2017年7月6日更新

プライベート・ライアンに隠された12の秘密!

『プライベート・ライアン』
Photo by Amblin Entertainment - © 1998

第二次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦を舞台とした映画『プライベート・ライアン』は、アカデミー賞11部門にノミネートされるなど、大ヒットとなりました。今回は、そんな『プライベート・ライアン』に隠された秘密をお届けします。

実話を基にした戦争映画の傑作『プライベート・ライアン』

スティーヴン・スピルバーグ監督の1998年の傑作映画『プライベート・ライアン』は、世界中で話題となり、アカデミー賞では11部門にノミネートされた作品です。彼は映画『シンドラーのリスト』(1994年)や、映画『1941』(1979年)など戦争映画の名作を過去にも撮っていて本作は4作目の戦争映画になります。

本作は、第二次大戦におけるノルマンディー上陸作戦を物語の焦点に据えたものとまっています。多くの戦場に第二次たった一人の青年・ライアン二等兵を、敵地から救出するために送り込まれた精鋭部隊を描いた感動の作品。冒頭の凄まじい戦場のシーンは思わず目を覆いたくなるような惨たらしいシーンであることも有名です。

1.時系列に沿って撮影された

プライベート・ライアン

『プライベート・ライアン』は、映画作品にしては珍しく、時系列に沿って撮影されています。普通の映画では、ロケごとに撮影、出演俳優の兼ね合いなどが考慮され、効率重視なのが一般的。監督は編集の段階でシーンをつなげていくのです。

スピルバーグ監督は、俳優たちが同じ経験を共有したように感じさせるためにこの方法を選びました。この方法は、撮影を共にしていないライアン(マット・デイモン)への怒りを表現することにも役立っています。

予算、労力ともに大変さは想像に難くないですが、結果見事に重厚な人間ドラマへと結実しましたね。

2.フランスではなくアイルランドでの撮影?

ireland

ノルマンディー上陸作戦のDデイ(作戦決行日)を描いたオープニングシーンは、フランスではなくアイルランドで撮影されました。その理由は、フランス政府がノルマンディー海岸での撮影を許可しなかったためです。

3.作中では、チェコ語も使用された

オープニングシーンで射殺される非武装の男性は、ドイツ語ではなく、チェコ語で喋っています。

ノルマンディー海岸の一部は、東軍(チェコスロバキア・ソヴィエト・ウズベキスタン・アルメニアなど国々の男性で編成されていた)によって守られていました。

4.キャスティングの変更

Sizemore

ビリー・ボブ・ソートンは、マイク・ホーヴァンス二等軍曹役(最終的にはトム・サイズモアが演じた)をオファーされましたが、水恐怖症であることと、銃を撃ちたくないという理由でオファーを断っています。

当時サイズモアはドラッグ中毒と闘っていたので、スピルバーグ監督はサイズモアのキャスティングをためらっていました。ディレクターはサイズモアに毎日ドラッグテストを受けさせ、検査が陽性であれば全てのシーンを撮り直さなければならない、というかけに出たそう。

5.マット・デイモンの起用の内幕

mattdamon

スピルバーグ監督は当初、マット・デイモンはジェームズ・ライアン一等兵役を演じるには痩せすぎていると考えていました。しかし、伝説的なコメディアンであるロビン・ウィリアムズの口添えなどがあり、マット・デイモンはこの役を最終的に勝ち取りました。

6.マット・デイモンによるアドリブ

ライアン一等兵が兄弟やアリス・ジャーデンとの納屋での思い出を語る、というストーリーは台本にはありませんでした。そのシーンはマット・デイモンのアドリブで、巨匠スピルバーグ監督は彼のアイディアを採用したのです。

7.ドイツ語のセリフ

poster

スタンリー・メリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)が敵の兵士にゆっくりと刺されるシーンで、敵のドイツ兵士は「あきらめろ。もはやチャンスは無い。これがお前にとって一番良い方法なんだ。」と、ドイツ語でささやいています。

8.『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストンが出演??

ブレイキング・バッド

ブライアン・クランストン(現在は、テレビドラマ『ブレイキング・バット』のウォルター・H・ホワイト役で有名)が、実は本作にマック大佐というちょい役で出演。作中で切断手術をした人物です。 若いですね。

9.戦争シーンのカットがあった?

実はスピルバーグ監督は、戦争による暴力的シーンを5分程カットしなければなりませんでした。そうしなければ『プライベート・ライアン』は、アメリカ映画協会から17歳以下鑑賞禁止の指定を受けることになっていたそう。完全版がみてみたいですね。

10そもそもノルマンディー上陸作戦とは

第二次世界大戦中、ナチスドイツに占領されたヨーロッパ諸国を解放するために連合軍が行った侵攻作戦。フランスのコンスタン地方に実在するノルマンディー海岸を上陸ポイントとして、200万人もの兵士が侵攻を開始しました。ノルマンディー上陸作戦

上陸作戦はナチスドイツの激しい抵抗にあい、多くの死者を出す結果に。そして2か月の戦闘の後、連合軍がドイツ軍を撃退しノルマンディー地方の制圧に成功しました。

この上陸作戦を契機に、大戦の均衡が連合国側に傾いたとされている有名な作戦です。本作に用いられる「D-デイ」とは、上陸作戦の決行日を表す軍事用語です。

11.架空の街ラメール

バンド・オブ・ブラザーズ

最後の戦いが行われたフランスのラメールという街は、映画内で唯一の架空の街です。

ラメールの街のセットは、イギリスのスタジオに作られました。その後のスティーブン・スピルバーグ監督とトム・ハンクスによるテレビドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』シリーズでも、これと同じセットが使われています。

12.ライアンのキャラ設定の原案となった人物が存在した

『プライベート・ライアン』のライアン二等兵のモデルとなったと言われるのが、実在のアメリカ人・フレデリック・ナイランド三等軍曹。彼には同じく兵士として戦場に赴いた3人の兄がいました。

フレデリックはD-デイにノルマンディー海岸へ落下傘部隊で降下したのですが、パイロットのミスで敵地深くへ投げ出され孤立してしまったそうです。彼はなんとか連合軍本隊に合流でき母国に生還できたものの、3人の兄を戦場で失ってしまったという悲劇を知らされることになります。

本作のような劇的な救出劇は実際には起きなかったそうですが、フレデリックはライアンの内面の陰影を描くのに大きな影響を与えたよう。