『隣の家族は青く見える』視聴者の心を掴んだその魅力とは【低視聴率なのがもったいない】

2018年10月9日更新

妊活や同性カップル、子供を持つか持たないか、といったデリケートな問題を扱ったドラマ『隣の家族は青く見える』。多くの人が共感した本ドラマの魅力について、登場したキャラクターと共にご紹介します。

2018年冬ドラマとして放送された『隣の家族は青く見える』

『隣の家族は青く見える』は、2018年1月18日から3月22日までフジテレビの木曜劇場の枠で放送されたドラマです。 入居者たちが組合を結成し、土地の取得から設計まですべてを自分たちで行う新しい形の住まい、コーポラディハウスが舞台。そこには4組のカップルがおり、妊活に励む夫婦、子供を望まないカップル、夫の失業により夫婦仲の悪い家庭、男性同士のカップル、と事情も様々です。 妊活や同性愛といったデリケートなテーマを扱いつつも、ハートフルなヒューマンドラマとなった本作品。その魅力は一体何だったのでしょうか。

不妊治療の現実を描いたドラマ「となかぞ」に多くの反響

このドラマでは主役である五十嵐夫婦が妊活を行うことがメインテーマ。ドラマの中では不妊治療の辛さや大変さなど、リアルな現場が描かれています。 その中には、妻が治療の薬のせいで苛々したり、倒れてしまうといった身体的な苦労、治療が上手く行かない度に悲しい思いをするという精神的な辛さなどが描かれます。身内に子供が出来ても素直に喜べなかったり、子連れの家族を見て寂しい思いをする妻など、見ていて切なくなるシーンも多数。 また、費用について「タイミング法で保険が利いても93,972円かかった」というシーンや、35歳未満ではないと助成金が受けられない制度が紹介されており、金銭面での厳しさも分かります。 このように不妊のリアルを丁寧に描いたことから、幅広い世代に不妊治療の現実の理解を深めました。また実際に治療にあたった視聴者からは、共感のあまり泣いてしまったなどの声も多く寄せられたのです。

『隣の家族は青く見える』の主役は妊活に前向きな五十嵐夫婦

不妊治療を行うのは主役の五十嵐夫婦です。夫・大器(だいき)を松山ケンイチが、妻・奈々を深田恭子が演じました。この2人はとても仲が良く、互いを尊重しあっており、彼らの微笑ましい姿はドラマの大きな魅力となりました。 奈々の治療に対する前向きで健気な姿には「励まされた」「応援したくなった」という視聴者も。一方で妻を支える大器は、常に奈々のことを気に掛けており「夫の包容力に感動した」という声が多数。 デリケートなテーマを扱っていたにもかかわらず、ドラマが重くなりすぎずハートフルな仕上がりとなったのは、この仲良し夫婦の温かさがあったからでしょう。

バツイチ亮司と杉崎ちひろカップルは子供が欲しくない派

五十嵐夫婦が子供を望む一方で、亮司とちひろカップルは子供を望まないカップルです。特にちひろは子供時代に自分が辛い思いをしたことを理由に、子供を持たないというスタンスを貫いています。 反対に、同じコーポラティブハウスに住み子供こそ宝だと信じる小宮山深雪から子作りを勧められるシーンがあるのですが、そこでちひろは「子供を持つ、持たないは権利であって、義務じゃないんです!」と言い返します。価値観を押し付けないで、とちひろが訴える印象的なシーンです。 しかし亮司には元妻との間に1人息子・亮太がおり、元妻が事故で突然の他界。亮太を引き取ることで、ちひろは望まずして母になることに。ちひろの母親ぶりは意外に板についていて、息子を理解しようと距離を縮めながらもしっかり叱る強いお母さんとなりました。

小宮山夫婦は理想の幸せにすがる妻と失業中の夫の組み合わせ

ちひろに子作りを勧めた妻・深雪と失業中の夫・真一郎は2人の娘を持つ夫婦です。深雪は子供に多くの愛情を注ぎ大切に育てているのですが「理想の家族はこうあるべき」という思いの強い人物。娘や夫にもそれを押し付けてしまいます。 深雪は夫が失業中であることも恥と思い、夫に厳しく当たるためにこの夫婦はいつもギクシャク。また、SNSに「近所の奥様とランチ会」という嘘の写真をアップして幸せを演じるなど、理想の家庭に固執します。 深雪は自分以外の価値観を上手く受け入れらず、子供を持たないスタンスのちひろやゲイである渉と朔についても否定的。「人との違いを受け入れられない」というテーマを尊重するとして、深雪はドラマの中で重要な存在となっています。

保守的な渉と自分を隠さない朔が対称的なゲイカップル「わたさく」

コーポラティブハウスには同性愛のカップルも住んでいます。それが建築士の広瀬渉(わたる)とバーテンダー、青木朔(さく)の2人。渉が自分がゲイであることを隠しながら生きる一方、朔は「自分を偽りたくない」と自分がゲイであることを隠してはいません。 作中では小宮山家の妻・深雪が2人に対して「男同士なんて普通じゃない」と言います。渉の母も息子がゲイだと受け入れられず、母と息子がギクシャクするシーンも。思わず「普通」とは一体何なのか、というのを考えさせらます。 しかし、互いのことを大切に思う2人が仲良くしている姿はとても微笑ましく、ファンはとても好意的に見ている様子。彼らのことを親しみを込めて「わたさく」と呼んでいます。

主題歌はMr.Children 「here comes my love」

本ドラマの主題歌はMr.Childrenの「here comes my love」という曲です。しっとりとしたバラード曲で、最後のシーンに重ねて流れることでドラマの雰囲気をぐっと盛り上げています。 また不妊治療の際、うまく行かなかった場合にやり直すことを「リセット」と呼んでいるのですが、冒頭の歌詞がその内容と非常にマッチしており、リセットの回は泣けてしまうファンもいたようです。 楽曲はドラマに合わせて作られており、とても奥深さを感じる歌詞です。YouTubeの公式チャンネルではMVも公開。前半のショートフィルムが非常に趣のある仕上がりとなっておりますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

『隣の家族は青く見える』に好感触な感想が集まるも、視聴率は低かった

様々なテーマを盛り込んだ本ドラマですが、視聴者からの高評価の感想に比べ視聴率はあまり高くはありませんでした。初回の視聴率は7.0%で、その後も最終回まで6%前後です。低かった理由としては「妊活というテーマが重く感じた」「1話のインパクトが弱かった」などの声があります。 しかし、このドラマのファンからは「見ていく内に目が離せなくなった」「何故こんなに低いのか謎」「こんなに続きが気になったドラマは初めて」と高評価。ドラマがとても丁寧に作られており、奥深さを感じる物語への評価が高かったようです。感想から考えると視聴率の低さはもったいないと感じてしまいますね。 公式サイトには実際に妊活をしている人の体験談が掲載されており、興味深いものとなっています。 現代社会をリアルに描き、様々なメッセージを伝えてくれたドラマ『隣の家族は青く見える』。Blu-rayBOXがリリースされているので、ぜひ観直してみてはいかがでしょうか?