2022年9月6日更新

『るろうに剣心 伝説の最期編』ネタバレあらすじ結末と感想・評価 宗次郎のラストシーンも解説

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『るろうに剣心 伝説の最期編』あらすじ

前作「京都大火編」のおさらい

薫たちと平和な生活を送っていた剣心のもとに、ある日政府の役人がやってきます。剣心の後輩である志々雄真実が京都で暗躍しているため討ってほしいという依頼でした。 責任の一端を感じた剣心は京都に向かいますが、その道すがら四乃森蒼紫という強敵も現れ……。なんとか京都大火の計画を阻止した剣心たちでしたが、志々雄たちの真の狙いは東京だったのでした。

今作「伝説の最期編」簡単なあらすじ

日本征服を狙う志々雄真実を止めようとするも、大事な人である神谷薫を誘拐されてしまった剣心。船上から投げられた薫を追って海に飛び込んだ剣心が目を覚ますと、師匠である比古清十郎に助けられていました。 愛する者たちを守るために志々雄に再度挑むことを決意し、比古に「飛天御剣流の奥義」の伝授を懇願。しかし剣心が過酷な修行に耐えているあいだ、志々雄は東京で、剣心の首を政府に要求していました。 政府は黒い艦隊でやってきた志々雄に及び腰で、剣心はとうとう処刑場へ。壮絶な道を選んだ剣心は、大切な人たちの愛しい日常を守ることができるのでしょうか。

結末までのネタバレ

るろうに剣心 佐藤健
©和月伸宏/集英社 ©2012「るろうに剣心」製作委員会

※以下、キャラクターごとにまとめてストーリーを解説していくため、時系列が多少前後していることがあります。

剣心の過去と奥義

浜辺に倒れていた剣心は、師匠である比古清十郎に助けられていました。剣心は過去の夢を見ています。 心太という本名の通り心優しい子どもだった剣心は、死体の墓を作っていました。悪い人間でもみんな死ねば同じだと言って死体を弔う心太に「剣心」の名を与え、剣術を教えたのが比古だったのです。 目を覚ました剣心は、3日間眠っていたこと、薫の安否がわからないことを知らされます。そして飛天御剣流の奥義を習得するため、「再び剣を教えて欲しい」と比古に頼み込むのでした。 「自分に欠けているものを見つけろ」と言われるも見つけられない剣心。しかしやがて彼は、自分が死への恐怖を捨てて強くなったことで、命を軽く見ていたことに気がつきました。 命の重みを再認識した剣心は、ついに奥義を習得したのです。

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志々雄真実の来航と要求

浦賀には志々雄の乗った巨大甲鉄艦「煉獄」が現れ、人々を恐怖に陥れていました。しばらくして剣心の目撃情報を聞いた志々雄は「国を取るよりいい事を思いついた」と、伊藤博文を呼び出します。 伊藤を含む政府重役らとの会合で、「俺を焼いたのも政治なのか?」と問う志々雄。 彼はかつて抜刀斎の後継者として雇われた暗殺者でした。しかし新時代の到来で用済みとなり焼かれたのです。灰の中から這って生き延びましたが、火傷により全身の汗腺が塞がり、灼熱を宿した化け物となった志々雄。彼はもう15分しか全力で動けなくなっていました。 政府重役らを恨み、「命が惜しければ剣心をさらし首にしろ」と脅す志々雄。及び腰になった政府は志々雄に従い、剣心を指名手配するのでした。

蒼紫と操と翁

京都の隠密御庭番衆の隠れ家「葵屋」で、翁(柏崎念至)を看病する巻町操。翁は御庭番衆御頭・四乃森蒼紫に斬られて重傷を負っており、操は慕っていたはずの蒼紫をもはや憎んでいました。 そんななか薫が生きていると知った操。早速剣心に知らせると剣心はすぐ京都に向かいますが、道中で蒼紫が待ち伏せていました。そこに蒼紫を止めようとする翁も、ボロボロの体でかけつけます。 しかし翁は歩くだけで精一杯。続きの戦いを託された剣心はついに蒼紫を止めますが、戦いを見届けた翁は息を引き取りました。 蒼紫は操に「仇をとりたいなら遠慮なくやれ」と言います。しかし操は、翁と死んでいった仲間の分まで生きるよう蒼紫に言いました。

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最終決戦

東京に到着した剣心は逮捕されますが、実はこれは伊藤と面会するための作戦でした。剣心から志々雄と戦えれば勝機があると聞かされた伊藤は、剣心の斬首刑を呼び水に志々雄一味をおびき出す作戦を提案します。 剣心の処刑報道を受け、薫たちや志々雄一味が処刑場に集まりました。しかし首ではなく縛り紐を切られた剣心は、志々雄の根拠地である戦艦「煉獄」へと一気に乗り込みます。 政府が剣心や志々雄の存在を闇に葬ろうと砲撃を開始し、「煉獄」は炎に包まれました。炎の中剣心は十本刀・宗次郎を打ち、ついに志々雄との戦いに挑みます。 一度は不覚を取り、倒れる剣心。しかし左之助、蒼紫、斎藤一の助けを受けて再度立ち上がり、飛天御剣流奥義・九頭龍閃を放ちます。 志々雄は奥義を受けて倒れ、さらに自身の体に宿った熱で発火し、「煉獄」と共に炎に包まれて命を落としました。 戦いを終えた剣心は神谷活心流道場に戻り、薫たちとの穏やかな生活に戻っていくのでした。

「伝説の最期編」感想・レビュー

総合評価
4.5

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20代女性

剣心を形作ってきたものが明らかになって、より作品に入り込めた気がします。迫力のあるアクロバティックなアクションが本当に素晴らしい!特に剣心と志々雄の戦いは何回でも見たい。それぞれが信じる正義のために戦う彼らの侍魂がぶつかり合う感じが、カッコよくて最高でした。

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20代男性

映像もアクションも役者たちの演技もすごく良いんだけど、原作からの脚色がなあ……。なんで志々雄は煉獄を停泊させて剣心の首要求してるの?国盗りになってないじゃん!蒼紫様の出てき方も中途半端すぎてこいつ必要?みたいな立ち位置になってる……。悲しい……。

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20代女性

前半ちょっと長いなあって一瞬思ったけど、後半散りばめられたものが一気に回収されて急展開めちゃめちゃすごかった!剣心も志々雄も宗次郎も蒼紫もみんなそれぞれドラマを抱えてて、それを映画の中でこんなにきれいにまとめたのは本当にすごいと思う。役者さんたちも豪華な実力派揃いで、魂削ってるみたいな迫真の演技に圧倒されました。

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20代男性

悪役ながら、とにかく志々雄真実がカッコよすぎる!藤原竜也の迫力ある演技は前作以上で、熱量に鳥肌がたった。神木隆之介、伊勢谷友介の演技も素晴らしい。ただ豪華なだけでなく、しっかり魅力的なキャラクターに作り上げられていてクオリティが高かった!

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一番の見どころ!宗次郎をネタバレ解説

『るろうに剣心』
© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会

『伝説の最期編』で最も好評なキャラと言っても過言ではないのが、神木隆之介演じる瀬田宗次郎です。 宗次郎がいったいどんな過去を抱えて感情を失ったのか、そしてなぜ剣心と戦ったことで感情を取り戻したのか、原作漫画のストーリーとともに解説していきます。

虐待を笑って耐えた幼少期

宗次郎は大きな米問屋の家に生まれますが、すでに亡き愛人の子であったため幼少期からひどい虐待を受け育ちました。 少しでも穏便に生きるため常に愛想笑いを浮かべるようになり、やがて「楽」以外の感情が封印されていきます。虐待されても笑っていれば呆れて相手はやめてくれる。自己防衛の手段でした。

志々雄真実との出会い

あるとき政府の刺客を返り討ちにする志々雄真実を目撃します。志々雄は最初、口封じのため宗次郎を殺そうとしますが、怯えながらも顔だけは笑い続ける姿を見て、隠れ家の提供を条件に生かすことにしました。 志々雄は宗次郎に「弱肉強食の真理」を教え、一振りの脇差を与えます。最初は戸惑っていた宗次郎でしたが、志々雄を匿っていたことがバレて家族に殺意を向けられるようになると、その脇差で一家全員を惨殺して志々雄についていくようになりました。

なぜ剣心と戦ったことで感情を取り戻したのか

「弱肉強食」の思想のもと、宗次郎はセンスを発揮し瞬く間に強くなっていきます。強い者こそが正しいのだと信じ、ひたすら剣を振るってきました。 しかし奥義を習得してきた剣心と改めて戦ったとき、「不殺」を貫く剣心をなかなか倒せないことに戸惑い、苛立ちを感じ始めます。宗次郎にとってこの戦いは、「弱肉強食」と「不殺」という2つの信念の戦いだったのです。 信じてきた「弱肉強食」の信念が揺らいで、感情を取り戻し始める宗次郎。かつて家族を殺してしまったことに、自分が罪悪感を覚えていたと気がつきます。錯乱した宗次郎はとうとう剣心に敗北しました。

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敗北して何を学んだのか 宗次郎のその後は?

剣心に負けたことで、宗次郎は今度剣心の理念が正しいのだと思おうとします。そんな宗次郎を剣心は 「一度や二度の戦いで、真実の答えが出るくらいなら誰も生き方を間違ったりはせん!」 「真実の答えは、これからお主自身が自分の生き方の中から見出すでござるよ……」 と諭します。自分で答えを探すため志々雄のもとを去り旅に出たのでした。 その1年後、雪代縁との戦いに現れた宗次郎。映画「最終章 The Final」では敵の1人である呉黒星に呼ばれながらも、呉を裏切り剣心の手助けをします。「その剣が人の恨みをはらし、過去に捕らわれている人が前に進めるということを証明して下さい」と言って、剣心を縁の元へ送り出していました。

ラストシーンはひどい?原作ファンの評価

序盤はテンポ遅め?その分後半の盛り上がりがすごい!

序盤のテンポがゆっくりで、やや間延びした印象。剣心が過去と向き合う福山雅治演じる剣心の師匠・比古清十郎が登場しますが、特にその修行シーンが長く感じられました。 とはいえ修行というのは地道なものですから、絵面が似通り展開が遅くなってしまうのは仕方ないのかもしれません。 しかし徐々にエンジンがかかり、後半は見事にすべての群像劇を回収しきる圧巻の展開。敵役の切なさも光るバトルシーンの連続で、特に宗次郎が感情を取り戻すシーンは鳥肌モノでした。 剣心打ち首シーンまでの、緊張感と焦燥感を煽る演出も見事です。

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アクションは前作同様に超高評価

アクションは邦画屈指と言われる「るろうに剣心」シリーズ。「伝説の最期編」も、アクションに関しては文句なしの高評価です。むしろ過去作を超越していると言っても過言ではないでしょう。 目が追いつかないほどの躍動感と疾走感があり、その上ナチュラルで不自然さを感じさせない、完成度の高い殺陣シーンに驚かされます。特に佐藤健のアクションは相変わらず素晴らしくさすがのもの。 これでスタントもCGも早回しもなしというのですから、想像を絶する過酷な撮影現場だったはずです。 オファーが来る前から勝手に練習を始めていたという神木隆之介も、人間とは思えないスピードで宗次郎の「縮地」を完璧に再現していました。

映画オリジナル展開の弊害?

「京都大火編」が大方原作に沿った展開だったのに比べ、「伝説の最期編」は特に後半、かなり大胆なアレンジが加えられた展開となっています。それゆえ原作ファンからは、賛否が分かれるラストシーンとなりました。 原作では「煉獄」は彼らの本拠地ではなく、アジトで改めて剣心と決闘する展開だったため、闘いがあっけなく感じたという声も。また原作で魅力的だったキャラクター、十本刀や左之助、蒼紫のシーンも大幅にカット・変更されています。 120分の映画に収めるためとはいえ、原作ファンにとってはもどかしい散り方をした、もったいないキャラも多くいました。 しかしその分、剣心の心の変化が丁寧によく描かれています。幼少期や「剣心」としてのルーツを振り返り、命の尊さを改めて学んでから宗次郎や志々雄に挑む姿は、一層頼もしく見えました。 志々雄の苦しい過去も比較的丁寧に描かれていたので、映画作品としては成功と言えるのではないでしょうか。

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『るろうに剣心 伝説の最期編』はさすがの傑作!ラストまで目が離せない

『るろうに剣心 伝説の長期編』は、剣心と過去も明かされつつ、剣心の最大の敵である志々雄真実との決着が描かれたシリーズ第3作目でした。 前作がアクション、ストーリー、キャスティングなど多方面で評価されていたのに比べると、脚本に対しては厳しい声があがったように感じます。 しかし後半のスピード感や、最終決戦のアクションは超一級品です。この機会に、もう一度観返してみてはいかがでしょうか?