漫画『島さん』を最新4巻までネタバレ解説！コンビニ店員の島さんの正体は？

深夜コンビニバイトに勤しむ、訳ありおじさんの日常を描いた『島さん』。一見普通のおじいさんで物覚えも悪く、頼りない印象を受けるコンビニバイトの島さん。しかし島さんはやるときはやるその人柄から、バイト仲間に一目置かれる存在でもありました。 そんな彼には誰にも明かしていない、ある秘密があったのです。 本記事では『島さん』をネタバレありで徹底解説していきます！

コンビニでアルバイト店員として働いている島さん。非常に物腰柔らかく誰にでも優しく接し、いくつかのコンビニのヘルプにも出ているお人好しです。しかし未成年者のヤンキーがタバコを買おうとすると、しっかり注意できる度胸も持っています。 そんな彼の正体は、なんと元ヤクザ。すでに更生済みではありますが、背中にはシップが貼られているだけではなく、龍の刺青が彫られています。 ある日、店長から万引きの常習犯がいると知らされる島さんと店員の子関。そして観察眼と洞察力に優れている島さんは、子供の万引き犯を捕まえます。しかし当の本人はまったく反省していない様子です。その後島さんは更生の機会を与えるため、警察には通報せずに両親に任せるのでした。

島さんが働くコンビニに、青井という新人が入ってきます。しかし翌日から出勤しなくなり、店員たちは不満を募らせていくのでした。一方青井は楽そうなアルバイト先を見つけ、数日後に新たなコンビニで働き始めます。 しかしそこには島さんの姿が。どうやらヘルプとして働きに来たらしく、青井は居心地が悪く感じます。ところが島さんは青井のことを覚えていないらしく、一安心するのでした。 数日後、またしても新たなアルバイト先で仕事をスタートさせた青井。そこへ再び島さんがヘルプとして出勤してきます。そして少し話すうちに、島さんの考えに深く悩み始めるのでした。 数日後、青井はアルバイトを辞めることなく、勤務を続けることを決意します。

午前3時、コンビニの前でアイスのごみをポイ捨てした男性を注意した島さん。男性は謝罪しますが、島さんが汚れ仕事をしている姿に同情して声をかけます。山のように捨ててあるたばこの吸い殻の処理に、こぼれているカップラーメンの処理……。 さらに島さんは、地面にこびりついて黒に変色したガムを1つ1つ丁寧に取り始めます。そして視線を向けていた男性に「やってみます？」と声をかける島さん。その後2人はすべてのガムを取り除き、スカッとした気分に浸るのでした。 夜勤明けの日、島さんは自転車に乗っていた少年とぶつかります。すると自分の少年時代を思い出すのでした。砂二と呼ばれていた時代、島さんは必死に自転車を漕ぐ練習をしていたのです。

島さんの働くコンビニには、常連の客が多くいます。その中には店員に対して嫌な態度を取る客や、店の中で騒ぐ客。 問題だらけのコンビニですが、店員にもさまざまな問題を抱えた人がいます。漫画家になるという夢を追い続け、がむしゃらに頑張っていた松沢。しかしあるときから夢が叶わないことを悟り、夢を持つことは苦しくて辛いだけと考えるように。 島さんはそんな彼に対して、ポップを作ってほしいと頼みます。好きなことを好きなように描こうとする松沢でしたが……。 他にも過去の店員に関するエピソードや、廃棄弁当を持ち帰る店員の話も収録されています。さらに島さんの過去について明かされるストーリーも描かれていますよ！

普段は気弱で虫も殺せないような性格の島さん。 そんな島さんは極度のお人好しで、店にやってくるワルガキ達を叱りもせずに相手をしたりと、ほっこりする描写も多いです。 島さんを見ると、自分も彼のように他人に優しい人間になりたいと思ってしまいます。

普段は気弱でバイト仲間の足を引っ張ってばかりの島さん。しかし彼は気弱なだけでなく、やるときはしっかりとやる男です。万引きに困っている店舗があれば、犯人のためを思い相手が子供だろうと警察に突き出し、強面の不良がタバコを売れと凄んでも、未成年であれば毅然とした態度で振舞います。 普段は弱々しくても、いざというときは弱者の強い味方となる島さん。そのカッコいい大人を体現したような振る舞いは、バイト仲間や読者が彼に一目置く要因になっているでしょう。

昼は警備員の仕事をしながら、老体にムチを打ちコンビニ夜勤バイトをする島さん。仕事も覚えられない彼がそこまでしてコンビニの夜勤をする理由は、中学生になる自分の子供に会うためです。 未だに子供に会えない島さんに、店長が「このあたりの学校ならいつ来てもおかしくない」と話します。それに彼は「会えなくてもいいんです、この店に来てくれる同じ年頃の子たちを見れてたらそれだけで幸せです」と応えるのでした。

誰にも明かしていない島さんの秘密。それは彼の背中にびっしりと彫られた刺青の存在でした。島さんは「若い頃に遊んでばかりだったから、今は頑張らなければいけない」と作中で語っています。また強面の客と対峙した際に、バイト仲間から「腰抜けたんじゃないですか？！」と聞かれ「え？なんで？」と返す姿も描かれていました。 子供との関係性やこの言葉から、彼の過去に特殊な事情があるのは明白でしょう。強面の人間に囲まれる環境で生きてきたのか、その正体が気になります……！

島さんは本作の主人公です。物覚えが悪く普段はただのおじいさんですが、時折普段とは違う頼り甲斐のある一面を見せます。背中には和彫の刺青が彫られており、その存在は誰にも秘密の様子。特殊な過去を抱えているようで、現在はバイトを掛け持ちしながらアパート暮らし中です。 深夜のコンビニバイト歴は相当長く、店長の沢みなみからは“守護神”と称されるほど。

子関は島さんの同僚の青年です。年齢は18歳で健康的な黒髪に、明るい性格が特徴的。客としてコンビニに来ていた時代に島さんに助けられました。彼はそれがきっかけで、島さんと同じ夜勤のコンビニバイトを始めるようになります。 まだ店の中では新人ですが、すでに島さんより仕事は早く、良きバイト仲間として登場しています。

沢みなみは島さんが働くコンビニ「ベターデイズ」の店長です。茶髪のポニーテールが特徴的で、しっかり者な性格をしています。 みなみは仕事ができなくても人として尊敬できる島さんを認めており、随所で彼の理解者として描かれています。

第14回双葉社カミカゼ賞にて佳作に入選し、2023年5月現在は『漫画アクション』で連載を続ける『島さん』。本作はヒューマンドラマを見せる物語でありながら、島さんの人間味に迫っていく作品でもあります。 お人好しな島さんの過去には一体何があったのか、明かされることを期待しましょう！