『あぶない刑事』のキャストの現在は?亡くなった俳優についても解説

タカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)、2人の破天荒な刑事の活躍を描いた伝説の刑事ドラマ「あぶない刑事」。2024年には最新作『帰ってきた あぶない刑事』が公開され、再び注目を集めています。 40年近い長寿ドラマとなっている本作。「『あぶ刑事』に出演していたあの俳優は今何してるの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は「あぶない刑事」のキャスト総勢17名の現在について、徹底的に解説します! ※「あぶない刑事」各シリーズのネタバレを含みます。
大ヒットシリーズ『あぶない刑事』キャストたちの現在は?

『あぶない刑事』シリーズは、1986年10月にTVシリーズ第1作目『あぶない刑事』が放送開始し、その後も劇場版やSPドラマなど計80作以上が制作された大人気作品です。 神奈川県警察横浜港警察署の捜査課に所属する、タカこと鷹山敏樹とユージこと大下勇次の破天荒な活躍、独特の台詞回しやお洒落な演出が好評を博しました。広域暴力団「銀星会」との抗争なども描かれた、足かけ30年に及ぶ歴史の中で、様々な話題と流行を生んだ名作として有名です。 2016年、完結編と銘打った映画『さらば あぶない刑事』で終焉かと思われましたが、2024年『帰ってきた あぶない刑事』でまさかのカムバックを果たしています。 今や名俳優・名女優揃いのキャスト・俳優陣のその後、現在についてまとめてみました。
鷹山敏樹/舘ひろし

「ダンディ鷹山」こと、横浜港警察署捜査課の巡査部長(または巡査長)の鷹山敏樹。横浜の悪党たちにも恐れらる名コンビの片割れ、タカを演じるのはダンディな魅力あふれる舘ひろしです。 舘ひろしは、1975年にロックバンド「クールス」のボーカルとしてデビューしました。翌年に映画『暴力教室』で俳優デビューした後、主演を務めた『あぶない刑事』で大ブレイク。大河ドラマ『功名が辻』などに出演する一方で、歌手として『泣かないで』を始めとするヒット曲を発表しています。 2024年に『帰ってきた あぶない刑事』が公開され、昭和・平成・令和の3世代でタカを演じたことに。近年では映画「鋼の錬金術師」シリーズや、『ゴールデンカムイ』(2024)などにも出演。2025年11月公開の『港のひかり』では、主人公で元ヤクザの漁師役を演じます。 2021年には看板役者で取締役でもあった石原プロダクションが解散。その後は芸能事務所「舘プロ」を設立しました。『帰ってきた あぶない刑事』も、舘プロが制作に携わっています。
大下勇次/柴田恭兵

「セクシー大下」こと、横浜港警察署捜査課の巡査部長(または巡査長)の大下勇次。相棒のタカと共に数々の事件を解決してきたユージを演じるのは、実力派俳優の柴田恭兵です。 柴田恭兵は、舘ひろしとW主演した今作『あぶない刑事』で大ブレイクを果たしました。1996年の『はみだし刑事情熱系』などをヒットに導き、主演を務めた連続ドラマの本数は20本を超えるとのこと。2006年7月に肺がんが発覚し一度休養に入ったものの、翌年2月放送のドラマ『ハゲタカ』で復帰しています。 復帰後、壮年期以降は重厚な役柄を演じることも増え、作品に重みと深みを与えています。2014年には大河ドラマ『黒田官兵衛』にも出演、2016年は映画『64 -ロクヨン-』などの話題作に出演しました。 2024年の『帰ってきた あぶない刑事』公開時には70歳を超えても役者として活躍し続けることについて「俺たちはまだやってるぜ。皆も映画観て元気になってね」とコメント。2024年にはギャラクシー賞を受賞したNHKドラマ『舟を編む~私、辞書つくります~。』に出演しており、第一線で活躍し続けています。
真山薫/浅野温子

鷹山と大下の親友かつ悪友、おてんばで個性的な真山薫。当初は少年課所属の巡査でしたが、紆余曲折を経て少年課課長・警部、重要物保管所所長へと昇進しています。 浅野温子は、1986年に『あぶない刑事』シリーズが開始した後、1988年のトレンディドラマ『抱きしめたい!』を機に、若い女性たちの憧れの的になったそう。W主演を務めた浅野ゆう子と共に「W浅野」と称され、その後も月9ドラマ『101回目のプロポーズ』を始めとするヒット作にも恵まれました。 2019年には、体調不良や倦怠感から、出演中の舞台『銀河鉄道999 さよならメーテル〜僕の永遠』を降板し休養に。約半年の休養を経て、検査の結果以上がないことが確認され、映画『みをつくし料理帖』(2020)の撮影で仕事復帰しました。 2025年には『サラリーマン金太郎』に中村加代役で出演。また、日本の神話や伝承を題材にした『浅野温子よみ語り』は、2003年から20年以上続けています。
町田透/仲村トオル

鷹山と大下の後輩で、女好きなキャラクターの町田透を演じたのは仲村トオルです。捜査課の巡査から捜査課長・警部、最終的には横浜港警察署所長に出世し鷹山・大下の上司になっています。 1985年の映画『ビーバップハイスクール』の主演でデビューし、日本アカデミー賞・新人俳優賞を始め、数々の新人賞を受賞した仲村トオル。『あぶない刑事』シリーズで一躍有名になると、韓国映画『ロスト・メモリーズ』などにも出演し、国内外で活躍する人気俳優になりました。 映画では庵野秀明監督作『シン・仮面ライダー』(2023)や福山雅治主演の『ブラック・ショーマン』(2025)など話題作に出演。ドラマでは2025年の春ドラマ『イグナイト -法の無法者-』でメインキャストの1人を演じるなど、今なお大活躍中です。 私生活では、妻で女優の鷲尾いさ子との間に生まれた長女・美緒が2019年に芸能界デビュー。父の仲村トオルからは「やらない後悔よりやって後悔したほうがいいんじゃないか」とアドバイスされたことを明かしています。
松村優子/木の実ナナ

鷹山と大下の良き理解者で、長い間少年課で活躍した松村優子を演じたのは木の実ナナ。スケジュールの都合上、TVドラマは2作とも序盤までの出演ですが、劇場版は強い存在感を放っています。 1972年に本格的にミュージカルの道に進み、1974年からの『ショーガール』でゴールデン・アロー賞大賞ほか多数、2001年の『ロス・タラントス』などで多くの受賞歴があります。2015年にはデビュー50周年を迎え、記念コンサートや新作ミュージカルなど、様々なイベントも行ったそうです。 俳優として活躍する裏では、1992年に更年期障害によるうつ病を発症。周囲のサポートで復帰した後も両足の骨折を2度経験するなど、俳優活動は病気や怪我との戦いがありました。 それでも役者魂と強い責任感で現場に立ち続けた彼女でしたが、プライベートでの怪我を機に2019年以降表舞台から遠のいています。2024年に公開された『帰ってきた あぶない刑事』の出演も見送られました。
田中文男/ベンガル
— 映画『帰ってきた あぶない刑事』公式 (@abudeka_is_back) March 27, 2024
田中文男(#ベンガル)
刑事時代は取り調べの粘り強さから「落としのナカさん」と恐れられていた。
現在は情報屋で ステーキとシャンパンにつられてタカに情報を流す。
『ちょっと喋りすぎたか…』
映画『帰ってきた あぶない刑事』#あぶない刑事 #令和に広がれあぶ刑事の輪 pic.twitter.com/AGjwAsA3R1
捜査課の最古参で、取締官を務めることが多い田中文男を演じたのはベンガルです。独自の方法によりひたすら犯人の自白を待って落とすことから、「落としのナカさん」という異名を持ちます。 1976年に柄本明らと劇団「東京乾電池」を旗揚げし、国内で舞台に出演する一方で、フランスやロシアを始め世界各国で公演を行っています。ドラマ・映画の主演は少ないものの、大河ドラマ『黒田官兵衛』や火曜サスペンス劇場など多くの作品に出演し、名脇役として人気を博してきました。 映画では『先生の白い嘘』(2024)や『仏師』(2026)などに出演。ドラマでも『団地のふたり』(2024)や『西園寺さんは家事をしない』(2024)など、数多くの話題品に携わっています。 「あぶ刑事」初期メンバーでも上位に入るであろうドラマ・映画出演本数を誇るベンガルですが、『帰ってきた あぶない刑事』のインタビューでは「生涯舞台に立ち続ける」と目標を語っていました。
山路瞳役/長谷部香苗
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— 映画『帰ってきた あぶない刑事』公式 (@abudeka_is_back) April 10, 2024
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[~~~~] 長谷部香苗さん!!
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本日は #長谷部香苗 さんのお誕生日
素敵な一年になりますように!
今作でも気配り上手な瞳ちゃん。
たまには皆さんからお祝いのお茶を贈りませんか♡?
瞳ちゃんへ、お茶!#あぶない刑事 pic.twitter.com/FUD7mKjWZI
「瞳ちゃん、お茶」の台詞で親しまれる山路瞳は、横浜港署捜査課の課長秘書です。近藤課長(中条静夫)にお茶を求められるシーンが名物となり、町田課長(仲村トオル)にも引き継がれています。タカ&ユージの型破りな捜査を陰から支える存在として、テレビシリーズ初期からすべての作品に登場する欠かせない人物です。 演じる長谷部香苗は、東京都出身の女優です。「あぶない刑事」監督の長谷部安春の娘にあたり、1986年から続く山路瞳役を演じ続けています。現在は『ライド・オン』(2024)や『プロジェクト・サイレンス』(2025)の吹き替えなど、声優業でも活躍中です。
吉井浩一/山西道広
横浜港警察署所属の刑事で捜査課の指揮官的存在である吉井浩一。破天荒なキャラクターだらけの『あぶない刑事』シリーズにおいて、一番刑事らしいまともな人物。 鷹山たちが無茶をしても吉井がきちんと現場の指揮をとってくれるので、最終的に上手く収まるシリーズに欠かせない存在です。 吉井浩一を演じているのは山西道広。文学座研究所の同期、松田優作の主演映画二数多く出演しました。代表作には「太陽にほえろ!」シリーズや『探偵物語』(1979)などがあります。その後は時代劇やサスペンス、Vシネなどのジャンルで活躍し、『仮面ライダー555』(2003)にもゲスト出演しました。 「あぶない刑事」ではパパさんの愛称で親しまれた山西は、2008年の月曜ゴールデンドラマ『追跡~失踪人捜査官・石森新次郎』への出演を最後に、俳優業を引退。 引退後は神奈川県・葉山で飲食店を経営していましたが、2014年に閉店。2016年の映画『さらば あぶない刑事』では一時的という形で俳優業へ復帰しましたが、本作を機にまた俳優業に復帰していただきたいですね。
キョウイチ・ガルシア/吉川晃司

キョウイチ・ガルシアは、2016年公開の映画『さらば あぶない刑事』に登場する史上最強最悪の敵。バイクを操る中南米マフィアの冷酷なボスを演じたのは、シリーズ初出演の吉川晃司です。 吉川晃司は、1984年の映画『すかぴんウォーク』の主演で俳優デビューし、自ら歌唱した挿入歌『モニカ』も大ヒットしました。一時は音楽活動に専念し、ロックアーティストとしてヒット曲を連発。2000年に俳優業を再開すると、映画『必死剣鳥刺し』で日本アカデミー賞・優秀助演男優賞を受賞しています。 2020年の夏ドラマ『探偵・由利麟太郎』では、54歳にして初のドラマ主演に抜てき。一方で2021年には狭心症の手術を、2024年には白内障の手術を経験しました。後者の手術後、激しい運動は控えるよう医師から伝えられましたが、2025年現在もライブを敢行しファンを沸かせています。
結城梨沙/水川あさみ

横浜港警察署所属の刑事で少年課に所属している巡査の結城梨沙。2005年に公開した映画『まだまだあぶない刑事』に登場。 ITを得意とするが、今時の子で捜査課の捜査には我関せずで、結城の机には常にファッション誌やキャンディーなどが置いてあるマイペース・スタイル。 基本的に明るく元気ですが、同期の水嶋と鹿沼にGPSをつけられデートを邪魔された経験があり、その事を根に持っている様子。 結城梨沙を演じているのは、2016年にデビュー以来所属していた事務所から独立し個人事務所を設立した女優・水川あさみ。独立の関係か2016年は映画『後妻業の女』、TBS系ドラマ『わたしを離さないで』、Amazonプライムドラマビデオ・ドラマ『東京女子図鑑』と出演が多くはありませんでした。 しかし翌年以降はドラマ『ダブル・ファンタジー』(2018)や『白衣の戦士!』(2019)、『笑うマトリョーシカ』(2024)の主演を務めるなど、再び活躍の場を増やしています。 私生活では『僕たちがやりました』(2017)で共演した俳優・窪田正孝と2年の交際を経て、2019年に結婚。2025年現在2人の間に子供はいませんが、夫婦仲睦まじい様子を週刊誌がたびたび報じています。
水嶋修一/佐藤隆太

横浜港警察署所属の捜査課の刑事である水嶋修一。2005年に公開した映画『まだまだあぶない刑事』に登場します。 1998年に公開した『まだまだあぶない刑事』の前作『あぶない刑事フォーエヴァー』で生死不明となった鷹山たちが不在時にエースとして活躍していた水嶋。 プロファイリングを得意とし過去の事件をすべてデータ化しようとしますが、実は犯人グループの一味で、鷹山らに追い詰められ自殺します。 共に行動するうちに大下に敬意を抱いたようで「生まれ変わったら、大下さんの後継者になります。」との言葉を残します。 水嶋修一を演じているのは佐藤隆太です。2008年に主演したTBS系ドラマ『ROOKIES』を筆頭に、月9『プライド』(2004)や映画化もされた「海猿」シリーズの役柄から“熱い男”の代表格としてブレイクを果たしました。 2019年に放送された連続テレビ小説『スカーレット』では、心に傷を抱えながらも周囲に思いやりを持って接する難しい役どころを演じ、その高い演技力が話題に。 2025年には佐藤の代表作の1つである「THE3名様」シリーズが20周年を迎え、8月に「THE3名様ぁソニック 2025」と題した生イベントを開催します。岡田義徳、塚本高史とのトリオが復活し、完全新作の映像も披露される予定です。
『帰ってきた あぶない刑事』ゲストキャストの現在は?

『帰ってきた あぶない刑事』の追加キャストは?
永峰彩夏役/土屋太鳳

タカとユージ、2人が知る夏子の娘・永峰彩夏。彼女は「消息不明の母親(夏子)を探してほしい」と依頼してきます。彩夏と初めて対面したタカとユージは「まさかどちらかの娘では」と勘ぐり始めますがーー。 演じたのは土屋太鳳です。2024年に出演した『八犬伝』で、日本アカデミー賞・優秀助演女優賞を受賞。2025年9月に第3シリーズがスタートするNetflixドラマ「今際の国のアリス」で、今や世界的に注目を集める女優です。
早瀬梨花役/西野七瀬

港署捜査課刑事の早瀬梨花は、町田透(仲村トオル)の部下です。タカとユージを尾行する仕事を、町田から命じられます。 演じたのは西野七瀬です。アイドルグループ「乃木坂46」のセンターとして活躍後、俳優業へ転身。ドラマ『あなたの番です』(2019)で強烈な印象を残しました。2025年3月公開の『少年と犬』では主演を務めています。また、プライベートでは2024年に俳優・山田裕貴との結婚を発表しました。
海堂巧役/早乙女太一

元銀星会会長の息子で、カジノ誘致を計画するベンチャー企業「ハイドニック」の社長・海堂巧。何やらタカ&ユージに恨みを持っています。 演じたのは早乙女太一です。原点である舞台での活躍はもちろん、2025年はWOWOWドラマ『怪物』やDMM TV『ドンケツ』、さらにNetflix『イクサガミ』など、さまざまな媒体で活躍中です。
黄凱(ファン・カイ)役/深水元基
海堂に雇われた中国人傭兵の黄凱(ファン・カイ)。中国海軍特殊部隊での経験があり、高い戦闘力でタカ達の前に立ちはだかります。 演じたのは、深水元基です。『真田丸』(2016)にレギュラー出演しており、近年では映画「鋼の錬金術師」シリーズや『静かなるドン』(2024)などに出演。また、自身でオリジナルブランド「montee」を立ち上げ積極的にブランド展開を行うなど、多方面で活躍しています。
『あぶない刑事』の亡くなったキャストは?

近藤卓造役/中条静夫
横浜港警察署所属の刑事で捜査課の課長。暴力団捜査が専門で、かつては「鬼の卓造」と恐れられていました。 港署の問題児である鷹山と大下に手を焼いており、いつも二人を怒鳴り散らしていますが、心の内では二人を信頼して見守っています。近藤の「瞳ちゃん、お茶」の台詞は全シリーズを通じての定番台詞のひとつ。 近藤卓造を演じているのは1994年に癌による肺不全のため、惜しまれつつこの世をさった俳優・中条静夫。1994年の映画『免許がない!』、TBS系ドラマ『オトコの居場所』に出演するなど亡くなる直前まで俳優人生を全うしました。 1996年の映画『あぶない刑事リターンズ』は中条の死去が映画への後押しのひとつとなり、制作されたと言われており、劇中では近藤の名前が多く登場し、エンドロールには「To The Memory of 中条静夫」のテロップが流されました。
吉田春彦役/秋山武史
口ひげがトレードマークの刑事で、「はるさん」の愛称で親しまれました。強面ながら物腰柔らかで、堅実に任務をこなす人物。主に肉体派の谷村刑事と組んでいました。 吉田春彦を演じているのは、1998年に直腸癌による癌肝臓転移で45歳の若さでこの世を去った秋山武史です。 『あぶない刑事フォーエヴァー』の撮影は、癌を患いながらも出演。1998年8月に放送された『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』には出演したものの、翌月に゙公開された『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』の出演は叶いませんでした。
『あぶない刑事』キャストの現在を解説しました!

「あぶない刑事」シリーズに登場した俳優・キャスト陣の現在を解説しました! 舘ひろしと柴田恭兵をはじめ、ほとんどの俳優が現在でも第一線で活躍しているのはシリーズファンとしてうれしい限りですね。 『帰ってきた あぶない刑事』(2024)では、若い世代に負けないタカ&ユージのかっこいいアクションシーンが満載です!まだ観ていない方はぜひチェックしてみてください。