2018年8月26日更新

アニメ『ULTRAMAN』の見所を『ウルトラマン』との違いでチェック!【ネタバレあり】

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ULTRAMAN

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『ウルトラマン』の世界観に、現代社会の「リアル」をプラス

『ULTRAMAN』は2011年に「月刊ヒーローズ」で連載がスターとした「看板作品」のひとつ。アニメ版公式サイトによれば、コミックスの累計販売部数は、260万部を突破しているそうです。 物語の舞台は、ウルトラマンが「光の巨人」として実在した世界。彼が去って40年が経った地球に、再び異星人が関係した事件が起こり始めます。それを解決するために立ち上がったのは、ウルトラマンの因子を受け継いだ高校生、早田進次郎でした。 科学特捜隊(科特隊)の懐かしいメンバーが登場したり、スペシウム光線が必殺技だったり、オリジナルをモチーフにしたところもしっかりある一方で、同じ名前でも微妙にキャラが違っていたり、現代風にアレンジされたボイントも多々あり。 そういったさまざまな「進化」のツボをチェックしながら、新しい時代のウルトラマンの世界観やストーリー、見どころなどを、一部ネタバレありでご紹介したいと思います。

【違いその1】新ウルトラマンはフラッシュビームで変身しない。

昭和のウルトラマンは、科特隊のハヤタ隊員と一心同体になった正義の宇宙人、という設定。変身する時には、ベーターカプセルと呼ばれるペンライトのようなデバイスを使いました。赤いボタンを押すと「フラッシュビーム」がきらめき、身長40メートルの巨人に変身します。 一方、『ULTRAMAN』ではハヤタ(早田進)の息子、早田進次郎はベーターカプセルを使いません。というよりフラッシュビームを放ちつつ変身するのではなく、身体能力を強化するアーマー「ウルトラマンスーツ」を纏って敵に立ち向かいます。あくまで着用であり、マスクを外せば中身は普通の人です。 スーツですから巨大化もなし。駆動系のエネルギーは「スペシウム」と呼ばれる物質が素で、それを直接利用したスペシウム・ブレードやビーム状に放射するスペシウム光線といった武器を装備しています。

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【違いその2】ヒーローは必ずしも「ウルトラマン」だけではない。

「ウルトラマンスーツ」には、早田専用の「ウルトラマンスーツVer.Z」など、異なる仕様がいくつか存在しています。 昭和のウルトラマンのシリーズでは、地球人のモロボシ・ダン(カタカナ表記が正解のようです)がウルトラ戦士と一体化して「セブン」を名乗っていましたが、『ULTRAMAN』では異星人として諸星 弾が登場。「Ver.7」スーツを装着して進次郎とともに戦いますが、シンプルに「セブンスーツ」と呼ばれています。 『ULTRAMAN』では他にも、ヒーロー志願者でウトラマンの因子を持つ面々が、次々に新作を披露。たとえば進次郎の高校の後輩・北斗星司は「Ver.A」を装着し「エーススーツ」を名乗ります。さらに、ヒーロー志望でニューヨーク在住の写真家・東 光太郎が自作したハンドメイドタイプにいたっては、光太郎曰く「カッコいいから」ぶっといツノをつけた「タロウ」ルックのコスプレもどきまで登場。 いろいろな意味で「ウルトラマンスーツ」、自由過ぎです。

【違いその3】カラータイマーが点滅しても3分がリミットではない。

昭和なウルトラマンをモチーフとしているウルトラマンスーツには、胸の中心に「カラータイマー」らしい発光体が装備されています。オリジナルではこれが点滅すると「エネルギーがあと30秒」しかもたず、「ゼロになったら死んでしまう」と言われています。 それでも当時のウルトラマンはカラータイマーがつくまでスペシウム光線を打たないという、子供心にも「?」がつく妙な緊迫感を煽っていました。 『ULTRAMAN』の場合も、そうした「最後の馬鹿力的」なエッセンスをカラータイマーで表現しているようです。赤い発光はウルトラマンスーツの能力制限が解放された状態を示すもの。圧倒的な力を発揮することができますが、使用にはそれなりのストレスがかかり、数分しか持続できません。 とはいえ持ち時間がトータル3分しかなかった昭和なウルトラマンと比べれば、大きく進化していると言えるのでは?

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【違いその4】イデとフジはいるけど「毒蝮」は出演していない。

かつて科特隊隊員として昭和なウルトラマンとともに怪獣や異星人と戦った面々の中でも、『ULTRAMAN』で重要なキーパーソンを演じているのが「イデ(元)隊員」です。漢字で書くと別人のようですが「井手光弘」として表向きは「光の巨人記念館」の館長を務めています。 天性の発明家としての才能は衰えておらず、本業は「科学技術研究所」の所長。ウルトラマンスーツの開発も手がけました。昭和なウルトラマンから継承された主要キャラクターとしては、数少ない正常進化型と言えるでしょう。 ほかに科特隊出身者としては「フジ(元)隊員」がそうとう偉い人として登場。昭和なウルトラマンで強く印象に残った毒蝮三太夫演じるアラシ隊員は、残念ながら音信不通なようです。 ちなみに『ULTRAMAN』での井手光弘は身長176cm、体重86kgと比較的ガッシリ型の60代後半を迎えていますが、イデ隊員を演じた俳優・二瓶正也は身長こそ同じながら体重はおそらく0.1トン越えに「成長」。万が一『ULTRAMAN』が実写化されても、彼だけはたぶんCGになるでしょう。

【違いその5】科特隊極東支部はまだ解体されていない。

井手光弘が館長を務める「光の巨人記念館」は、かつて科特隊極東支部として運用されていた建物。名目上科特隊は解体され、記念館に。と言いつつ、中身はしっかり基地としての機能を維持しています。その目的は、ウルトラマンの因子を持つ早田親子を保護するためでした。 人類と異星人たちとの関係もまた、より濃密なつながりが生まれています。地球は、全宇宙で文明を作り出した知的生命体たちが平和目的で同盟を結んだ星団評議会に加入し、地下に異星人が移り住んだ街を作るなど、さまざまな形での移民活動にも取り組んでいます。 ところで光の巨人博物館には、星団評議会の重要人物がひとり、住んでいます。彼の名はエド。かつて宇宙怪獣ゼットンを操って地球征服を企み、ウルトラマンを殺害した異星人種族の血を受け継ぐ者ですが、今は井手らとともに地球の平和を守る活動に従事しています。冷酷で知的レベルの高い宇宙人の代表選手ながら、1日の睡眠時間はたったの2分だとか。

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【違いその6】愛らしいヒロインは、科特隊に在籍していない。

思えば科特隊時代、フジ隊員は間違いなく極東支部のアイドルでした。そういえば『ウルトラセブン』の「ウルトラ警備隊」でも、紅一点のアンヌが妖艶な魅力で少年の心を刺激してくれていたように思えます。 『ULTRAMAN』の科特隊および星団評議会では残念ながら、目が極細なイデや今ひとつ感情の起伏が不明瞭なエドなど、色気が足りません。それを補うかのごとく、ヒロインとしていろいろな事件に巻き込まれてしまう役回りを演じているのが、アイドルの佐山レナです。 人気上昇中の19歳は、年齢の割にちょっとあどけない雰囲気ですが、ウルトラマン好きとして「ウルトラブ」なるシングル曲も発売中。進次郎と知り合って以来、急接近。かなりいい雰囲気になっているようです。

【違いその7】「始まりの敵」ベムラーは「悪魔のような怪獣」ではない。

ウルトラマンが地球にやってくるきっかけを作ったのが、ベムラーでした。かつて「宇宙の平和を乱す悪魔のような怪獣」として恐れられた、凶悪怪獣です。外見は体中からトゲトゲが生えている上に目つきもと刺々しい肉食恐竜の進化系的たたずまい。ウルトラマンに捕まって護送されているところで逃亡、地球に逃げ込むなど、それなりに知能は高そうです。 『ULTRAMAN』でも、ベムラーは物語序盤から登場しますが、知的レベルは雲泥の差。目的不明ながら、早田進次郎が新たなウルトラマンになることを決意するきっかけを作ることになります。 トゲトゲした装甲服をまとっていたり、自ら「私の名はベムラー……始まりの敵だ」とコメントしているあたり、昭和のベムラーを意識していないワケでもなさそうですが。中身はどうやら「悪魔のような怪獣」ではありません。 アニメ版ではどこまで描かれるか不明ですが、最近ついに判明したその正体は、かなり衝撃的です。

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【違いその8】ピグモンは子供達の良き友人にはなり得そうもない。

『ULTRAMAN』の地球には、さまざまな異星人が移住しています。中には、やんごとなき血筋のお方も。母星を滅ぼされてしまったイガル星人の元王子「ピグモン」も、そのひとり。小柄な体に擬態していても明らかに人間には見えない風貌のため、普段はフード付きコートやマスクなどで身を隠すようにひっそりと暮らしています。 昭和の頃の怪獣ピグモンは、アダ名が「友好珍獣」でした。身長1メートルほどの小柄でユーモラスな外見や純粋無垢で人懐こい性格が、子供達にも大人気。ウルトラ怪獣の中でも独自のポジションを築いています。 『ウルトラマン』第37話「小さな英雄」では、科特隊のイデ隊員を庇って命を落とすなど、自己犠牲も厭わないいい人キャラでしたが、『ULTRAMAN』では一転、引きこもりニート的存在に。アイドルオタクという設定で、鬱々としたダークサイドな動機をベースに凶悪な事件を引き起こしてしまいます。

【違いその9】「レッド」キングは見た目ほど悪いやつじゃない。

ULTRAMAN:2

ゼットン星人やベムラーのように、設定は異なっていてもそのままな呼び名で登場している懐かしキャラは、意外に少なめ。逆に、「たぶん元ネタはアレだよね」という異星人たちも、『ULTRAMAN』の物語を盛り上げてくれます。 たとえば「エーススーツ」を作って北斗星司に提供するのは、ヤプール人。昭和のウルトラシリーズでは「セブン」に続いて放送された『ウルトラマンA』で初登場したキャラクターで、その後もことあるごとに登場してはウルトラ兄弟たちを苦しめます。しかし『ULTRAMAN』では人のいい、職人肌のおじいさん的存在です。 もうひとり(?)、重要なキャラクターと言えるのが、異星人街でジャックと名乗る米軍の諜報員と組んで科特隊の活動に協力する「レッド」でしょう。太くて長い首に小さく尖った頭、身長は100cm〜5mまで幅広く変化させることができます。 見た目が昭和世代の「レッドキング」に似ていることからついたアダ名とのことですが、非常に知的でモラリストな一面もあって、頼りになるヤツ、というイメージが。元ネタとはずいぶん違った印象ですね。

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【違いその10】円谷プロは特撮を担当していない。

公式サイトのスタッフ紹介の項目では、漫画の脚本を担当した清水栄一と作画担当の下口智裕の名前の上に、「原作 円谷プロダクション」の文字が載せられています。 とはいえ、さまざまな設定やストーリーを練り上げるのは、監督のお仕事。アニメ版『ULTRAMAN』では、3DCGアニメのスペシャリストとも言える神山健治と荒牧伸志がW監督を務めることになりました。 神山はテレビ版、劇場版を含めた「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズで大ブレイク。荒巻も同じ士郎正宗原作の『APLLESEED』などで、挑戦的な作品群を次々に生み出しています。 アニメーション制作は、世界がその実力を認めているProduction I.Gと、モーションキャプチャー技術を使ったCGで世界が注目するSOLA DIGITAL ARTS Inc.が協業。かつてないダイナミックなヒーローアクションが期待できそうです。

「いまだかつてない格好のいい美しい」ヒーローの全開バトルに期待!

すでに初期のPVが公開されている『ULTRAMAN』ですが、ウルトラマンの印象的なポーズなど、クオリティの高い3DCGでこれまでに見たことのない映像美の片鱗を見せつけています。 かつて昭和のウルトラマンをデザインした成田亮は、脚本担当の金城哲夫から「いまだかつてない格好のいい美しい宇宙人が欲しい」と注文されたそうです。新しい時代のウルトラマンは中身こそ地球人ですが、やはり「いまだかつてない格好のいい美しい」ヒーローであることは間違いありません。 『ウルトラマン』のテレビ放送が始まったのは、昭和41年でした。『ULTRAMAN』連載開始は、平成23年のこと。そしてアニメ『ULTRAMAN』は2019年春、おそらくは5月1日の改元が行われる前後に、配信をスタートすることになりそうです。 3つの時代を股にかけて輝き続ける「光の巨人」の新たな伝説。これは絶対見逃せません!