2023年3月18日更新

『シン・仮面ライダー』の全怪人(オーグ)一覧!敵SHOCKERの上級幹部を漫画とつなげて考察

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『シン・仮面ライダー』(2023)に登場する怪人が続々と発表されています。本記事では映画で登場する怪人(オーグ)を、元になった特撮の怪人と合わせて紹介! ネタバレありで映画の敵をラスボスまで紹介していきます。未鑑賞の場合は注意してください。

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『シン・仮面ライダー』の敵怪人は“オーグ”

『シン・仮面ライダー』では敵としてシリーズお馴染みの組織・ショッカーが登場します。テレビシリーズや原作漫画でのショッカーは「世界征服を企む悪の秘密組織」でしたが、本作のSHOCKERは「人類を持続可能な幸福へと導く秘密結社」です。

『シン・仮面ライダー』 SHOCKERの意味

SHOCKERの構成員たちは「オーグ」と呼ばれ、オーグメンテーション(改造手術)を施されることでサソリやクモ、コウモリなどの昆虫の特徴と人間離れしたパワーを手に入れています。

SHOCKER構成員(オーグ)と元ネタ一覧

上級構成員

クモオーグ 元ネタ:蜘蛛男 キャスト:大森南朋
コウモリオーグ 元ネタ:蝙蝠男 キャスト:手塚とおる
サソリオーグ 元ネタ:さそり男? キャスト:長澤まさみ
ハチオーグ (ヒロミ) 元ネタ:蜂女 キャスト:西野七瀬
第2バッタオーグ 元ネタ:仮面ライダー2号 キャスト:柄本佑
カマキリ・カメレオン (K.K)オーグ 元ネタ:かまきり男、 カメレオン男 キャスト:本郷奏多
チョウオーグ 元ネタ:ギリーラ? キャスト:森山未來
(大量発生型相変異バッタオーグ) 元ネタ: ショッカーライダー

※大量発生型相変異バッタオーグが上級構成員かどうかは不明なため()で表記しています。

博士

緑川弘 元ネタ:緑川弘(緑川ルリ子の父) キャスト:塚本晋也
イワン 元ネタ:死神博士 映画本編は未登場
緑川ルリ子 キャスト:浜辺美波

人工知能

外世界観測用自律型人工知能ケイ 元ネタ:ロボット刑事K キャスト:松坂桃李
アイ 元ネタ:10月計画の巨大電子頭脳?
ジェイ 元ネタ:キカイダー

上級構成員

クモオーグ

頭の側面からドレッドヘアーを蜘蛛の足のように出したマスクを着用するオーグ。声は俳優の大森南朋が担当しています。 映画本編では緑川ルリ子を誘拐して序盤に殺されてしまったクモオーグ。その素性や心の葛藤がショッカーサイドのスピンオフ漫画『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』で描かれています。 ゲイであることをカミングアウトしたが故にいじめられるようになった親友を見殺しにして、優しい親友が自殺してしまった後悔や絶望を背負って生きているようです。漫画ではほかにも、主人公である緑川イチローを励まし武術を教えるなど優しい一面も見せていました。

元ネタ:蜘蛛男

『仮面ライダー』の記念すべき第1話に登場した怪人。糸に見立てた粘着性のある紐や溶解液を口から放つなど蜘蛛に寄せた攻撃を得意としています。 第一話では組織を裏切った緑川博士を殺害。さらに娘の緑川ルリ子も拉致しようと計画しますが、最終的に1号のライダーキックでやられてしまいました。

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コウモリオーグ

コウモリオーグは白衣姿で蝙蝠のような長い耳を持ったオーグで科学者です。他者を思い通りに操るバットヴィルースを研究しています。また緑川ルリ子を大量にコピーするような、簡易的なクローン精製技術も持っているようです。 コウモリオーグを演じていたのは俳優の手塚とおるでした。

元ネタ:蝙蝠男

相手に噛み付き、ビールス(ウィルス)を人間に流し込める特性を持った怪人。感染した人間を超音波によって自由に誘導できます。 自身の棘でしかビールスは治せないものの本郷に「証拠を見せろ」と言われ、実演した隙に反撃を食らうという間抜けな結末を迎えています。

サソリオーグ

殺戮が趣味の陽気な怪人・サソリオーグ。『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』でも色気のある狂った陽気なお姉さんとして活躍しています。 プラーナの力を持ったオーグたちは通常毒が効きませんが、サソリの毒は特別。オーグを殺すこともできます。政府の男たちは彼女の毒を利用しようとしていました。 サソリオーグを色気たっぷりに演じていたのは長澤まさみ。サソリオーグは部下もセクシーな格好をしていました。

元ネタ:さそり男?

TVシリーズではサソリの改造人間は男性で、サソリオーグとは全く違う怪人でした。 左腕のハサミや溶解液を噴射できる針などさそりの特性を持った怪人。早瀬吾郎が本郷猛への嫉妬心から自ら改造人間になってしまいます。 基地内に1号を誘導し自らは砂に隠れて待ち構えていましたが、最後はライダーシザースによってやられています。

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ハチオーグ

スズメバチのような色合いのマスクとツインテールが特徴のオーグ。支配に喜びを感じており、支配される側も従属に喜びを感じていると信じます。テストモデルに選ばれた街の人々を洗脳し、仮面ライダーとルリ子を苦しめました。 昔のコードネームは「ヒロミ」で、緑川ルリ子とはどうやら友人のような関係にあったよう。ルリ子はヒロミを殺すことを最後までためらっていました。 ハチオーグを演じたのは西野七瀬。矛盾した感情を抱える哀愁を愛らしく表現していました。

元ネタ:蜂女

敵を溶かす毒針とサーベルを武器に戦う怪人。特殊な装置を内蔵したメガネを装着した人間を羽から発する超音波で操る能力も持っています。 毒ガス工場の工場長で被検体の人間を集めていましたが、1号にライダーキックでやられてしまいました。

第2バッタオーグ

※写真右。目が赤い方が第2号。 オーグメンテーションによって一文字隼人がバッタの能力を埋め込まれた姿。チョウオーグによって用意されたオーグで、秘密結社SHOCKERの上級構成員です。 しかし仮面ライダー第1号を追って行った先で緑川ルリ子によって洗脳を解かれ、やがて仮面ライダー第1号とともに戦うことを選びます。 第2バッタオーグ、および仮面ライダー第2号、仮面ライダー第1+2号を演じたのは柄本佑でした。

元ネタ:仮面ライダー2号

フリーカメラマンで柔道6段、空手5段の持ち主・一文字隼人はショッカーによって改造手術を施されてしまいます。しかし脳の改造手術前に本郷猛(仮面ライダー1号)によって救われたため知性は保たれました。 その後原作萬画では、死にかけて脳だけとなってしまった本郷猛からテレパシーを受け、2人で1人の仮面ライダーとしてショッカーと戦っていきました。 TVシリーズではショッカーを追ってヨーロッパに向かった本郷に代わって日本を守る役割を任されることに。戦闘力は1号を上回っており「力の2号」と呼ばれていました。

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カマキリ・カメレオン(K.K)オーグ

クモオーグの後輩を名乗るカマキリ・カメレオンオーグ。史上初の3種合成型オーグメントです。カメレオンの特徴を活かして透明になることができ、気配を殺して近づいた末に緑川ルリ子を死に至らしめました。 カマキリ・カメレオンオーグを演じていたのは本郷奏多です。

元ネタ①:かまきり男

かまきり男は初代『仮面ライダー』第5話に登場した怪人で、名前の通りかまきりの鎌を持った怪人です。地震を起こすために地震学者を誘拐しますが、彼女を奪還しに来た本郷猛によって倒されました。

元ネタ②:カメレオン男(死神カメレオン)

カメレオン男は『仮面ライダー』第6話「死神カメレオン」に登場した怪人です。体色を変えて周囲に溶け込んだり、壁を登る能力を持っています。 日本にあるナチスの財宝を得ようと緑川ルリ子を誘拐し本郷猛を罠に嵌めようとしましたが、裏の裏をかかれて敗北、最後はライダーキックとライダーチョップで倒されました。

チョウオーグ

緑川ルリ子の兄、緑川イチローがチョウとの合成手術によって強化されたチョウオーグ。緑川イチローは漫画『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』の主人公です。 世界から暴力をなくすために全人類から肉体を奪い、魂だけの世界「ハビタット世界」に送る計画を立てており、チョウオーグによって一度魂をハビタット世界に送られた人は二度と帰ってこられません。 常にプラーナを補給できる玉座に座っているためかプラーナの保有量が高く、凄まじい戦闘力を誇ります。仮面ライダー第0号を名乗っていました。 演じているのは森山未來。不気味ながらも哀愁漂うラスボスを、存在感たっぷりに演じていました。

元ネタ:シャドームーンと仮面ライダーV3?

初代『仮面ライダー』で登場した蝶モチーフの再生怪人といえばギリーラです。しかしギリーラと今回のチョウオーグ(仮面ライダー第0号)はあまりにかけはなれていました。 デザインの参考にしたと明かされているのは、『仮面ライダーBLACK』に出てきたダークヒーロー「シャドームーン」です。 しかし仮面ライダーV3とリンクする点も多くあります。ベルトやスカーフだけでなく、両親と妹が死んでしまっている点も同じでした。

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大量発生型相変異バッタオーグ

チョウオーグである緑川イチローが用意したバッタオーグを大量に複製した存在。これ以前に作られたバッタオーグよりも凶暴な性質を持っています。SHOCKERの上級構成員であるかどうかは不明です。 最初は本郷猛が1人で大勢と戦っていましたが、彼がピンチに陥ったとき一文字隼人が助けに現れます。一文字はここで初めて「仮面ライダー第2号」を名乗りました。2人によって大量発生型相変異バッタオーグは全滅します。

元ネタ:ショッカーライダー

TVシリーズでは第91話で登場したショッカーライダー。基本的な装備・能力は仮面ライダーと同等かそれ以上である上に、6人の連携プレイで仮面ライダーを苦しめた強敵です。 原作萬画でも12人登場し、本郷猛を死の淵に追いやります。萬画ではショッカーライダーのうち1人が一文字隼人で、本郷をともに戦闘不能に追い込みます。その後彼を継いで仮面ライダー2号となり、ショッカーと戦っていくというストーリーでした。

下級構成員

原作同様黒いユニフォームが特徴的ですが、本作ではさらに白いマスクを装着しています。監督より軽いオーグメンテーションを受けていると明かされました。

元ネタ:ショッカー戦闘員

原作では各幹部の部下として戦闘の他、略奪など非人道的な行為を遂行する戦闘員。 最終的にショッカーからゲルショッカーへと組織が変わった際、改造人間ガニコウモルに抹殺されてしまいました。

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その他

第1バッタオーグ

池松壮亮が演じる本郷猛がオーグメンテーションによってバッタの能力を授かった後、変身した姿。もともとはSHOCKERの上級構成員でしたが、反旗を翻して今はSHOCKERと敵対しているようです(公式アプリより)。 監督はライダースーツやサイクロン号など原作を踏襲しつつ現代風のデザインに仕上げたと語っています。

元ネタ:仮面ライダー1号

城南大学の学生で知能指数600、さらにオートレーサーという肉体的にも知能的にも優れた能力を持つ本郷猛はショッカーに攫われ、改造手術を受けさせられます。 ショッカーによって捕らえられていた緑川博士が脳の手術を施す前に助け出したことで知性は保たれました。13話でショッカーを追いかけるためヨーロッパへと姿を消しています。

緑川ルリ子

父である緑川弘とともにSHOCKERを裏切った緑川ルリ子。チョウオーグである緑川イチローとは一応兄妹ですが、ルリ子は人口子宮から生まれています。 SHOCKERの目的のための道具として生み出された緑川ルリ子。純粋な人間ではなく、青い目を使った高度なプログラミング能力を有しています。 過去には兄・イチローの理念に共感し「ハビタット世界」を共に創りあげてしまったと語っています。しかし「天国だと思っていたが地獄だった」と過去の所業を後悔しているようです。

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緑川博士(緑川弘)

緑川博士こと緑川弘は緑川イチローとルリ子の父親。『シン・仮面ライダー』のアナザーストーリー『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』で活躍しているキャラクターです。 緑川博士は、TVシリーズではもとから娘を人質にされたためショッカーの研究に加担しました。本郷猛を改造する手術の途中で彼の脱出を手助けします。 今回の映画の設定および漫画では、自ら進んでSHOCKERの一員となりました。プラーナの実用化に貢献した功績者ですが、なぜかショッカーを裏切っています。彼の裏切りの理由は、今後漫画の中で明かされるかもしれません。 緑川弘を演じたのは塚本晋也でした。

外世界観測用自律型人工知能ケイ

外世界観測用自律型人工知能ケイも、スピンオフ漫画「真の安らぎはこの世になく」から登場しているキャラクターです。漫画では緑川イチローのお世話・教育係のような役割を果たしています。「アイ」とつながっている存在で、外の世界の観測の役割を担っています。 映画ではルリ子やオーグたちを観察しつつ、緑川イチローに忠実に従っていました。もともとはジェイという機械でしたが、アップデートされてケイになったようです。 声優は松坂桃李が務めていました。

元ネタ:ロボット刑事K

このキャラクターのインスピレーションの元ネタは、石ノ森章太郎原作の特撮番組『ロボット刑事』の主人公「K」だと考えられます。 Kは警視庁ではたらくロボットのヒーローという設定だったので、ストーリー自体は元ネタにはなっていなさそうです。

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アイ

SHOCKERの創始者、ショッカー首領が作り出した人工知能アイ。外の世界とは断絶された存在なので、ケイとつながることで情報を得ています。 ショッカー首領が自殺する直前、人類の幸福追求を絶対的な命令として受けとったため、その命令を忠実に守ろうとしているようです。 SHOCKERの幹部たちは「アイ」にアクセスするために、8つの鍵「クリプトキューブ」を集めようと争っています。現状、イワン一派が3つ保有している情報のみが明らかになっています。

元ネタ:10月計画の電子頭脳?

オリジナルキャラクターなので、原典に該当する名前のキャラクターはいません。しかし人工知能であるという点から、萬画のクライマックス「10月計画」を進めていた電子頭脳が元ネタになっているのではないでしょうか。

緑川イチロー

緑川イチローは緑川弘の息子で『シン・仮面ライダー』スピンオフ漫画の主人公です。 幼くして母を殺され、父とともにSHOCKERに身を寄せるようになりました。その後、組織内の権力争いに巻き込まれ命を落としかけ、父の手術によって生き返りました。暴力のない世界を作ることを望み、ケイ**クモサソリとともに勉強と武術の鍛錬に励んでいます。

イワン

映画には名前しか登場しませんでしたが、イワンという博士がスピンオフ漫画「真の安らぎはこの世になく」に登場しています。イワンは死神博士という初代仮面ライダーを苦しめた敵幹部の本名。 漫画でも「死神」と揶揄されているシーンがあったので、イワンが死神博士であることは間違いなさそうです。 イワンは最初からSHOCKERの組織員だったわけではなく、外部から招かれた博士であるよう。そのためほかの幹部たちと敵対しています。 しかし「クモ」や「サソリ」にオーグメントを施し彼らを仲間に引き入れたことで、イワン一派と言えるような一大勢力を築き上げています。

元ネタ:死神博士

TVシリーズに登場していた死神博士はショッカー三大幹部の1人である天才博士です。本名はイワン・タワノビッチというロシア人ハーフでした。妹を失うという悲しい過去によってマッドサイエンティストとなった悲しい人物でした。 ショッカーではスイスに赴任していた時期もあり、そこでナチスドイツの技術を学んで改造人間製造の第一人者となります。改造技術を日本に持ち帰ってハエ男など多くの怪人を生み出しました。 のちに制作された漫画『仮面ライダー SPIRITS』では、一文字隼人を2号ライダーを改造したのも死神博士だと描かれています。

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ショッカー側の物語「真の安らぎはこの世になく」とは

『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』は『神さまの言うとおり』の藤村緋二が作画を務める映画のヤングジャンプで連載中のスピンオフ作品です。 神経科学の研究員・緑川弘は妻を救えなかった後悔からショッカーで研究に没頭するようになり、息子もショッカーに入所させます。しかしその研究は命を救う一方でとんでもない作用があり……。 作中にはクモオーグやサソリオーグと思われるキャラクターも登場しており、ショッカー側の苦悩や葛藤が描かれています。詳しくは以下の記事を読んでみてください。

『シン・仮面ライダー』の敵・怪人オーグは個性豊か!

映画『シン・仮面ライダー』では、原作以上に個性豊かになった怪人たちがオーグメントとして仮面ライダーの前に立ち塞がりました。しかし2時間という尺では彼ら一人ひとりの人生を深ぼることは難しく、一瞬で出番が終わってしまった怪人たちも少なくありません。 彼らの魅力に気付いたなら漫画『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』も合わせて呼んで、彼らの視点から映画を見返してみるのも面白いでしょう。