ホビット族の身長・寿命・撮影方法は?『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』ハーフット族との関係も解説
小さな背丈が特徴で、争いを好まず、中つ国の歴史の表舞台には立つことのなかったホビット族。しかし彼らの村に、世界の全てを統べる力を持つ「一つの指輪」指輪があったことから冒険と戦いの中心に巻き込まれて行きます。 この記事では、映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作と「ホビット」3部作に登場するホビットについて紹介。ドラマ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』に登場するハーフット族との関係についても解説します。
ホビット族の基本情報
身長 | 60~120cm程度 |
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寿命 | 平均100歳(33歳で成人) |
体の特徴 | ・巻き毛に少しとがった耳 ・足が毛で覆われている ・足裏の皮が丈夫で靴は不要 |
能力 | ・素早く身を隠す ・鋭い視力・聴力 ・精神忍耐力 |
好きなもの | 平凡な生活, 食事, ビール, パイプ草 |
ホビットは実在した?
2003年にインドネシアのフローレス島で、6〜10万年前にその地に生息していたと考えられる1mほどの小型のヒト属の化石が発見されました。学名は「ホモ・フローレシエンシス」ですが、その背丈の特徴から「ホビット」とも呼ばれています。
また2016年にもフローレス島で、今度は70年前のものと思われる小型のヒト属の化石が発見されました。ホビットは実在していたのかもしれません!
ドラマに出てくるハーフット族は?
ドラマ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』に出てくるハーフット属は、かつて存在したホビットの3つの支族のひとつです。中つ国第三紀のはじめ、ホビットは数の多い順番にハーフット族、ストゥア族、ファロハイド族の3つ種族がありました。
しかし第三紀の末にはほとんど混血し、ホビットの大部分がハーフット系となっています。つまりドラマの舞台である第二紀に存在したハーフット族は、映画に登場したホビットたちの祖先だと言えるでしょう。
ホビット族の気質・能力
素朴な暮らしで争いを好まず、人間とは違って領土への強い支配欲を持つことがないため、おとなしく無力な存在のように見られます。 しかし精神的には強く、ひとたび困難な状況に出会えば勇敢で忍耐強く、決断力もあります。手元にあった指輪が、ここにあってはならぬ物だと知った時、フロドはすぐに旅にでる決心をしていました。 これには中つ国の隅々に精通した魔法使い、ガンダルフも「ホビットにはいまだに驚かされる」と称賛しています。
ホビット庄での暮らし・好きなもの
ホビット庄
ホビット族は第三紀の1601年ごろから、中つ国北西部に位置するエリアドールの西の辺境に「ホビット庄」を築いて暮らしています。原作の『指輪物語』と『ホビットの冒険』に登場する主要なホビットは、みんなここが故郷です。 「ホビット庄」は原文では「the Shire(シャイア)」という名で、「Shire(シャイア)」と「庄(しょう)」の発音が似ているためこのように訳されました。
モデル地は?
ホビット庄は伝統的イギリスの田園を思わせるのどかな風景。またホビット庄の中心で原作の主人公が暮らす村は、作者J・R・R・トールキンファ住んでいたイギリス・オックスフォードと同じ緯度、経度に設定されています。以上からモデル地はイギリスだと考えられます。 映画の撮影は、ニュージーランド北島ワイカト地方にある小さな町マタマタで行われました。現地に行けばホビット庄さながらの緑に囲まれた街を見ることができます。
暮らし
農耕を主な仕事とし、緑の草で覆われた丘の斜面に穴を掘り、その中を住居としています。扉や窓が丸い形になっているのが特徴的。穴といってもその中はしっかりと内装され、様々な調度品にも囲まれて、非常に居心地がよさそうです。
好きなもの
食事を非常に大事にするホビット族。映画の中でピピン曰く「1回目の朝ごはん、2回目の朝ごはん、朝のおやつ、昼ごはん、昼のおやつ、夕ごはん、夜食」と1日の食事回数は7回!料理も得意で、指輪を葬るための長旅にも、鍋やフライパン、調味料をしっかり持参しています。 仲間と共にパブでビールを飲み、パイプをふかして語らう時間もとても大事。映画の中でも、度々そのシーンが描かれています。
ホビットの撮影方法は?
映画公開当時、最先端のCG技術で世界を驚かせた『ロード・オブ・ザ・リング』。実際にはCGだけでなく、ミニチュアセットや特殊メイクをはじめとする従来の古典的な特撮技術も駆使されていました。 背の低いホビットやドワーフと、背の高い人間やエルフ達を同じシーンに収めるために、その場面の特徴に合わせていくつかの方法を使い分けていたようです。
遠近法を利用する方法
近いものほど大きく、遠いものほど小さく見えることを利用した方法です。例えば背の高いガンダルフをカメラの前に、背の低いフロドをカメラの奥に配置します。 原理だけ聞くと単純なものに思えますが、実際にはカメラの動き、周囲のセットや小道具の大きさ、配置など、事前の緻密な計算と、現場での高い技術が必要とされました。
背の低いor背の高い代役を利用する方法
ホビット達は後ろ姿しか映らない、映ってもごく小さいような場面では、背の低い俳優が代役となって出演しています。逆にホビット達の顔がメインで映るような場合には、周囲の役に大柄な俳優を代役として立てています。 もちろん、ブルースクリーンを背景に別々に撮影したものを後から合成する、登場人物全員をCGで描画する等、CG技術も駆使されています。どのように撮影されたのかを想像しながら、映画本編を見直してみるのもまた楽しそうです。
ホビット族の歴史
起源
ホビットの正確な起源は原作でも明かされておらず、謎が多いです。ただ種族としては人間に近く、人間の一支族であるのは間違いないと言われています。 最も古い記録は、第三紀の初めからホビット庄に移るまでは「アンドゥインの谷間」に住んでいたというものです。ホビット族の起源については、第二紀が描かれるドラマで新たに明かされるかもしれません。
冒険と指輪戦争
内向的なホビット族は多種族から注目されることがなく、存在を知らないものも多かったと言われています。しかし魔法使いのガンダルフは古くからホビットと親しくしていました。 第三紀2941年のビルボ・バギンズが参加した冒険と「五軍の合戦」、そして第三紀3018年からのフロド・バギンズが中心となった「指輪戦争」で、初めて歴史に名を刻みました。
衰退
「指輪戦争」で多種族から注目されるようになったのをきっかけに、ホビットたち自身も文化に目覚めていったようです。 しかし「指輪戦争」が終わり第四紀に入ると、中つ国は統一された王国となり、エレスサール王(アラゴルン)は、ホビット庄を守るために人間が立ち入ることを禁じました。 そのためかそれ以降のホビットについては伝わっていません。人間が増えるとやがて住む場所を奪われて衰退していったという説もありますが、現代でも同じ地に少数が隠れて暮らしているとも言われています。
主要キャラクター
ビルボ・バギンズ
原作『ホビットの冒険』と、映画「ホビット」3部作の主人公。ホビット族の由緒正しい名家の末裔です。 ドワーフが奪われた故郷と財を取り返すための旅に同行することになったビルボ・バギンズは、映画第1部『ホビット 思いがけない冒険』(2012年)の中で「一つの指輪」を入手します。
フロド・バギンズ
原作『指輪物語』および映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の主人公であるホビットの青年です。ビルボ・バギンズの養子で、映画第1部『ロード・オブ・ザ・リング』(2001年)でビルボから指輪を譲り受けました。 諸悪の根源である冥王サウロンを消滅させるため、様々な種族が集まった「旅の仲間」たちとともに指輪を破壊するための冒険に繰り出します。
サムワイズ・ギャムジー(サム)
(写真左) 映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で、フロドと一緒に指輪を破壊する旅に出るホビットの青年。フロドの友人でありバギンズ家に仕える庭師であるサムは、フロドをそばで支える存在です。
メリアドク・ブランディバック(メリー)
(写真左) 映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で、「旅の仲間」になるホビットの青年です。冷静で機転が効き、第3部『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)では戦士として闘う姿も見せました。
ペレグリン・トゥック(ピピン)
映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作で、「旅の仲間」になるホビットの青年。最年少で未成年である彼は、イタズラ好きのムードメーカーです。
スメアゴル(ゴラム/ゴクリ)
ビルボの前の指輪の持ち主であるゴラムは、指輪を手にする前はホビットのストゥア族でした。指輪の力で長寿となるも、暗闇の中で孤独に過ごすうちに姿がすっかり変わり果ててしまいました。 映画『ホビット 思いがけない冒険』でビルボに指輪を奪われ、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作では指輪を狙ってフロドたちの後を追って来ます。
ホビット族は「ロード・オブ・ザ・リング」一番の愛されキャラ
映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作と「ホビット」3部作の主人公であるホビット族。美しいエルフや情熱的な人間の戦士たちも素敵ですが、小さくて平凡を好む穏やかなホビット族こそ一番の愛されキャラですよね! 2022年9月2日よりAmazonプライム・ビデオで配信スタートのドラマ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』でも、ホビット族の祖先「ハーフット族」にも注目してみてくださいね!