2017年7月6日更新

映画『アニー・ホール』に登場するウィットに富んだ10の名言まとめ

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ウディ・アレンによるロマンスコメディ映画『アニー・ホール』名言集

映画監督ウディ・アレンが監督・主演を務め、ダイアン・キートンがヒロイン、アニー・ホールを演じたロマンスコメディ映画『アニー・ホール』。今作は非常に高い評価を受けており、第50回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞に輝いています。 今作は、ウィットに富んだ台詞が多く飛び交うことが大きな特徴でもありました。今回はそんな名作の中から、作品を象徴するような10の台詞をご紹介します。

アルヴィーの名言

「“関係”というのは、まるでサメだ。常に前進していないと死んでしまう。」

遊泳性のサメは、泳ぐことによって体内に酸素を取り入れて生きているので、常に泳ぎ続けていないと呼吸困難になって死んでしまう生き物です。 アルヴィーは常に前進して変わっていく、変わっていかなければならない姿をサメの生き方に例えました。人間の結びつきや関係をサメに例えるとは、なかなかにウィットに富んだ言い回しではないでしょうか。

アルヴィーの名言

「ただの『ラブ』では言葉が弱い。言うならば、『ラァ~ブ』だ。」

アルヴィーと出会って間もない頃、デートの際に「私のこと愛してる?」と聞いたアニーに対してアルヴィーが答えたセリフがこちらでした。 ただ単に『アイ・ラブ・ユー』という言葉をいえば『愛している』という意味が伝わりますが、アルヴィーは言葉の文字列では表現できないほどの愛を伝えたかったのでしょう。

アルヴィーの名言

「君への愛を表現するには、新しい言葉を発明しなければ。」

『ラブ』という言葉ではアニーに対して自分が思うほどの愛を伝えきれない、と感じたアルヴィーは、新しい言葉を発明しなければならないほどに彼女を愛していたし、伝えられるならばこの気持ちを伝えたいのでしょう。 世界にはありとあらゆる言葉が存在しますが、それでは伝えきれない、と同時に感情に比べて言葉が持つある種の虚しさや限界を感じさせる一言でもありますね。

アルヴィーの名言

「太陽は君にとって良くないものだ。自分たちの両親が言った“良いもの”は結局良くないものなんだ。太陽、ミルク、赤い肉、それと大学もね。」

なかなかにコミカルな言葉ですが、人が言った良いものが必ずしも正しいというわけではない、ということなのでしょう。 太陽や牛乳なども健康的で良いものとされるその一方で、その反対の側面があるのも事実です。万人が良いと言っていても、それをどう判断するかは個人個人の判断。台詞の最後に良くないものの一例に大学が出てくるのがまた“良い”ですね。

アニーの名言

「あなたはまるでニューヨークみたいな人。」

アニーがアルヴィーのことを形容した際に言った言葉です。ロサンジェルスが気に入り、2人が時間を共に歩んだニューヨークに未練がなくなった彼女は、アルヴィーが孤島の様だという意味でこう告げています。 ニューヨークで生き続けるアルヴィーは、そこを発ち新境地で生きるアニーにとって、離れたところにある孤島なのでしょう。

アルヴィーの名言

「すべての人が楽しむことができない限り、自分も楽しむことはできない。」

アルヴィーは「誰かがどこかで飢えていたとしたら、それが気になってしまう。」とも言っており、万人が揃って笑顔でい続けるということは、今日でもなかなか難しいことかもしれませんが、それでも彼は周囲に対してそういう思いを抱いています。 友達や家族など自分と近しい関係の人間だけでなく、すべての人が幸せでなければ、と言う彼のこの台詞は、単なる綺麗ごとというよりも何か大切なものに気づかさせてくれる様なセリフです。

アルヴィーの名言

「自分の様な人間を会員にするようなクラブには、絶対に入りたいとは思わないね。」

これは、コメディアンのグルーチョ・マルクスが語った、もしくは捜索したジョークである“大人になってからの自分の人生における女性関係の鍵となるジョーク”というものです。 自分のことを卑下しつつ、そんな自分を会員にする様なクラブへの皮肉であり、つまるところ、自分と付き合ってきた女性はある意味の“トンデモ女性たち”である、ということなのでしょうか。映画の冒頭でウディ・アレンがこの言葉を紹介するのですが、コミカルだけど真理を突いた作品全体を言い表している、そんな一言ですね。

アルヴィーの名言

「アニーを知り、愛し、暮らして、別れが来た。 それでも愛してる、僕のアニー・ホール」

人生は出会いと別れの連続です。アニーを心から愛していたアルヴィーは、お互いの溝が深まってしまい別れた後も、それでも彼女を愛しているのだ、と痛感します。 2人は愛し合っただけではなく、喧嘩をしたりすれ違ったりもしてきました。しかし、どの思い出をとってもアニーへの愛しさは変わらず、良い思い出も悪い思い出もすべてまとめていかにアルヴィーが彼女を愛していたかが伝わってきますね。

アルヴィーの名言

「うちの兄は自分がニワトリだって信じている。でも病院へは連れていけない、だって、卵が必要だから。」

映画の終盤に登場する例え話の中のこの台詞。ここに登場する兄は女性や恋愛を、“たまご”はそこから生まれてくる愛であったり子供や女性らしさを表していると考えられます。 男女の恋愛と真理の変化からのすれ違いなどを描いたこの映画は、どんなに相手にネガティブな印象を持っても、結局恋愛をすることで生まれてくる“恋愛のたまご”を求めてしまう。また恋愛へ悲しみや惨めさを感じても、それでもやはり“たまご”を求めてしまう人間の性を表しているのではないでしょうか。

アルヴィーの名言

「そろそろ地球に帰らなくっちゃ。」

なんだかトンデモ台詞に思えますが、この台詞はアルヴィーがアニーの兄デュエインに対して言ったセリフです。 アニーの実家に行ったアルヴィーはあまり歓迎されず、また肩身の狭い時間を過ごすことに。そして、その挙句にデュエインには自殺願望があるということに気が付きます。アルヴィーのこの台詞は、自殺願望という思考、そしてこの家の環境それぞれから脱するべきだと思ってこう伝えたのでしょう。