2022年8月4日更新

『アキラとあきら』原作あらすじ・ネタバレから映画を予想!結末に土下座シーンが追加される?

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

「半沢直樹」シリーズや『陸王』など、数々の名作を世に送り出してきた作家・池井戸潤の傑作と名高い『アキラとあきら』。満を持しての映画化となり、主人公2人を竹内涼真と横浜流星が演じることも話題になっています。 この記事では、8月26日に公開される映画『アキラとあきら』の原作をネタバレありで解説!映画ではどのような脚色がされるのかも予想していきます。 ※この記事には小説『アキラとあきら』の結末までのネタバレが含まれます。未読の場合は注意してください。

「半沢直樹」とつながっている?

物語の舞台は産業中央銀行。これは半沢直樹が入社したのと同じ銀行で、2人の「あきら」は半沢の4つ上の先輩にあたります。

またこの銀行はのちに、「花咲舞」シリーズの舞台となった東京第一銀行と合併。東京中央銀行へと名前を変えることになります。

『アキラとあきら』は実話?モデル企業は?

原作者の池井戸潤は、かつて三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に勤めていたことで知られています。彼は中小企業向けの融資という、本作の主人公・山崎瑛と同じような業務を担当していたとか。

守秘義務があるため完全に実話である可能性は低いですが、そのころの経験をもとがもとになっているのではないでしょうか。

映画『アキラとあきら』あらすじ

父親の経営する町工場が倒産し、幼いころから貧しく過酷な運命に翻弄されてきた山崎瑛(アキラ)。一方の階堂彬(あきら)は、大企業の御曹司でありながら次期社長の座を拒否し、血縁のしがらみに抵抗しつづけていました。 日本有数のメガバンク・産業中央銀行に同期入社した2人は、信念の違いから反目しあいながらもライバルとしてしのぎを削っていきます。 しかしやがてそれぞれの前に、厳しい現実が立ちふさがることに。瑛は自分の信念に従った結果、左遷されてしまい、彬は今まで目を背けていた親族同士の骨肉の争いに巻き込まれています。 そんななか階堂グループ倒産の危機を前に、2人の運命が再び交差し――。

原作小説のあらすじ・ネタバレ

【幼少期〜学生時代】

山崎瑛の場合

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

山崎瑛は、町工場を経営する父とそれを手伝う母、そして妹とともに伊豆の海とみかん畑が見える町で暮らしていました。しかし瑛が小学5年生のとき、父の会社が倒産。借金取りから逃げながら、一家は母の実家がある磐田に引っ越し、父は電気部品メーカーに再就職します。 ところが瑛が高校卒業後の進路を考えるようになったころ、父は会社の取引先から損害賠償を求められたことで、引責退職しなければならなくなります。社長の息子である専務から、責任を押し付けられたのです。 銀行が融資を引き上げようとしていたある夜、磐田銀行の工藤武史という行員が父のもとを訪ねてきます。彼は会社を助けるため、父に経費削減計画書を書いてほしいと頼みました。工藤の働きにより、父は辞めずに済むことに。 金銭的に余裕がない家庭でしたが、瑛は父に大学へ行くよう勧められ、工藤のような「人を救うバンカー」になると決意したのでした。

階堂彬の場合

東海郵船の社長・階堂一磨を父に持つ階堂彬は、幼いころから何事もそつなくこなしてきて、弟の龍馬や叔父2人から妬まれてきました。 あるとき祖父の主催するパーティに出席し、東海郵船グループから観光部門、繊維の商事部門を分社として独立させ、2人の叔父を社長に据える話を立ち聞きます。 この話を成立させた祖父は、彬が高校2年生のとき突然倒れて亡くなってしまいました。その頃には独立した分社2社は赤字経営に陥っており、その赤字を補填しようと2人の叔父は遺産相続に欲を出します。 最終的に親会社である東海郵船を経営する一磨は、2人の会社から勝機の少ない赤字事業を押し付けられることに。 一磨が買い取った赤字事業の1つはスーパーの経営でした。売りつけた事業を手伝うどころか嫌がらせまでしてくる叔父をものともせず、ノウハウを持った他社を買収することで、見事スーパーを黒字に転換させます。

【新人バンカー】

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

新人研修

東京大学経済学部を卒業した山崎瑛と階堂彬は、ともに産業中央銀行に就職します。 新人研修の最後には3人1組でチームを作り、融資審査をして稟議書を書く融資戦略研修がありました。稟議書は採点され、順位がつけられます。上位2位に残った山崎瑛のチームと、階堂彬のチームがファイナルに進みました。 ファイナルでは銀行側と会社側に分かれ、会社は銀行に提出する融資申込書を作成。銀行はその書類をもとに、融資するかどうかの判断を行います。 彬のチームは会社側としてデータを受け取りますが、どう考えても融資を受けるのが難しい経営状態でした。そこで彬はデータを粉飾し、利益があがっているように見せかけ融資を申し込むことに。 しかし銀行側である瑛のチームは提出されたデータの矛盾を見抜き、「融資見送り」の結論を出します。融資部長は鮮やかな戦略攻防をくり広げた2人に目を留め、瑛は八重洲通り店、彬は本店とそれぞれ出世コースに配属されました。

八重洲支店の山崎瑛

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

入行から3年目。バブル景気のなか、山崎瑛は自らの経験から「人を救うバンカーになりたい」と考えていました。 しかし彼は、現実的な問題から融資できない状況に苦しみます。経営相談に乗ったりと奮闘しましたが、担当していた零細企業は倒産。しかし社長には難病と闘う小さな娘がおり、治療のための費用を貯金していました。 会社が倒産すれば、その資金も銀行に差し押さえられてしまいます。瑛は銀行に勤める身でありながら、その事実を勝手に口外しお金を別の銀行に移すようアドバイスしました。 後日、社長夫妻から瑛に、「娘の手術が成功した」と手紙が届きます。手紙には、瑛が命の恩人だと書かれていました。

本店の階堂彬

一方の階堂彬は、企業よりも自分たちの業績のために強引に大口の融資を売りまくる上司に不信感を抱いていました。時代はバブル真っ盛りで、株価や保険商材の相場が上昇し続けていた時代。その相場が暴落するリスクを顧みない融資がさかんに行われていたのです。 ある日彬が直属の上司である伴埜から稟議書を任された案件は、10億円の融資をすべて投資信託につぎ込むという案件。融資先の会社はその後も開発資金が必要になる見込みで、このままでは借金過多になってしまうと感じた彬は伴埜に提言を試みます。しかしファイルを投げつけられてしまいました。 翌日、案の定企業から追加融資の依頼が来て、上司にも詰められる伴埜。しかし彬が投資信託を全て売却し10億を返済してから追加融資をするという機転を効かせて解決します。この一件で彬の実力は上司にも再評価されるようになりました。

【アキラとあきらの共闘】

2人の叔父の計略

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

ある日彬の叔父2人(東海商会の晋と東海観光の崇)は、伊豆に高級リゾート施設を建設したいと産業中央銀行に90億円の融資を申し込みました。しかし東海郵船グループを担当する銀行員の安堂は、計画に反対し融資を断ります。 怒った晋は東海観光の社長である弟の崇とともに、メインバンクを三友銀行に移しました。 そんななか、彬のもとに父・一磨が病で倒れます。肺がんに侵されていた父は、社長の座を常務の小西に譲り、自分が持っていた東海郵船の株は全て長男の彬に譲渡すると遺言を残して亡くなります。 その頃、例のリゾート施設は集客が伸びず年々赤字を計上。三友銀行の追加融資を受けることも難しくなり困った晋と崇は、東海郵船を連帯保証に融資を受けようと画策を始めます。 まず手始めに、小西では思うように動かせないと気づいた2人は、彬の弟・龍馬の嫉妬心に漬け込み強引に社長を据え替えます。 龍馬は見事に叔父たちの口車に乗せられて、東海郵船が50億円の連帯保証をすることに。このタイミングでバブルが崩壊しはじめ、リゾート施設の赤字は膨らみ続けます。 経営が傾いた責任を感じながらも能力が足りない龍馬は、心身ともに限界を迎え入院してしまいました。そして長年の妬みを捨てて、兄に東海郵船の経営を頼みます。家族の一大事に彬は覚悟を決め、銀行に辞表を出すのでした。

お荷物ホテル売却作戦

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

東海郵船の融資担当が山崎瑛に代わり、瑛と彬はともにこの苦境を乗り越える運命共同体に。 まず彬は伊豆のリゾート施設を外資系のリゾートチェーンに売却しようとしますが、うまくいきません。そこへ能登のホテルが、経営不振のホテルや旅館を買収して業績を伸ばしているという情報が。さっそく代理人のゴールドベルク代表・三原に会うと、彼は瑛のかつての親友だったことがわかります。 しかし晋が三友銀行の担当者に売却の情報を漏らしてしまったことで、売却の話は白紙に戻ってしまいました。 続いて瑛はリゾートだけでなく東海商会全体を売ることを提案。崇は反対していましたが、晋は売却を決意します。ちょうど大日麦酒がファイバー系新素材の開発に成功し、販路を確保するため繊維商社を探しているという情報が入りました。東海商会はもともと繊維商社なので、この買収は双方にメリットがあります。 しかし大日麦酒はリゾート施設を売り払って切り離し、東海商会だけなら50億円で買いたいと言ってきました。東海商会はリゾート施設に70億の連帯保証をしているので、切ることができません。 結局彬は3社の共倒れを防ぐために、リゾート地を140億円の負債ごと東海郵船ですべて買い取り再建するという計画を瑛に持ちかけました。

最終稟議

彬の依頼を受けて瑛は早速稟議書を作ります。しかし融資部長の不動は、稟議の審査が堅いことで知られる保守的な人物。 そこで瑛が考えた案は、リゾート施設ではなくあくまでも東海郵船に融資するというものでした。 まず産業中央銀行から東海郵船に140億円融資し、東海郵船はそれを全額三友銀行への返済にあて、三友銀行との取引を解消します。この融資の条件は、東海商会、東海観光は全株を東海郵船に譲渡し、関連会社すべてが傘下に入ることです。 そして東海商会を50億円で大日麦酒に売却。その全額を産業中央銀行に返済し、融資金額は90億に減額されます。これは現在の東海郵船の業績から見れば、許容範囲内の融資です。 東海商会売却の条件は、同社に関わる海運を東海郵船が独占することで大日麦酒と同意を取り付けました。また東海観光は、本社を東海郵船ビルに移転するなどして、年間1億円程度の経費削減を図ります。 不動はこの稟議を承認し、瑛と彬は闘いに勝利したのでした。

原作小説の感想・レビュー

総合評価
4.5

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30代男性

借りる側と貸す側、両方の立場で描かれるのが面白く、読み応えがあります!池井戸潤作品といえば「働く人の熱い人情」「理不尽や無慈悲をひっくり返す勧善懲悪」だと、展開はわかっているのに面白くて、最後まで一気読みしました。登場人物の心理や出来事、情景などがリアルで、すっと入ってきます。特に登場人物たちの心情の変化が興味深く描かれていました。

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20代女性

正反対の境遇で育った2人を中心に、様々な人の人生が交錯するヒューマンドラマ。次の展開が気になってどんどん読めます。特に、良きライバルであるアキラとあきらの、融資戦略研修でのキレッキレなバトルがめちゃくちゃ面白い!経営やビジネスが題材なので「難しそう」と思っていましたが、読んでみるとエンターテインメントとしてすごく楽しめました。

映画ではどこがカットされる?

『アキラとあきら』
(C)2022「アキラとあきら」製作委員

『アキラとあきら』の原作は、上下巻で700ページある長編です。これを2時間程度の映画にしたということは、大幅にカットされたシーンがあるはず。 公式サイトの相関図を見ると、階堂彬の少年時代や新人バンカー時代に関わる人物たちの記載がほぼないので、その時期のエピソードが大幅にカットされているのではないでしょうか。 階堂家を支えた銀行員の安堂章二やバブル景気の嫌味な上司・伴埜弘道が登場しないのは少し寂しい気もしますね。

映画オリジナルシーンは?

土下座シーンが追加!?

半沢直樹

映画のキャッチコピーには「最後に土下座するのは誰だ!?」とあります。原作には土下座シーンはありませんが、映画では『半沢直樹』のように、悪役が土下座する展開になるようです。 2017年にWOWOWで放送されたドラマ版では、三友銀行の江幡というキャラクターが土下座するシーンがありましたが、この人物は映画には登場しない様子。ちなみにこちらもドラマオリジナルのシーンでした。 映画で土下座する可能性がありそうなのは、階堂晋(ユースケ・サンタマリア)か階堂崇(児嶋一哉)、彬の2人の叔父のどちらかではないでしょうか。

親友ではなくライバルに!

原作でのアキラとあきらは、お互いを理解し認め合う親友のような関係でした。しかし予告編を見るに、映画では信念の違うライバルとして描かれるようです。 この最初の関係性が、最終的にともに大きな危機に立ち向かう後半の展開に向かって、どのように変化していくのかも大きな見どころになりそうですね。

ドラマ版のような恋愛ストーリーも?

ドラマ版では、瑛と高校の同級生・北村亜衣が再会し、距離を縮めていく恋愛要素が取り入れられました。原作での亜衣は高校時代のエピソードと、ラストシーンで瑛の妻として登場するだけであまり掘り下げられていません。このアレンジはドラマ放送時、ちょっとした話題になりました。 映画でも恋愛要素があるのかは不明ですが、本作の監督は、『思い、思われ、ふり、ふられ』や『僕等がいた』などで恋愛映画の名手といわれる三木孝浩なので、その可能性がないとは言えないでしょう。

『アキラとあきら』原作は傑作!映画ネタバレは公開日に更新

池井戸潤の傑作小説待望の映画化となる『アキラとあきら』。「カネは人のために貸せ」という信念のもと、2人の「あきら」がくり広げる熱い物語に注目が集まります。 原作小説とどのような違いがあるのかも楽しみな本作。公開は2022年8月26日です。