2019年9月27日更新

「バットマン vs スーパーマン」を全力で復習・考察 DC2大ヒーローが衝突した理由とは?

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
© Supplied by LMK/zetaimage

2016年公開のDC映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』。この記事では本作のあらすじやキャラクター設定などを復習するとともに、テーマを徹底考察していきます。

目次

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』とは?DC2大ヒーローが大激突

2016年に公開された『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』は、スーパーマンの活躍を描いた『マン・オブ・スティール』(2013)の続編に当たります。前作に引き続きザック・スナイダー監督がメガホンを取り、バットマンの実写映画「ダークナイト」3部作の監督であったクリストファー・ノーランが製作・原案に参加しました。 同じDCコミックのスーパーヒーローであるスーパーマンとバットマンが同一の世界に存在する、クロスオーバー作品。 つまり、スーパーマンが暮らす街メトロポリスとバットマンが活躍する街ゴッサムシティは隣接していて、その2人が対立したら……という設定です。

「ジャスティスの誕生」をより楽しむための前提を解説 『マン・オブ・スティール』さえ観ておけば大丈夫?

『マン・オブ・スティール』ヘンリー・カヴィル/スーパーマン
© Warner Bros.

「ジャスティスの誕生」の前に必ず観ておきたいのが、DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の第1作目『マン・オブ・スティール』です。DCEUは、スーパーマンをリブートした本作から始まりました。 「スーパーマン」映画は『マン・オブ・スティール』以前にも、1948年から4代にわたって8作品が製作されています。バットマンも同様に1943年から10作の映画が製作されていますが、「ジャスティスの誕生」に登場するバットマンもリブートされたキャラクターです。 「ジャスティスの誕生」はリブート作『マン・オブ・スティール』の続編であり、直接的なつながりがあるのは本作のみ。前作のラストでスーパーマンが地球を救うために出した被害によって人々の信頼を失い、続編でバットマンと対決することになるのです。

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『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』あらすじ

前作『マン・オブ・スティール』では、自身と同じクリプトン星人のゾッド将軍による人類滅亡計画を阻止し、地球を救ったスーパーマン。 しかしスーパーマンとゾッド将軍が大規模な市街戦を繰り広げたため、多くの市民が巻き添えとなりました。そのため超人的なパワーを持つスーパーマンを人類の敵とみなし、地球から追放すべきという世論が高まります。 保有するビルを破壊され、大切な社員が命を落とすのを目の当たりにした富豪ブルース・ウェイン(=バットマン)も、スーパーマンの存在と彼の謳う正義に疑問を持つ一人でした。

バットマンvsスーパーマン
© Warner Bros.

一方レックス・コープの社長であるレックス・ルーサーJr.は、インド洋から引き揚げられたクリプトナイトを独占。さらにゾッド将軍の死体と宇宙船を引き取り独自に研究をすすめた結果、クリプトナイトがクリプト星人の弱点であることを発見しました。 その動きから怪しい思惑を感じ取ったバットマンは、レックス・コープのパーティーに潜入。コンピュータからデータを盗み出し解析してみることにします。 とうとうスーパーマンの妥当性についての議会審問が開かれ、スーパーマンも姿を表します。しかし議会の最中に爆破テロが発生し、多数の死傷者が。自責の念に苛まれたスーパーマンは、人々の前から姿を消し世界を放浪します。 その様子を見たバットマンは、スーパーマンの脅威を確信。レックス・コープから奪ったクリプトナイトを使用した特製のスーツと槍を用意し、スーパーマンとの戦いに備えます。 レックスは、スーパーマンの育ての母マーサを誘拐。マーサを返してほしければバットマンを殺すよう、スーパーマンを脅迫します。 スーパーマンとバットマン。互いに誤解を抱えたまま、ヒーロー同士の世紀の対決の火蓋は切って落とされたのです……。

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ブルース・ウェイン/バットマンを演じるのはベン・アフレック

ベン・アフレック
©︎Adriana M. Barraza/WENN.com

幼少時に目の前で両親を殺されたことから、正義に目覚めバットマンとして活躍するブルース・ウェイン。 本作では、大企業ウェイン産業を経営する大富豪としての表の顔と、犯罪者に容赦なく焼印を押し付け制裁を加える裏の顔との対比が鮮明に描かれています。 演じるのは『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)や『アルゴ』(2012)『ゴーン・ガール』(2014)などで知られるベン・アフレック。 俳優としてだけでなく。脚本家や監督としてマルチな才能を発揮するベンは、バットマンというキャラクターの複雑な人間性を表現しています。

スーパーマンを演じるのはヘンリー・カヴィル

ヘンリー・カヴィル
©Graham Whitby Boot

惑星クリプトンから地球に送られ、人間の夫婦によって育てられたクリプトン星人のスーパーマン。前作でゾッド将軍との戦いに勝利した以後は、18か月間世界を飛び回りヒーロー活動を続けていました。 一方で戦いの巻き添えとして家族を失った人々からは「偽りの神」と非難されることも。異星人の彼を危険な存在とみなし、地球から追放しようという声も高まっています。 演じるヘンリー・カヴィルは、前作『マン・オブ・スティール』からの続投。本作では、自らが地球に送り込まれ、人類に危機をもたらすことに苦悩する、ナイーブなスーパーヒーローを熱演します。

『ジャスティス・リーグ』に繋がる、“メタヒューマン”とは?

ジャスティス・リーグ
Supplied by LMK

バットマンことブルース・ウェインが、レックス・コープのコンピューターから盗み出したデータを解析すると、そこには「メタヒューマン」に関する調査映像が。 スーパーマン以外にも、超人的な能力を持つメタヒューマンたちが地球上には存在するようです。 超高速で移動し強盗を撃退するフラッシュことバリー・アレン、海底で暮らしジェットスピードで泳ぐアクアマンことアーサー・カリー、科学者の父親により機械の肉体を得て蘇生したサイボーグことヴィクター・ストーン。そして、100年前の白黒写真に写るワンダーウーマンことダイアナ・プリンス。 彼らは一体何者なのか? その能力は人類の脅威となり得るのか、それとも正義のために活かされるのか……?

ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン:ガル・ガドット

ガル・ガドット ワンダーウーマン
©WARNER BROS

『ワイルド・スピード MAX』などでお馴染み、イスラエル出身のガル・ガドットがワンダーウーマンを務めます。 原作では、先の二人が属するヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」の中心人物の一人です。女性だけのアマゾン族の王女であり、強靭的なパワーを持っています。 本作では、ブルースがあるモノを手に入れようとしている先で、ダイアナとして登場。どうやら実生活は謎に包まれたセレブ感のある女性で、レックスの陰謀を追っているようです。しかし、ブルースによって、遥か昔より生きていたことが判明し……。

アーサー・カリー/アクアマン:ジェイソン・モモア

アクアマン
© Warner Bros.

アクアマンは海底都市アトランティスの王。彼は海底人ですが水陸両棲であり、またテレパシー能力もあるとか。原作では彼も「ジャスティスリーグ」のメンバーです。 海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でブレイクしたジェイソン・モモアが演じます。

バリー・アレン/ザ・フラッシュ:エズラ・ミラー

エズラ・ミラー
Justin Ng/Landmark Media.

ザ・フラッシュは地上最速のヒーローで武器は自慢のスピード。「ジャスティス・リーグ」のメンバーでもあります。 海外ドラマ化もされているヒーロー、ザ・フラッシュに抜擢されたのはエズラ・ミラー。青春映画『ウォールフラワー』ではエマ・ワトソン演じるサムの兄であるパトリックを演じ、メインキャストを務めました。

サイボーグ:レイ・フィッシャー

日本ではあまり知名度はないですが、ジャスティスリーグの主要メンバーサイボーグも登場します。彼も同じく単独映画が決まっており、キャストは新人俳優レイ・フィッシャーが大抜擢。

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その他のキャスト・キャラクターを紹介

レックス・ルーサーJr.:ジェシー・アイゼンバーグ

スーパーマンの宿敵として原作ファンにはおなじみのヴィラン、レックス・ルーサー。 巨大企業レックス・コープを一代で築き上げた敏腕経営者であり天才科学者。非常に高いIQの持ち主で、財力と科学力を駆使して世界征服を企みます。 本作のレックス・ルーサーJr.は、レックス・ルーサーの息子でレックス・コープの若き二代目経営者という設定です。父親譲りの高い知能と狂気を併せ持った危険な存在のJr.。スーパーマンとバットマンを対決させ、両者共倒れとなるよう裏で糸を引きます。 演じるのは、『ソーシャル・ネットワーク』(2010)でFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグを演じたことで知られるジェシー・アイゼンバーグです。

ロイス・レイン:エイミー・アダムス

エイミー・アダムス (z)
©️WENN.com

エイミー・アダムスが、前作に引き続き、クラークの恋人役で出演。勇敢な性格で、クラークのよき理解者。エイミー・アダムスは『ザ・マスター』、『アメリカン・ハッスル』で知られる実力派女優です。

ペリー・ホワイト:ローレンス・フィッシュバーン

ローレンス・フィッシュバーン
©Adriana M. Barraza/WENN.com

ロイスやクラークが働くデイリープラネットの編集長ペリー・ホワイトをローレンス・フィッシュバーンが演じます。

アルフレッド・ペニワース:ジェレミー・アイアンズ

ジェレミー・アイアンズ
©Paradisi Alessia/Sipa USA USA/Newscom/Zeta Image

ブルース・ウェインの執事アルフレッドは『戦慄の絆』のジェレミー・アイアンズが演じます。

マーサ・ケント-ダイアン・レイン

ダイアン・レイン
©︎atricia Schlein/WENN.com

クラーク・ケントの義母であるマーサも前作に引き続きダイアン・レインが担当。実の子ではないクラークをわが子のように育てました。

ゾッド将軍:マイケル・シャノン

前作『マン・オブ・スティール』で悪役としてスーパーマンと戦ったゾッド将軍も本作に出演。前作に引き続き、マイケル・シャノンが演じています。

本作でのワンダーウーマンの写真とセリフに要注目!

ブルース・ウェインがレックス・コープのパーティーで出会ったミステリアスな女性、ダイアナ・プリンス。古物商ディーラーをしているセレブな女性ですが、彼女もレックス・ルーサーJr.に不信感を抱いている様子です。 やがてダイアナがメタヒューマンであることを知り、驚愕するバットマン。メールで彼女を問い詰めます。 正体を知られたダイアナは、長年封印していたパワーを再び使い、人類を守るために戦う決意をします。レックスが解き放った怪物ドゥームズデイと死闘を繰り広げるスーパーマンとバットマンの前に、強力な助っ人ワンダーウーマンとして姿をあらわしたのです。 スーパーマンと肩を並べるほどの超人的なパワーの持ち主ワンダーウーマンの活躍は、本作の見所の一つです。もしも彼女が、ワンダーウーマンとして再び戦う決意をしなかったら、人類は確実に滅亡していたとも言えるでしょう。

ワンダーウーマン
Prod DB © Warner Bros/zetaimage

それにしても気になるのは、バットマンがダイアナの正体を知るきっかけになった写真。これから『ワンダーウーマン』を鑑賞する皆さんは、この写真をよく覚えておいてください! 1919年にベルギーで撮影されたという、ワンダーウーマンと4人の男性が写った白黒写真は、『ワンダーウーマン』のストーリーの重要なキーでもあるからです。 彼女は一体何者でいつから生きているのか?この写真は誰が何のために撮ったのか? 男性たちは誰なのか? すべての謎は、映画『ワンダーウーマン』で明かされます。 また本作の終盤でジャスティス・リーグ結成を決意するバットマンに対し、ダイアナは「メタヒューマンの誰もが、正義のために戦いたいと考えているかはわからない。」と語ります。 『ワンダーウーマン』では、彼女にそう言わせてしまうきっかけとなった出来事が描かれています。

【『バットマンvsスーパーマン』考察】二つの「正義」が真っ向から対立するストーリー

幼いころに目の前で両親を殺されたことから、バットマンとしてゴッサムシティの治安維持に貢献してきたブルース・ウェイン。正義感が人一倍強い彼は、スーパーマンの市街戦に巻き込まれた市民たちの悲痛な叫びを無視することができません。 名もなき市民の犠牲の上に成り立つ正義と平和に疑問を抱いた彼は、ことの元凶は異星人のスーパーマンにあると考えるようになります。 一方、スーパーマンこと新聞記者クラーク・ケントは、独断で犯罪者を裁き私刑を加えるバットマンのやり方に疑問を投げかけます。犯罪者であってもそこに至るまでの理由があり、更生のチャンスが与えられるべき。バットマンのやり方は、更なる憎しみを生むだけで独善的だと批判します。 こうして両者の「正義」は真っ向から対立し、ヒーローとしての意地とプライドを掛けた世紀の対決が勃発します。 しかし二人のどちらもが、世界平和を願い困っている人間を助けたいと考えているのも事実。どちらがより「正しい」かなんて測れるものではありません。 超人的パワーを持つスーパーマンも、素顔は恋人や育ての親を愛する優しい青年です。また、容赦なく犯罪者をこらしめるバットマンも、従業員思いで責任感のある経営者なのです。 対決の最中にそのことに気づいた両者は、協力して人類の敵に立ち向かう決断をします。私たちが、その姿から学ぶことは多いのではないでしょうか?

「バットマンvsスーパーマン」をより楽しめるトリビアを紹介

クレオン・ピーターソンの「バランス・オブ・テラー」

レックス・ルーサーJr.が主催するパーティ会場に飾られている絵画「バランス・オブ・テラー」は、アーティストのクレオン・ピーターソンの作品。白と黒の人々が争っている様子が描かれ、黒い人々は白い人々を制圧しているように見えます。 この作品はスーパーマンとバットマンがお互いに抱える葛藤を暗示するために配置されていると思われます。タイトルは「恐怖のバランス」で、“terror”にはテロという意味も。力を持つ者が常にそれを善のものとして行使できるのか、という本作のテーマを表しているようです。

ドゥームズデイの設定の違い

『マン・オブ・スティール』でスーパーマンが倒したゾッド将軍の死体を引き取り、「ドゥームズデイ」というモンスターを造り出したレックス・ルーサーJr.。「ジャスティスの誕生」では、このドゥームズデイがスーパーマンと戦うことになります。 原作のコミック同様スーパーマンは身を呈してドゥームズデイと相討ち、地球を救うのですが、コミック版ではドゥームズデイは異星人が遺伝子操作で造った人口生命体。「ジャスティスの誕生」ではレックスがゾッド将軍の体と自分の遺伝的物質を合わせて生成しています。

バットマンの悪夢とダークサイド

バットマンが見る悪夢の中に、トレンチコートを着たバットマンが登場します。Sマークを付けた軍隊に捕らわれているバットマンは悪夢を見た本人なのでしょうか? Sマークが示すのはスーパーマンの軍隊で、「ジャスティスの誕生」で敵対しているバットマンがその軍隊に襲われる未来を見ているという解釈もできます。しかしよく見ると、背後に空飛ぶモンスターが。これはどうやら、スーパーマンの宇宙での敵「ダークサイド」の兵士「パラデーモン」のようです。 ということは、この夢はダークサイドが地球に襲来しするという予知夢なのでしょうか。このシーンの最初には地面にダークサイドのシンボルである「Ω (オメガ)」のマークも見えます。 また、ダークサイドの襲来を警告するかのように、レックスが映画の最後で「He’s coming (彼がやって来る)」とほのめかしてもいました。果たしてこれらダークサイドの伏線が回収される日は来るのでしょうか。

「バットマン vs スーパーマン」で2大ヒーローの激突を見逃すな!

「ジャスティスの誕生」以降、DCEU作品が次々と公開され、今後もメタヒューマンたちの単独映画の製作も続々と明らかになってきています。2017年には世界的ヒットを記録した『ワンダーウーマン』と「ジャスティスの誕生」続編『ジャスティス・リーグ』も公開されました。 2019年にはアクアマンの単独映画『アクアマン』も公開され大ヒット!今後もワンダーウーマンの続編やバットマンの単独映画なども控え、まだまだDCEUは始まったばかり。マーベルのMCUのように、長く愛されるユニバースになることを期待しています。

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