2017年7月6日更新

映画『ミュージアム』小栗旬主演、ネタバレあらすじ解説!カエル男の刑一覧も

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映画『ミュージアム』は日本版『セブン』!?小栗旬主演のサイコサスペンス

その設定や残酷さから“日本版『セブン』”と言われている映画『ミュージアム』。 『ミュージアム』は元々、『ヤングジャンプ』で連載されていた巴亮介原作の漫画です。読み応えのあるサイコサスペンスが人気を呼び、2016年に実写映画化されました。 漫画は全3巻で既に完結済みなので、映画を観る前に漫画を読んでも良し、観終わった後に読んで比べてみても面白いでしょう。この記事では映画版『ミュージアム』のあらすじとキャスト、刑の解説、原作との違いなどの魅力をご紹介します。 最後には前日譚「序章」の情報もあるのでそちらもぜひチェックしてください!

『ミュージアム』芸術的な連続殺人サイコスリラーのあらすじ紹介【ネタバレ注意】

ある雨の日、仕事に没頭し家庭を顧みない刑事の沢村(小栗旬)は、猟奇的殺人事件の捜査を担当することに。 事件の犯人は、カエルのマスクを被った謎の男。自らを「アーティスト」と称し、雨の日に殺人を繰り返し始めます。死体周辺から「○○の刑」と書かれた紙が見つかることから、カエル男は被害者たちに私刑を下しているようでした。 やがて被害者の共通点に沢村の妻も該当していることが判明し、妻と息子はカエル男に拉致されてしまいます。 沢村は犯人が雨の日しか出没しない理由が、日光を浴びると痒みや炎症が起きる「光線過敏症」だからではないかと考え、専門家を尋ね回り「霧島早苗」という人物を突き止めました。

霧島(妻夫木聡)の自宅に乗り込むも、反対に監禁されてしまう沢村。息子を人質に「息子の将太を救いたければ遥を殺せ」という究極の選択を迫られる中、危機一髪、警察が駆けつけます。 外へ飛び出して太陽の光を浴びた事で肌が腫れ上がり、意識を失ったカエル男・霧島。彼の病室に現れたのは、霧島早苗の存在を沢村に教えた女医の橘幹絵でした。実は早苗の姉であった幹絵は、薬で霧島を殺害します。 一方妻と息子を大切にするようになった沢村。家族の問題は解決したように見えましたが、息子の将太は太陽の下でしきりに首を掻いているのでした。

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R指定なし?グロすぎカエル男の私刑一覧

連続殺人犯のカエル男は、自らをアーティストと称しターゲットにふさわしい“判決”を下して私刑を実行します。しかも彼は、死体を自らの“作品”であると考えているのです。 その殺人描写は身の毛もよだつ恐ろしいものですが、本作はR指定が設定されていません。G指定(全年齢作品)ギリギリな、カエル男の5つの私刑を紹介します。

ドッグフードの刑

廃トンネルの中で女性を鎖に繋ぎ身動きが取れない状態にし、空腹の犬を放って生きたまま食わせる「ドッグフードの刑」。連続殺人の始まりとなった、ひとつめの事件です。 凶器は獰猛な大型犬3匹で、被害者の死体は全身血まみれ。洋服はズタズタに引き裂かれ、肉が引きちぎられていました。 被害者は普通の一般市民である若い女性で、つい最近恋人と同棲を始めたばかり。恋人が犬アレルギーだったため、飼っていた犬を泣く泣く保健所に連れて行っていました。

母の痛みを知りましょうの刑

被害者が椅子に縛り付けられ、肉体の色々な部位を糸ノコギリで少しずつ切り取られて殺害された第2の私刑。意識がある状態での犯行です。 発見された時、死体の横には計量器が置かれ、その上には3,280グラムの取られた肉片が乗っていました。 被害者は引きこもりがちな28歳・ニートの男。母親の苦労を尻目に、社会に出ず脛をかじって生活していたようです。“3,280グラム”というのは、恐らく彼の出生体重だと予想できます。

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均等の愛の刑

母と娘が自宅で夕飯の支度をしていると、大きなダンボールの荷物が届きます。同時刻、ある美人ホステスの仕事場にも同じような荷物が届いていました。 品名に「均等の愛の刑」と書かれたその荷物には、身体を頭部から全身縦に真っ二つに切られた男の死体が、左右片方ずつ入っていました。 被害者は裁判官の男。妻子がいる身でありながら、若いホステスの女と不倫をしていたのです。家族と愛人に、均等に彼の肉体が届けられたのでした。

ずっと美しくの刑

警察が「幼女樹脂詰め殺人事件」の裁判員たちの保護を急ぐ中、巨大な冷凍庫の中で発見されたのは、裸で冷凍死させられた女性裁判官。 彼女は全身がまるで氷になったかのように白く凍った姿で、目を開き、小さく笑みを浮かべた表情で立っていたのです。美術館の彫刻作品のような美しさすら感じる遺体でした。 エステやボトックス注射、美容整形を繰り返して男をたぶらかしていたという被害者は、望み通り、永遠に老化しない“ずっと美しく”いられる身体を手に入れたのです。

針千本飲ますの刑

5人目の被害者として遺体で発見されたのは、占い館を経営する自称占い師の男です。 椅子に座らされ両手を後ろで縛られた被害者は、身動きが取れない状態で口を大きく開けさせられ、おびただしい数の釘を体内に入れられていました。最後は悶絶窒息死です。 誰もが子供の頃に歌った「ゆびきりげんまん嘘ついたらはりせんぼん飲ます」という歌を実現した、狂った殺害方法でした。カエル男は彼の占いが嘘だと暴いたのでしょう。

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『ミュージアム』なぜカエル男は生まれたのか

映画『ミュージアム』の連続殺人犯“カエル男”はなぜ生まれてしまったのでしょうか?その背景にはカエル男が幼少期に体験した悲劇が関係しています。 カエル男こと霧島早苗は、資産家の息子として生まれました。しかしまだ幼い頃、両親が“バラバラにされてまるで1人の人間のように並べられる”というおぞましい殺され方をします。 大きな悪意にさらされた精神的ショックから、早苗の光線過敏症は重度に悪化。その結果心も蝕まれ、“殺人”というものに囚われてしまったのではないでしょうか? 映画の中で女医の幹絵は「あなたの光線過敏症は心因性」と言っています。早苗が心の傷と向き合っていれば、もしくは裕福な家の養子となった幹絵のように支えてくれる人がいれば、カエル男は誕生しなかったのかもしれません。

どちらがお好み?映画『ミュージアム』の原作と違うラストの意図は

原作漫画『ミュージアム』

巴亮介の同名漫画が原作である、映画『ミュージアム』。そのダークな世界観とグロテスクな描写から、実写化前から話題になっていた作品です。原作者の巴亮介は作品の実写映画化に際して、映画公式サイトで、「自分が描いたモノが映画になるなんて夢のようだ」と語っています。

映画が原作とは違うところ

映画『ミュージアム』に登場するカエル男には、原作にはない姉の存在や、本当に被害者遺族であるなどの設定が加えられています。 また映画のラストも原作とは異なるものです。映画では主人公沢村の息子・将太に光線過敏症の症状が現れて幕が閉じますが、原作のラストは、沢村がトラウマから刑事を辞めて家族で静かに暮らしているというものでした。

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なぜ映画版は漫画に設定を付け加えたのか

大友監督は設定の追加やエンディングの変更について、映画ではやや俯瞰の視点で、犯罪が限界ギリギリの人間にどう影響するかも意識したと語っています。 これらの変更が加えられたことによって、“被害者が加害者になる”という悪夢の連鎖が始まっていることを予感させます。「まさか、将太が次の加害者に……?」という、映画のその後“最悪のラスト”を想像させる、素晴らしい演出ですね。

小栗旬の命がけの役作り、1週間寝ず食べず!?

カエル男を追う刑事・沢村を迫真の演技で演じた小栗旬。妻と息子を拉致され追い詰められる沢村の役作りは、肉体的にも精神的にも追い詰められる過酷なものだったそうです。 監禁されるシーンの撮影期間には「自分も監禁してくれ」と申し出て、ホテルで監禁同様の状況に置いてもらったと言います。あえて誰とも会わないようにして自分を追い込み、ホテルと現場の往復の毎日。家族にも会わなかったそうです。 その1週間は寝ず、食事もとらず、口にしたのは劇中で食べているハンバーガーのみ。夢中でむしゃぶりつくようなあの演技は、本当の空腹から来ているものだったんですね。 また車に轢かれるなどの危険なシーンもできる限りスタントなしで挑んでいます。 小栗旬が“メソッド演技法”のような方法で命がけで役作りをした、危うくも真っ直ぐな沢村の姿は、見応えバッチリ。本作の見所のひとつです。

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映画『ミュージアム』キャスト紹介、不気味すぎるカエル男は妻夫木聡だった!

小栗旬/沢村久志

今をときめく小栗旬が演じるのは、警視庁捜査一課一係巡査部長。連続猟奇殺人事件の犯人・カエル男を追う刑事で、物語の中心人物です。事件の捜査に没頭するあまり家庭を顧みず、妻と一人息子との間に亀裂が入り別居状態にあります。 小栗旬と言えば、ドラマや映画などで幅広く活躍している俳優ですが、実写版『ルパン三世』(2014年)のルパン三世役や、実写版『花より男子』(2005年)の花沢類役など、コミックスを原作とした役でも活躍しています。 2021年には古典SFのリメイク版ドラマ『日本沈没ー希望のひとー』や、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での主演も決まっており、各界から引っ張りだこです。

妻夫木聡/霧島早苗

雨の日に現れ、見るも無残なおぞましい殺戮を行うカエル男。そんな殺人鬼を演じた妻夫木聡は、二枚目な素顔に特殊メイクを施して撮影に臨みました。 レインコートにカエルのマスクをつけた姿が印象的なカエル男ですが、劇中ではマスクを外した姿でも現れます。フードから覗くスキンヘッドと無数の傷は特殊メイクの賜物で、猟奇的な連続殺人鬼を更に恐ろしく体現しています。 更に妻夫木聡は、意外と肉体派なカエル男を演じるために約4か月に渡って週3でジムに通って肉体を鍛え上げたそうです。カエル男の不気味な風貌とムキムキな肉体のバランスにも大注目です。

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尾野真千子/沢村遥

尾野真知子が演じたのは主人公・沢村の妻です。仕事に没頭する夫と距離を置いていて、沢村久志との間に一人息子がいます。映画中では母親の目線で、家族への愛と事件の恐怖を演じ切りました。 尾野真千子は映画『萌の朱雀』(1997年)や『殯の森』(2007年)、テレビドラマ『火の魚』(2009年)、『はなちゃんのみそ汁』(2014年)、『微笑む人』(2020年)などで、シリアス・コメディ・悪女に関わらず全力で演技にぶつかり、その演技力を認められている女優です。

野村周平/西野純一

野村周平が演じたのは警視庁捜査一課一係の警部補。沢村(小栗旬)と共に連続猟奇殺人事件を追う新米刑事です。 野村周平は映画『帝一の國』(2017)や映画「ちはやふる」シリーズ、ドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』(2019年)などにも出演し、近年活躍中の実力派俳優です。監督の大友啓史、沢村役の小栗旬とは初共演で、映画の撮影中は学ぶことも多かったとコメントしていました。

丸山智己/菅原剛

丸山智己が演じたのは、西野と同じ警視庁捜査一課一係警部補。 丸山智己はモデル・俳優として活躍しています。映画では「カイジ」シリーズや「るろうに剣心」シリーズなど、漫画が原作となっている作品にも多数出演している俳優です。

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伊武雅刀/岡部利夫

伊武雅刀が演じたのは警視庁捜査一課課長の警視正。捜査一課のメンバーで登場します。 伊武雅刀は俳優、声優、ナレーターなど幅広く活躍している人物ですが、今作では「今まで見たことのない伊武雅刀が見れる」と自身でコメントを残しています。

田畑智子/秋山佳代

主人公の妻・沢村遥の親友の秋山佳代を演じたのは田畑智子です。 俳優岡田義徳の妻としても有名な田畑智子は、12歳の頃デビューを果たし、豊富なキャリアを持っています。『さんかく』(2010年)、『舞妓はレディ』(2014年)などが代表作です。

市川実日子/橘幹絵

市川実日子が演じたのは、慈光大学医療研究センターの医者。 市川実日子は『シン・ゴジラ』(2016年)で数々の助演賞を受賞した演技派女優です。スタイルを生かしてファッションモデルとしても活躍しています。

大森南朋/沢村久志の父

主人公・沢村の父を演じたのは大森南朋です。刑事として活躍していたが通り魔事件で殉職しました。 大森南朋は数々の映画・ドラマに出演しているベテラン俳優。中でもサスペンス作品への出演が目立ちます。今作でもシリアスな雰囲気を演出してくれること間違いなしです。

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松重豊/関端浩三

ベテラン俳優松重豊が演じるのは警視庁捜査一課一係警部。『グッドモーニングショー』(2016年)や『続・深夜食堂』(2016年)などの出演作の公開も控えています。

監督の大友啓史は『るろうに剣心』や『プラチナデータ』、『龍馬伝』など人気作揃い!

大友啓史は実写版『るろうに剣心』シリーズや、『プラチナデータ』(2013年)など小説を原作とした映画の監督や、大河ドラマ『龍馬伝』(2010年)のチーフ演出として知られています。 『龍馬伝』では史上最年少で大河ドラマのチーフ演出を務め、長回しやマルチカメラなどの斬新な撮影方法が反響を呼びました。

主題歌を歌うのはワンオク!

本作の主題歌を手がけたのは、人気ロックバンドONE OK ROCK。 予告編映像でも使用されている「Taking Off」は、スピード感あふれる本作にピッタリのロックナンバーです。 大友監督が手がけた『るろうに剣心』シリーズでもタッグを組んでいるワンオク。監督からの信頼も厚いようで、「圧倒的なLIVE感・生の鼓動は、“フィクションと現実の壁”を超えて観客の胸に突き刺さる」と彼らの音楽性を高く評価しています。

前日譚も!『ミュージアム−序章−』

映画本編の他に、前日譚『ミュージアム -序章-』も制作されています。 本編とは別のスタッフとキャストで制作されており、主演には『アウトレイジ』『冷たい熱帯魚』『ディストラクション・ベイビーズ』などに出演した、元お笑い芸人の三浦誠己。 他には、川島鈴遥、森田想、細川佳央、河屋秀俊、中野英樹、奥野瑛太、宇野祥平などがキャスティングされています。 監督には『貞子vs伽椰子』の白石晃士が抜擢され、主観カメラのスリルのある映像を作り上げました。ストーリーは、カエル男が過去に犯した私刑を描きます。 監督は本作について「愛のために、おぞましく非情なバイオレンスを実行しなければならなくなった男の悲哀を描くと同時に、愛を伝えることの美しさを描く娯楽作品を目指しました」とコメントしています。 また「愛する恋人や家族を思い浮かべながら『自分だったらどうするだろう』と見ていただくと、よりハラハラして楽しめると思います」ともコメントしているので、想像しながら見てみるのも良いですね。

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現代人に鋭く刺さるスリラーエンターテイメント映画『ミュージアム』

小栗旬をはじめ、実力派俳優たちが名を連ねたサイコスリラー『ミュージアム』。過激でスリリングな現実離れした物語でありながら、裁判員制度、不倫、動物愛護、家族など普遍的な題材を取り上げており、現代人に鋭く刺さる作品となっています。 刺激的なエンターテイメントとしてももちろん楽しめますが、それだけでなく、“罪”とは何か、“殺人犯を生むもの”とは何かなど、作品に込められたメッセージについても考えながら見てはいかがでしょうか? 原作の世界観を崩す事なくアレンジされていますので、原作ファンの皆さんもぜひ一度見てみてください!