2022年12月20日更新

『大怪獣のあとしまつ』ネタバレあらすじから感想まで徹底考察!謎に包まれた主人公アラタの正体とは

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大怪獣のあとしまつ
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

2022年2月4日に公開された、山田涼介主演の映画『大怪獣のあとしまつ』。倒された大怪獣の後始末の顛末が描かれ、監督・脚本を手がけた三木聡ならではのシュールな世界観が展開されました。とはいえ、公開後は前代未聞の低評価・批判の嵐! 一体何が、そんなに批判されたのか?この記事では本作のあらすじをネタバレありで紹介し、詳しく考察。賛否両論の口コミから、作品の評価を再吟味していきます。

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映画『大怪獣のあとしまつ』作品概要・あらすじ

タイトル 『大怪獣のあとしまつ』
公開日 2022年2月4日
上映時間 115分
監督 三木聡
キャスト 山田涼介 , 土屋太鳳 , 濱田岳 , 西田敏行 , オダギリジョー

日本中を恐怖に陥れ、暴れまわっていた大怪獣がある日突然、光とともに倒れて死亡。国民は胸をなでおろし、怪獣を倒すために戦っていた兵士たちも帰還し始めます。それと同時に持ち上がったのは、死んだ大怪獣の後始末。 政府内ではどう処理するかで揉めに揉め、結局怪獣を倒すために結成された特務隊にお鉢が回ることに。特務隊隊員の帯刀アラタ(山田涼介)は再び基地に呼び戻され、大怪獣の死体処理を命じられます。 大怪獣の死体はすでに腐敗が進んでおり、膨張してガス爆発する危険がありました。一方、蓮佛環境大臣(ふせえり)はイメージアップを図ろうと、秘書の雨音ユキノ(土屋太鳳)とともに現場へ向かいます。

『大怪獣のあとしまつ』をラストまでネタバレ

実はユキノは元特務隊員で、アラタの元恋人。蓮佛はユキノに大怪獣の死体から危険物質の漏れはないという情報を手に入れさせ、テレビ中継で国民に宣言します。 これを見た海外諸国も態度を一変し、死体の所有権を主張。日本政府も死体に「希望」と名付け、観光地利用も視野に入れ始めます。 死体の腐敗が止められず、特務隊が手をこまねく中、国防軍の真砂大佐(菊地凛子)が冷却作戦で爆発を防ごうと現場に乗り込みました。しかし作戦は失敗し、大爆発を起こして膿のような液体が降り注ぎ、辺り一面に汚物臭が充満してしまいます。

そんな中、ユキノはダムを決壊させて死体を海へ流す「水洗トイレ作戦」を思い付きます。ユキノの兄・青島(オダギリジョー)は元特務隊員で、爆破処理のプロ。彼に爆破を依頼し、総理秘書官の雨音正彦(濱田岳)がダムの設計図を入手しました。 ところが爆破されたダムに空いた穴は小さく、死体を押し流す勢いはなし。実は正彦とアラタはユキノを取り合った三角関係の間柄で、今も正彦はアラタに嫉妬心を抱いており、失敗させようと偽の設計図を渡していたのです。 今度は正彦が、ガスを流出させるために煙突を差し込む作戦を指揮することに。しかしこれが、かなり雑な作戦!ユキノの静止も聞かず、大怪獣にミサイルを撃ち込む正彦。そこで煙突を打ち込んでいたアラタは、吹き飛ばされてしまいます。 ユキノがアラタに駆け寄ると、アラタはスマホを天に掲げて「デウス・エクス・マキナ」と唱えます。すると光が彼を包み、大怪獣とともに天に消えていきました。

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『大怪獣のあとしまつ』を見た感想・評価【ネタバレ注意】

大怪獣のあとしまつ
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会
大怪獣のあとしまつ』の総合評価
2 / 4人のレビュー
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30代男性

『時効警察』の三木聡監督が作った映画と知れば、まあこんな空気感かな~と納得のいく出来栄え。予告動画がある意味よくできていて、カッコイイ壮大な映画かと期待して観たらガッカリ。とにかく下ネタが目について白ける。

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20代男性

元ネタを知っている友人と鑑賞。自分は元ネタを知らないため、意味がわからないシーンの連続だった。下ネタが多いのも、面白くないと感じた理由の1つ。特撮作品のパロディ映画と知った上で観れば面白いかもしれない。

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20代女性

倒した後の怪獣の後始末を描くという視点とアイデアは良かったと思う。ただそれを活かしきれてない感じは否めない。観る前と観た後でこんなにも印象が変わる作品もそうそうないかも。最後まで「?」という感じで、逆にそれが面白かった。

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30代女性

これだけリアリティのない作品の中で、なぜかオダギリジョーだけはどんなシーンでもリアリティを感じさせてしまうのがすごい。怪獣の造形や、巨大さや質感が伝わるカメラワークは良かった。それだけに度々入る寒いギャグで興ざめ。

『大怪獣のあとしまつ』を批評

予告動画から『シン・ゴジラ』のような本格的でシリアスなSF特撮映画かと思い、それを期待して観てしまった観客にはどん底の絶望感を味わわせた作品。 とにかく先入観とは恐ろしいもので、もし事前に『時効警察』の三木聡監督によるオリジナル脚本の脱力系コメディで特撮パロディ映画だとわかっていれば、もう少し評価も違ったかもしれません。 そもそも大怪獣を倒した後の後始末という視点は面白いのに、上記のような事情もわかった上で鑑賞した場合でも低評価な理由は、やはり滑りまくるギャグと頻発する下ネタが原因でしょうか。 三木聡監督ならではの不条理なシチュエーションでのブラックユーモアの効きが良くなかったことも残念。

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映画『大怪獣のあとしまつ』を徹底考察!

大怪獣「希望」の正体とは

そもそも、あの大怪獣は一体何だったのでしょうか?いきなり謎の光によって死亡し、腐敗しながらも「希望」という名前まで付けられて争奪戦まで起こり、最後はまたもや謎の光によってアラタとともに天へ昇っていきました。 腐敗からガス爆発を起こして、膿のような汚物臭のする液体をまき散らし、その液体にはキノコが生えるような菌を持っています。ゴジラのように汚染によって生まれた怪獣なのか、はたまたウルトラマンの怪獣のように宇宙からやって来たのか? 本作はゴジラやウルトラマンなど特撮作品のパロディなので、そのどちらとも取れるかもしれません。最後にアラタが変身し、光とともに消えたことを考えると、ウルトラマン的には「宇宙怪獣を回収した」と考えるのが妥当かも?

帯刀アラタは何者?

選ばれし者「帯刀アラタ」は特異体質?

アラタはなぜ最後に、正彦に「選ばれし者」と呼ばれていたのでしょうか?アラタと正彦とユキノは元特務隊員で、一緒に戦った元同僚。しかし3年前、アラタはユキノをかばった際に光に包まれて、忽然と姿を消していました。 その2年後、ひょっこり姿を現したアラタ。その頃から正彦はアラタは何者なのか、疑いの目を向けていたようです。実際「希望」の上でミサイルに吹き飛ばされても無傷なアラタは、ただの人間でないことは間違いありません。

アラタと宇宙人の関係

ここで考えられるのは、ウルトラマン的な考察です。3年前に光とともに一度消失したアラタは、地球外生命体=宇宙人に助けられ、2年の間で特殊な身体に変えられたのかもしれません。 宇宙人がそこまでするとなると、大怪獣は元々宇宙人に関わりあるものだったのかも。となると、アラタが再び地球に戻ってきたのは、まさに「大怪獣の後始末」をするために宇宙人に遣わされたとも考えられます。

アラタが持っているスマホの秘密

光とともに大怪獣を昇天させたのは、アラタが持っていたスマホの力なのでしょうか?状況的にも、あのスマホが宇宙人との交信に使われ、アラタを変身させる力を持っていたと考えるほかありません。 変身するツールがスマホであるという点も、なんだか現実的というかシニカルというか。宇宙人がアラタのスマホを変身ツールと交信用に改造したのでしょうか。

アラタが変身しなかった理由

ラストシーンで初めて変身したアラタですが、なぜそれまでは変身しなかったのでしょうか?もしかしたら、それまで変身しなかったのは、あのスマホがタイマーのような役割をしていた可能性もあります。 それまでは時間稼ぎで、変身するにはエネルギーを貯める必要があったとか?あるいはアラタ自身が変身の方法を知らなかっただけかもしれません。

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「機械仕掛けの神」デウス・エクス・マキナ

最後にアラタが唱えた呪文のような言葉「デウス・エクス・マキナ」とは、何だったのでしょう?語源はラテン語の「deus ex machina」で、意味は「機械仕掛けの神」という演劇用語です。 元々は古代ギリシア演劇で使われたもので、劇の内容が錯綜して解決困難な局面に陥った時に出現する絶対的な力を持つ神のことでした。演劇では、混乱した物語を収束させる手法として用いられるようになったようです。 これが転じて、作為的な大団円を指す演劇用語として定着。つまり『大怪獣のあとしまつ』におけるデウス・エクス・マキナは、アラタということになりますね。これもまた、不条理劇を得意とする三木聡監督らしい演出といえるでしょう。

『大怪獣のあとしまつ』は12月28日からアマプラで見放題配信開始!

劇場公開から賛否両論を巻き起こし、また違ったところで大きな注目を浴びた『大怪獣のあとしまつ』。Amazonプライム・ビデオでは、2022年12月28日からプライム会員の見放題配信がスタートします。 年末年始の休みに、話題になった本作を観てみるのもいいかもしれません!真の評価は実際に観てから、自分の目で確かめてみましょう。