2018年6月30日更新
モルド男爵、ドクター・ストレンジの最大のヴィランとは
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『ドクター・ストレンジ』のモルド男爵はヴィランだった!
2017年1月に公開、天才外科医が魔術を操り世界を破滅から救うマーベルシネマティックユニバース映画『ドクター・ストレンジ』は、革新的な映像が大きな話題となり、大ヒットを記録しました。
ストレンジは魔術の修行をするチベットのカマー・タージで、兄弟子であるモルド男爵と出会います。映画で『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーが演じたバージョンは、エンシャント・ワンの忠実な弟子として描かれていました。
しかし、原作コミックではエンシャント・ワンの命を狙うだけでなく、ストレンジの才能に嫉妬し何度も戦いを挑み、闇のパワーと手を組むこともあるヴィランなのです。この記事ではそんなモルド男爵についてご紹介します。
男爵のキャラクターと能力
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— Doctor Strange (@DrStrange) 2016年9月28日
モルド男爵は熟練の魔術師であり、ルーマニア・トランシルバニア出身の貴族です。悪魔を含む神秘的な存在を召喚したり、世界を取り囲む魔法のエネルギーを操作したりする技術に加え、独自の霊能力も持っています。
得意とするのは催眠術や占星術ですが、瞬間移動や、異なる次元・時代への移動、念動力などドクター・ストレンジと同じ魔術を操ります。さらに、ドクター・ストレンジがめったに使わない黒魔術も頻繁に使用します。
闇の魔術師だった祖父から黒魔術を習い、18歳の時にエンシャント・ワンの最初の弟子になるためチベットにやって来ました。
コミックでのモルド男爵
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エンシャント・ワンの指導のもとカマー・タージで修行を積むモルド男爵は、いつしかエンシャント・ワンの命を狙うようになります。彼の脅威に気が付いたエンシャント・ワンは、より強い力を持った魔術師を育てようと外科医だったスティーブン・ストレンジを弟子にしました。
才能を開花させたストレンジとエンシャント・ワンは、男爵を破りチベットから追放します。この時から生涯にわたるドクター・ストレンジと男爵の対立が始まりました。
ドクター・ストレンジを打ち負かそうと悪行の限りを尽くす男爵でしたが、癌を患い自らの死期が近いことを悟ると、娘に魔術を授け改心します。チベットで敵対してきた人々に許しを請い、死去するのでした。
ドーマムゥとの関係
コミックのモルド男爵はドクター・ストレンジを倒すためには手段を選びません。より強力なパワーを手に入れるために、男爵は異次元の闇の支配者であるドーマムゥと手を組みます。
エンシャント・ワンを誘拐しドクター・ストレンジを攻撃する男爵ですが、ドーマムゥは彼を手下の一人としてしか考えておらず、使い物にならないと判断すると簡単に切り捨てました。
結局、この戦いでもヴィランの宿命としてモルドはドクター・ストレンジに敗れます。しかしこのエピソードはストレンジが強力なパワーを持つ悪魔に対抗する手段として、他の魔術師と協力するきっかけともなります。
複雑な生い立ち
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歪んだ性格の持ち主として執拗にドクター・ストレンジに復讐の戦いを挑むモルド男爵ですが、その性格には複雑な生い立ちも関係しているのかもしれません。
彼は幼いころに父親を亡くし、母親のサラと祖父と共に暮らしていました。しかしある時、父親は祖父の策略により妻だったサラに暗殺されたのだと偶然知り、復讐を誓います。
さらに男爵をエンシャント・ワンのもとに送り込んだ張本人は、祖父でした。祖父は気づかれないように転移の呪文をモルド男爵にかけ、エンシャント・ワンから習得した術を自分のものにしようとしていました。
映画『ドクター・ストレンジ』でのモルド男爵
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— Doctor Strange (@DrStrange) 2015年11月24日
映画『ドクター・ストレンジ』ではモルド男爵は、チベットにやって来たドクター・ストレンジを助ける魔術の達人という位置づけです。エンシャント・ワンとも良好な関係を築いており、修行中のドクター・ストレンジにとっては協力的な重要人物として描かれています。
しかし物語が進むにつれ、彼はストレンジの計り知れない能力を脅威とみなし、エンシャント・ワンとの間に亀裂が生じていきます。彼のヒーロー的存在にも陰りが見え始めます。
監督のスコット・デリクソンと製作のケビン・ファイギは、映画のモルド男爵をコミックのキャラクターよりも、純粋で忠実な人物であると語っています。
エンシャント・ワンはモルドと違ってスティーブ・ストレンジにそれほどの可能性を見出していなかったんだ。スティーブ・ストレンジが弟子入りするときに、彼こそがエンシャント・ワンを説得した人物だった。彼はストレンジのパートナーであり、メンターでもあるんだ。
モルド男爵のキャラクターを変えた狙い
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コミックのモルド男爵は、才能に溢れ最高の魔術師の称号ソーサラー・スプリームを受け継いだドクター・ストレンジに激しく嫉妬します。復讐を誓い、幾度となくヒーローに戦いを挑むものの敗れる、多くのアメコミに登場するような典型的な悪役です。
しかしスコット・デリクソン監督は、映画では悪に染まる前の男爵を表現したいと考えました。
コミックに登場するよりも前のモルド男爵の姿を描いて、彼に対する根本的な理解を構築し直したいと考えたんだ。だからこの映画ではコミックとは正反対のキャラクターになった。
さらに男爵を演じる俳優には、キャラクターに深みを持たせるためにより複雑になった人格を表現する高度な演技力が求められました。そこで現実味のない台詞や理論の説明を説得力を持って演じられる俳優として、キウェテル・イジョフォーが抜擢されたそうです。