映画『海賊とよばれた男』あらすじ・キャスト・感想【岡田准一主演】

2018年9月28日更新

石油事業を通じて戦後日本の復興を促した、出光興業の創立者をモデルとした百田尚樹の小説『海賊とよばれた男』。岡田准一主演、山崎貴監督で実写映画化!2016年12月10日公開の本作の、あらすじやキャストなどの情報に加え、公開後の感想を紹介していきます!

『海賊とよばれた男』が壮大なスケールで実写映画化!『永遠の0』の最強チーム再び!

ベストセラー小説『海賊とよばれた男』が2016年に公開! 監督は『永遠の0』で2015年日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞し、主演の岡田准一を最優秀主演男優賞に導いた山崎貴。本作は出光興業の創立者・出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐵造が、石油の一大事業を成し遂げるさまを明治・大正・昭和と時代を超えて描く超大作。原作は本屋大賞を受賞し、累計発行部数364万部を突破したベストセラーです。 そして本作では、百田尚樹×岡田准一×山崎貴という『永遠の0』チームが再集結。「三丁目の夕日」シリーズの吉岡秀隆、「寄生獣」シリーズの染谷将太などの「山崎組」の俳優のみならず、綾瀬はるかや堤真一など、主役級キャストが多数出演したことで熱い期待が寄せられていました! この記事ではあらすじや豪華キャストの情報に加え、公開後の感想もご紹介しています。

【考察】国岡鐡造の生き方は現代にも通ずるものであった

『海賊とよばれた男』のあらすじ

1945年の終戦後、ほとんどの日本人が未来に希望を見出せず途方に暮れている中、国岡商会の店主、国岡鐡造はひとり真っすぐに前を見つめていました。 彼は、戦時中に行っていた中国や満州での海外事業、その全てを失うも前進します。また、1000人の従業員を誰一人解雇することなく復興のために奮闘。「仕事ならなんでもする」という信念を持ち店を維持させます。 そして、旧日本海軍のタンクの底に残った油を処理する仕事を請けおうことで石油事業に乗り出した国岡商店。 GHQや官僚など国内・国外からの圧力がありながら、海で漁船を待ち伏せし安価で石油を売るなど、機知に富んだアイデアと行動力で乗り越えていきます。 やがて努力が実り成長を遂げ、国岡商会は日本を代表する大企業までに成長。 戦後のボロボロの時代から高度経済成長までの激動の時代に厳然とした態度で石油事業に従事します。日本人としての誇りを見せた、出光佐三をモデルとした国岡鐡造の生涯を描いた物語です。

主人公・国岡鐡造を演じるのは岡田准一

いまや俳優としても最高の評価を得ている岡田准一。今回演じる国岡鐡造が福岡出身の人物ということで博多弁を特訓し撮影に臨んだといいます。 岡田演じる国岡鐡造は、エネルギーとして石炭に依存していた時代の状況の中、石油に目を向けます。石油の可能性を信じ、石油販売業を進めていった男です。その型破りで行動力のある豪快な性格から"海賊"と周りからは呼ばれています。 「店員は家族と同然」という考えを持つ情深い人物でもあり、自分の従業員はとても大事にして家族のように支えあっています。海外とも渡り合う鐡造は、戦後にはその名がアメリカでも広まり、敵視されるように。世界を相手にひるむことなく日本人としてその誇りを大事にする、男気のある人物です。

主人公のモデル、出光佐三とは

学生時代の将来の夢は外交官だった出光でしたが、石油が売れる時代が来ると予想します。そして、彼は外交官ではなく石油や機械油、小麦粉を扱っている酒井商店に弟子として就業します。その後、ある資産家から別荘を売った資金の6000円(2016年現在の値段にして1億円相当)をタダで貰い、出光商会を設立。もちろん扱うのは石油です。 他の企業との競争に負けない為に海の上で漁船を待ち構えて、安く石油を販売しました。そして彼の予言は的中し、売れ行きは好調。企業で働く従業員は1000人以上の大企業となったのです。ですが、突如その時代の雲行きが変化します。第二次世界大戦です。海外に拠点を築いていた出光興産は、第二次世界大戦の敗戦で、日本国内は焼け野原となりました。 そんな中でも、社員は誰一人見捨てない、誰もクビにしない、と宣言します。自分が大損しても、彼はその言葉通りに誰もクビにはしなかったのです。彼は自身の売れる物は全て売りました。借金もしました。それでも誰一人クビにはせず、やがて来る好機を待ちました。そして彼の耐え続けた時代から新たな風が吹きます。旧海軍のタンクに残った油を活用しろとのお達しが来るのです。 その後ゆっくりではありますが、石油の仕事に戻ることが出来たのです。 そんな彼の経営理念には人間尊重・家族主義があります。社員は家族という考えで、彼は家族の一人一人を大切にし、よく見て、その人にあった長所と短所を生かして立派な人材を作ることが、組織を成り立たせると考えています。そんな彼の思いこそ、今の時代でも活躍する会社を作った根源でしょう。

60代の演技で魅せる!

本作では岡田准一が「国岡鐵造」の人生を熱演します。描かれるのは国岡の20代から90代までで、特に物語の中心は60代となります。 30代でこの大役を務めることになった岡田は、三船敏郎やレオナルド・ディカプリオら名優の演技を参考にし、監督とのカメラテストを数多行ったといいます。そのかいがあって、彼は周囲の共演者からも60代にしか見えないと評価される演技を完成させることが出来ました。 また、本人も60代の役作りに悩んでいたと言います。しかし監督が岡田を起用当初から、若い人が持っている落ち着きとは違うものを持っていることを感じ、彼が年配を演じることへの自信もあったことから、役作りを共に固めることに成功したといいます。 監督は休憩中に、岡田がおせんべいを食べているところをヒントにしたとか。 また、本作では国岡鐵造の人生をまるまるうつしたような作品にするために、映画『ラストエンペラー』を意識していたところもあるといいます。

国岡商店の店員を演じるキャスト陣も超豪華!

甲賀治作/小林薫

国岡商店の店員甲賀治作を小林薫が演じます。最近では「深夜食堂」シリーズで主演として出演し人気を集めています。小林演じる甲賀治作は、創業当時から鐵造の右腕として店員たちのリーダー的存在として店を影から支えます。

東雲忠司/吉岡秀隆

吉岡秀隆扮する東雲忠司は、後の出光興産三代目社長の石田正賓をモデルとした、元日邦石油社員の、国岡商店の店員です。 鐡造の人柄と石油に将来性を見出し国岡商店に加わります。戦時中はフィリピンで兵士として戦い、戦後は国岡商店を再び盛り上げるために危険な仕事も厭わずこなしていきます。 吉岡秀隆は、監督の山崎貴とは2000年の山崎監督のデビュー作『ジュブナイル』からの付き合いで、「三丁目の夕日」シリーズ以来の山崎作品出演に期待がかかります。

長谷部喜雄/染谷将太

若手でNo.1とも言われる実力派、染谷将太が元漁師の長谷部喜雄という国岡商店の店員に扮します。染谷は、山崎貴監督ならではの見事なVFXを駆使した『寄生獣』2部作で主演を務めました。 長谷部喜雄は、海で"海賊"と呼ばれていた国岡鐡造という人物を見かけたことをきっかけに国岡商店に入店します。

柏井耕一/野間口徹

個性派俳優・野間口徹は国岡商店の店員、柏井耕一役。2016年3月公開の『リップヴァンウィンクルの花嫁』など名バイプレイヤーとして様々な作品に出演しています。 野間口演じる柏井耕一は、創業当時から鐵造とともに国岡商店を支え、鐵造とは正反対の冷静な性格で、彼を抑える役目を担っています。

藤本壮平/ピエール瀧

元海軍大佐でもあった長井弘介をモデルとした国岡商店の店員役を演じる、ピエール瀧。2016年は『怒り』など計6本の映画に出演します。 ピエール瀧演じる、藤本壮平は、終戦直後の苦しい状況にいる鐵造に、GHQからのラジオの修理事業を提案します。

武知甲太郎/鈴木亮平

国岡商店の店員で、モデルは出光興産専務の手島治雄。鈴木亮平は『TOKYO TRIBE』『の・ようなもの のようなもの』『俺物語!!』など話題作への出演が続く注目株です。 鈴木演じる手島治雄は、元GHQの通訳で英語を得意としています。手島は鐵造の性格に惹かれ、諜報として情報を収集し国岡商店を助けます。

鐵造に様々な角度から関わるキャストたち

国岡ユキ/綾瀬はるか

綾瀬はるか演じる国岡ユキは国岡鐵造の妻。「男ばかりなので、綾瀬さんが来た時のはしゃぎ具合がすごい!」と山崎監督もコメントしています。 ユキは、鐵造とともに店員と強い絆を築き支える女性。しかしある時から鐵造とは別れて暮らすことになってしまいます。

木田章太郎/近藤正臣

近藤は三池崇史監督の映画作品である『妖怪大戦争』や、北野武監督の映画作品『龍三と七人の子分たち』など長年の経歴を生かして、様々なジャンルの役をこなしてきた実力派俳優です。 まだ駆け出しの国岡商店が資金不足となり、主人公である鐵造が資金難で困った際は、彼だけが若い頃から高く評価していた為、自分の家を売ってお金を工面しました。その大切なお金を鐵造に与えた鐵造の恩人となる役を演じます。 木田の「仕事がなかったら作ればよろしい」という台詞は後に第二次世界大戦後の鐵造の台詞でも出てきます。

国岡万亀男/光石研

2015年の『恋人たち』での胸を打つ演技が記憶に残る光石研。国岡鐵造の3つ年上の兄を演じます。鐵造とユキの出会いのきっかけを作った人物でもあります。

盛田辰郎/堤真一

日昇丸の船長・盛田辰郎役を堤真一が演じます。日本を代表する名優として数多くの映画ドラマに出演していますが、山崎作品への出演は『三丁目の夕日』シリーズ以来となります。 堤真一演じる盛田辰郎は鐵造の指示の元、イランの石油入手の目的でアバダンへ出発します。

鳥川卓巳/國村隼

鳥川卓巳は国岡商店を潰しにかかる、「日邦石油」の社長。名優・國村隼が演じます。

小川初美/黒木華

2014年に出演した山田洋次監督作品の『小さいおうち』で、第64回ベルリン国際映画最優秀女優賞を受賞しました。この受賞を機に注目を浴びるようになった、今最も勢いのある実力派若手女優です。 この作品では、老いた鐵造のもとを訪れる若き女性の役として出演します。

監督は邦画界を背負って立つ山崎貴!

『海賊とよばれた男』の監督を務める山崎貴。『ALWAYS 三丁目の夕日』や『寄生獣』、そして『永遠の0』など、数々のヒット作を世に送り出し、日本を代表する映画監督として確固たる地位を築いています。 伊丹十三監督作品でのデジタル合成など特殊効果の担当からキャリアをスタートさせた山崎貴は、VFX(撮影後にCGで付け加えられる視覚効果)にもっとも精通した映画監督として、ハリウッド映画のような壮大なスケールの作品を数多く手掛けています。 本作でも、空襲により焼け野原と化した東京や、イランへと向かう大型タンカー・日承丸、時代をまたいで移り変わっていく日本の風景など、VFXを最大限に駆使して表現されるその映像美もみどころとなりそうです!

原作者は『永遠の0』の百田尚樹!

50歳から小説家になった遅咲きの新人は、デビュー作の『永遠の0』でいきなり300万部を突破し、世の中を震撼させました。ですが百田(写真右)は、元々は放送作家なのです。 高視聴率で有名となった『探偵!ナイトスクープ』のチーフライターとして活躍し、長年番組を作る側だった百田は50歳になった時に、世の中に何かを残したいと感じはじめました。そして、自身が大学時代から1年に200冊以上読んできた大好きな本を作る側の人間になったのです。 最近では政治家や世論を批判するようなツイートをし、世間で批判を浴びることもあります。あまりの批判の多さに小説家を辞めると発言したこともある彼ですが、この作品を知れば、どれだけ日本の未来の為を考えていて、世の中に訴えたい気持ちが強いか実感出来るでしょう。

音楽を手掛けるのは『ALWAYS 三丁目の夕日』の佐藤直紀

『ALWAYS 三丁目の夕日』で第29回日本アカデミー賞・最優秀音楽賞を受賞した事がキッカケとなり、音楽家としての活動の幅を広げ、世界にその名を知られる存在となりました。最初はCMのタイアップ曲を手掛ける事が多かった彼も、今ではドラマやアニメ、映画などの多くのジャンルで楽曲を手掛けております。 例えば、『永遠の0』『THE LAST MESSEAGE海猿』『るろうに剣心』『STAND BY MEドラえもん』NHKの大河ドラマ『精霊の守り人』など、話題作となった映画やドラマの楽曲を作った事でも有名です。いろんなジャンルに精通している彼だからこそ、この映画にピッタリな曲を作ってくれるでしょう。

共通点の多い『永遠の0』と『海賊とよばれた男』

『海賊とよばれた男』と『永遠の0』は共通点が多いです。原作者はどちらも百田尚樹、主演俳優はどちらも岡田准一、更に監督はどちらも山崎貴です。 また、原作小説には『永遠の0』の主人公・宮部久蔵がこっそりと登場しているのをご存知ですか? 石油貿易をおこなう主人公・国岡が、上海の日本軍基地を視察した際に、ゼロ戦から出てきたところの宮部と遭遇しています。 映画ではどちらも岡田が演じるだけに、このシーンが再現されるのかとても気になりますね!

『海賊とよばれた男』の気になる感想・評価は?

toshibakuon 2016/12/5 ニッショーホール試写会にて。永遠の0のスタッフたちが再び集結。國岡演じる岡田准一が若き頃から96歳まで年相応に見え違和感がなかったのはすごい。こういうまっすぐな親分(店主)に人は惚れるしついて行きたくなる魅力がある。いつも巨大な敵や壁にぶち当たっても勝負していく姿は勇ましくこれぞ男だ!映像時間が2時間半近くの長丁場になるけどそれでも全て良さを出しきれていないのは映画ならではの限界だし原作が良すぎるので仕方ないかな。

主人公の國岡を演じる岡田准一の演技と自然な役づくりを評価する声が多いようです。また、2時間を超える上映時間について、迫力がありあっという間だったという感想もあれば、少々長すぎたという意見もあるようです。 原作を元にした映画作品の評価にありがちな、「原作の良さをだしきれていない」など「二部作でじっくりやってほしかった」など、作品の構成やまとめかたに意見する声もありました。

小説『海賊とよばれた男』のネタバレを紹介!

明治18年、福岡県で生を享けた主人公の国岡鐵造は、神戸高等商業学校の校長・水島銕也から商人としての生き方を学び、卒業後は神戸にある小さな商店の・酒井商会に就職します。丁稚(でっち)として人力荷車に小麦粉を積んで売り歩きました。 そんな国岡鐵造でしたが、商売に失敗して夜逃げ同然に散ってしまった家族をよび戻すためにも、独立して店を持ちたいと考えました。そんなある日、神戸高商の近くに住む資産家・日田重太郎からその胸中をずばり当てられ、なんと大金を提供されたのです。 家族を呼び戻した国岡鐵造は、25歳で国岡商店を旗揚げします。神戸高等商業学校在学中から石油の発展を予測しており、日邦石油の協力を得て石油の販売を始めます。 苦労しながらも、機械油を独自に調合して明治紡績へ販売したり、山神組(現・日本水産)に軽油を売るなどして着実に成功していきます。 当時の協定を破るか破らないかのギリギリのところで、伝馬船(手漕ぎ船)を使い、海上で山神組の船に軽油を納品したりと、破天荒な商いをする国岡鐵造を、人々は「海賊」と呼びました。 実績を伸ばしていった国岡商会は、どんどん規模を拡大していきます。 やがて、それまで協力してくれていた日邦石油からも釘を刺されるようになりましたが、鐵造の目はまた時代の一歩先を見ていました。 第二次世界大戦が始まり、国岡商会は満州、上海をはじめとした外国に進出、国内でも販路を広げていきました。 しかし、戦争は敗戦という形で終結し、国岡鐵造は海外資産の全てを失って多額の借金だらけになってしまいました。 激しい爆撃により主要都市は破壊され尽くした上、課せられようとしている莫大な賠償金。住居も食糧もままならないような絶望的な状況の中で、国民はみな日本の行く末を危ぶみ途方に暮れてしまっていました。 しかし、そんな中でも国岡鐡造はめげませんでした。泣き言を言うな、日本の歴史と誇りを忘れるな、全てを失っても日本人がいればこの国は必ず再生する、とわずかに残った店員達に語るのです。

日本の石油業界を巡る各国の様々な画策を見抜いていた国岡鐵造は、それらに反発しながら、巨大タンカーを建造します。朝鮮戦争勃発後は、アメリカの銀行から400万ドルという破格の融資を取り付けた後、「セブン・シスターズ(七人の魔女)」と称された石油業界の大手の目をかいくぐって、外国からガソリンを輸入しては驚きの低価格で販売しました。 そしてついに、国岡鐵造は型破りで大胆な行動に出ます。所有する巨大タンカー・日章丸を、世界一の石油埋蔵量を誇る油田を持つイランへ秘密裏に派遣したのです。イランは当時、油田の国有化を宣言したために国際的に孤立してしまっていました。 まるで日本と同じように。 イギリス軍をはじめ、アメリカのメジャー、日本政府さえ相手にして、イギリス海軍の海上封鎖を突破してイランへ入港した日章丸。果たして無事に日本へと帰還することができるのでしょうか。 常に時代を先読みし、世界を相手に戦った国岡鐵造。 実在する人物をモデルにしてその生き様を描く痛快なストーリーは、読者の心を鷲掴みにします。 『海賊とよばれた男』は2016年12月10日に全国公開!