2017年9月19日更新

『サザエさん』の波平役で知られた声優・永井一郎の魅力に迫る!

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中年や老齢男性役に欠かせない声優界のバイプレイヤー・永井一郎

1931年5月に大阪府に生まれた永井一郎は、大学時代から演劇活動を始め、卒業後に役者を志して上京し、広告代理店に勤務しながら俳優養成所に通いました。その後、俳優の愛川欽也たちが結成した「劇団三期会」に参加します。 この劇団三期会が、当時日本で放映されていたアメリカのテレビドラマ『スーパーマン』で声の吹き替えの仕事をしていたことから、永井もその流れで吹き替えを務めるようになります。以降、洋画やアニメに登場する中年や老人男性の声の出演に欠かせない存在となり、次第に声優界のバイプレイヤー的存在となりました。 その後も精力的に活躍するも、2014年1月27日に82歳で惜しまれつつ亡くなっています。

『サザエさん』の磯野波平役を死去する直前まで担当

永井一郎が演じたキャラクターで最も有名と思われるのが、『サザエさん』の磯野波平でしょう。磯野家の家長として厳しいガンコ親父としての面もありつつ、時々妻のフネにたしなめられたり、孫のタラオには甘かったりといったギャップがお茶の間に親しまれました。 永井は波平役をアニメ放送開始の1969年10月から、2014年1月に亡くなる直前まで担当しました。なお、波平役の後任としては、『名探偵コナン』の目暮警部役で知られる茶風林が担当しています。

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『機動戦士ガンダム』ではナレーション&声優にと大活躍

その耳触りの良い声質から、永井はナレーションも多く担当しています。代表的なのが1979年放送の『機動戦士ガンダム』でしょう。落ち着いた口調で淡々と語られる永井のナレーションは、ガンダムの重厚な世界観の補足説明を果たすのに最適でした。 その一方で、ジオン公国公王のデギン・ソド・ザビやモビルスーツパイロットのマッシュといった劇中キャラクターの声もいくつか兼任しています。ほかにナレーションと声優を兼任している作品としては、『無敵超人ザンボット3』、テレビアニメ版『はいからさんが通る』などがあります。

多くの名作でメンター役を担当した永井一郎

永井はその声質から、アニメ作品や映画の吹き替えおいて指示や助言を与える、いわゆるメンター(指導者)的な役どころを数多くこなしました。悩める主人公に助言を支えるポジションのキャラクターを演じるのに最適な人物の代表格として、幅広く活躍しました。

ヨーダ(「スター・ウォーズ」シリーズ)

SF映画の金字塔とされる「スター・ウォーズ」シリーズに登場する、ジェダイ・マスターのヨーダ。ジェダイとしての在り方を説き、後進の育成に当たりました。 永井はこのヨーダを、映画版のエピソード1から3までのプリクエルからテレビアニメシリーズの『クローン・ウォーズ』まで長らく担当。落ち着きつつも力強さを兼ね揃えた、ヨーダというキャラクターを表現するのに十分すぎるほどの功績を残しました。

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アルバス・ダンブルドア(「ハリー・ポッター」シリーズ)

J・K・ローリングのファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの実写映画版において、主人公ハリー・ポッターの母校ホグワーツ魔法魔術学校の校長を務めるダンブルドア。この人物の吹き替えも永井が担当しました。 最も偉大な魔法使いとして大きな尊敬を集め、ハリーの宿敵ヴォルデモートが唯一恐れる人物としても知られたダンブルドア。ハリーに進むべき道を指南する恩師を、永井は人間味あふれる声で見事に演じています。

カリン様・鶴仙人(『ドラゴンボール』)

言わずと知れた国民的マンガ『ドラゴンボール』のアニメ版においても、永井は主人公の孫悟空の師匠的存在となるカリン様を演じています。ちなみに、アニメ版『ドラゴンボールZ』を再構成した『ドラゴンボール改』の2014年5月25日放送分にも登場していますが、これは同年1月に永井が亡くなる以前に収録していた音源を使用しています。 また、この作品で永井は悪側の先生となる鶴仙人も過去に演じていたことからも、やはりメンター的な役どころに定評があると断言して差し支えないでょう。

永井一郎は『未来少年コナン』、『ワンピース』ではコミカルなキャラクターも!

メンターとしての役も多かった半面、永井はユニークでありつつも気概の強いキャラクターも得意としていました。例えば『未来少年コナン』では、コミカルながら主人公コナンと共に、敵の野望を阻止しようと奮闘するダイス船長を魅力たっぷりに演じました。 また、『ONE PIECE』の劇場版『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』では、悪徳船長の言いなりになりつつも密かに反逆を狙る老人ビエラを演じています。

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『銀魂』では永井一郎本人もアニメ出演していた!?

永井一郎本人がアニメに登場したこともあります。それは、パロディネタを盛り込むことでも知られる『銀魂』の189話の前編において、「永井」という名の攘夷戦争の元従軍記者として、永井自身が声を当てています。 余談ですがこの回は『機動戦士ガンダム』のパロディ要素も含んでおり、永井を訪ねるジャーナリストの古川市電の声を、『ガンダム』でカイ・シデンを演じた古川登志夫が担当しています。

声優の待遇改善にも大きく貢献!

アニメや吹き替えの世界で大きな影響を与えてきた永井一郎ですが、過去に声優の地位向上を世間に訴えたこともあります。 一部雑誌で、自身の年収が164万円程度であることを公表し、同志の声優たちと共に声の仕事をした作品の二次使用料を求める訴訟を起こしています。その結果、2004年に見事勝訴し声優としての正当な報酬を獲得することとなりました。 現在では声優に対する世間の注目度は以前よりも高まっていると言えます。しかしながら、テレビ放送開始の黎明期から声優として携わってきた永井一郎もまた、その一因を担ってきたのは間違いないでしょう。