『薬屋のひとりごと』楼蘭妃の正体は?死亡説や目的についてもネタバレ考察します

主人公・猫猫が薬や毒の知識を活かし活躍する『薬屋のひとりごと』。物語の舞台となる後宮ではさまざまな人間の思惑が渦巻き、猫猫もそれに巻き込まれていくことになります。 この記事ではそんな本作に登場する楼蘭(ろうらん)妃について、その正体や作中での動向などを詳しく紹介していきます! ※この記事は『薬屋のひとりごと』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
『薬屋のひとりごと』楼蘭(ろうらん)妃のプロフィール
あまり表情が変わらず考えが読めない妃
位 | 淑妃 |
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年齢 | 18歳 |
氏族 | 朝廷の有力者・子の一族 |
声優 | 未発表 |
楼蘭妃は阿多妃が後宮から去った後、入れ替わりの形で「淑妃」となった上級妃です。基本的に無表情で口数も少なく、猫猫も「何を考えているかよくわからない」と評していました。 またその淡白な性格に反して服装や化粧が派手で、帝によれば「部屋を訪れるたび別人に会っている気分になる」とのこと。総じて謎が多く、一言では言い表せない人物だといえるでしょう。
派手な見た目と淡白な性格のギャップがすごい……!
【正体】謎多き楼蘭妃の素顔とは?
実は楼蘭妃にはもうひとつの顔があります。彼女は後宮内で働く下女・子翠として動き、情報取集をしていたのです。その目的については後の見出しで詳しく紹介していきます。 楼蘭妃が派手な化粧を好んでいたのはすでに紹介した通りですが、これは素顔をわかりづらくすることで、子翠として後宮内で動いていても怪しまれないようにするため。自分と似た顔立ちの侍女に濃い化粧を施し、影武者にしていました。 ほとんど口をきかず表情を動かしていなかったのも、別人が化けていることを悟られるリスクを少しでも減らすためだったと思われます。それにしても、楼蘭妃本人はともかく、彼女に化けていた侍女の度胸がすごすぎる……。
【目的】楼蘭妃は母親・神美の復讐のため動いていた
楼蘭妃が子翠として動いていたのは、母親である神美の復讐に利用されていたからです。神美はもともと先帝の妃でしたが、当時の待遇を憎んでおり国を乗っ取ろうとしていました。 楼蘭妃のおもな役目は、現帝とのあいだに男児を授かること、そしてその他の皇位継承者を排除すること。自分の目的のため娘にこんなことを任せて手を汚させるとは、神美はなんとも恐ろしい存在です……。 しかし楼蘭妃はみずから堕胎剤を飲み続けるなど、母親の意思に背くようなこともしていました。彼女は自身を支配してくる神美を「狂っている」と考え、母親になることを嫌っていたのでした。ただ単に利用されるだけでは済ませられない、複雑な感情があったのでしょう。
【家族】父親は西の狸と呼ばれる権力者
父親:子昌(シショウ)
子昌は「女帝」とも呼ばれた元皇太后に気に入られていた宰相。本来は子の一族の傍流の生まれでしたが、その聡明さを活かして本家の養子となる形で出世しました。今では宮廷で多大なる影響力を持っています。 楼蘭が現皇帝に嫁ぐことになったのも、彼がかなり強引に後押ししたからです。皇帝としては楼蘭に興味があるわけではありませんが、一応権力者の顔を立てるために定期的に彼女のもとへと通っています。
母親:神美(シェンメイ)
神美は名家・子の一族のお嬢様で、子昌の婚約者でした。しかし先帝の後宮に入れられた挙句、侍女・大宝が先にお手付きにされるという屈辱を味わいます。当然ながら、妃としての役目を侍女にとられた彼女は嘲笑の対象となる羽目に……。 そればかりか、長い時が流れた後子昌に下賜された彼女に突きつけられたのは、彼が大宝の娘・子翠と結婚していたという事実。この一連の出来事をきっかけに神美は自分をこんな目に遭わせたすべての存在を憎み、復讐を誓うようになります。 彼女はその憎悪に身を任せ、一族全体を巻き込んだクーデターを計画しました。しかし、この目論見が看破され、子の一族は処罰対象になってしまいます。壬氏たちに追い詰められた神美は銃型武器・飛発(フェイファ)の引き金を引きますが、なんとそれが暴発! 彼女はここで大怪我を負い、その人生に幕を下ろすことになるのでした。
【最後】楼蘭妃は死亡した?その後についても解説
飛び降りシーン | 小説: 4巻21話 |
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楼蘭妃は上級妃の食事に毒を盛ったことなどがバレたために処刑されることになります。そして壬氏が率いる禁軍に追い詰められ、彼らの目の前で崖から飛び降りました。 しかしその遺体は見つかっておらず、さらにその1か月後、とある港町で「玉藻」という少女が登場するシーンが描かれます。本編内では匂わせる程度の描写でしたが、作者がブログ内で楼蘭妃=玉藻と明かしており、彼女の生存が確定しました。 このとき彼女は猫猫からもらった簪を売っていますが、これは巡り巡っていつか猫猫が簪を見つけてくれるのを望んでのことだと思われます。というのもこの簪は高価なものではありますが、すでにボロボロになっていて普通であれば買う人はまず現れないと思われるからです。 一方、猫猫も「あの簪を探して出店を見ることがある」と語っており、彼女もまた「簪が売りに出されている=楼蘭はきっとどこかで生きている」と知りたいと思っていることが匂わされています。
【考察】目的は一族の滅亡?楼蘭妃が後宮を抜け出した理由
楼蘭妃は作中で「後宮を抜け出す」という不可解な行動をとっています。上級妃に名を連ねる彼女の脱走は、極刑に値するレベルの大罪です。彼女はどうしてこんな危険な行動をとったのでしょうか。 その明確な理由はわかっていませんが、もしかしたら楼蘭妃は「子一族を滅ぼす」ために脱走を図ったのかもしれません。彼女は神美のせいで壊れていく一族に心を痛め、「謀反が明るみに出るきっかけを作ろう」、そして「狂った一族の血をここで絶やそう」と考えたのではないでしょうか。 実際、楼蘭妃の逃亡などが契機となり、彼らのクーデター計画が発覚。そののち壬氏に追い詰められた神美が死亡し、一連の騒動が終結することになりました。彼女はこの結果を見越して、後宮から逃げ出した可能性が高そうです。
【性格】楼蘭妃は近寄りがたい雰囲気だけど…?
楼蘭妃は美人ですがいつもぼんやりしており口数も少なく、どんな人間かイマイチつかみきれません。しかしそれはあくまで仮の姿で、子翠として動いているときは人懐っこく可愛らしい表情も見せていました。 実は虫が大好きという一面もあり、薬・毒大好きな猫猫を思わせる熱中ぶりを見せることもしばしば。こうした共通点があったからこそ、人付き合いがさほど得意ではない猫猫とも仲良くなれたのでしょう。 楼蘭妃としての近寄りがたい美しさと、それとは正反対の子翠としての快活な愛らしさ。その複雑な人間性が、物語からの退場後も彼女がファンから愛され続ける理由なのではないでしょうか。
『薬屋のひとりごと』楼蘭妃は一筋縄ではいかない魅力の持ち主!

母の復讐のため利用され、最後は崖から飛び降りた楼蘭妃。しかしそこで死亡したのではなく、名を変えてどこかで生きており、その展開にほっとした人も多いのではないでしょうか。アニメではまだまだ真相は明かされないでしょうが、彼女の謎めいた雰囲気をぜひ堪能してみてくださいね。