【アベンジャーズ】ロキはマーベルきっての愛すべきヴィラン!これまでの活躍やソーとの関係を解説
マーベルヴィラン・ロキを徹底解説!2021年6月からはドラマ配信開始
『アイアンマン』(2008年)を皮切りに始まった「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」。2019年に「インフィニティ・サーガ」と呼ばれる壮大なプロジェクトが完結し、2021年から新しい時代となるフェーズ4に突入しました。 フェーズ4では、これまでの映画の個性的なキャラクターを主人公にしたドラマシリーズが映画と並ぶ正式なストーリーとして製作されています。「マイティ・ソー」シリーズで人気のあったロキも、ドラマの主人公に抜擢されたキャラクターの1人です。 捨て子だった彼は、アスガルドの王であるオーディンのもとでMCU最強の雷神ソーの弟として育てられ、幾度にも渡って壮大ないたずらを仕掛けては多くの人を困らせる問題児。 この記事では、そんなお茶目で憎めないヴィラン・ロキについて徹底解説していきます。一部ネタバレを含むので、未鑑賞の場合は注意してください。
ロキの基本情報をおさらい!義兄であるソーとの関係は?
MCUに登場するロキは、北欧神話に登場する同名のずるがしこく邪悪な火の神をモデルにしています。 ただし神話と異なり、MCUにおけるロキは5000年という長い寿命を持つ超人たちの住む「神の国」アスガルドの王子です。 実はロキはアスガルド人ではなく、ヨトゥンヘイムに住む氷の巨人族の長ラウフェイの息子でした。ロキは巨人族にしては体が小さかったため、ヨトゥンヘイムの寺院に捨てられていましたが、同地に侵攻したアスガルド王のオーディンに救われます。 アスガルドの王宮でオーディンの息子ソーと一緒に兄弟として育てられたロキは、アスガルドの王位継承権を持つ王子となりました。 ロキは兄のソーほど体格はよくありませんが、氷の巨人族の血筋から強靭な生命力を受け継ぎ、簡単なことでは死にません。さらにオーディンの妻フリッガから魔法を習っており、自分の姿の幻影を見せたり、他人の記憶を読み取ったりすることができます。
ロキはなぜこんなにも愛される?
いつも嘘をついて悪巧みばかりしているロキですが、その行動原理は実に単純。本当は「父に認められたい」「義兄を見返したい」という、多くの人にとって共感できるような悩みを抱えているのです。 ロキは何度裏切ってもかまってくれるお兄ちゃんが大好きで、決して見放さないお父さんを尊敬しているともいえるでしょう。 ロキ役を演じるトム・ヒドルストンの甘いマスクと相まって、彼はマーベルファンから愛すべきヴィランとして親しまれています。
【ネタバレ】これまでの出演歴をおさらい!ロキがやらかした悪事の数々
『マイティ・ソー』(2011年)
ロキは『マイティー・ソー』でMCUに初登場するやいなや、スーパーヴィランとして数々の悪事を働きはじめます。 まず彼の兄であるソーがアスガルドの王位を継承する晴れの戴冠式の日、ロキはアスガルドの宿敵である氷の巨人たちを宮殿の武器庫に侵入させて式典を台無しにしました。 ロキは怒り狂ったソーをそそのかして、氷の巨人の住むヨトゥンヘイムを勝手に襲撃させます。このことで父であり王のオーディンを怒らせたソーは、その能力とハンマー(ムジョルニア)を剥奪されて地球に追放されることに。 さらにオーディンが心労で昏睡状態に陥るや、ロキはアスガルドの実権を掌握し、ソーを抹殺するため戦闘マシンのデストロイヤーを地球に送り込みました。 しかしソーは自らを犠牲にして仲間を救おうとしたため、罪を許されて能力とハンマーを取り戻します。デストロイヤーを倒したソーは、アスガルドに帰還してロキの陰謀を暴露。 懲りないロキは証拠隠滅のためヨトゥンヘイムを壊滅させようとしますが、この悪巧みもソーによって阻止され、宇宙の彼方に消えていったかに見えました。 ところがポスト・クレジット・シーンには、地球で発見されたスペース・ストーン(テッセラクト)を狙うロキの姿が……。
『アベンジャーズ』(2012年)
アイアンマンをはじめとして、ハルクやキャプテン・アメリカ、ソーといったマーベルが誇る大人気ヒーローたちが一堂に会した『アベンジャーズ』。 私利私欲のためにサノスに従い、NYを襲うことでアベンジャーズ結成のきっかけを作ったのが、他ならぬこのロキなのです。 杖に仕込んだマインドストーンを使ってセルウィグ博士やホークアイを操り、ありとあらゆる姑息な手で四次元キューブを狙う彼でしたが、力及ばずボコボコにやられてしまいます。 この時ハルクにやられた仕打ちは彼のなかでトラウマになっており、「バトルロイヤル」で再会した時は震えあがるほど怯えていました。
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)
『アベンジャーズ』での大敗後であることを知っていると、本作では「よく笑ってられるなぁ……」と感心してしまいますが、嘘といたずらの神様であるロキはそんなことでは諦めません。 NY大戦のあとアスガルドにて牢獄に入れられたロキですが、ダークエルフの侵略を受けて義兄ソーの力を借りて脱獄します。ソーの恋人ジェーンのなかに眠るエーテルを守るべく、そして殺された母親の仇を打つべく兄弟2人で立ち上がる姿は、多くのファンの胸を打ちました。 信じては裏切ることを繰り返してきた彼が、最後に取った行動は「兄をかばって死ぬ」という意外なもので、これをきっかけに「愛すべきあまのじゃく」というイメージを確立させました。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(2017年)
前作で「良き弟」としての死を迎えたロキでしたが、実はそれもすべて嘘でした。 義兄ソーがひと仕事終えて地元に帰ると、堕落した父オーディンの姿が。かつての覇気を失った父を不審に思った彼が、胸ぐら掴んでムジョルニアで脅してみると、なんとその正体は変身したロキだったのです。 その後、現れた狂気の姉ヘラとの戦いで再び兄弟タッグを組むことになるのですが、そのあいだもロキは裏切りまくり。もはや息をするように嘘をつく彼に笑うしかない義兄ソーでしたが、最後にはロキの助けを受けてこの戦いに勝利します。 揉めに揉めた神様家族の大げんかの末に、手に入れたのは確かな兄弟の絆でした。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の冒頭で、最強のラスボスであるサノスに襲われ、ほぼ全滅しているアスガルドの民たち。かろうじて生きていたのがソーとロキ、そしてハルク、ヘイムダルの4人でした。 ヘイムダルは最後の力を振り絞り、ビフレストを使ってハルクを地球に送り、命を絶ちます。ソーはサノスの部下の力によって完全に身動きを封じられており、状況を傍観するしかありません。 そんななか唯一動けるロキがサノスに服従を誓い、四次元キューブを渡そうとしています。またもや裏切りかと思った矢先、彼は隠し持ったナイフを取り出し、サノスの喉元を突こうと攻撃を繰り出すのでした。 しかし振り絞った勇気も虚しく、圧倒的な脅威であるサノスの返り討ちにあい、命を落としてしまいます。これまで偽りばかりだった彼の命は、巨悪に立ち向かうという正義を胸に散っていくのでした。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)
前作の結末におけるサノスの「ザ・デシメーション(大量殺戮)」で消された人たちを復活させるため、本作でアイアンマンたちはインフィニティ・ガントレットを取り戻そうとします。 しかしサノスがインフィニティ・ストーンを破壊していたため、彼らは過去の世界からインフィニティ・ストーンを盗み出すことにしました。 その1つであるスペース・ストーンを入手しようと、トニーたちは映画『アベンジャーズ』で描かれた「ニューヨークの戦い」直後の2012年にタイム・トラベルします。 ところがトニーたちがスペース・ストーンを奪う現場に居合わせた2012年のロキは、一瞬のすきを見てトニーが落としたスペース・ストーンを使い、別の空間にテレポーテーション!これで歴史が変わってしまいました。 MCUではタイム・トラベルで歴史が変わると、そこから新たなタイムラインが分岐する設定になっています。 2021年6月から配信開始される新作ドラマ『ロキ』の物語は、2012年のロキが時空を超えて逃亡したところから始まります。
2021年6月開始!ドラマ『ロキ』では時空を超えて再び大暴れ?
2021年6月からディズニープラスで独占配信されるドラマ『ロキ』は、「エンドゲーム」から分岐した時系列で繰り広げられる物語です。 ドラマは「エンドゲーム」で逃亡したロキが「時間変動機関(略称TVA)」と呼ばれる組織に捕まるところから始まります。TVAとは、時空の外からマルチバースの時系列を監視している組織です。 このTVAに捕まったロキは、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』以降の展開で改心していくロキとは異なり、まだまだ悪事をやる気満々のロキです。 彼は時間変異分子として抹殺されるか、より大きな脅威を阻止するため時系列を修正するのに協力するか、どちらか一方を選択するよう迫られます。
原作マーベルコミックでロキはどんなキャラ?
原作マーベルコミックでは、ロキは1949年に最初のバージョンが登場するほど歴史のあるキャラクターです。現在のかたちのロキは1962年10月の『Journey into Mystery(原題)』85号に初めて登場しました。 オーディンの養子でソーとは義兄弟である「悪戯の神(God of Mischief)」という設定はMCUと共通。ソーとは離れられない関係でこれまで『ソー』や『アベンジャーズ』など数々のマーベル・ユニバース作品に登場してきました。 コミックのロキは年齢や性別が固定していないキャラクターで、2008年に発行された『Thor(原題)』第3巻などでは女性の姿で登場します。 さらに2011年の『Thor(原題)』617号には、死んだはずのロキが子どもの姿で復活。『Journey into Mystery(原題)』と改題された同シリーズ622号からしばらくのあいだ、子どものロキがメインキャラクターとなっています。
ロキを演じるのは、英国の貴公子トム・ヒドルストン!
MCUでロキ役を演じるトム・ヒドルストンは1981年にロンドンで生まれ、英国屈指の名門イートン校を卒業後、ケンブリッジ大学に進学した超エリート出身の俳優。 どこか影を感じるなかにも爽やかさがあり、ニヒルでキュートなハニカミ笑顔で多くの女性ファンを虜にしている貴公子です。 ヒドルストンは『マイティ・ソー』(2011年)でもともと主役であるソーのオーディションを受けていました。しかし何度か審査を重ねるうちに、ケネス・ブラナー監督から「ロキをやらないか?」と持ちかけられます。 このロキ役を掴んだことによってヒドルストンは大ブレイク。その後、鬼才ジム・ジャームッシュの『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』(2013年)やアカデミー賞監督ギレルモ・デル・トロの『クリムゾン・ピーク』(2015年)などの人気作にも出演を果たしました。 2017年には『キングコング:髑髏島の巨神』のイギリス人傭兵役で、MCU以外の大規模予算映画においてはじめての主演を務めています。
ロキはアベンジャーズファンを魅了し続ける愛すべきヴィラン!
この記事では、マーベルきっての愛すべきヴィランであるロキの活躍やソーとの関係を解説しました。 フェーズ3でサノスに立ち向かって命を落としたロキですが、フェーズ4では改心する以前の悪いロキがに立ち戻って、時空を超えて暗躍する新しい物語が始まります。 MCUのヒーローたちも、まだしばらくはこの憎めないヴィランに悩まされることになりそうですね。