外星人メフィラスが『シン・ウルトラマン』で大バズり！構文・名セリフや元ネタを解説【割り勘でいいか】

庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督の『シン・ウルトラマン』(2022年)では、山本耕史演じる外星人メフィラスの無気味な佇まいが好評を博しています。 そこでこの記事では歴代「ウルトラ」シリーズに登場してきたメフィラス星人を詳しく解説。最新の『シンウルトラマン』から初代『ウルトラマン』(1966年)まで、話題になった名言を含めて紹介します。

メフィラス星からやってきた外星人メフィラスは、ウルトラマンよりも先に地球へ来て潜伏しており、「外星人第0号」を名乗って禍特対に接触しました。人間の男性に擬態しており、背広を着て紳士的な口調で話します。 本来の姿の時のビジュアルは、色合いやシルエットは初代特撮ドラマ『ウルトラマン』に登場した初代メフィラス星人とよく似ています。初代との相違点は、2つだった青い目が1つにつながっている点。また人間に擬態した時の格闘家を思わせる引き締まった体型も特徴的でした。 メフィラス星人のキャラクターは悪役でありながら魅力的で、強いインパクトを残し、映画を観た人々を魅了。独特な言い回しのメフィラス構文や山本耕史の怪演はSNSで大バズりしました！

行方不明になっていた分析官、浅見弘子(長澤まさみ)が巨大化した姿で丸の内に現れます。浅見を元に戻すために解析を急ぐ禍特対のメンバー。 そこに背広を着た男「メフィラス」が現れます。人類を巨大化できる仕組み「ベーターボックス」を使い、あっという間に浅見を元の姿に戻してしまいます。浅見の巨大化はメフィラスの力を誇示するためのデモンストレーションだったのです。 一連の流れを見ていた日本政府はベーターボックスを欲しがり、外星人メフィラスと条約を締結しようとします。会談でメフィラスは日本の後ろ盾となることを約束しますが、一方で他の国にも条約を持ちかけているようで……。

メフィラスの真の狙いは、人類を生物兵器として独占管理すること。浅見を巨大化させたように人類を巨大化させ、軍事利用を企んでいたのです。メフィラスはウルトラマンと融合した神永新二に共闘を持ちかけますが、神永はこれを拒否。 メフィラスの企みを聞いた神永は、浅見の匂いを辿って不平等条約の締結を阻止します。そしてウルトラマンとなり、巨大化したメフィラスと対峙。互角の戦いを繰り広げる両者でしたが、ゾーフィの襲来を察知したメフィラスは面倒ごとを避け、地球から撤退するのでした。

一時Twitterのトレンド上位にもなった「メフィラス構文」とは、劇中でメフィラス星人が度々口にした独特の言い回しのこと。特にこれから紹介する名セリフ3選のうち、1つ目に紹介する「私の好きな言葉です」をアレンジしてつぶやく人が続出し、メフィラス構文としてバズりました！ 話題を呼んだメフィラス星人の名セリフを紹介していきます。

メフィラスが自分の好きな格言を紹介するときに使う独特の言い回し。劇中で何度も繰り返されるので、鑑賞後は自分の好きな言葉と組み合わせて、思わず口ずさみたくなる中毒性のあるセリフです。 後半機嫌が悪くなると「私の苦手な言葉です」という言い回しを多用するようになっていました。

居酒屋でウルトラマンとメフィラスが酒を飲んだ後、メフィラスが言ったセリフです。高い知能と星を征服する力を持つ外星人メフィラスが「割り勘」というギャップがシュールで、クスッと笑った人も多いはず。自分だけ大量に飲み食いしていた点も気になります。 とはいえ、メフィラスが人間界に慣れていることや、ウルトラマンを対等に扱っていることがわかるセリフでもありますね。

シンウルトラマンの特報でも流れる一言。「生物兵器としての地球の独占管理」に神永を誘う際に言い放った印象的なセリフです。

外星人メフィラスを演じたのが俳優の山本耕史。爽やかで紳士的な風貌ながら、表情や言動の節々に狡猾さ、無気味さを醸し出しています。人間の姿をしているにもかかわらず、明らかに異質な存在だと視聴者に実感させる、見事な怪演が話題を呼んでいます。

メフィラス星人は、1966年にスタートした初代テレビドラマ『ウルトラマン』から登場したキャラクターです。その後も『ウルトラマンタロウ』などのウルトラシリーズに、姿や設定が変わりながらも何度か登場しました。 映画『シン・ウルトラマン』より以前のメフィラス星人がどんなキャラクターだったのか振り返ってみましょう。

メフィラス星人は、基本的に暴力を嫌い心の対話で地球を侵略しようと試みる知的な宇宙人。名前の由来はゲーテの戯曲『ファウスト』(1808年)に登場する悪魔・メフィストフェレスです。 知能だけでなく戦闘能力も高く、両手から放たれる「ヘアバンド光線」や拳から放つ「グリップビーム」を駆使し、ウルトラマンと互角に渡り合える力を持っています。

地球を征服するためにメフィラス星からやってきたメフィラス星人。フジ隊員の弟、サトルを誘拐し、「地球をあなたにあげます」と言わせようとするも、要求が叶わず激昂。市街で巨大化させたフジ隊員を暴走させたり、宇宙人を召喚したりして科特隊を混乱に陥れます。 その後、科特隊が宇宙船の探知に成功、メフィラス星人の居場所を突き止め、ウルトラマンと対峙することに。ウルトラマンと互角の戦いを繰り広げるも、途中で戦いを放棄するメフィラス星人。サトルを説得できなかったことから、素直に負けを認め、地球を去っていくのでした。

地球を征服に来た宇宙人にも関わらず、対話を通して地球の征服を目指す知的な性格。基本的に口調も丁寧で紳士的な振る舞いをしますが、計画通りに物事が運ばないと、取り乱し暴力的な手段を取るようになります。 ウルトラマンとの対決時には地球人の心に勝てなかったと言い、自らの負けを認める潔さも持ち合わせていました。

初代メフィラスは数多の宇宙人を引き連れるボス的な立ち位置であり、科特隊を混乱に陥れるため、ケムール人、バルタン星人、ザラブ星人を召喚しました。 また楳図かずお作の漫画版『ウルトラマン』(1966年)でもメフィラスはボスとして君臨。直属の部下は「メフィラス四天王」と称した、バルタン星人、ザラブ星人、ケムール人、ダダの4人でした。

初代メフィラスが誘拐したサトルを説得する際に言い放った一言。汎用性の高い言葉のため、漫画『ウルトラ怪獣擬人化計画feat.POP Comic code』(2015年)で使用されるなど、二次創作で使われることが多いセリフです。

同じく誘拐したサトルを説得する際に言い放った一言。話し合いで地球征服を望む、初代メフィラスを象徴するセリフです。

メフィラス星人二代目はマンダリン草の神経毒で世界中の子供を半身不随にすることで、地球征服を企んでいました。手始めに自動販売機にマンダリン草を仕込み、次々と子供たちを半身不随にしていきます。 その卑怯なやり口を東光太郎に咎められると、激昂しながら巨大化して街を破壊し始めました。ZATの「アミアミ作戦」から脱出するも、最後にはウルトラマンタロウのストリウム光線で撃沈。ドロドロに溶けて消滅しました。

紳士的で暴力を嫌う初代メフィラス星人と打って変わって、メフィラス星人二代目の口調は乱暴です。地球征服のためなら子供を狙った卑怯な手段もいとわないような、残酷で荒々しい性格をしています。

スタイリッシュな初代メフィラス星人と違い肥満気味な体型。体全体の色は灰色で、腹部の金色部分が特徴的です。初代と異なり眼のふちが赤く彩られています。

東光太郎に子供を狙った卑怯なやり口を批判された際に言い放ったセリフ。他の同シリーズでもアレンジされて使われることが多く、メフィラス星人二代目の代名詞とも言える名言です。

『ウルトラマンメビウス』(2006年)第43話「脅威のメビウスキラー」から第47話「メフィラスの遊戯」に登場。エンペラ星人に仕える「暗黒四天王」の一角で、外見・性格ともに初代メフィラス星人と似ており、暴力に頼らない、地球征服を目指しています。

『ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース』(2009年)に登場。3代目メフィラス星人の怨念が、怪獣墓場に流れ着いた鎧に宿り、再び実体となって復活した姿です。

『ウルトラマンオーブ』(2016年)第6話「入らずの森」に登場。惑星侵略連合の首領で、外見は初代メフィラスに似ており、白いマントを羽織っているのが特徴です。

『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(2018年)第18話「明日なき世界」に登場。宇宙に向けて放送するテレビ局「NPTV」のディレクターで、自分よりも格下には威張り散らす、小狡い性格をしています。

漫画『ULTRAMAN』(2011年～)に登場。星団評議会・日本支部の大使で、本来のメフィラス星人としての姿を偽り、普段は人間態としてダンディな初老の男性を装っています。

データカードダスゲーム『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』(2013年)に登場するメフィラス星人たち。ジェントはギャラクシーギルドのハンターリーダーで、司令官の役割を担っています。

漫画『ウルトラ戦士 銀河大戦争』(1981年)に登場。メフィラス星人の軍団を統率する帝王で、S字型の鎌を使って戦闘します。手袋とブーツを身につけているのが特徴です。

漫画『疾風ウルトラ忍法帖』(1992年)に登場。悪の組織「朧党」の首領で、ずる賢い性格ながら、仲間想いの一面もあり、部下に慕われています。

この記事では『シンウルトラマン』に登場した外星人メフィラスを中心に、歴代のメフィラス星人を紹介しました。初代メフィラス星人から見た目や性格が少しずつ変化しながらも、印象的なセリフや立ち振る舞いは今も変わらず愛され続けています。 最新作の『シンウルトラマン』でもその魅力は健在。山本耕史が作り上げた、実在感たっぷりの外星人メフィラスをぜひご覧ください！