2018年1月15日更新

2015年公開のおすすめミニシアター映画ランキングTOP10

『ザ・トライブ』『名もなき塀の中の王』『マーシュランド』『木屋町DARUMA』など、2015年は大作だけでなくミニシアター映画も豊作の年でした。今回は、2015年に公開されたミニシアター映画のおすすめを紹介します!

10位:カンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリを受賞した問題作

mazda620 登場人物全員実際の発話障害の人たちという全編手話の作品。 かなり衝撃的だったけど全編手話でやり取りしているということよりも、その流れにすぐ馴染めてしまって会話の意味をきちんと理解できていないにも関わらず普通に映画を観れていたことが何より衝撃だった。 見終わったあとの、終始ずっと話を聞いていたような感覚がすごい。会話を理解できないからこそそれ以外の部分でこういうことかなって無意識に探ってしまうし感情や息遣いだけで伝わるものがある。 登場人物達の日常のいい加減さはすごい。誰かを思いやろうというものはほとんど描かれないし愛の温度差もすごく、どの人にも冷たさを感じてしまう。 なのに手話での熱量はどんな話の時でもすごく懸命に伝えようとしているのが伝わってくる。手で会話するって、手がふさがっていると伝えれないし、相手がこちらを見てくれていなければ話にならない。だからその分相手に伝えたいという思いが口で伝えるものよりも強く感じた。 エンドロールの入り方がすごかった。初めて強く愛した人に受ける影響というのは人格を作る、という様な結末だった。 登場人物は誰一人好きになれないのに感情表現というものの重大さに魅了されてとても好きな映画だった。

全編セリフなし、字幕なしという衝撃的な作品。ナレーションも音楽もありません、と言うと、ストーリーがわからないじゃないかと思われるかもしれませんが、それが明瞭にわかってしまうから驚きです。

情報量の少なさを補っているのは、直接的な描写です。性描写、暴力シーンなどをこれでもかというほど直接的に映し出しています。普通に面白い映画が好きな方にはおすすめできませんが、今まで観たことがないような映画を観たい方にはおすすめです。

9位:2人の平行線は様々な出来事をきっかけに交わるのでしょうか

chloe_033 「グッド・ストライプス=素晴らしき平行線」て意味なんですね。観終わって、タイトルの意味を噛みしめる。 妊娠を機に、流れで結婚へ向かって奮闘する2人の姿がリアル。あんないけ好かない女と浮気しちゃうし、名前も女の子みたいで頼りない感じの真生(まお)だけど、笑顔で「大丈夫」と言ってくれた緑とは上手くやってけそう。ヘッドアクセ&白無垢姿がお似合いで、スゴく素敵でした☆ フレンチブルもカワイ過ぎ(^o^) 表情がたまらなかった~ 機会があったら、また観たい作品です。

長年付き合っている、もうそろそろ倦怠期かと自覚している個性的なカップルが女性の妊娠を機会に、今まで避けていた面倒くさい事や人間関係に踏み込むことになっていくゆるふわ系のコメディーです。

授かり婚をきれいに描きすぎている映画です。現実はもう少しドロドロしていてもおかしくないのでしょうが、映画全体にゆるい雰囲気を醸し出していて、所々くすっと笑えるコメディータッチになっています。

8位:コメディー?ミステリー?楽しみいっぱい

satikuru ウェス・アンダーソンをもうちょっとあほっぽくした感じ。ブラックユーモアだけでなくベタベタな笑わせ方もしてくる。そして可愛い! リザが恋愛をしたくて頑張る姿がとても滑稽で愛おしい。私も来年こそ!

とあるお手伝いさんが雇い主の未亡人を殺され、その謎を追っていくハンガリーのミステリー映画です。

日本好きな監督が日本の伝説にヒントを得て作った、ということですがなんで日本のこれがここで関係してるの?ここで出てくるの?というシーンも結構あって、人によっては勘違い感が否めない作品です。ですがそれは全て、日本への愛に満ち溢れています。

昔そういう作品があり、散々叩かれましたが、監督は日本大好きを言い続けていました。

ジャンルは、オカルトファンタジー・サスペンスという感じのエンターテインメントです。

7位:インドミステリー映画のオールタイムベスト

yuki12241 インド発の大傑作ミステリー。カット数が非常に多くテンポの良さが際立つ映像が特徴で、この軽快さすら一つの伏線になっていると深読みしてしまうほど。故に、観ていて全く飽きず、度々挟まれる音楽との絶妙なマッチによって繋ぎに過ぎないシーンでも素晴らしく面白く感じました。同じキャラクターによる続き台詞ですら大胆にカットし、極力時間を節約した上で違和感なく魅せるこの技法、一体何なんだ…。本来Z級映画が使うようなこの技法を巧みに使いこなしており、インド映画の底知れぬ可能性を感じざるを得ません。

サスペンス感溢れる、サリン事件を思い起こさせる地下鉄毒ガス事件のオープニングから一気に引き込まれ、気付けば『バルカン超特急』の世界へ。行方不明の夫を探す身籠った妻を主人公とし、2重のミステリで観客を惑わせる典型ミッシング・ミステリーの系列の中にありながら、その枠をぶち壊して再構築を成し遂げています。口封じ!圧力!殺し屋!国の上層部の闇に触れ、イライラさせるような展開で上手く観客をミステリーに誘導しながらも、人間ドラマ部分でもこれ以上ないほどお洒落。登場人物たちは多くを語らないけれど、脚本が心に語りかけてくる。そして、Intermissionへの入り方は完璧すぎて声を上げそうになります。

思い出せば出すほど、何気ない台詞や表情の一つ一つが伏線だったことに気付かされ、ラスト10分は自分の記憶をたどりながらセルフでカタルシスを感じまくり。アドレナリン出まくりでした。主人公を初めとしてあらゆるキャラクターが魅力に溢れ、特に本作のバディ・ムービーたる側面から見た時の心の葛藤・動揺の描き方の美しさたるや…。インド映画は邦画を彼方へ引き離し、ついにはハリウッドを超えようとしている。そんな、あらゆる意味で震えさせてくれる作品でした。

インド映画といえば歌や踊りというイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんが、本作は硬派なミステリー映画です。

行方不明になった夫を探しにコルカタに来た女性が、深い陰謀へと巻き込まれていくというストーリー。インドのアカデミー賞、フィルムフェア賞で監督賞、主演女優賞など5部門を受賞し、ハリウッドでのリメイクも決定されています。

6位:震災をきっかけに心に傷を負った家族の物語

yuki12241 人間よりも早く事態の異常性に気付く動物や虫たち。扇風機で大喜びする子供と、食べられなかったトマト。唐山を取り巻く状況や迫り来る危機や、幸せに過ごす家族と未来を予感させる演出等、震災が起こるまでに描くべき事項を克明に観客に示していることが素晴らしく、この映画のクオリティの高さはすぐに分かるはず。この時間がずっと続けば…そうナレーションが入ってもおかしくない完璧のタイミングで、それらの全てを壊していく大地震。その陽と陰の描き分けが凄まじいほどにふり幅があり、序盤の十数分だけで早くも号泣してしまいました。

同じ瓦礫に埋まった小さな双子。どちらかを助ければどちらかが死んでしまう。そんな時に、果たしてどうやって「見捨てる」命を選べばいいでしょうか。そんな人生最大の決断を下した母と、双子の姉弟の物語。

2015年日本公開映画の中でも、かなりの上位に食い込んでくる本作はタイトルやパッケージから想像するようなディザスター映画ではなく、純粋なる人間ドラマです。何故なら、震災から逃れ自然と闘う物語では無く、不幸をきっかけとして袂を分った2人の人間の心情を深く深く描いているから。しかし、恐ろしさを描くために一切の手抜きが無いから、下手なディザスターよりも余程残酷で、驚くほどに心を抉ってきます。過酷な決断を下した気持ちも、誰も悪くないのにどうしてなのか許せない気持ちも、両方が痛いほどに理解できてしまいます。これ以上に惨たるジレンマがあるのだろうか…。

共に苦難に直面すれば、映画では次第に過去の齟齬が融和されていくものだけれど、本作はそう上手くはいかない所がポイント。誰にもどうしようもない確固たる事実が存在し、それを取り巻く人間模様が妙にリアルでした。良い人しか出てこないのが、より一層残酷さを引き立てる…。そして、あくまで「母娘の物語」としてカタルシスを爆発させるための終盤のジャンプカット、天才的です。素晴らしすぎる。

時が経ち、壊れた建物は修繕され、街はいつか完全に復興を遂げるのでしょう。しかし、決して忘れ去れない、取り戻せないものが存在するのが震災と言うものなのですね。愛であれ憎しみであれ、別々に歩んできた2つの人生が再び交わることこそが、止まった時がようやく再び動き出したという事を示す唯一の印なのでしょう。

実際に中国で起こった地震をリアルに描いた映画です、と書きますと震災映画かと思われるかもしれませんが、本作は震災映画というよりむしろ家族の人間ドラマ映画といった方が的を得ているだろうと思います。描写される家族の深い葛藤、苦悩、そして愛は、普通に生活している私たちの心に深く突き刺さります。

当初は国内上映は2011年3月26日に予定されていましたが、東日本大震災が3月11日に発生し、甚大な被害と震災に遭った方たちに配慮して、公開が延期されていました。

5位:ラストまで気が抜けないスペイン発の傑作ミステリー

yuki12241 スペイン発の、濃厚な本格ミステリー映画。2人の正反対の刑事が少女惨殺事件を追うというバディムービーです。惨殺事件を捜査する中で浮かび上がって来る過去の事件とのリンクや、警察機関の2面性。伏線が伏線らしくない形であらゆる所にスマートに散りばめられ、それを淡々と回収していく素晴らしく無駄のない脚本に唸らされました。どこを取っても控えめながら、内包する狂気がひしひしと伝わって来るシーンの連続で、心臓がバクバクしっぱなしで一瞬たりとも目が離せません。主人公2人の背景の謎についてやドラマは、サスペンスと共に徐々に深められていき、別に時間を取って描かない所がスマートで映画的。前半の祭での射撃シーンや被疑者を走って追いかけるシーンですら、彼らの刑事としての信念の違いを描いているのが面白い。そして、それがラストの衝撃に繋がる…!

じっとりと街に充満する悪意と、雨が特徴的なジメジメとした空気感は、まさにMarshland(湿地帯)のよう。静かな空気感と湿った地面が呼応して何とも不気味な雰囲気を醸し出し、エアリアルで引きで捉えた時の美しさとのギャップが面白いです。左遷されてきた刑事が異常な街に呑み込まれて行くという典型的な設定で最高峰の映画を創り上げると、こうなるのか。手掛かりが殆どない序盤からグイグイ引き込まれ、真実が明らかになりそうでならないじれったい展開と、しっかり目を見張ってストーリーを追っていないと得られないであろうカタルシスまでの道のり。そして、思わず口を覆ってしまうような特異な迫力のあるカーチェイス。文句なしの大傑作!

画としても素晴らしさの連続で、主張しすぎないさりげない長回しが何ともお洒落です。落ち着きながらも悲しみと狂気を孕んだ空気感と絶妙にマッチして、必要以上のゴア描写を用いずも余すことなく表現される事態の残酷さ…。そして、時に映し出される美しさとのギャップは、まさに湿地帯を飛び回る鳥のよう。小説をそのまま映画にしたような深みを感じさせるストーリーと、必要以上に語らない所が凄く好みでした。序盤に何気なく語られる会話や映し出される画が最後の最後まで伏線となっているので、一時たりとも気を抜かずに鑑賞する事をオススメします。

1980年のスペインの田舎町で起きた少女誘拐殺人事件をふたりの刑事が捜査していくというミステリー映画。間違いなく傑作ではあるものの、気を抜いて伏線を見逃すと楽しめなくなる恐れがあり、また物語が淡々と進んでいくため、鑑賞前日にはしっかりと睡眠を取っていた方がよろしいかと思われます。ミステリー好きは体調を万全にして是非!

この作品は、スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞で作品賞、監督賞など10部門を受賞しました。

4位:直視できるか!原作は超過激な問題作

yuki12241 久しぶりのレビュー。1週間ほど前にプレミアで鑑賞。 様々な作品が「衝撃作」として宣伝される中、本作は『アレックス』以来と言ってもいいほどに納得のいく映画でした。ヤクザ達の裏社会を題材としながらも、バイオレンス的側面よりもむしろ倫理的・社会的な面で衝撃を与える異色の作品です。『桐島、部活やめるってよ』でいう桐島的な立場の男をめぐるミステリーが段々と核心に向かっていく中で、オムニバスのようにDARUMAが闇社会を回っていきます。腐った歯車に巻き込まれ、狂って行く沢山の人生。世界の汚いところを包み隠さず描き、それがそのままエンターテイメントになるなんて。果たしてヤクザは心を持っているのだろうか?最悪の世界を描くためには、暴力はエッセンスでは無いと気付かされ、新鮮でした。最低だけど、最高に面白い!笑えな過ぎて逆に笑ってしまうのでしょう、劇場で度々笑いが起こっていたのが本当に不気味でした。 あまりの過激さから出版禁止になった原作小説を映像に落とし込む事によって表現を緩めているのかと思いきや、その密度はむしろ濃くなっているように感じました。借金を返せない客に対して、両手両足を失ったヤクザ・勝浦を家に置いて嫌がらせをするという、考えただけでも身の毛のよだつ設定なのに、それを上回るほどに遠藤憲一の演技が凄まじい。また、武田梨奈の使い方が素晴らしく、アクション要素が無いのにも関わらず彼女らしさが出ている最高のキャスティングでした。役者陣、どこをとっても死角なし。 低予算ながら、CGの使いどころを的確に選んだり、カメラワークによって表現の幅を広げていたりと監督の頭の良さが剥き出しになっているように感じました。あまりの熱量に、画面から目を離すことが出来ないし、決して勢いだけの映画ではない。製作陣・役者陣の力強い想いが集結し、自主映画魂に満ち溢れた快作です。

四肢のないヤクザが借金の取り立てをするというだけで、観たくないと思う人もいるかもしれません。しかし、衝撃度からいえば2015年の邦画で間違いなくナンバーワンの作品です。

体当たりの演技を披露した武田梨奈にも注目。

3位:衝撃のラスト

____RiN____ 美術館に行くような気分で気取って服を選び、携帯の電源を切って出かけ、直前まで普段読まない詩集などを背伸びして捲り、鑑賞後は一人で黙々と散策する。そういう一日をこの映画のために準備する。そんな映画でした。

広大な草原に暮らす奇跡のように美しい少女と三人の男、そんな彼らを見下ろすロングショット、輝く水と緑の描写、平和に見える日々に少しずつ、しかし確実に染み込んでくる影の匂い。ラスト・シーン、声も出ませんでした。 一切の台詞を手放し、自然音とわずかな効果音のみで綴る圧倒的な映像美と、説明の成されない物語は、まさに実験的。圧倒され、理解しようと躍起になる。脳に汗をかく感覚。ラストシーンで、汗をかいた分の報酬はあります。ていうか実話って、背筋が凍るわ。

かなり好きでした。映画館にもう一度出かけようかな。

主役を演じる新人女優はまるで実写ナウシカと一部で話題になったほどの美少女。全編セリフなしで送られる本作の魅力は美少女、映像美、そして衝撃のラストシーンでしょう。2016年3月ごろまで全国のミニシアターで順次公開されていますので、お近くの劇場でやっているのであれば是非!

2位:エンターテインメント性皆無!重い足取りで展開するイラン発の衝撃的戦争映画

Ryosuke_Ohba 2015年は『ザ・トライブ』『草原の実験』とセリフなしの傑作ミニシアター映画が公開された年でした。

本作も序盤はほぼセリフなし。30分くらい経って、ようやくセリフがあります。同じ日に『マイ・ファニー・レディ』を観たのですが、セリフ量の差が凄まじかったです。

ほぼセリフなし、と書きましたが、数少ないセリフも、通常のセリフとしての役割を果たしていません。本作の登場人物は4人。イラン人、イラク人、アメリカ人、赤ちゃんです。赤ちゃんを除く3人にそれぞれセリフがありますが、3人とも言語が違うため、数少ないセリフは言語によるコミュニケーションが不能であることをさらに補強するという役割を持っています。そういった意味では、セリフが全くない『ザ・トライブ』『草原の実験』よりもディスコミュニケーションな映画であると言えるでしょう。

また本作は、戦争映画という文脈でも語ることができます。イラン人の少年の目から見た戦争を描いているというものですので、是非とも『アメリカン・スナイパー』とともに観ていただきたい作品です。『アメリカン・スナイパー』を今年のメインストリーム戦争映画代表とするなら、本作はミニシアター戦争映画の代表。『アメリカン・スナイパー』ほど万人に勧められる作品ではありませんが、エンターテインメント性のないミニシアター映画でも問題なく観れる、むしろそういった作品の方が好きだという方には、本作を全力でプッシュさせていただきたいと思います。

観る際のポイントとして、前半と後半の少年の行動の違い、というところに注目してみるといいかもしれません。

過酷な状況下でけなげに生きる少年の目を通して、人間ドラマを描くイラン映画です。戦争の残酷さを描き切り、終焉を迎える映画は、見終わったあとしばらく立てませんでした。

1位:オールタイムベスト監獄映画

yuki12241 少年院からStarred upして刑務所に収監された、暴力性をコントロール出来ない青年エリックと、19年ぶりに刑務所で再会した父。同じ塀の中で親子が19年ぶりに関わるけれど、互いの感情を伝える共通言語は暴言と暴力だけ!愛と憎しみとは紙一重というけれど、本作はまさにそれを体現しています。監獄映画の中でもトップレベルの傑作に出会ってしまいました。そして、ジャック・オコンネルの演技が凄まじい…。天才だ…。トム・ハーディを彷彿とさせる寡黙な演技に加え、コミカルさを兼ね備えつつ佇まいだけで生粋のサイコパスを演じる事が出来るなんて!

オープニングからして間違いなく傑作を予感させるセンスの良さが伺えます。序盤はほぼ台詞の無い中「静」の緊張感が漂い、ゆっくりと時間が流れていく。それでいて、無言で独房の中に自分の世界を作っていくシーンでは脱獄モノを彷彿とさせるワクワク感まであります。時折「動」が乱れるように場を支配するけれど、決して物語が途切れない!この絶え間ない緊張感は『セッション』以来に感じました。

刑務所はブロックバスターものとは違ってこぢんまりしつつも常に美しく、ありふれた画が全くない!定番と言ってもいい、食堂・バスケットコートすらありません。序盤数分間だけで、今までの監獄モノとは決定的に何かが違うのが分かるはず。台詞も隅々までどこを取っても素晴らしく、途中挟まれるバイオレンスにも全てに意味がある。何よりも素晴らしいのが、父子の過去についての説明は最低限に抑え、全てが未来につながる物語となっているところ。全ての行動が彼らの内面を映し出し、これこそが映画だ!と言いたくなるような映像が絶え間なく続きます。心の底から湧き上がるような熱気が身体を支配して、観ている間中本当にアツくてたまりませんでした。そして、最高の引き際でありつつ半端じゃないカタルシスを与えてくれるラストシーン…。帰り道歩きながら思い出し、泣きそうになってしまうほど。

『ベルファスト71』と言い、彩プロはジャック・オコンネル好きだなぁ…!センス良すぎて脱帽です。この調子で『アンブロークン』もお願いします。

原題は『Starred up』。刑務所の専門用語で少年院から大人の刑務所へ昇格するという意味です。海外の批評家サイトRotten Tomatoesで99%という驚異の高評価を得ていたこともあって、公開前から映画ファンの間では期待を集めていた作品。その期待は裏切られることはありませんでした。

2015年12月現在上映終了してしまっている劇場が多いですが、場所によっては2016年2月ごろまで上映されているところもありますので、お近くの劇場で上映していたら、何よりもまずこちらの作品を観ることをCiatr編集部が自信を持っておすすめします。