平成ライダー第4弾『仮面ライダー555』では怪人サイドも描かれる異色作
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『仮面ライダー555(ファイズ)』は2003年1月から2004年1月までテレビ朝日系列で放映されていた、特撮ヒーロー・シリーズ「平成仮面ライダー」の4作目です。
前作『仮面ライダー龍騎』は13人のライダーが登場して互いに戦い合うという前代未聞の内容でした。本作では、ライダーと敵対する怪人であるオルフェノクのドラマも描かれます。
『仮面ライダー555』のあらすじ
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大別して2つのドラマが並行的に描かれているのが特長です。1つは九州を旅行していた園田真理が正体不明の怪物(オルフェノク)に襲われ、持っていたベルトでファイズに変身しようとしますが、失敗。たまたま、一緒にいた乾巧(半田健人)に無理矢理ベルトを装着し、ファイズに変身させると成功し、危機を逃れます。
一方、東京では交通事故で2年間も昏睡状態にあった木場勇治という青年が死亡します。ところが突然、死体安置所で蘇生し、病院を脱走するのです。
わけのわからぬまま、自宅へ行くと自宅はなくなり、恋人も自分を裏切り自分の従兄弟と交際していることを知ります。木場勇治はこれに絶望すると、異様な怪物(オルフェノク)に変身し、従兄弟と元恋人を殺してしまいます。
この裏には大企業スマートブレイン社の陰謀があったのですが……。
『仮面ライダー555』の登場人物とキャスト
乾巧/半田健人
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バイクで国内を気ままに一人旅をしていたが、偶然出会った園田真理に無理矢理ベルトを装着させられて以来、仮面ライダーファイズに変身するファイズギア(変身ベルト)の所有者となる18歳の青年です。
自分から進んで戦いに参加したわけではないので、悪とは何かについて悩み、ファイズギアの使用権を放棄したことさえありました。
性格は正直者で、したがって時として口の悪い無愛想な人と見えてしまうことがあります。
木場勇治/泉政行
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車を運転中に交通事故にあい、後部座席に同乗していた両親は即死、自身も2年間植物状態になった末、死亡します。その後突如、蘇生し、ホースオルフェノクに変身します。
人間ではなくなった自分の姿に苦悩しますが、同類と遭遇する中で、人間とオルフェノクとの共存を考えます。
オルフェノクと戦うファイズを敵と見なしますが、たまたま知り合った乾巧とは親交を結びます。性格は温厚ですが、敵対した相手は徹底的に攻撃します。
園田真理/芳賀優里亜
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幼少時に孤児となり、「流星塾」という孤児院で育ちます。「流星塾」の創設者で育ての親である花形から託されたファイズギアの謎を解くために、東京に向かう途中で乾巧と出会ったのです。
気の強い性格で、はっきりものを言いすぎるせいで時として誤解を受けることもあります。
菊池啓太郎/溝呂木賢
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「西洋洗濯舗 菊池」というクリーニング店を営む21歳の青年。九州で出会った乾巧、園田真理はここに住み込みで働きます。後に草加雅人もここに加わります。
情熱家の正義漢で、特にライダーに変身するわけではありませんが、オルフェノクにも立ち向かいます。
草加雅人/村上幸平
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園田真理と同じく「流星塾」出身者で、真理に好意を寄せています。オルフェノクを憎んでおり、主に真理を護るために仮面ライダーカイザに変身します。
性格は自信家かつ傲慢で、下手をすると嫌な奴と見られがちです。
長田結花/加藤美佳
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陸橋の階段から転落して死亡し、クレインオルフェノクとして蘇生した17歳の少女。生前は高校で陰湿ないじめを受けていたせいで、人間に対して激しい憎悪を抱いています。
海堂直也に想いを寄せていますが、海堂直也が園田真理に恋していることを知り、身を引きます。彼女の死がきっかけで木場勇治は人間を憎むようになるのです。
海堂直也/唐橋充
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スクィッドオルフェノクに襲われ死亡するものの、スネークオルフェノクとして蘇ります。その後、木場勇治や長田結花と行動をともにし、乾巧に代わってファイズに変身しさえします。
木場勇治が変節して、人類に敵対する側に回ったことに失望し、逆に人類を護ろうと決めます。
『仮面ライダー555』のバリエーションとガジェット
仮面ライダーとは?
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本作における仮面ライダーとはスマートブレイン社が開発した装置(ドライバーと呼ばれるベルト)によって強化スーツを装着した状態になっている人を指します。
もともとオルフェノクの王を護衛する戦士のために作られた装置だったのですが、園田真理の義父から真理へ、真理から乾巧の手へと渡っていき、結果的にオルフェノクを倒すために利用されることとなりました。
装着するものの身体にかかる負荷は非常に大きく、時として装着者を滅ぼしさえします。
仮面ライダーファイズとファイズギア
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変身の方法は専用フォンに3桁から4桁のコード(ファイズ通常モードの場合は「555」)を打ち込み、ベルトに差し込むことで、強化スーツが電送され全身を覆います。
ドライバーに様々なツールを装填して武器として使用することもできるのです。
ファイズはギリシャ文字のΦ(ファイ)を基にしたデザインになっていて、基本スペックは他のライダーよりも低いのですが、拡張性が高く安定しています。
仮面ライダーファイズ・アクセルフォーム
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腕時計に差し込まれているアクセルメモリーを使用して変身します。趙加速モードであらゆる動作を通常の千倍の早さで行うことができますが、最大で35秒しか使用できません。
35秒を過ぎると装着者は消滅してしまいます。
仮面ライダーファイズ・ブラスターフォーム
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ファイズの最強形態です。スーツケース型のファイズブラスターにファイズフォンを差し込んで変身します。
背部に背負っているジェット噴射で飛行することもでき、肩にあるキャノン砲で攻撃もできます。
仮面ライダーカイザ
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ギリシャ文字のX(カイ)をモチーフにデザインされています。変身コードは「913」。変身者はオルフェノクかオルフェノクの要素を持っているものに限られます。
しかし、適合者は非常に限られていて、不適合者は変身解除後に死亡します。草加雅人が主に変身していましたが、非常に負荷がかかるので、物語の終盤にそれがもとで身体が崩壊してしまいました。
仮面ライダーデルタ
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ギリシャ文字のΔ(デルタ)を模しています。変身コードは「333」。最大の特徴は胸部に付けられたデモンズスレートで、これにより装着者は攻撃的になります。
主な変身者は三原修二でほとんど唯一、変身しても凶暴化することがありませんでした。
人類の進化形?オルフェノク
オルフェノクとは
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本作に登場するいわば敵役であるオルフェノクとは、人類の進化した一形態であり、人間がいったん死に至り、その後オルフェノクとして覚醒する場合が多いです。
通常の外見は人間と変わりませんが、戦闘時などは動植物の特性をもった異形の姿に変身します。名称はギリシャ神話の「オルフェ」+旧約聖書の「エノク」から作られた造語です。
スマートブレイン社
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巨大な複合企業体「スマートブレイン」社の実態は、上級社員がすべてオルフェノクで、オルフェノクによる世界征服を企んでいる秘密結社なのです。
木場勇治、長田結花、海藤直也など、スマートブレインに従わないオルフェノクは即時抹殺しようとしますが、乾巧らファイズの活躍で阻止されています。また、彼らが装着するライダーズギヤを奪還しようとします。
ラッキークローバー
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オルフェノクの精鋭4人組。初期メンバーは琢磨逸郎(センチピードオルフェノク)、影山冴子(ロブスターオルフェノク)、ジェイ(クロコダイルオルフェノク)、北崎(ドラゴンオルフェノク)でした。
しかし、ジェイの死後はその空席をめぐって複数の候補者が現れ、その1人が綾野剛演じる澤田亜希(スパイダーオルフェノク)です。
また、終盤には実はオルフェノクだった乾巧が加わりさえします。
OPとイメージソング・キャラクターソング
OPの歌唱はISSAが担当
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『仮面ライダー555』の主題歌『Justiφ’s』を歌うのはDA PUMPのISSAで、これが彼の初シングルとなりました。「仮面ライダー」シリーズで主題歌を歌うのは主演俳優かアニソン歌手であるのが、通例でしたが、これ以降変わっていきます。
各登場人物のイメージソング・キャラクターソング
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主要登場人物の写真集『仮面ライダー555 フォトブック1~8』が発売されていて、シングルCDが付いています。乾巧と草加雅人以外は本人が歌っているキャラクターソングですが、本編ではほとんど未使用です。
【ネタバレ】スマートブレインの最期
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前述のように、乾巧は実はウルフオルフェノクとして覚醒しており、それ故ファイズに変身できたのです。このことで本人は悩み、ファイズギアを放棄したことさえありました。
一方、長田結花の死の責任が警察にあると誤解した木場勇治は、人類抹殺へと考えを変節させます。そしてスマートブレイン社の新社長に就任するのです。
多くの死亡者を出しながら決戦になるのですが、最終的に木場勇治は倒されますが、乾巧もオルフェノクとして遠からず消滅する運命にあることを自覚して、物語は幕を閉じます。