

2つのエッグ世界での戦いが描かれていきます。1つは3話から続いているリカの世界。もう1つは4人目のエッグ購入者・沢木桃恵の世界です。ピンチに陥るも少女たちの協力もあって、アイとリカ、桃恵はそれぞれワンダーキラーを倒すことが出来ました。 地下庭園で桃恵は、ねいるとリカに男だと間違われてしまいます。帰り道窓ガラスに映る自分の姿を見て泣きじゃくる桃恵。通りがかったアイが声を掛けると、桃恵は「どう見える?」と尋ねます。それに対し「泣いている女の子」と答えてくれたアイに、桃恵は嬉しそうな笑顔を浮かべるのでした。 そこにねいるとリカも合流し、4人は談笑しながらエッグを買いに行くことに。アイは桃恵の名字が「沢木」だと聞いて疑問を感じるのでした。

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桃恵の「エッグ世界」と彫像

桃恵の「エッグ世界」は駅でした。ホームには桃恵の救いたい少女・ハルカの彫像があります。 エッグの少女たちを助ける度に、彼女たちに恋心を向けられてしまう桃恵。救った少女に「愛してる」と言われた桃恵は、ハルカとの過去を思い出します。 放課後の保健室、ハルカは桃恵の手を取り自分の胸に押し付けると、「触って」と彼女を抱きしめました。桃恵の「エッグ世界」には同性愛が深く関係しているようです。

エッグを購入できるのは女のみ。“死の誘惑”って?

4話でエッグに関して、購入できるのは女の子のみという事実が判明しました。アカいわく、男は目的脳で女は感情脳。感情脳である女には“死の誘惑”があると言います。その誘惑に惑わされて後悔しているかもしれない子、その子たちを生き返らせたいと願う子のための場が、地下庭園やエッグの世界だと言うのです。 アカや裏アカは男性の見た目をしていることから、彼らには何らかの“目的”があると考えられます。さらにアカは、自殺した子を救うとはひと言も言っていません。あくまで生き返らせたいと願う子たちの場、というのが今後重要になってきそうです。

5話「笛を吹く少女」あらすじネタバレ解説

小糸が死んだ理由は?沢木先生をめぐる回想

4人はすっかり意気投合し、みんなでアイの家を訪ねるほどの仲に。桃恵は沢木先生の姪でした。桃恵にとって先生は捨て猫を拾って育てるような優しい叔父さんですが、リカは小糸と先生が禁断の関係だったのではと勘ぐります。 アイは先生や小糸とのやり取りを思い出していました。先生はアイをモデルに展覧会用の絵を描いていましたが、小糸はアイに展覧会で賞を取る自信がないならモデルを辞退した方がいいと勧めます。 結局、小糸がモデルをすることに。未だはっきりとしない小糸の自殺の理由に関わる出来事かもしれません。

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ねいるがエッグを買い続ける理由とは?

5話で初めてねいるの「エッグ世界」が登場。そこはきれいな夜景が印象的な大きな橋で、ねいるは銃を武器にワンダーキラーと戦います。アイやリカがエッグの少女と仲を深めるのとは対照的に、ねいるはあくまでクールに敵を倒すのでした。 ねいるは妹を助けたいわけではないと言います。妹はねいるの背中を刺して逃げ、橋から飛び降りたのでした。背中にある大きな傷跡は、妹のことを忘れようとすると疼き、エッグの世界にいるとそれが楽になるそう。だからねいるは妹のためではなく、「自分のために」エッグを買い続けるのです。

リカが悪役になって口にした本音

楽しい時間を過ごし、秘密を共有し“友達”となった4人。リカはエッグを買うのを辞めることを提案します。せっかく新しい友達も出来たのに、自分の生命を賭けてまで自殺した人の責任を負う必要があるのかと。それに対し裏アカは、行きたくないなら行かなくていい、思春期はそういうものだと呟きます。 結局アイたちはエッグを買うことを辞めませんでした。裏アカの言葉は、彼女たちが“反抗期”であることを見越してのものだったのです。アカたちの思惑通り少女たちはエッグを買い続けるのでした。

6話「パンチドランク・デー」あらすじネタバレ解説

新たな敵「アンチ」の登場

「エッグ世界」で戦うアイの前で、ミテミヌフリが姿を変えます。それはアカいわく「アンチ」。エッグの世界でヒーローとなりつつあるアイたち4人を妬む敵で、アンチのターゲットはエッグの少女ではなくアイたちです。 苦しい戦況の中、4人は改めて最優先事項を確認します。それこそが「決められた時間までエッグの子を守ること」=ワンダーエッグ・プライオリティ。ついにタイトルが登場したところでOPに入ります。

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見えないものが見えるようになる数珠の存在

アンチへの対抗策としてアカから「お助けアイテム」のポマンダーをもらう4人。中にはそれぞれ動物が入っており、4人は「エッグ世界」での新たな相棒を得ました。 アンチの現れた「エッグ世界」に再び戻ったアイは、見えないものが見えてしまう少女・ヤエを守るため戦います。不可視のワンダーキラーに追い詰められていきますが、ヤエの数珠を手にすると見えなかった敵が見えるようになり、無事倒すことが出来ました。

アイがついに学校へ!沢木先生への宣言とは?

「お助けアイテム」をもらう前夜、アイは母から沢木先生と付き合いたいと告げられます。アイは小糸の自殺の件が有耶無耶になるのではないかと、交際を喜べない様子です。 複雑な表情を浮かべるアイに、ねいるは「アイは先生が好き」だという可能性を示唆します。ワンダーキラーとの戦闘中もねいるの言葉が脳裏に浮かび、アイは自分に言い聞かせるように何度も「違う」と叫んでいました。 戦闘後、アイは唐突にヤエの数珠を手に持ち学校へと走ります。そして先生になんとも言えない表情を向け、「学校へ行きます」と明るい笑顔で宣言して6話は終わります。 アイの心情の変化について多くは描かれていませんでしたが、見えないものが見えるようになる数珠の存在や、アイの中にある見て見ぬ振りをしてきた感情に関係があるのではないでしょうか。

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7話「14歳の放課後」あらすじネタバレ解説

リカの誕生日とリカの父親

リカの誕生日を祝うため集まった4人。愚痴に付き合って欲しいというリカは、自分の父親が誰か分からないことを告白し、母親への鬱憤を吐き出します。ねいるの論理的な言葉と桃恵の性善説的な考え方に、愚痴を聞いてほしかった彼女はその場から走り去りました。 同じ母子家庭のアイが後を追いかけ、彼女の話を聞きます。リカは大人が理解できないことや、いつか母親のようになってしまうのではないかという不安を吐露し、そのうちではなく“今”父親に会いたいと涙を流すのでした。

ピンチになったリカを救った意外な存在

今回はリカの「エッグ世界」に登場するワンダーキラーは新興宗教の教祖。その宗教にはまり一家心中したエッグ少女は、今でも“先生”を盲信しており、リカに「楽になれる」と説きます。リカは教祖の言葉に心奪われ、「私も救われたい」とワンダーキラーに取り込まれそうに……。 リカを救ったのは、刷り込みでリカを母親だと思っているお助けアイテムの亀の万年でした。母を守ろうとする万年の姿に、リカは自分が自己中な母親になってたまるものかと正気を取り戻し、亀と共闘してワンダーキラーを倒すことに成功します。

自分の弱さを認めたリカの変化

戦闘後、エッグの少女と話をするリカ。少女もリカも腕にはアムカ(アームカット)の傷跡があります。少女に「あなたも弱いくせに」と言われるリカでしたが、彼女は自分が弱いことを認め、自分を傷つけてでも生きてやると宣言。 弱くて潰れかけた自分でも、万年は自分を“親”だと認めて救ってくれました。そのことがリカが自分の弱さを認めるきっかけになったのでしょう。 帰宅したリカの母親への態度は、以前よりどこか軟化していました。リカはいつか母親を捨てるときっぱり言い切りながらも、それは「今じゃない」と、母親の不格好な手作りケーキを頬張りながら伝えたところでリカ回の7話は終わります。

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9話「誰も知らない物語」あらすじネタバレ解説

ねいるの出生の秘密

総集編の8話を挟んでの9話は、ねいるが3人を家である会社に招待するところから始まります。彼女は「プラティ」という高IQ団体のメンバーで、メンバー同士の人工授精で生まれた子供であることが明らかに。また彼女の会社には、被験者の夢=エッグ世界を映像化して録画する技術が開発されていました。 ねいるは植物状態の阿波野寿(あわのことぶき)という友人を、3人に紹介します。寿もプラティで生まれた子で、アルビノの少女です。彼女は死について研究していた精神医学博士で、臨死実験を繰り返すうちに植物状態になってしまったと言います。

「あどけない悲しみ」とは?

ねいるはエッグ世界で寿に会っていました。ねいるが死んだ理由を彼女に問うと、彼女は「第4段階」には抗いがたい何かがあり、「あどけない悲しみ」に攫われるような気分だったからと答えます。ねいるはそれがアカの言っていた「死の誘惑」ではないかと考えている様子です。 寿を救いたいと思うねいるに対し、寿は生命維持装置を外して欲しいと願います。アルビノの天才は政府に検体として回収されてしまうため、寿は大人たちに触れられる前に死にたかったのです。 寿の扱いについて4人は言い争いになりますが、最後はアイがねいるに寄り添うことに。2人は一緒に停止ボタンを押し、より一層強い絆で繋がったようでした。

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秘書とアカが繋がっていた!自殺の原因はアカと裏アカ?

一方でリカと桃恵は、庭園でねいるの秘書・田辺美咲とアカ・裏アカとの会話を耳にします。田辺いわく、ねいるは「死の誘惑の真相」に近づいており、「あどけない悲しみ」というのがヒントだったようです。 アカと裏アカは、少女たちの自殺の本当の理由を知ったらアイたちは戦わなくなると考えており、もともとの原因は自分たちにあると言います。対して田辺は、同じ少女同士、真相を知ったら戦ってくれるのではないかと期待している様子。 さらに裏アカがねいるのエッグの中身を操作して、寿にしていたことも判明。エッグ世界の核心へと踏み込む回となりました。

10話「告白」あらすじネタバレ解説

アカの正体は身体を捨てた人間

アカと裏アカが「ジャパンプラティ」の創始者で、肉体を捨てて脳だけキープしている元天才科学者だと判明。しかし少女たちは恋バナを優先、アカたちの事はそっちのけといった態度です。 男と勘違いされて失恋した桃恵は「エッグ世界」で性自認が男性の少女・薫と出会います。同じようにジェンダーで苦しむ薫との出会いは、桃恵が自分と向き合うきっかけとなりました。女の子でありたい自分の気持ちを認められた桃恵は、ついにゲームクリアを果たし、ハルカの彫像は蒸発します。

ついに桃恵がゲームクリア!エロスの戦士とは?

クリアした桃恵の前に現れたのは、顔が蝶のハイフンという謎の存在です。彼女は「フリル」に怒られるからと言い、桃恵の目の前で相棒のワニを斬殺。さらにその肉を無理やり桃恵に食べさせ、桃恵の精神は崩壊寸前となります。 ハイフンの口ぶりからするに、クリアの代償として誰かの死が必要なのかもしれません。またその後のハルカがどうなっているのかも、この時点では不明です。 アカたちによると、「タナトス=死」に立ち向かうには、「エロス=愛」の戦士が必要とのこと。2人は死の恐怖を目の当たりにした桃恵が、再び立ち上がることを期待している様子ですが、その真の目論見は未だはっきりとしていません。

沢木先生の愛とアイの覚悟

一方でアイと沢木先生の関係にも変化が訪れます。沢木先生は画家として独立するため、教師を辞めることに。アイは桃恵のゲームクリアの知らせを聞くと、行くか悩んでいた先生の個展へ向かうことを決意します。 賞を獲った絵は、以前アイが小糸にモデルを譲ったときの絵ではなく、大人になったアイの絵でした。絵を通じて、アイは先生が母のことを心から愛していることを感じ取り、彼女の淡い恋心は終わりを告げます。 同時にアイは、先生に小糸の死の真相を尋ね、真実と向き合う覚悟を決めるのでした。

11話「おとなのこども」あらすじネタバレ解説

フリルとはアカと裏アカが生み出したAIの少女

11話のメインはアカたちの回想です。「フリル」とはアカと裏アカが天才科学者だった頃に作り出したAIの少女でした。彼らはフリルを大人でも子供でもない14歳という年齢に設定。2人は彼女を自分の娘のようにかわいがり、やがて3人は家族のようになっていきます。 3人の関係は保科あずさという女性の登場で崩れていくことに。彼女はアカと結婚し、その裏でフリルは人知れずあずさへの嫉妬心を膨らませていきました。あずさが妊娠するとフリルは彼女を殺してしまいます。 アカは怒りのままフリルを地下へと押し込め、数年が経過。あずさが遺した娘・ひまりと共にアカと裏アカは、フリルなど最初からいなかったかのように再び幸せな家族の時間を過ごしていきます。

自殺に裏にちらつくフリルの影

ひまりが14歳となったある日、彼女は裏アカへ「大人になったら付き合ってもいいよ」と冗談めいた告白をしました。裏アカが「ガキ」だと一蹴したその晩、ひまりは自殺。 遺書も見当たらず、彼女が死を選んだ原因は不明。そのとき裏アカの脳裏に浮かんだのは、地下に閉じ込めたままのフリルの存在です。 フリルは地下の物置で複数のPCをつなぎ活動を続けていました。彼女はひまりが死んだ理由について何か知っているような思わせぶりな態度をとります。激昂した裏アカは彼女を破壊したようです。 最後に彼女がつぶやいた「見ないふりをしないで」という言葉は、エッグ世界のミナイフリに関連しているのかもしれません。

アイにだけ伝えられた真実

それからアカたちは同世代の少女の自殺について調査を開始します。死の理由は様々でも、最後の後押しとなる「死の誘惑」がフリルによってもたらされているのではないかと考えたのです。 ワンダーエッグも自殺者が増えることを止めるために、彼らによって生み出されたものでした。 アカたちはアイにだけ真相を話します。桃恵同様にクリアしたものの亀の万年を惨殺されて部屋に閉じこもっているリカや桃恵は、裏アカ曰くこのままではフリルに取り込まれてしまうとのこと。つまりリカたちも「死の誘惑」に誘われてしまうということでしょう。 「チクショウ」とアイが悔しそうに涙をこぼしたところで11話は終わります。

12話「負けざる戦士」あらすじネタバレ解説

アイのエッグ世界に現れた、もう1人のアイ

4人は久々に集まり、アイは桃恵とリカに起きた出来事を知ります。桃恵はアイとの友情を拒絶し、リカは万年の敵討ちを決意。4人の関係はバランスを失います。 シーンが変わり、アイのエッグ世界へ。アイがエッグを割ると、中から出てきたのはパラレルワールドのアイでした。もう1人のアイは別次元で自殺しており、その世界のアイは小糸とも出会っていません。

最後のワンダーキラーは沢木先生

もう1人のアイのトラウマ=ワンダーキラーは沢木先生でした。戦闘中、プールに落ちたアイは精神世界のようなところで小糸と沢木先生に会います。小糸は笑顔でアイの手を引き、沢木先生は大人の愛は汚いから大人になる前に死んだほうがいいと、死の誘惑をちらつかせるのです。 屋上で小糸と共に今にも飛び降りようとしているアイの脳裏に浮かんだのは、どんな自分も応援すると言ってくれた母の姿。死の誘惑に打ち勝ったアイは、もう1人のアイに自殺を後悔しているか問いかけます。 もう1人のアイが自分の本心を認め、後悔していると叫ぶと、アイは世界の殻を破ってもう1人のアイの元へと駆けつけるのでした。

ゲームクリアでアイはエロスの戦士になることを決意

死の誘惑に負けた自分=もう1人のアイと向き合ったアイは、沢木先生のワンダーキラーを倒してついにゲームをクリアします。小糸の彫像は溶けますが、当初アイが知りたがっていた死の真相は分からないまま。 アイは小糸に出会わなかったもう1人のアイに出会ったことで、いかに自分が小糸の存在に救われていたかに気づき、小糸に感謝の気持を抱きます。そしてエロスの戦士として戦い続けることを決意。いつかパラレルワールドのもう1人の自分も救おうと誓います。 ゲームクリアに伴いフリルの手下がやってきますが、もう1人のアイが身を挺してアイを守ります。アイに出会って少しだけ強くなったもう1人のアイに、アイは「ありがとう」と呟き12話は終了。 アイの小糸への気持ちは最終話らしくまとまりましたが、残されている謎やフリルとの結末は、6月放送予定の特別編に持ち越しとなりました。

『ワンダーエッグ・プライオリティ』登場人物紹介

大戸(おおと)アイ

本作の主人公・大戸アイはオッドアイの中学生。学校でいじめられていた時期を経て、不登校に。深夜の散歩をする中で、「ワンダーエッグ」に出会います。

長瀬小糸(ながせこいと)

ワンダーエッグ・プライオリティ
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アイの親友で故人。転校してきた際に、孤立していたアイと親友になります。その後、校舎から転落死。アイの「エッグ世界」の屋上には彼女の彫像があり、アイは彼女を救うため「エッグ世界」に挑んでいきます。

青沼(あおぬま)ねいる

青沼ねいるはアイと同じく「ワンダーエッグ」を買っている少女。褐色の肌に三編みが特徴的で、他人とは深く関わろうとしません。妹を救うため大量の卵を購入しています。

川井(かわい)リカ

川井リカはアイと同じく14歳の女の子。金髪にピンクのメッシュ、赤いスカジャンが目を引きます。物怖じをしない性格で、初対面の人とも距離を詰めていくお調子者タイプです。

沢木桃恵(さわきももえ)

沢木桃恵は長身でボーイッシュな雰囲気の女の子。髪はショートで、左目の下にホクロがあります。男の子のような見た目から、女性にモテている様子。

CloverWorksのおすすめアニメ作品

『ホリミヤ』

『約束のネバーランド』

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』

野島伸司ワールド全開!先の読めない『ワンダーエッグ・プライオリティ』

ワンダーエッグ・プライオリティ
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ドラマ『高校教師』や『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』では、学校で起こるタブー視されがちな問題にメスを入れてきた野島伸司。『ワンダーエッグ・プライオリティ』でも、いじめを真正面から取り扱っていて、野島作品らしさが見て取れます。 劇場アニメ並の美しい作画や美しい音楽と共に描かれるアイの世界は、果たしてどんな形でエンディングを迎えるのか。先の読めない展開で最終話まで楽しませてくれそうです。