ロバート・ネッパーのプロフィール
ロバート・ネッパーは、1956年7月8日生まれ、オハイオ州フリーモント出身のアメリカの俳優です。
地元の劇団に参加していた母の影響で、幼いころから演劇に興味を持ち始めました。獣医の両親のもと、トレド近くのマウミーで育ちました。ネッパーは地元の劇団や高校で、多くの舞台公演に参加し、1977年に演劇を学ぶためノースウェスタン大学に進学しました。在学中に、シカゴでプロの公演でも役を得ています。ネッパーは演劇をつづけるため、卒業間近で大学を辞め、ニューヨークに移りました。
ネッパーは演劇を中心に活動しており、テレビや映画の仕事には興味を持っていませんでしたが、1986年に『The Paper Chase』でテレビデビューを、『That's Life!』で映画デビューを果たしました。
ドラマ『プリズン・ブレイク』のティーバッグ役でブレイク!
ロバート・ネッパーは、2005年から2009年にかけて放送されたテレビシリーズ『プリズン・ブレイク』に出演しブレイクしました。
『プリズン・ブレイク』は、無実の罪で投獄された兄を救うため、弟マイケル(ウェントワース・ミラー)が全身に刑務所の設計図を模したタトゥーを入れて銀行強盗を犯して刑務所に入り、そこで出会った他の囚人たちと脱獄を企てるドラマです。シーズン1以降は脱獄成功後の逃走劇も描かれています。
この作品の中でネッパーは、凶悪な連続殺人犯セオドア・バッグウェル、通称ティーバッグを演じました。ティーバッグは、サディスティックな両性愛者で白人至上主義者の死刑囚です。目的のためなら手段を選ばない危険な性格で、何度危機に陥っても持ち前の狡猾さで乗り切っていきます。
極悪非道なキャラクターのティーバッグでしたが、ネッパーの怪演のため高い人気を獲得しました。
『HEROES/ヒーローズ』にも出演!
『HEROES/ヒーローズ』は、2006年から2010年にかけて放映され、高い人気を誇ったテレビシリーズです。超能力者をテーマにしたSF作品で、日本では日本人俳優マシ・オカや田中英里子、尾崎英二郎が出演したことでも話題になりました。
ロバート・ネッパーはこの作品の最終シーズンに、最大の敵サミュエル・サリバン役で出演しました。
ネッパー演じるサミュエル・サリバンは、「サリバン・カーニバル」という能力者の集団を率いる人物で、表向きは能力者が隠れずに生活できる世界を作ると語りましたが、実際には自分が非能力者を支配するために他の能力者を駒として使う非道な人物です。その目的のため、主要人物であるピーター(マイロ・ヴィンティミリア)やクレア(ヘイデン・パネッティーア)、ヒロ(マシ・オカ)などをカーニバルに引き入れようとしていました。
『プリズン・ブレイク』の終了から間もなく再び悪役を演じることになったネッパーですが、一匹狼のティーバッグと違い、集団を率いるカリスマ性のあるサリバン役で新しい魅力を見せました。
ロバート・ネッパーの主な出演映画
『吐きだめのヒーロー』(1987)
ロバート・ネッパーの初主演作となったアクションスリラーです。
ヒッピーの両親をドラッグディーラーに殺されスラムで育った孤児が、両親の仇を討つため数年後街に戻り、ギャングやドラッグディーラーに苦しめられる街の住人たちを救うという物語となっています。
3歳のときに両親を殺され孤児となり、ホームレスの女性に「ワイルド・マン」と名付けられた伝説のヒーローを演じています。
『スピーシーズ3 禁断の種』(2004)
1995年の映画『スピーシーズ 種の起源』、1998年の『スピーシーズ2』の続編となるSFホラー映画です。前作で研究者が死亡し、中止になったと思われた政府のエイリアン研究でしたが、大学教授のアボット博士はこっそり研究をつづけていました。彼はあらゆる病気に耐性をもつ完璧なDNAを作り出すことに固執しており、免疫力の低い不完全種のエイリアンと前作に登場したイヴの娘であるサラの卵子を掛け合わせ、完全なDNAを作ろうとします。
ネッパーはこの作品の中心人物となるアボット博士を演じています。アボット博士は異様なまでに「完璧な種」の研究に執着しており、その情熱は不気味はほどです。
この作品でのネッパーの怪演ぶりを見ると、後にアクの強い役で活躍するのも納得できますね。
『グッドナイト&グッドラック』(2005)
1950年代のアメリカを舞台に、ジョセフ・マッカーシー上院議員が中心になって推し進めた「赤狩り」に反対し、ニュースキャスターのエドワード・R・マローとCBSの番組スタッフが真実を報道しようと闘う実話に基づいたドラマです。
ネッパーの役どころは、マッカーシーが赤狩りのために使っていた調査団の長ドン・サリーンです。
『トランスポーター3 アンリミテッド』(2008)
ジェイソン・ステイサム演じる凄腕の運び屋が活躍する、人気カーアクションシリーズの第3作目。
ウクライナに産業廃棄物処理施設を建設するため、エココープ社は環境大臣レオニド・ヴァシレフが署名した書類を必要としていました。しかし、有害廃棄物をウクライナ国内に持ち込ませたくないヴァシレフは署名を拒否します。エココープ社はヴェシレフに署名させるため彼の娘を誘拐し、救出させないため運び屋フランク・マーティンが娘を連れ回すよう仕組みます。
ロバート・ネッパーが演じたのは、テロ対策のデルタ部隊出身で民間のボディーガードのジョンソンです。ジョンソンは大臣の娘を誘拐し、運び屋フランクに彼女を運ぶ場所を指示していました。
『ハンガー・ゲームFINAL:レジスタンス』(2012) 『ハンガー・ゲームFINAL:レボリューション』(2015)
プレイヤーが最後のひとりになるまで殺し合うサバイバルゲームに参加することになった少女を描き、大ヒットしたシリーズの最終章です。
スーザン・コリンズの小説『ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女』を原作としていますが、ネッパーが演じたのは映画のオリジナルキャラクター、アントニウスでした。アントニウスは独裁国家パネムのスノー大統領(ドナルド・サザーランド)の側近です。
2008年に来日
ロバート・ネッパーは、『プリズン・ブレイク』のDVD第3弾発売の際に来日しています。
日本で数多くのインタビューをこなしたネッパーでしたが、あるインタビューでは来日にあたり初めて5歳の息子を家に残してきたことを話し、恋しさのあまり涙ぐむなど、ティーバッグとは真逆のやさしく子煩悩な一面を見せました。
ロバート・ネッパーの現在
話題のテレビシリーズに次々と悪役として登場
ティーバッグを演じて以降、ネッパーは悪役や犯罪者の役で多くのテレビシリーズに出演しています。
2014年には、DCコミック原作の『ARROW/アロー』と『THE FLASH/フラッシュ』に悪役ウィリアム・トックマン/クロック・キングとして出演しました。
悪役以外での出演も増えている
悪役としての印象が強いネッパーですが、近年ではそれ以外の役も演じてきます。
2012年の映画『最後のマイ・ウェイ』ではフランク・シナトラを演じており、2014年には人気刑事ドラマ『HAWAII FIVE-O』に内部調査官の役でゲスト出演しています。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』最新作にゲスト出演
『glee/グリー』のライアン・マーフィー製作の人気ホラーシリーズの最新作『アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル』が2015年にアメリカで放送されました。ネッパーはその中で、警部補役でゲスト出演しています。
ロバート・ネッパーの今後
多数の映画に出演予定
2016年、ロバート・ネッパーは4本の映画に出演することが決まっています。
1993年に公開されたアクション映画『ハード・ターゲット』のリブート版『Hard Target 2』や、アメリカを旅するイギリス人の青年を描いたコメディ映画『Frat Pack』、トム・クルーズ主演の『アウトロー』(2012)の続編『Jack Reacher: Never Go Back』にも出演が決まっています。
また、『Badsville』では、愛する人のためにギャングをやめて街を出ようとする男を演じるとのことです。ネッパーにとって久しぶりの主演作となります。
話題のテレビシリーズに出演
『iZombie』は、ゾンビになってしまった女子医学生リヴが、殺人事件の被害者の脳を食べることで彼らの記憶を見ることができるようになり、それを手がかりに、事件を解決していくホラーコメディです。このシリーズにネッパーは、2015年から2016年にかけて3エピソードにゲスト出演する予定です。
1990年から1991年に放送され、現在もカルト的人気を誇るテレビシリーズ『ツインピークス』のリバイバル版の放送が2017年に決定しています。前作に引き続きリンチが監督をすることがわかっており、オリジナルキャストのカイル・マクラクランをはじめ、新たに豪華キャストを迎える話題作に、ネッパーの出演も決定しています。注目度の高い作品だけに、役どころも気になりますね。