『カウボーイビバップ』のあらすじは?劇場版「天国の扉」の結末もネタバレ解説!
『カウボーイビバップ』ってどんな話?あらすじをネタバレありで解説
渋いジャズとハードボイルドなストーリーが絡み合う小洒落たアニメとして、いつまでもファンを虜にしている『カウボーイビバップ』。1990年代の作品なので、名前は知っているけど見逃しているという人もいるのではないでしょうか。 本記事ではその内容をネタバレありで解説。この機会に名作と名高い『カウボーイビバップ』の世界に触れてみてはどうでしょうか。
アニメ『カウボーイビバップ』をネタバレ解説
未来の宇宙を舞台とした賞金稼ぎたちの物語
地球が死の星と化してから数十年経った2071年。人類は宇宙へと生活圏を広げる一方で、無政府状態となったことで治安は悪化の一途を辿っていました。その対策として、カウボーイと呼ばれる賞金稼ぎたちが日々指名手配犯を捕まえています。 オンボロ宇宙船「ビバップ号」で宇宙を駆けるスパイク・スピーゲルとジェット・ブラックの2人組もそんな賞金稼ぎの1人。彼らの宇宙での破天荒な日々が1話もしくは2話完結で描かれていきます。
お金好きの賞金首・フェイとの出会い
第3話では魅惑の女性・フェイが登場。一攫千金を夢見て向かったカジノで偶然、人違いにより暗号解析プログラムが埋め込まれたチップを手に入れたスパイク。そのチップが原因で、スパイクは裏取引のゴタゴタに巻き込まれることになってしまいます。 カジノにいた謎めいた女ディーラー・フェイの役目は、裏取引の仲介役でした。破天荒でお金に目のない彼女は、密かにチップの強奪を目論んでいましたが、スパイクの登場でそれが失敗に終わってしまいます。 こうしてスパイクの手元にはチップと、カジノから脱走して懸賞金が掛けられたフェイの2つの駒が揃うことに。スパイクは組織に取引を持ちかけますが、狡猾なフェイによって受け取るはずのお金を掠め取られ、組織とは銃撃戦を繰り広げる羽目になります。 結局フェイとの奇妙な縁と、スパイクにとっては何の価値もないチップ1枚だけが彼の元に残り、彼は相変わらず一攫千金を夢見てその1枚でカジノに繰り出すのでした。
最終話はスパイクの因縁の戦い
第24・25話は謎多きスパイクの過去に迫るエピソード。軽妙な賞金稼ぎの物語から一転、この2話はシリアスな雰囲気が漂います。 スパイクはかつて殺し屋としてチャイニーズマフィア「レッド・ドラゴン」に所属していました。スパイクは当時、盟友だったビシャスの恋人・ジュリアと愛し合う仲となってしまい、2人は逃げるように組織を抜けていたのです。 再会した2人は組織に追われ、逃亡劇の中でジュリアは死亡。スパイクは「死にに行くわけじゃない。俺が本当に生きてるかどうか確かめにいくんだ」と、ジェットやフェイと別れ、ビシャスとの決着をつけに本部へと単身乗り込むのでした。 ビシャスと相打ちとなったスパイクが倒れたところで、物語は幕を閉じます。
劇場版『カウボーイビバップ 天国の扉』をネタバレ解説
ビバップ一行が出会った懸賞金3億の男
テレビアニメ最終話直前の24話で天才ハッカー・エドと人間を上回る知能を持つデータ犬・アインが「ビバップ号」から下船しました。この「天国の扉」は彼らが船を去る前の物語です。 ある賞金首を追って故郷・火星で一仕事を終えたスパイクとジェットの元に飛び込んできたのは、火星で起きたバイオテロのニュース。火星政府は事件の犯人に3億ウーロンと高額の報奨金を掛けたため、相変わらずのカップ麺生活に嫌気がさしていたスパイクは、この事件に興味を持ちます。 偶然にもフェイが別件を追っている最中に、事故現場付近にいました。彼女が撮影した現場写真には、手の甲に入墨をした男の姿が写っており、ビバップの船員たちはこの男を探すことにします。
得意分野を駆使して真相に近づく4人と1匹
スパイク、ジェット、フェイ、エドはそれぞれの得意分野や独自のルートを使って情報を収集。すでに戦死したことになっているヴィンセント・ボラージュという男が探している男であること、彼が「リンパ球に似せた遺伝子改良型小型ナノマシン」を売りさばいていること、ある製薬会社が関係していることを突き止めます。 製薬会社に潜入したスパイクは、彼と同程度の実力を持ちヴィンセントと同じタトゥーが入っている謎の女・エレクトラと接触。一方でヴィンセントはハロウィンの日にバイオテロをするという犯行予告を出します。 エドとアイン経由の情報でヴィンセントのアジトが判明。乗り込んだフェイは現場で撒かれたナノマシンを吸い込んで瀕死状態となりますが、なぜかヴィンセントの血液を含んだキスによって一命を取り留めます。
スパイクと強敵・ヴィンセントとの対峙
別ルートでヴィンセントの居場所をつかんだスパイクは、地下鉄でヴィンセントと対峙。スパイクは彼から自分と同じ「血の匂い」を感じます。凄腕のスパイクですら圧倒され、ヴィンセントに敗れたスパイクは海へと投げ捨てられるのでした。 地下鉄ではヴィンセントがナノマシンをばら撒きますが、エレクトラには異変が生じません。彼女の血には抗体があったのです。エレクトラは自身の血からワクチンを生成することに成功します。 しかしヴィンセントのバイオテロ計画は止まりません。ナノマシンを体内に入れる以前の記憶を失っているヴィンセントはずっと夢が覚めないと言い、「先へ行ける扉」を探している、また金色の蝶を見たいのだと語ります。そんな彼の半生を聞いたスパイクは、彼に自分の過去を重ねるのでした。
覚めない夢を見る男の結末
テロ実行のハロウィンの日。バイオテロを静かに無感情に眺めるヴィンセントをスパイクは見つけます。空からエレクトラのワクチンが散布される中、スパイクとヴィンセントは再び対峙することに。 激しい肉弾戦の末、ヴィンセントはナノマシン起動スイッチを押します。マシンが起動し、2人の前にはヴィンセントが焦がれていた美しい金色の蝶が無数に現れますが、ワクチンによってそれらは次々と消えていくのでした。 ヴィンセントはエレクトラに撃たれ、その瞬間彼女がかつて愛した女だったことを思い出します。「扉なんてなかったんだな」と零し、ヴィンセントは絶命。 ヴィンセントと同じように覚めない夢を見ていたスパイクは、この後テレビアニメの最終回で、彼とはまた違った結末を迎えることになります。
Netflixで実写版『カウボーイビバップ』が配信予定
2021年11月からNetflixで実写版『カウボーイビバップ』が配信予定です。スパイク役はアジア系俳優として活躍しているジョン・チョー。『スター・トレック』(2009年)ではカトー(ヒカル・スールー)役を演じた人物です。 ジェット役は ムスタファ・シャキール、フェイ役はダニエラ・ピネダ、ビシャス役はアレックス・ハッセル、ジュリア役はエレナ・サチンに。脚本はマーベル関連作品を多数手がけているクリストファー・ヨストが担当します。
『カウボーイビバップ』の主要キャラクター
スパイク・スピーゲル/山寺宏一
スパイクはどんなハプニングも飄々と対応するニヒルな賞金稼ぎ。ブルース・リーを師と仰いでおり、自身もジークンドーの達人です。凄腕の賞金稼ぎですが、ド派手なやり口がたたって補償や賠償金で稼いだお金は消えていくことがほとんど。 元マフィアの殺し屋で、片目は義眼です。死線をかいくぐってきたからか、独自の人生の美学を持っている人物。作中でも数多くの哲学的な名言を残しています。 同役を演じたのは声優界の大御所・山寺宏一。本作では渋い演技を楽しむことができます。
ジェット・ブラック/石塚運昇
ビバップ号の船長でスパイクの相棒がジェットです。痩身なスパイクとは対照的に、ジェットは筋骨隆々で強面な人物。しかし性格は几帳面で、料理や盆栽が趣味というギャップの持ち主。スパイクに振り回されることの多い苦労人です。 彼を演じたのは渋い声が特徴的な石塚運昇。「ポケットモンスター」シリーズのオーキド博士役や『機動戦士ガンダム00』のセルゲイ・スミルノフ役なども有名です。
フェイ・ヴァレンタイン/林原めぐみ
カジノのいかさま師として登場し、後に賞金稼ぎとしてスパイクたちと関わっていくことになるのがフェイです。美人ですがお金にがめつく、かなりの浪費家。ビバップ号の仲間というよりは気分によって協力したり、ときには自分で気になる獲物を追ったりと気ままな人物。 過去に関しては不明な部分が多く、作中で少しずつ明らかになっていきます。 そんな魔性の女を演じたのは林原めぐみ。『新世紀エヴァンゲリオン』で綾波レイ役や『名探偵コナン』の灰原哀役でおなじみの声優です。
スタイリッシュなアニメが観たいなら『カウボーイビバップ』がオススメ
1990年代の作品ながらいつ観てもオシャレな雰囲気が漂うアニメ『カウボーイビバップ』のあらすじを紹介しました。大人だからこそ楽しめる渋さとセンスが味わえる『カウボーイビバップ』は、アニメ好きなら1度は観ておきたい作品です。 菅野よう子が手掛けた音楽も本作の魅力のひとつ。ぜひ本編を視聴して、その映像と音楽を味わってみてください。