2017年7月6日更新

『ナルコス』の裏話22選!【ネットフリックスの人気ドラマ】

ネットフリックスのオリジナルドラマ『ナルコス』は麻薬王とも言われたパブロ・エスコバルを描いた作品です。今回は、パブロ・エスコバルを演じるヴァグネル・モウラの役作りなど、「ナルコス」の裏話を厳選してお送りします。

ネットフリックスオリジナルドラマ『ナルコス』!

2015年、9月1日に配信が開始されたネットフリックスのオリジナルドラマ『ナルコス』。1980年代コロンビアで麻薬密売組織を創設した実在の人物パブロ・エスコバル(ヴァグネル・モウラ)とアメリカ人麻薬捜査官スティーブ・マーフィー(ボイド・ホルブルック)との攻防を描いたクライム・サスペンスです。

犯罪の様子を描くと同時にヒューマンドラマでもあるため、アメリカをはじめとし世界中で大人気なんです。

コロンビア政府内部、そして国全体へ着々と染みわたっていく悪。スティーブらアメリカ人捜査官はパブロとその仲間たちの検挙に奔走しますが、国境を越えたコロンビアでの捜査に難航します。

多くのキャラクターが入り乱れ、暴力・陰謀にまみれた麻薬組織の闇を余すことなくリアルに描き、新しい形のドラマの在り方を造り上げている『ナルコス』。今回はそんな人気ドラマの裏話をご紹介します。

1.元々は映画化する予定だった!?

『ナルコス』は当初映画化が計画されていましたが、麻薬カルテルの世界を描いた複雑なストーリー、麻薬王エスコバル、捜査官のスティーブと善悪両面にフォーカスしなければならなかったため、莫大な時間が必要でした。

そのため、ネットフリックスのドラマシリーズ『ナルコス』として製作されることになりました。

今作のエグゼクティブプロデューサーエリック・ニューマンはこう語っています。

“幸運なことに、私たちはネットフリックスとビジネスをする機会をいただきました。彼らは私たちが必要とするものを我々に提供し、必要なプロセスを完璧にこなしてくれました。”
引用:collider.com

2.『ナルコス』に込めた思いとは!?

『ナルコス』は麻薬取締捜査官とパブロ・エスコバル、二つの物語が並行して進む構造をしています。

エリック・ニューマンによると、『ナルコス』はエスコバルの話だけではなく、エスコバルの組織を壊滅させようと奮闘した人たちの物語でもあると言います。

さらに、今作では麻薬カルテルに対するアメリカの視点、コロンビアの視点どちらも含まれていますが、コロンビアでエスコバルを追った多くの人が死に、犠牲になった事実があるため、コロンビア人が奮闘していた日々をしっかり描くことが重要だったそうです。


3. ネットドラマなのにこの人気!その理由は?

暴力や違法行為などが飛び交う本ドラマの内容。テレビ放送であれば成し遂げられなかったようなダイレクトな描写が、利益を気にしないネットフリックスであるからこそ実現し得てます。

その作品性が評価され、第73回ゴールデングローブ賞では主演男優賞にパブロ役を2年間熱演したヴァグネル・モウラが主演男優賞にノミネートされるなど、ネット配信ドラマであるのに快挙を成し遂げました。

4.なぜパブロ・エスコバルが莫大な富を得ることが出来たのか!?

麻薬王パブロ・エスコバルはコカインによって、とてつもない早さで力をつけ、大富豪になった人物です。それはある意味で偶然の産物だったのかもしれません。

当時、コカインはとても安価で製造可能で中毒性が高い薬物、とてつもない利益を短期間で生むことが可能だったそうです。

プロデューサーのジョセ・バジーリャはこう語っています。

“おそらくカルテルの人間はマイアミでコカインが蔓延するまで、どれだけコカインに価値があるものだったのか知らなかったはずです。例えるなら、あなたは漁師で、湖に釣りに出かける。湖にはとてつもなく巨大な魚が大量にいるがどこで魚が獲れるのか分からない。しかし、餌をまいただけで信じられないほど巨大な魚が数えきれないほど獲れてしまった。あなたはただ驚嘆する。それがパブロに起きたことなんです。パブロは歴史上類をみないほど短期間で大金を手にしました。”
引用:collider.com

5.監督が語るマイアミとドラッグ!

コロンビアの麻薬カルテルの権力と金、それによって巻き起こった混乱はアメリカのマイアミという場所から生まれたと言うことも出来ます。

『ナルコス』の監督ジョゼ・バジーリャはこう語っています。

“現在のリオ・デ・ジャネイロのように、当時マイアミでは人が次々死んでいきました。コカインがどのようにアメリカに蔓延し、どのように暴力をもたらしたかについてはアメリカ人の視点を通して語るしかありませんでした。ロナルド・レーガンは武器を提供することでコカインと戦おうとしていました。しかし、アメリカはマイアミではなく、コロンビアでドラッグに対する戦争を仕掛けたのです。

これは『ナルコス』という作品内だけでなく、ドラッグの歴史、ドラッグに対する法律や政策という観点からしてもとても重要なポイントです。残念ながらドラッグに対する法整備は失敗に終わっていました。それは現在もアメリカ、ブラジルなど場所に関係なく根本的には何も変わっていません。”

引用:collider.com

6.『ナルコス』がドラマシリーズになった意義とは!?

『ナルコス』シーズン1のエピソードは全部で10話。これが『ナルコス』のキャラクターたちを深く描くために必要な完璧な時間だったとプロデューサーは語っています。

“10時間というフォーマットの素晴らしい点は、キャラクターが一度道を踏み外しても、それを挽回する機会を描くことが出来るところです。映画は大抵約2時間、なにか酷いことをやってしまえば、それを償わせる時間はありません。このシリーズでいえば、どのキャラクターもある場面では酷い行動に出ることがあります。しかし、ほとんどのケースでキャラクターたちに共感を抱くことになるでしょう。”
引用:collider.com

7.役作りに6ヶ月!?

ヴァグネル・モウラは完璧にパブロ・エスコバルを体現するため、撮影前からエスコバルのリサーチや役作りに励んでいたそうです。

最も苦労した一つがスペイン語、モウラはスペイン語を話せませんでした。そこでコロンビアのメデジンという都市に飛び、撮影6ヶ月前から滞在、大学の外国人向けスペイン語講座を受講したりパブロ・エスコバルや近代コロンビア史に関する書物を読みあさっていました。

コロンビア到着した時、ヴァグネル・モウラはまだネットフリックスと契約さえしていなかったそうです。

8.18キロの増量でも足りなかったお腹!?

ヴァグネル・モウラの今作へ情熱は半端なものではなく、語学だけでなく、身体的特徴を体現するために18キロも増量して撮影に臨んでいました。

しかし、それでも、実際のエスコバルよりもモウラは細かったため、お腹まわりに器具を着けてポテッとしたお腹を再現しています。

エスコバルは1日中麻薬を吸い、1日中空腹状態、夜になると冷蔵庫の中の食べ物を全て食べる、そしてまた麻薬を吸う。そんな生活をしていたと言われています。

9.演出に役立ったパブロが遺した膨大な量の写真やビデオ

実在したパブロ・エスコバルは自身についてしっかりと記録しており、彼についての写真やビデオなどの膨大な量のデータによって「ナルコス」では彼の服装や雰囲気をとてもリアルに再現することができています。

彼自身が遺した貴重な資料が、ドラマに重要なインスピレーションを与えているといいます。

10.解決策を提示するのではなく、ありのままを描く!?

『ナルコス』は欧米の国々が採用しているドラッグに対する間違った法や政策をどう正すべきか意見を押し付けるような作品ではなく、ドラッグを取り巻く環境で何が起きているのか?コカインとはどんなものなのか?そしてどのように取引されているのか?を描いた作品です。

『ナルコス』の監督ジョゼ・バジーリャはこう語っています。

“今、明らかなことが一つあります。それはドラッグに対する対策が機能していないことです。その状態は30年続き、いまだに変わっていません。この状態を打開しなければなりません。コカインに関わった多くの人が刑務所に入り、多くの人が死んでいます。私は人々がやるべきことを提示している訳ではありません。私はストーリーテラーですから。しかし、もしもこの作品によって、コカインについて少しでも知って頂けたらうれしいです。アメリカは武力を提供することでコカインと戦ってきました。それでもコカインの需要は減らず、コカインの取引場所が変わる。供給量は変わったとしても需要は変わりません。その過程で人は死んでいるのです。”
引用:collider.com

11.“ロビン・フット”の異名をもったパブロ。もう一つの顔とは?

巨大な麻薬密売組織を率いていたパブロ・エスコバルですが、大きな犯罪に手を染めていたいっぽうで、コロンビア国内の公園、学校、病院、スタジアムなどの改築に莫大な資金を投資していました。

そのような行動から”ロビン・フッド”(ヨーロッパ中世の物語より)と称される一面もあり、一概に悪人だと糾弾することができない人物だといえます。

そんな複雑なキャラクターがますますストーリーを面白くさせているといえるでしょう。

12.善と悪が曖昧な世界!

コカインのビジネスを知れば知るほど、その中の善と悪の境界が曖昧になる、麻薬捜査官の一人ペーニャ役のペドロ・パスカルは言います。

“作中の麻薬捜査官たちはドラッグディーラーを懲らしめるために任務を行っている訳ではありません。ドラッグと戦うためにコロンビアに向かうのです。正しいこと、正しいやり方と何なのか、分からなくなっていました。私の演じたDEA(麻薬捜査官)は2014年1月に捜査官を辞めています。彼を演じる上で大切だったことは善と悪の境界線が曖昧になる、そのことを理解することでした。”
引用:collider.com

13.ドラッグの世界に白と黒などない、グレイだけだ!

ドラッグビジネスに関していうと、正しい、間違いなど白黒はなく、グレイしかないようなもの。これが『ナルコス』の重要なテーマの一つでした。

ヴァグネル・モウラはこう語っています。

“この作品は正義のアメリカ人捜査官がコロンビアに行って、悪の組織から貧しい人々を救う話ではありません。今作はフィクションですが、コロンビアの歴史や実際に何が起きたのか、それにとても気を使いながら仕事に取り組んでいました。”
引用:collider.com

監督のパジーリャはさらにこう語っています。

“あるシーンでパブロ・エスコバルは飛行機を爆破します。彼は飛行機に爆弾を持ち込み一人の命を奪い、そして飛行機を一機墜落させてしまうのです。彼は間違いなく非道なテロリストです。しかし、それが彼の全てではありません。彼にも家族があり、マイルドな一面も持ち合わせていたでしょう。私たちが目指したのはカリカチュアではなく、意図しない結果。人は何か良いことをしようとして、結果的に悪いことをしてしまうことがあるのです。”
引用:collider.com


14. ドラマとは少し違う?息子が事実を暴露

パブロの義理の兄であるカルロスは、ドラッグ・ディーラーとしてドラマに現れていますが、パブロの息子であるセバスチャンは彼の叔父は「正直で高貴な男と父」であり、不法行為に関与せず、決して薬を扱わず、そしてマイアミに住んでいなかったコメントしました。

他にもセバスチャンの母親は決して武器を用意しなりせず、パブロがキャリロ大佐を殺したことは事実ではないなど、ドラマでの描写と異なる事実を告白しています。


15. パブロのかいま見える人間味

続けてセバスチャンは故父の人間性についても言及。パブロは息子であるセバスチャンや他の子供たちに、彼が行った秘密の活動に巻き込むことはなかったと言います。

セバスチャンは、父親が教育や他の機会を非常に重要視して、きちんと育ててくれたと語っています。


16. シーズン2にパブロはいない!?

先々月の9月にシーズン3、4の製作が決定した『ナルコス』ですが、なんと主役級のパブロ・エスコバールがシーズン2で死んでしまうため、もう登場することがないんだそう!

20年分のパブロの歴史をもうカバーしきったこれまでのストーリー。シリーズ開始当初から彼のファンである視聴者は悲しいけれど、これからの展開もかなり気になるところ!


17. シーズン2はヒューマンドラマ

シーズン2の特筆すべき点は、前作よりもドラマチックである点。パブロに関する歴史的な事実と彼の私生活を詰め込んだシーズン1は、現実に換算して約15年をカバーしています。

それに対してシーズン2は、パブロ役を演じたヴァグネル・モウラの言葉を借りると、「叙事的に麻薬取引の仕組みについて人々に本当に語りかける」内容となっているそう。


18. 前シーズンで印象的だったナレーションもカット

シーズン1で人気を博した『ナルコス』は、その印象的なナレーションで一躍有名になりました。ナレーションによる説明を採用した理由は、薬物取引の歴史とその裏返しを説明するのが最も簡潔な方法だったから。

しかしよりヒューマンドラマを展開するセカンド・シーズンでは実際に俳優にシーンを演じさせる時間を長くとれるためナレーションを大幅にカットしました。


19. 人間関係にフォーカスしたシーズン2

悪者として犯罪に手を染める様子を細かく描いた全シーズンと比較し、物語はパブロの人間関係、具体的に言えば彼の家族、パートナー、妻についてフォーカスされます。

非常に重要なキャラクターの心情を描くことで、犯罪者と悪について視聴者により考えさせる構造を作り上げたそう。


20. 実際にパブロが死んだ場所で撮影

『ナルコス』チームはシーズン2のパブロが死ぬシーンを製作するにあたり、パブロ・エスコバルが実際に亡くなった場所での撮影を叶えたそう。膨大に残されている資料からも、死ぬ場所や状況などをこだわりできるだけ再現。

実際のパブロが殺されたのと同じ屋上で撮影されたシーンは、2年間の集大成となる瞬間で、感動すること間違いなし。1エピソードでもナルコスを見たことのある人なら、ぜひシーズン2のこのラストシーンまでチェックするべき!


21. 息子が語る実際の死の真相

またセバスチャンによると、実際のパブロは最後の瞬間、パートナーであるモンカダと時間を過ごすことに決めていたそう。その願いは叶いませんでしたが、代わりにセバスチャンは、彼の父親が最後の日に自分自身に会ったことを告白。

パブロの死後、ドラマではセバスチャンら残された家族は快適な生活を送りますが、現実にはスラムに住むより他ないほど苦しい生活を強いられたと言います。


22. パブロは死んだけど、『ナルコス』は終わらない!?

パブロ・エスコバルは死んでしまったけれど、『ナルコス』シリーズはまだ終わりません!

これからこのドラマの伝えるメッセージは、依然世界で今も続く大きなドラッグビジネスです。麻薬取引の世界の問題がなくなったわけではなく、パブロの向こう側に続く多くの物語があるはず。

これから『ナルコス』チームがドラッグに関するクリミナルシーンがどんな世界を暴いていくのにも期待したいですね!