2019年11月8日更新

【ネタバレ】新作「ターミネーター6/ニューフェイト」解説 受け継がれた「T2」のDNAと“新たな運命”とは

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第6弾『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)徹底解説 【ネタバレ注意】

シリーズ最新作となる6作目『ターミネーター:ニュー・フェイト』が2019年11月8日に公開。本作はシリーズでも傑作と名高い『ターミネーター2』の正当な続編とされています。 そこで本記事では、「ニュー・フェイト」が一体「T2」とどの程度繋がっているのかや、映画内のトリビアをネタバレありで解説!あらすじやキャスト情報も紹介します。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』あらすじ&時系列を整理

ターミネーター ニューフェイト
©2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

本作はサラ・コナーとT-800がジョン・コナーを守り抜いた「T2」から22年後が舞台となっています。 メキシコシティに住むダニー・ラモスは弟と父親と平和に暮らしていました。しかしその日常を脅かす、見慣れた稲光が2つ……。突如命を狙われるダニーの前に、彼女を守ろうとする謎の女性が現れます。 彼女を襲うのは、未来から送り込まれたターミネーター REV-9。最新型のターミネーターは、以前現れたT-800の頑強な内骨格と、T-1000の自在に変化できる液体金属の皮膚を兼ね備えていました。 同じく未来からやってきたのは、強化人間のグレース。彼女はダニーを守りながら、REV-9からの逃走を図ります。 恐ろしい性能を持つREV-9から必死で逃げ切ろうとする中、1人の女性が現れます。彼女こそサラ・コナーでした。銃火器を使いこなすサラは、REV-9を遠ざけてみせます。 なにが起きているのかグレースに尋ねるサラ。新たに現れたターミネーターとグレースは何者なのか、未来でなにが起きたのか。グレースの口から驚愕の真実が語られます。 果たしてREV-9の脅威を退けることはできるのでしょうか。彼女たちを待ち受ける新たな運命とはーー。

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「ニューフェイト」解説 受け継がれた「T2」のDNAと“新たな運命”とは【ネタバレ注意】

T2との関連性、そして 新たなT-800の正体とは?

リンダ・ハミルトン『ターミネーター:ニュー・フェイト』
© 20TH CENTURY FOX/PARAMOUNT PICTURES/zetaimage

本作は『ターミネーター2』の正当続編と謳われている通り、しっかりと「T1」と「T2」の要素が盛り込まれています。ここからは本作の重大なネタバレとなっているため、ご注意ください。

本編が開始してすぐに、T-1000の脅威を退けた「T2」直後の出来事が語られます。穏やかに過ごすサラとジョン。そこに現れたのは、新たに未来から送り込まれてきたT-800でした。突然の襲撃にサラの手も届かず、ジョンは凶弾に倒れます。その後幾度か送り込まれたターミネーターと戦いながら、彼女は失意の22年間を過ごしていました。 22年後に現れたのは新たなターミネーター、REV-9。しかもグレースの話から、サイバー・ダイン社が開発したAIのスカイネットによるものではないということがわかります。グレースはスカイネットもジョン・コナーも知りませんでした。つまり「T2」でのサラたちによって、スカイネットが支配する未来は回避されていました。しかし再び「審判の日」は訪れてしまい、現在の未来は新たな人工知能「リージョン」によって支配されていたのでした。 そして狙われているのは、ダニー・ラモス。当初は「T1」の時と同じように、彼女がレジスタンスを導く者の母親となるため、ターゲットにされたと思われていました。しかし実際は彼女自身がレジスタンスのリーダーとなることが判明。つまり「T1」のサラではなく、「T2」のジョンと同じ立場だったのです。 そして本作に登場したT-800は、「T2」で焼却炉に消えたT-800ではありません。前述したジョンを殺したT-800が、22年の時を経た姿。彼は22年間人間として生きていたのです。今ではカーテン屋を営みながら、奥さんと息子(連れ子)と共に山奥で静かに暮らしていました。 カールと名乗るようになった彼は、ジョンを殺したことを悔いており、ターミネーターが現れる度にその出現をサラに暗号化したメールで伝えていたのです。メールには必ず「for John(ジョンのために)」と添えて。 心を学んだ彼は家族への愛を抱いていましたが、REV-9を倒すために戦うことを決意。家族に「I won't be back(もう戻らない)」と伝えていました。

「ニュー・フェイト」で待ち受ける驚愕のラストとは?

気になるラストも解説。T-800やサラ・コナーの運命や如何に。 また長きにわたってシリーズが続いた「ターミネーター」ですが、今後続編が製作されることはあるのでしょうか。本作の終わり方から予想します。

T-800と合流し、REV-9を迎え撃とうとする一行。一度作戦が失敗し絶体絶命のピンチに陥るも、救世主としての片鱗を見せ始めたダニーの一声もあり、決着を付けるべく奮起します。 グレースは強化された人間のため、身体の一部が機械。瞬発力を上げるために多数の薬品を投与されており、長く戦うことができません。それでも未来で自分を救ってくれたダニーを守るために命を懸けて戦います。 物理的な攻撃ではREV-9を倒すことは難しいと考えたグレースは、ダニーに自分の動力源のエネルギーを打ち込むことで破壊することを提案。しかしそれは彼女の命を引き換えにするものでした。涙を流しながら動力源を抜き取りますが、弱っているもののダニー1人の力では敵いません。そこにT-800が協力し、REV-9の顔面へ打ち込むことに成功します。 エネルギーを迸らせながら崩壊していくREV-9と、共に身体が壊れていくT-800。「for John(ジョンのために)」と言い残し、彼も命を落としました。 2人の犠牲を払い、なんとかREV-9を倒すことができました。最後はまだ少女のグレースが家族と公園で遊んでいる様子を眺めていたサラとダニーが、ジープで走り去って幕を閉じます。 今回の一件は解決しましたが、まだ未来を回避できたわけではなく、「リージョン」についてもまだ判然としませんでした。もしかすると、また新たな物語が描かれるかもしれませんね。

REV-9の秘密とは?「ニューフェイト」のトリビアを紹介

REV-9の秘密

本作で恐ろしい敵として立ちはだかるターミネーターREV-9。彼には様々な機能が備わっています。 彼は内側の金属炭素の骨格と外側の液体金属を分離して、2体で行動することもできます。さらに「T2」のT-1000と同じように、液体金属を変化させ、触れた相手への変身が可能。この時相手は必ず殺されてしまいます。 またこれもT-1000と同じく、液体金属を鋭い刃のように変化できますが、これには条件があるとのこと。スタントコーディネーターのブーシ―キーズによると、この刃の長さには限界があり、刃を形作るには身体の他の箇所からその分の体積を引き出さなければならないのだそうです。このように敢えて限界を設定することで、彼はより魅力的な存在となっています。 そしてREV-9最大の恐ろしさは、人間の感情を真似ること。AIは人間のことを熟知しているため、短絡的な方法ではなく、ずる賢く狡猾にダニーに近づくのです。実際に彼はあだ名に順応したり、ジョークを言ったりと人間に溶け込む行動を取っています。 REV-9を演じたガブリエル・ルナは、彼は人間よりももっと人間らしくなければならないと語っています。彼はそれによって生まれる違和感の演出として、演じている間はずっとまばたきをしなかったのだとか。また大きく呼吸してしまいそうなシーンは胸の上下を抑えるといった工夫で、人間の姿をしたターミネーターを表現したのです。

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カーテン屋の電話番号

『ターミネーター:ニュー・フェイト』
© 20TH CENTURY FOX/PARAMOUNT PICTURES/zetaimage

カールことT-800は、人間として生活する上で、「カールのカーテン屋」を営んでいます。劇中でそのカーテン屋の車が登場しますが、そこには店名の下に電話番号が記されていました。 その番号は、「888-512-1984」。この数字を見てピンとくる方はいるでしょうか?1作目で、サラを守るために未来から来たカイル・リースのセリフを思い出してみましょう。彼はタイムトラベルが成功したかを確認するため、ホームレスの男性に年号と日付を尋ねます。 カイル・リースが現れた運命の日こそが、1984年の5月12日なのです。 ちなみに888はフリーダイヤルの番号ですが、ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』では、T-888というターミネーターが登場します。

出演キャスト&キャラクター一覧 シュワちゃんが“アイル・ビー・バック”!

アーノルド・シュワルツェネッガー/ターミネーター(T-800)役

T-800を演じるのは、やはりアーノルド・シュワルツェネッガーです。本作の彼は「T2」の頃とは違い、老いた姿で登場。 アーノルド・シュワルツェネッガーは、本作でT-800を演じるのは最後と発言しています。毎回最後というつもりで参加しているとのことでしたが、今後シリーズが続いた際には一体どうなるのでしょうか。

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リンダ・ハミルトン/サラ・コナー役

第1作目、第2作目と大きな役割を担ったサラ・コナーが『ターミネーター:ニュー・フェイト』でカムバックしました。演じるのはもちろんリンダ・ハミルトン。撮影現場では「T2」当時と同様に腕立て伏せや懸垂を重ねてシュワルツェネッガーをも驚かせたとか。 3作目以降の作品には出演していなかった彼女ですが、「この脚本、ストーリー、キャスト、監督だったから、私はこのシリーズに戻ってきた」とコメント。歴戦の戦士となった彼女はダニーを助けます。

マッケンジー・デイヴィス/グレース役

『オデッセイ』(2015)や『ブレードランナー 2049』(2017)で注目を集めた女優、マッケンジー・デイヴィスがグレース役で出演。 レジスタンスの「強化人間」である彼女は、ダニーを守る命令を受けて未来からやってきます。一部が機械化されている彼女は、複数の薬品が投与されており、その影響で短い時間しかターミネーターと戦うことができません。

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ガブリエル・ルナ/ターミネーター(REV-9)役

本作のヴィランの新ターミネーター(REV-9)役には、ガブリエル・ルナがキャスティングされました。REV-9は最新型のターミネーター、サラたちを驚異の性能で追い込みます。 演じるルナは、マーベルのドラマ『エージェント・オブ・シールド』のゴーストライダー役などで知られる大注目の俳優です。

ナタリア・レイエス/ダニー・ラモス役

コロンビア出身の女優ナタリア・レイエス。9歳の頃から演技を始めた彼女は、コロンビアのドラマや映画に多く出演しています。今回「ニュー・フェイト」で新たなヒロインに抜擢されました。 メキシコシティで平凡な暮らしをしていたダニーは、突如としてターミネーターに狙われることになります。

ディエゴ・ボネータ/ディエゴ・ラモス役

レイエスが演じるダニーの弟を演じるのは、米映画サイトTC Cndlerの「世界で最もハンサムな顔100人」の2015年版で第1位に輝いたディエゴ・ボネータです。 ボネータは『新・ビバリーヒルズ青春白書』や『プリティ・リトル・ライアーズ』などのテレビシリーズへの出演のほか、映画『ロック・オブ・エイジズ』(2012)でロックスターを目指す好青年を演じたことでも知られています。 そんなボネータが演じるのは、レイエス演じるダニー・ラモスの弟ディエゴ。SNSを通じて有名人になりたいようです。

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監督は『デッドプール』のティム・ミラー!さらにジェームズ・キャメロンがシリーズに復帰

ティム・ミラー
©PictureGroup/Sipa USA/Newscom/Zeta Image

本作の監督は『デッドプール』(2016)を大ヒットに導いたティム・ミラーが務めています。 『デッドプール』で長編映画監督デビューを果たしたティム・ミラーは当時50歳と監督としては遅咲きですが、2002年ごろからさまざまな作品で脚本や製作、短編映画の監督などを務めてきた実績の持ち主。 ミラーは本作についてCinemaConで「この作品はジム(・キャメロン)の代表的なヒット作の正当な続編となる。ほとばしる情熱をスクリーンから感じるだろう」と自信を覗かせました。

ジェームズ・キャメロン
©︎Ian Wilson/WENN.com

大ヒットシリーズの生みの親でありながら、「T2」以降の作品に直接関わってこなかったジェームズ・キャメロンがついにシリーズに復帰しました。 自身が製作、脚本、監督、を務めた「T2」の正当な続編ということで、キャメロンは製作総指揮を担当。世界中のファンから大きな期待が寄せられています。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』はシリーズファンも納得する「T2」の正当な続編だった!

サラ・コナー役のリンダ・ハミルトン、そしてジェームズ・キャメロンがカムバックし、ヒットメーカーであるティム・ミラーが監督を務める『ターミネーター:ニュー・フェイト』。シリーズでも高い人気を誇る『ターミネーター2』の正当な続編ということで、ファンの期待に応える内容となっています。 今後の「ターミネーター」がどうなるのか、シリーズの動向に目が離せません。