2023年4月14日更新

ドラマ『ラスト・フレンズ』の衝撃の結末とは?オープニングのリボンが伏線だった【ネタバレ】

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2008年にフジテレビ系列で放送された連続テレビドラマ『ラスト・フレンズ』。 社会問題であるDV(ドメスティック・バイオレンス)や性同一性障害を描いたこと、旬な俳優陣が出演したことで話題になった作品です。全11話で最終回は22.8%という高視聴率を記録しました。 この記事では、『ラスト・フレンズ』のあらすじや衝撃の結末をネタバレありで紹介。作品がもっと面白くなる見どころ、オープニングの伏線なども解説します。 ※本記事にはストーリーのネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。

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『ラスト・フレンズ』のあらすじ

舞台は男女3人が暮らすシェアハウス

美容師のアシスタントとして働く美知留(長澤まさみ)は、学生時代の親友・瑠可(上野樹里)と再会し、彼女からシェアハウスに誘われました。 美知留は恋人の宗佑(錦戸亮)と同棲の話が出ていたため、瑠可の誘いを断ります。しかし同棲が始まった途端、宗佑の美知留に対する異常な執着心と独占欲があらわに。美知留は彼のDVに身の危険を感じ、瑠可たちが暮らすシェアハウスに移住しました。 瑠可やタケル(瑛太)は美知留を救おうとしますが、宗佑の優しい言葉に美知留の心は揺ぎます。そんな中、優しいタケルに惹かれる美知留、美知留を愛する瑠可、瑠可を想うタケルとそれぞれの感情が交錯していくのです。 しかし宗佑はシェアハウスの住人にも危害を加え始め、友人を盾に脅される美知留。彼女は瑠可たちを守るため、宗佑の言いなりになろうとしますが……。

【ネタバレ】最終回の衝撃的な結末

美知留のことを愛するあまり、彼女を傷つけてしまっていた宗佑。彼は自ら命を絶つことでしか、自分の衝動を抑えられませんでした。そんな宗佑の遺書を見つけ責任を感じた美知留は、シェアハウスを出て1人で生活していこうと決意します。 タケルは美知留が出て行ってから元気のない瑠可を心配し、美知留を探しにいこうと提案。2人はバイクで美知留の住む町へ向かいますが、途中で事故に遭ってしまいました。 幸い怪我は軽度で済み、病院から帰ろうとした2人はそこで美知留と遭遇します。なんと彼女は宗佑との子を妊娠しており、産婦人科で診察を受けていたのです。 美知留は1人で育てるつもりでしたが、瑠可とタケルは3人で育てていこうと手を差し伸べます。難産の末、無事に女児を出産した美知留。子どもの名前は瑠可、タケルの「瑠」と美知留の「美」を合わせて瑠美と命名します。 瑠美を連れて4人でシェアハウスへと戻り、新たな生活をスタートさせたのでした。

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最終回から4年後を描く小説の内容は?

本作の脚本を務めた浅野妙子による描き下ろし小説『空―ラストフレンズ、その後』が出版されており、最終回から4年後の物語が描かれています。ドラマを観た人は、こちらも読んでみるとまた違った見方ができるかもしれません。 相変わらずシェアハウスで暮らし、一緒に瑠美を育てている美知留、瑠可、タケル。傷をなめ合うように、穏やかに過ごしていた3人に突然、変化が訪れました。美知留に新しい恋人ができ、彼女への想いを強めていた瑠可は激しく動揺するのです。 瑠可はタケルと関係を持ち、これを機にトラウマを克服したタケルはトラウマの原因となった義姉と和解しました。その後タケルは仕事の勉強のため、瑠可はモトクロスのために海外へ渡ることに。美知留も結婚が決まり、3人は決意を胸にシェアハウスから旅立っていきました。 美知留に想いを伝えることができた瑠可はその後、性転換手術を受けて男性になったのでした。

『ラスト・フレンズ』のキャスト

恋人のDVに悩む美智留役/長澤まさみ

長澤まさみ

母子家庭で育った藍田美知留(あいだみちる)は、明るくて誰に対しても優しい反面、優柔不断で流されやすい性格です。 アパートに男を連れ込む母親に嫌悪感を抱いており、職場の美容室でも先輩にいじめられていたため、職場にも家にも居場所が無いと感じていました。 そんな時、恋人である宗佑に同棲の話を切り出され、二つ返事で承諾してしまいます。その同棲を皮切りに宗佑の態度が一変し、美知留は異常なまでの束縛やDVを受け、親友の瑠可に助けを求めてシェアハウスを訪れるのでした。 そんな主人公を演じた長澤まさみは、1987年6月3日生まれの静岡県出身の女優です。主な代表作は、映画『世界の中心で愛を叫ぶ』(2004年)や数々の賞を総なめにした『海街diary』(2015年)などがあります。 近年は「コンフィデンスマンJP」シリーズ、『キングダム』(2019年)などに出演。本作当時の柔らかな雰囲気はそのままに、洗練された大人の女性へと成長しました。

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性同一性障害で苦悩する瑠可役/上野樹里

上野樹里

美知留と中学高校の同級生だった岸本瑠可(きしもとるか)は、全日本選手権の優勝を目標としているモトクロスの選手です。 外見や性別で判断されることを極端に嫌っており、何事もはっきりさせたい性格の持ち主。タケルやエリらとシェアハウスで暮らしています。 性同一性障害という悩みを誰にも明かせずに悩んでおり、久しぶりに再会した美知留に恋心を抱く瑠可。DVを受けている美知留を全力で守ろうとしますが、男である宗佑に力では敵わず性別という障害にさらに苦しんでいくという役どころです。 上野樹里(うえのじゅり)は、1986年5月25日生まれの女優。2006年にドラマ『のだめカンタービレ』の主演を務めて一躍話題となりました。ドラマの大ヒットにより、一時は「のだめ」の明るいイメージが離れなかった上野。瑠可のシリアスな役柄の影響で、それを一掃できたと言えるでしょう。 上野樹里は2016年に和田唱と結婚し、2018年放送の『グッド・ドクター』で結婚後初、そして2年半ぶりに連ドラに出演。2019年には『監察医 朝顔』にて「のだめ」以来、約13年ぶりに月9主演を果たしました。

束縛DV彼氏・宗佑役/錦戸亮

錦戸亮

美知留の恋人、及川宗佑(おいかわそうすけ)は区役所で児童福祉課を担当しています。彼は幼少期に母親に捨てられ、親戚中をたらい回しにされた過去を持つ人物。 美知留の愛し方が分からず、強い執着心と独占欲から美知留を異常なほど束縛し、ついには暴力を振るうようになっていきます。 そんなDV男を演じたのは、1984年11月3日生まれの元「関ジャニ∞」のメンバー、錦戸亮(にしきどりょう)です。 当初はNHK連続テレビ小説『てるてる家族』(2003年)や、『1リットルの涙』(2005年)などでアイドルらしい爽やかな役を多く演じていた錦戸。宗佑はそれまでのイメージを覆すような役どころで、ファンの間でも話題となりました。 2018年に『西郷どん』で大河ドラマ初主演、2019年には「トレース」で月9ドラマ初主演。2019年9月30日をもってジャニーズ事務所を退所し、2020年現在はソロとして活動中です。

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秘密を抱えるシェアハウスタケル役/瑛太

瑛太

水島タケルはシェアハウスの住人で、昼はヘアメイクアーティスト、夜はショットバーのバイトをしています。温和で人当たりの良い性格ですが、幼少期に義理の姉から性的虐待を受けたという、壮絶な過去を持っていました。 それがトラウマとなり、女性との接触を苦手としているタケル。周囲にはゲイだと思われていますが、本人は瑠可に好意を寄せています。シェアハウスに越してきたのも、瑠可がいるからという理由でした。 そんな難役を演じた瑛太(えいた)は、1982年12月13日生まれの東京都板橋区出身の俳優です。2003年にドラマ『WATER BOYS』で注目を集め、映画『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年)や、ドラマ『それでも、生きてゆく』(2011年)などで数々の賞を受賞しています。 近年は錦戸と共演した『西郷どん』や、『友罪』(ともに2018年)などに出演。元号が令和に変わる節目を機に、2020年に本名の永山瑛太(ながやまえいた)に改名しました。

『ラスト・フレンズ』で「のだめカンタービレ」のキャストが再集結!

のだめカンタービレ 最終楽章
©2010フジテレビ・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社

本作では「のだめカンタービレ」シリーズのキャストの上野樹里、瑛太、水川あさみが再集結し、シェアハウスのメンバーを演じたことも注目されました。 上野は同作で主演を務め、天才的なピアノの才能を持ち、変わり者でだらしない主人公「のだめ」こと野田恵を演じています。 瑛太は中華料理屋の息子で自己陶酔型のヴァイオリニスト峰龍太郎に、水川あさみは千秋(玉木宏)の人生を変えた美人実力派ヴァイオリニスト三木清良にそれぞれ扮しました。 「のだめ」とは全く違う役を演じているため、両作を見比べるというのもひとつの見どころです。

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主題歌は宇多田ヒカルの「Prisoner Of Love」

ドラマ『ラスト・フレンズ』の主題歌に起用された「Prisoner Of Love」は、2008年5月21日に発売された宇多田ヒカルの21枚目のシングル曲です。ドラマに合わせて制作された「Prisoner Of Love -Quiet Version-」も収録され、こちらは挿入歌として使用されました。 初週売上はビルボードジャパンの総合シングルチャートにて最高2位を、iTunesのダウンロード数は年間3位を記録。楽曲の制作風景がリアルに再現されているミュージックビデオはYouTubeにアップされ、再生回数は2020年10月現在2076万回を突破した大ヒットソングです。 しっとりとした曲調のラブソングとなっており、ドラマの雰囲気にぴったりだと話題となりました。

『ラスト・フレンズ』のオープニングに隠された伏線?

ドラマ主題歌「Prisoner Of Love」とともに流れるオープニングのタイトルバックには、実は深い意味が込められていました。 見逃してしまいそうなさり気ない伏線が多いので、1シーンも見逃さず注目してみましょう!

Liberation?Agony?それぞれの英単語が象徴するものとは

オープニングの中で特に印象的なのが、キャラクターとともに映し出される英単語です。 美知留の「Love」は愛瑠可の「Liberation」は解放タケルの「Agony」は苦悩エリの「Solitude」は孤独宗佑の「Contradiction」は矛盾を意味します。これはそれぞれが抱える悩みに関連したテーマを表していたのです。 さらに背景に登場する割れたガラスの破片は瑠可の性別に対する苛立ちを、マグカップから溢れ出るコーヒーは宗佑の美知留に対する過剰なまでの愛情とアンバランスさを表現しています。

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赤いリボンがストーリー展開の伏線に?

オープニングでは『ラスト・フレンズ』の展開を示唆する描写も多く、リボンを追うシーンでは1人だけ黒いネクタイをし、4人とは違う方向へ進む宗佑が特徴的。 宗佑以外にも、タケルを見つめる美知留、手を繋ごうとするタケルを拒否も受け入れもしない瑠可、誰かを追うエリの姿が描かれました。 タイトルバックの最後、5人が横になり赤いリボンで結ばれている映像にもヒントが隠されています。 1人だけ目を開きタケルが皆を「みている」立場を表したシーンや、宗佑のラストをイメージした胸に手を当てた姿、妊娠を連想させる美知留のお腹の周りのリボンなど、伏線としてオープニングを見返してみると面白いかもしれません。

『ラスト・フレンズ』のあらすじ・ネタバレ!衝撃の結末に涙

放送当時はまだ珍しかったSNSやシェアハウスを扱い、性同一性障害、DVといったトピックにも切り込み話題となったドラマ『ラスト・フレンズ』。 ドラマ本編のラストはもちろん、その4年後を描いた描き下ろし小説についても、視聴者(読者)の間で様々な議論と賛否を呼んだ作品です。 問いかけるテーマは普遍的なものなので、ラストに何を思いどう感じるのか、年を重ねて見返すと解釈が変わるかもしれません。