僕/私の愛したあの悪役・サウロン「ロード・オブ・ザ・リング」【GW連載第6回】

2018年5月4日更新

フロドたちが旅に出た元凶であり、旅の仲間達を幾度となく苦しめた、同作最大のヒールであるサウロン。本記事では広く名前が知られている彼について改めて紹介します。

サウロン、「ロードオブザリング」中つ国で最も凶悪な存在といえば……?

映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の壮大なストーリーの中には実に多くの悪役が登場します。その中には主人公フロドの意地悪な親戚から、旅の仲間たちを容赦なく襲うオークや悪に堕ちてしまった魔法使いまで、悪行の程度も種族もバラバラなキャラクターたちが多数揃っています。 個性豊かな彼らの中でずば抜けて凶悪なキャラクターは、やはり冥王サウロンでしょう。 3部作全ての公開終了から10年以上経過しても、スティーブン・キングが選ぶ究極の悪役10選に選ばれ、 英エンパイア誌の悪役人気投票では12位に食い込む存在感を見せるサウロン。そんな彼をじっくりと見ていきましょう。

「ロード・オブ・ザ・リング」におけるすべての不幸の元凶

記念すべきシリーズ1作目『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』の冒頭では、フロドたちの時代に至るまでの歴史がコンパクトにまとめられています。冒頭部で描かれる時代から、サウロンは悪の存在として数々の種族を破滅させたり、幾度となく戦争を起こしていました。 3部作本編の時点では既に体を失っていたサウロンは、「一つの指輪」を破壊するための旅の仲間たちに直接手出しをすることはしません。その代わりにナズグルやオークなどの手下を使って旅の仲間をバラバラにし、彼らに協力した善良な人々の命を奪いました。 地下道でフロドたちに襲いかかったバルログのように、一見サウロンとは直接関わりがないように見える存在もいます。しかし、バルログが目覚めたのは、サウロンが与えた指輪に取り憑かれたドワーフたちが地下を深く掘りすぎてしまったためでした。 このように劇中に登場する災厄は、大なり小なりサウロンが原因と言っても過言ではありません。

どんな持ち主も苦しめる「一つの指輪」

本シリーズでなくてはならないアイテムといえば、もちろんタイトルにもある「指輪」でしょう。物語はビルポがフロドに「一つの指輪」を遺したことから始まりました。 序盤から指輪を運んでいたフロドはストーリーが進むに連れ、心身共に指輪に蝕まれていきます。フロドと同じくホビットだったスメアゴルことゴラムは随分と長い間指輪と一緒にいたせいで、ホビットだった頃の姿からは想像もできないほど醜い姿に変わり、彼の心は完全に壊れてしまいました。 イシルドゥアのように、サウロンを倒した勇敢な者でも、少し触れただけですぐに心を捕らわれ、すぐに命を落とす結果を招くなど、指輪に関わった者を次から次へと不幸にしていきました。

知識が豊富で手先が器用な一面も?

作中における有史以前から存在していたサウロンは、元々はアウレという鍛冶と工芸の神様に仕える存在でした。鍛治や工芸の技術に長け、世界を構成する物質に関する知識も豊富だった彼は、アウレの部下の中でも一番の腕のいい職人として知られていたとされています。 悪しき存在に堕ちてからも、サウロンの腕は衰えることはありません。むしろ自らの技術を悪用して「力の指輪」を作らせ、その指輪たちを支配する「一つの指輪」を密かに作っています。滅びの山が鍛治に役立つとの理由で選んだ場所モルドールには中つ国で一番大きな塔や要塞を自分で作りました。 いきものに対して品種改良を加えることも得意で、映画本編の随所に登場するオークやウルク=ハイも実はサウロンが改良したおかげで、日中歩き回ることができるようになったり、知能や屈強な体を手に入れたりしていたのです。

美しい姿をしていた時代もある?

映画でサウロンは、全編を通して恐ろしい鎧の姿や、サーチライトのような目玉の姿しか見せていません。目玉だけの姿になったのは、イシルドゥアに指輪ごと指を切られたことが原因でしたが、実はその姿になる前は自分の外見を自由自在に変えることができたのです。 大昔には美しいエルフの姿でエルフたちを騙し、人間の捕虜になったときは美しい人間の姿を利用して国の中枢部にまで入り込みました。しかし、消滅と復活を繰り返すうちに、恐ろしい姿しか取ることができなくなったと原作者トールキンは記しています。 映画3部作のラストでは実体を得たサウロンとアラゴルンの一騎打ちのシーンを挿入する構想がありました。残念ながらそのシーンはお蔵入りになりましたが、スペシャルエクステンディットエディションの映像特典で絵コンテなどを見ることができます。

『ホビット』にも登場!

「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚にあたる映画「ホビット」3部作にもサウロンは登場します。前シリーズの冒頭部で体を失ったサウロンは、当初影のような姿で登場しましたが、途中で前3部作でおなじみのあの姿になったことを明らかにしました。 「ホビット」ではまだサウロンは復活していないと思われていたこともあり、サウロンの存在感は一見希薄に思えますが、当時から暗躍していたことを窺い知ることができます。

「ロードオブザリング」サウロンの行動に瞬き厳禁!

何千年もかけて悪の心を育て、世界を追い詰め続けたサウロン。映画の名だたる悪役の中でも粘り強さで群を抜いています。まさに冥王という呼び名がふさわしいでしょう。 しかし、そんな彼も太古の昔は善の存在であり、悪に堕ちてからも一度は世界を修復しようともしました。 そんな姿を想像できないほど、悪役としてその名を轟かせる彼に焦点を当てて「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を見てみるのはいかがでしょうか?