「プレデター」シリーズの観るべき順番と時系列を解説【ネタバレ注意】
「プレデター」シリーズをまるっと紹介【ネタバレ注意】
戦闘種族プレデターと人類の死闘を描いたSF作品「プレデター」シリーズ。1987年に第1作が公開されて以来、絶大な人気を誇る本シリーズをネタバレありで時系列ともに紹介します。 ※この記事には「プレデター」シリーズ各作品のネタバレが含まれます。作品を未鑑賞で、結末を知りたくない方はご注意ください!
「プレデター」シリーズの時系列・世界軸を整理しよう【ネタバレ注意!】
「プレデター」シリーズは2018年までに全6作品が製作・公開されています。 第1作目の『プレデター』(1987)とその10年後を描いた『プレデター2』(1991)は、主人公こそ違うもののストーリーは繋がっています。また『プレデター2』で明かされる、アメリカ政府が極秘にプレデター研究を行っているという設定は、それ以降の他作品でも重要なキーとなりました。 その後、13年の時を経て、クロスオーバーシリーズの『エイリアンVSプレデター』(2004)と『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007)が製作されました。こちらは、『プレデター』(1987)『プレデター2』(1991)とは別のシリーズで、異なる世界軸のストーリーといっても良いでしょう。 その後公開された『プレデターズ』(2010)は、舞台が地球ではなくプレデターの母星になっており、他の作品とはストーリーの趣が大きく異なります。ただ作中で『プレデター』(1987)の出来事に言及されるため、世界軸はつながっているようです。 『ザ・プレデター』(2018)は、『プレデター』、『プレデター2』の続編として製作されました。時代設定としては、前作『プレデターズ』よりも前の出来事となっています。
「プレデター」シリーズの時系列とおすすめの順番とは?
「プレデター」シリーズの時系列・時代設定は以下のとおりです。 ■『プレデター』:1967年〜1987年 ■『プレデター2』:1718年〜1997年 ■『ザ・プレデター』:2018年 ■『プレデターズ』:2019年? 2010年公開の『プレデターズ』の詳しい時代設定は不明ですが、つづく『ザ・プレデター』よりも後の物語とされています。また『プレデターズ』の舞台は地球ではなく、シリーズのなかでは少しイレギュラーなストーリー。 最強宇宙種族プレデターの進化と、彼らと人類との戦いの歴史を理解するためには、『プレデター』→『プレデター2』→『ザ・プレデター』→『プレデターズ』の順番に観るのがおすすめです。
「エイリアン」とのクロスオーバー作品の時系列は?
また、「エイリアン」とのクロスオーバー作品は「プレデター」シリーズとは別の世界での出来事となっているので、公開順=時系列順になっています。時代設定は以下のとおり。 ◆『エイリアンVS.プレデター』:紀元前2996年〜2004年 ◆『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』:2004年
『プレデター』(1987)
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の第1作目
1987年に公開された記念すべきプレデターの初登場作品。監督は『ダイ・ハード』(1988)や『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)などのアクション作品で知られるジョン・マクティアナン、主演はアーノルド・シュワルツェネッガーです。 正体不明の宇宙船が大気圏に突入し地球に到着するところから物語は始まります。その頃ダッチ少佐率いるコマンド部隊は、ゲリラに拉致された政府要人の救出のため、中央アメリカのジャングルに到着しました。 そこで彼らが発見したのは、ヘリコプターの残骸と皮膚を剥がされ木に逆さ吊りにされた遺体でした。やがてダッチらはゲリラを撃退し、アンナという女性を捕虜に。無事任務を終えたかのように思えた彼らでしたが、彼らの動向をサーモグラフィーで狙う透明な何かの姿がありました。そして、ダッチの仲間たちは一人また一人と血祭りにあげられていくのでした……。
異星人が非武装の女性だけは狙わないことに気づいたダッチは、アンナを先に逃がすことに。その際、プレデターは相手の体温に反応し攻撃を加えること、水に濡れると体が透明でなくなることが判明します。ダッチは全身に泥を塗り、罠を仕掛け武器を揃え最終決戦に備えました。 プレデターの圧倒的な身体能力に押されたものの、罠にかけることに成功したダッチ。瀕死のプレデターは大きな笑い声をあげ、腕の装置を起動させます。ジャングル一面が吹き飛ぶほどの大爆発が起こりますが、必死に逃げたダッチは難を逃れたのでした。
『プレデター2』(1991)
ジャングルから都会に進出!
1991年に日本公開された本作。舞台を近未来である1997年のロサンゼルスとし、都会で狩りを繰り広げるプレデターにダニー・グローヴァー扮する刑事が立ち向かいます。 前作から10年後、1997年のロサンゼルス。麻薬密売組織のアジトに踏み込んだロス市警のハリガン警部補は、惨殺されたギャングたちの無数の死体を発見します。遺体が高所から吊るされ目撃者もいないことを不思議に思ったハリガンですが、捜査から外されてしまいました。後任は麻薬取締捜査官のキースです。 その後別の麻薬組織でも同様の惨劇が起こり、さらには地下鉄内で一般人を巻き込んだ大量虐殺事件も発生。独自の調査を進めたハリガンは、「プレデター」と呼ばれる地球外生命体によるものであることを突き止めるのでしたが、謎の男たちに連れ去られてしまいます。
ハリガンを拉致したのはキースでした。実はキースは、プレデターを捕獲するために政府から派遣された人間だったのです。政府は10年前にジャングルでコマンドー部隊を襲った謎の生命体を研究し続け、対抗するために作戦を練り続けていたようです。今回の一連の事件がプレデターによるものであること、プレデターは地球人以上に高度な科学力を持っていることが明かされます。 やがてキースとその部下は食肉工場でプレデター相手に戦いますが、敵は人間の想像を遥かに超えた能力を持ち、全滅させられてしまいます。 遅れて到着したハリガン一人がプレデターを追跡し、宇宙船にたどり着きます。宇宙船内でプレデター1体を倒したハリガンでしたが、安心したのも束の間、多数のプレデターに囲まれてしまいます。 しかしプレデターたちは「英雄よ」とハリガンを讃え銃を与えると、手出しすることなく解放。銃は1715年製のものでした。宇宙船は飛び立ちプレデターの脅威は去りましたが、彼らが数百年前から地球を訪れていたことをハリガンは理解したのでした。
『エイリアンVS.プレデター』(2004)
恐怖の二大クリーチャー対決!
2004年に公開されたクロスオーバー作品。『モータル・コンバット』(1996)や「バイオハザード」シリーズで知られるポール・W・S・アンダーソンがメガホンを取り、ハリウッドの人気二大クリーチャーが夢の共演を果たしました。 2004年、人工衛星が南極付近で大規模な熱反応を発見。南極のブーヴェ島の地中に巨大な遺跡があることが確認され、数名の専門家を集めた遺跡調査チームが派遣されました。目的地に到着した彼らは、地中に巨大なピラミッドを発見。高度な古代文明と地球外生命体が地球を訪れた痕跡を発見します 突如遺跡にプレデターが出現し、次々と命を落としていくメンバーたち。さらに「生贄の部屋」ではエイリアン・クイーンが産卵し、幼虫が人間に寄生。エイリアンがプレデターに襲いかかり阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられることとなります。 やがて登山家のレックスは、壁に書かれた古代文字を解読。プレデターとエイリアン、そして人間の三者の驚愕の歴史が明らかになるのでした。
古代、地球にやってきたプレデターは人間から神と崇められていました。プレデターは人間に文明を授けることと引き換えに、100年に一度生贄を要求していました。プレデターの戦士は100年に一度エイリアンと決闘を行うことを成人の儀式としており、生贄はエイリアンに与えるためです。遺跡が熱を発したのは、生贄をおびき寄せるためだったのです。 チームの中で唯一生き残ったレックスは、プレデターと共闘しエイリアンを倒すことを思いつきます。協力してエイリアン・クイーンを水中に沈ませ、戦いを終えたレックスは戦士として讃えられた後に無事開放。 プレデターは戦死した仲間の遺体を宇宙船に運び込み地球から去りますが、遺体にはエイリアンの卵が産み付けられ孵化を始めるのでした。
『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(2007)
新種のクリーチャー・プレデリアンが登場!
クロスオーバー作品の2作目で、『エイリアンVSプレデター』(2004)の続編。監督はポール・W・S・アンダーソンからストラウス兄弟にバトンタッチされました。 前作でプレデターの死体に寄生したエイリアンの卵が、宇宙船の中で孵化。新種のクリーチャー・プレデリアンが誕生し、プレデターを皆殺しにします。コロラド州に墜落した宇宙船からプレデリアンが解き放たれ、次々と人間に寄生していくのでした。 騒動を知り、エイリアンの駆除と人間へ対する証拠隠滅を専門とするプレデター「ザ・クリーナー」が地球に出動。地下道に巣食うエイリアンと戦うものの、エイリアンの凶暴さとプレデターの知能を併せ持つプレデリアンの強さに苦戦します。両者の戦いは地上にまでもつれ込み、街は大パニックに。 前科者のダラスと高校生の弟リッキー、夫をエイリアンに殺された女性ケリーと娘のモリーは共に行動し町中を逃げ惑うのでした。
街中で殺戮を繰り広げるエイリアンに対し軍が出動するものの全滅。保安官は街に救助ヘリを派遣するという軍からの連絡を信じますが、ケリーら4人は病院のヘリで脱出することにします。 やがて街に核爆弾が投下されました。政府は最終手段として、街を丸ごと吹き飛ばすことを決定したのです。エイリアンもプレデターも、そして街の人々も全員死に絶えました。ヘリで逃げたダラスたち4人を除いて。 救出されたダラスからプレデターの武器を押収した軍は、それをエイリアン研究者のユタニに渡したのでした。
『プレデターズ』(2010)
プレデターの惑星に拉致された人間たちのサバイバル
2010年に公開された本作は、クロスオーバーを除いた「プレデター」シリーズの第3作目となります。なんと舞台は地球ではなく未知の惑星に。わけのわからぬままにプレデターに襲われる8人の人間たちのサバイバルと人間模様を描きます。 傭兵のロイスが目覚めると、パラシュートでジャングルに落下するところでした。ロイス以外にも軍人や殺し屋など戦闘のプロたちが合計8人集められた様子。空を見上げた一行は、ここが地球ではないこと、そして自分たちが何者かの獲物として集められたことを理解するのでした。 未知の生物に襲われ、一人また一人と命を落としていくメンバーたち。女性スナイパーのイザベルは、かつて耳にしたプレデターによるアメリカのコマンドー部隊襲撃事件の話をします。 やがて現れたノーランドという謎の男から、彼が「10シーズン」もサバイバルし続けていること、プレデターは宇宙船を持っていることを聞かされたロイスは、惑星からの脱出を試みるのですが……。
ノーランドはロイスらを閉じ込めると武器を奪って殺そうとしましたが、ロイスたちは銃声でプレデターを呼び出しノーランドを襲わせ脱出します。 プレデターに囲まれ死闘を繰り広げた後、ロイスとイザベル、医師のエドウィンの3人だけが宇宙船に向かって走りますが、ロイスはプレデターのリーダーであるミスター・ブラックに見つかり、宇宙船も破壊されてしまいました。 一方イザベルとエドウィンは閉じ込められますが、エドウィンの正体は実は殺人犯で、イザベルを毒殺しようとします。助けに来たロイスはエドウィンを囮に使い、ミスター・ブラックを倒すことに成功。 惑星を脱出できなかったロイスとイザベルの前に、次の獲物である人間たちがパラシュートで降り立つのでした。
『ザ・プレデター』(2018)
8年ぶりの新作はシリーズ1作目の続編!
2018年公開の『ザ・プレデター』は、シリーズ1作目、2作目の正当な続編として製作されました。進化をつづけるプレデターに立ち向かうのは、“ルーニーズ”と呼ばれるならず者の元兵士たち。壮大なSFアクションとともに父子の絆を絡めたドラマが展開します。 メキシコのジャングルでプレデターに遭遇した傭兵のクインは、手に入れた装置を国に送ります。しかし誤って自宅にいるサヴァン症候群の息子ローリーの手に渡ってしまったことから、プレデターが彼を狙い地球に来襲する事態が発生してしまいます。隠蔽を図る政府に監禁されたクインでしたが、息子を守るため仲間とともにプレデターに立ち向かいます。
政府の極秘プロジェクト、スターゲイザーによって、ラボに捉えられていたプレデターは、ローリーが起動させてしまった装置からの通信で目を覚ましました。プレデターのサンプルを採取したいケイシー・ブランケット博士は、銃を片手に、脱走したプレデターを追います。そこにクインたちも参戦しますが、彼らの前にスターゲイザーが立ちふさがります。 一方プレデターはローリーを必死に探していました。息子を助けるためにクインたちは激しい銃撃戦をくり広げますが、並外れた戦闘能力を持つプレデターに歯が立ちません。しかしそこに、肉体もパワーもさらに強大なアルティメット・プレデターが登場。プレデターたちをいとも簡単に倒してしまいます。 強い者を倒しては異種交配をくりかえし、進化してきたアルティメット・プレデターが次に狙っていたのは、なんとローリーでした。スターゲイザーとクインたちはひとまず休戦し、ともにアルティメット・プレデターと戦うことに。 アルティメット・プレデターはローリーをさらって宇宙船で飛び立とうとしますが、“ルーニーズ”の身を挺した作戦によってアルティメット・プレデターを倒すことに成功。ローリーは助け出されます。 後日、研究所には軍に復帰したクインと、天才的な言語能力を買われ研究に従事することになったローリーの姿がありました。研究所の中心には、宇宙船から放たれたポッドが置いてあり、そのなかには地球に最初にやってきたプレデター1号が身につけていたプレデターキラーが。それを見たクインは「これは俺が装備する」と言います。
「プレデター」シリーズは時系列順の鑑賞がおすすめ!
スピンオフを含めて6作品が公開されている「プレデター」シリーズ。その歴史やプレデターの進化を知りたいなら、時系列順に観るのがおすすめです。 しかし、プレデターがエイリアンと戦う「AVP」シリーズは、あくまでもスピンオフであり、ストーリーよりもSFホラーを代表するモンスターの対決、アクションやホラー要素を楽しむという趣向が強くなっています。 プレデターというキャラクターが気に入ったら、スピンオフシリーズもぜひ鑑賞してみてください!