2018年9月25日更新

「A24」は今大注目の映画会社!おすすめ作品を一覧でチェック【2021年最新版】

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新進気鋭の「A24」ってどんな制作会社?おすすめ映画も紹介!

『ムーンライト』
(c)2016 A24 Distribution, LLC

映画配給・製作会社であるA24。独特なテーマや、ちょっと視点が変わったホラーやスリラー作品など多くの話題作を生み出しているプロダクションです。 彼らの作品としてはアカデミー作品賞を受賞した『ムーンライト』(2016年)が有名ですが、その他にもたくさんの魅力的な映画を発表しています。 この記事ではそんな今話題のA24について、基本情報と代表作24作品を紹介します。

映画ファンの圧倒的支持!A24についての基本情報

A24は2012年に設立されました。立ち上げメンバーは、投資会社出身のダニエル・カッツと、お互い別の映画会社に勤めていたデヴィッド・フェンケル、ジョン・ホッジスの2人です。2013年に、社として初めての作品『チャールズ・スワン三世の頭ン中』を公開。カルトテイストのコメディで業界内でも印象を強くしました。 その後話題作を次々と発表し、アカデミー作品賞を獲得した『ムーンライト』を始め、『ミナリ』など評価が高い作品を発表し続けています。 2015年にはテレビドラマ製作にも進出。さらに2018年11月にはAppleと複数年にわたる提携を結び、A24がApple TV+で配信する映画などを製作することになりました。 その成果として、2020年にはソフィア・コッポラ監督の『オン・ザ・ロック』といった話題作もApple TV+と共同で製作しています。

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アカデミー賞常連でハズレなし……「A24」の特徴とは?

才能溢れるクリエイター陣!エッジが効いた作品が魅力

A24の手掛ける作品の特徴を一言で表すと「才能溢れたクリエイターたちによる作家性の高い映画」となるでしょう。ニューヨークに本拠を置いていることから、ハリウッド大手スタジオとは一味違うエッジが効いた作品が多いです。 中堅どころではドゥニ・ヴィルヌーブやヨルゴス・ランティモスといった監督の作品をラインアップに揃えています。 若手の監督を積極的に育てていくこともA24で特に評価すべき方針です。アリ・アスターやロバート・エガースといった監督には、長編映画デビューのときからA24が関わっています。

時代にあったマーケティングとブランディング

A24は映画と連動したグッズを自前のオンラインショップで販売するなど、ファンの心をくすぐるマーケティングも得意です。 『ミッドサマー』公開時には、衣服デザイン会社・Onlie Ceramicsとコラボで作った映画関連Tシャツを発売して注目を集めました。 2012年に創業したばかりの会社らしく、オンラインの宣伝活動に傾注していることもポイント。特に2018年から開始した「The A24 Podcast」は映画監督など業界関係者ゲスト2人の対談を中心にした企画で、ファンの間で人気です。

映画ファンも高評価!「A24」おすすめの作品24選

ここからは、これまで公開されたA24の作品のなかから、大きな国際映画祭で賞を獲得した作品や映像、人間関係、心理的な恐怖の描写などに特徴のある24作品を紹介します。 どの作品もこれまでにない作品を送り出し続けるA24のセンスが感じられるものばかり。 今回選考にあたって考慮した基準は、「ストーリーの魅力」「認知度」「映画ファンからの評価」の3つのポイントです。

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2021年最新!主要国際映画祭での受賞作7選

『エクス・マキナ』(2014年)

並み居る大作を退け、アカデミー賞視覚効果賞を受賞したスリラー作品です。『リリーのすべて』に出演し、同年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデルがロボット役を演じたことでも話題になりました。 ドーナル・グリーソン演じるケイレブは、検索エンジンの大手企業に勤めるプログラマ。ある日、彼は抽選で社長の自宅を訪問する権利を得ます。広大な山岳地帯の奥にある社長の家になんとかたどり着くケイレブ。彼を出迎えたのは美しい女性型ロボットのエヴァでした。彼はそこで、彼女の人工知能のテストに協力することになるのです。

『ルーム』(2015年)

2008年にオーストリアで起こった監禁事件、フリッツル事件を基にしたエマ・ドナヒューの小説を原作に作られた作品です。実際の事件は、ある女性が実の父親によって24年間も地下室に閉じ込められ、そこで虐待を受けていたという凄惨なもの。日本でも“恐怖の家事件”として報道されました。 映画の主人公は、ブリー・ラーソン演じるママと彼の5歳の息子ジャック。2人はテレビを見たりケーキを焼いたりして、楽しく暮らしていました。唯一他の人との違いは、2人が暮らす部屋には扉がなく、2人にとってその部屋だけが全てだということ。ジョイはある日、ジャックに真実を告げ部屋を脱出しようとするのですが…… 本作はトロント国際映画祭で観客賞を受賞したほか、多くの映画賞で受賞とノミネートを果たし、高い評価を得た作品です。

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『ムーンライト』(2015年)

アカデミー賞8部門にノミネートし、作品賞と助演男優賞で受賞したA24の出世作。その他でもゴールデングローブ賞映画部門は5部門にノミネートされ、作品賞を受賞しています。 物語はリトルというあだ名で、麻薬中毒の母に育てられている少年シャロンが成長していく様子を3つの時代に分けて描いています。本作はタレル・アルヴィン・マクレイニーの反自伝的な戯曲を原作に、バリー・ジェンキンスによって映画化されました。偶然にも両者はともに麻薬に苦しんだ母親に育てられており、経験に基づいたリアルな描写が話題になりました。 また、作品はシャロンと彼の同級生ケヴィンとの恋愛も描きますが、LGBTに関する映画がアカデミー賞作品賞に輝いたのは史上初の出来事です。

『ア・ゴースト・ストーリー』(2017年)

デヴィッド・ロウリー監督、ケイシー・アフレックとルーニー・マーラW主演のファンタジー映画。不慮の死を遂げた男が幽霊となって、遺された妻や世の中の移り変わりを見守り続ける物語です。 ファンタジア国際映画祭でカメラ・ルチダ賞(デヴィッド・ロウリー)、シッチェス・カタロニア国際映画祭で撮影賞とカルネー・ホベン審査員賞を受賞するなど、数々の映画祭で賞を獲得しています。 田舎町の一軒家でアフレックとマーラが演じる夫婦が新しい家に引っ越す準備をしていました。妻は引っ越す前に、この家に戻ってくるときのために書き置きを残していくといいます。 ところがある日、夫は家の前で交通事故に遭って死亡。彼は幽霊となって自宅に住み続けることになります。 彼は妻が家を去り、家が取り壊されても時空をさまよいながら、その場所から解放される日を待つのでした。

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『レディ・バード』(2017年)

レディ・バード (プレス)
©Merie Wallace, courtesy of A24

『レディ・バード』は『フランシス・ハ』などで知られる女優・グレタ・ガーウィグ初の単独監督映画で、ガーウィグが脚本も執筆しています。 いろいろな問題を抱える女子高生が精神的に自立する姿をコメディタッチで描いたヒューマンドラマ。第75回ゴールデングローブ賞作品賞や主演女優賞(シアーシャ・ローナン)を受賞しました。 ローナンが演じる主人公・クリスティンは、アメリカ・カリフォルニア州サクラメントで保守的なカトリック系女子校に通う高校生。彼女は自分の名前を「レディ・バード(テントウムシ)」と称して東海岸の有名大学に進学することを夢見ています。 そんなクリスティンの高校生活最後の年、彼女の心は恋愛、友人、親子関係の悩みでジェットコースターに乗ったように揺れ動かされるのでした。

『フェアウェル』(2019年)

『フェアウェル』
© 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督自身の体験にもとづくヒューマンドラマ。中国に住む祖母が受けた末期がんの診断を彼女に隠し通そうとドタバタする親戚たちの人間模様をコメディタッチで描いた映画です。 主演を務めたオークワフィナがゴールデングローブ主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。その他各地の国際映画祭などで作品賞、有望監督賞、女優賞などを多数獲得しています。 ニューヨークで育った中国系移民の娘・ビリー・ワン(オークワフィナ)は、長春で暮らす祖母・ナイナイが末期の肺がんで余命数週間と知ります。彼女の親戚たちは中国の伝統に沿ってこの診断をナイナイに隠し、日本に住むビリーの従兄弟が中国で結婚式を挙げるという口実で、世界中から集まることにするのですが……。

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『ミナリ』(2020年)

ミナリ
© A24/Photofest/ZetaImage

『ミナリ』は1980年代にアメリカ・アーカンソー州に移住して農場を立ち上げる韓国系移民の一家を描いたヒューマンドラマです。 監督・脚本を務めたリー・アイザック・チョンは、アーカンソー州の農場で育った韓国系アメリカ人で、この映画は彼の半自伝的作品と言えます。韓国系移民がアメリカで直面する問題を赤裸々に描写したことが高く評価され、アカデミー作品賞を含む6部門にノミネートされました。 主人公・ジェイコブ役を務めたスティーブン・ユアンは、村上春樹の短編小説にもとづいた映画『バーニング 劇場版』(2018年)のベン役が日本では有名。さらに韓国から呼び寄せられてひと波乱起こすおばあちゃん・スンジャを、ベテラン女優ユン・ヨジュンが好演してアカデミー助演女優賞を受賞しました。

映像描写や音楽などの魅力が溢れる作品6選

『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(2014年)

『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜』(2013年)でほとんどセリフのない斬新なスタイルで高評価を得たJ・C・チャンダーが監督と脚本を務めたヒューマンドラマ。理想主義者の企業家が危機を通じて変わっていく姿を描きます。 1981年、移民のアベル(オスカー・アイザック)はニューヨークで石油会社を立ち上げました。生き馬の目を抜く石油業界で、アベルの事業はタンクローリーを強奪されるなどさまざまな妨害工作に悩まされます。 そんなアベルに彼の妻・アンナ(ジェシカ・チャステイン)は暴力には暴力で対抗しなくてはならない、と主張しますが、アベルは聞き入れません。 しかし、石油ターミナル購入資金の返済に行き詰まったアベルは、クリーンなビジネスを行うという信条を捨てざるを得ない事態に追い込まれるのでした。

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『スイス・アーミー・マン』(2016年)

スイス・アーミー・マン
©BLACKBIRD FILMS

DJスネークなどのミュージックビデオの監督で知られる監督コンビ・ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(通称:ダニエルズ)の長編映画デビュー作。サンダンス映画祭やゴッサム賞で監督賞を受賞して注目を集めたシュールなコメディです。 ハンク・トンプソン(ポール・ダノ)が無人島に流れ着いて絶望から自殺を考えていたとき、海岸にひとりの男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が漂着します。 ハンクは、死体がおならでジェットスキーになったり、雨が降ると雨水タンクになったりすることを発見。そのうち片言の英語も話すようになった死体は、メニーと名乗ります。 メニーの身体のある部分が方位磁針の役割を果たすことに気づいたハンクは、死体とともに故郷を目指す珍道中に乗り出しました。

『暁に祈れ』(2017年)

地獄のようなタイの刑務所からムエタイに希望を見いだして生還したイギリス人ボクサー・ビリー・ムーアの自伝を映像化したヒューマンドラマです。 麻薬所持で逮捕されてタイの刑務所に収監された元ボクサー・ビリー(ジョー・コール)。暴行や病気で死んでも放ったらかしにされる刑務所で自堕落な生活を送っていたビリーは、ある日所内のムエタイチームの姿を目にすることに。 そのとき、ビリーのなかに眠っていたボクサーの闘志が目を覚まし、彼はチームへの参加を志願するのでした。 ジャン=ステファーヌ・ソベール監督のリアリズムへのこだわりから、元刑務所の建物で元囚人も使って撮影を行ったというこの映画。常に主人公に密着するハンディカメラで暴力と腐敗が渦巻く刑務所内の雰囲気を見事に映し出しています。

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『荒野にて』(2017年)

『ゲディ家の身代金』(2017年)で注目を集めた新星・チャーリー・プラマーが演じる天涯孤独な少年が一頭の馬と荒野を旅する姿を描くヒューマンドラマ。『さざなみ』(2015年)で知られるアンドリュー・ヘイが監督・脚本を務めました。 オレゴン州ポートランドのデルタ・パークで父親と暮らす15歳の少年・チャーリー(チャーリー・プラマー)は、競争馬の世話をする仕事をしています。 リーン・オン・ピートという名前の馬にチャーリーが愛着を感じるようになったころ、彼の父親が急死。身寄りのないチャーリーはピートの横の小部屋で寝泊まりするようになります。 やがて、ピートがメキシコに売却されることを知ったチャーリーは、ピートを連れて唯一の親戚である伯母を探して荒野へと一歩を踏み出すのでした。

『mid90s ミッドナインティーズ』(2018年)

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)などコメディで知られる俳優・ジョナ・ヒルが初監督・脚本を手掛けた作品。ヒル自身の少年時代の体験をもとに、13歳の少年が成長する姿を描く青春ドラマです。 舞台は1990年代半ばのロサンゼルス。13歳の少年・スティービー(サニー・スリッチ)はシングルマザーの母のもと、力で負けて頭の上がらない兄と暮らしています。 ある日、街のスケートボードショップに出入りする少年たちと知り合いになったスティービーは、自由で格好良い彼らに憧れて仲間になります。 仲間に誘われるままスティービーは、パーティで酒、タバコ、ドラッグや性行為を初体験。スティービーの母親が彼にスケボー仲間との交際を禁じても、彼は母親の目を盗んで仲間たちと遊び続けるのですが……。

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『WAVES/ウェイブス』(2019年)

A24から『クリシャ』(2015年)、『イット・カムズ・アット・ナイト』(2017年)を送り出したトレイ・エドワード・シュルツ監督。同監督が『イット・カムズ・アット・ナイト』のケルビン・ハリソン・Jrと再びタッグを組んだ青春映画が『WAVES/ウェイブス』です。 フロリダで暮らす高校生・タイラー(ケルビン・ハリソン・Jr) は厳格な父に育てられ、学校では成績優秀でレスリング部のスター選手という優等生。ところが肩の負傷で選手生命を脅かされ、同時に恋人の妊娠も発覚したことで、彼の人生の歯車が狂い始めます。 自暴自棄になったパーティで我を忘れたタイラーが重大事件を引き起こし、家族は崩壊の危機に瀕します。その1年後、すべての事情を知るタイラーのチームメイト・ルークがタイラーの妹と交際を始めたことから、希望の光が見えてくるのでした。

家族と友達と恋愛と……人間関係が美しい作品4選

『20センチュリー・ウーマン』(2016年)

『20センチュリー・ウーマン(原題)』
© 20th Century Fox/A24 Copyright Reserved.

『人生はビギナーズ』(2010年)でゲイである自身の父親をモデルにしたマイク・ミルズ監督が贈る、自身の母親と姉を題材にしたヒューマンドラマ。「自分を育ててくれた女性たちへのラブレター」と監督自身が語るほど、さまざまな女性たちへの温かい視線に満ちた作品です。 このようなミルズ監督の演出と脚本が高く評価され、アカデミー脚本賞にノミネートされました。 舞台は1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ。15歳で思春期を迎えた息子・ジェイミーの教育に悩むシングルマザーのドロシーは、友人の写真家・アビーやジェイミーの幼馴染・ジュリーに助けを求めます。 ミルズの母と姉をモデルにしたドロシー役とアビー役を、アネット・ベニングとグレタ・ガーウィグが熱演。特にベニングの演技は「キャリアベスト」と絶賛されています。

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『ラスト・ムービースター』(2017年)

『ロンゲスト・ヤード』(1974年)や「トランザム7000」シリーズなど数多くの作品でマッチョな男を演じた名優・バート・レイノルズの最後の主演映画。落ちぶれたスターの姿を描くコメディタッチのヒューマンドラマで、劇中にレイノルズの出演作が多数引用されて過去の映画へのオマージュにもなっています。 今では人びとからほとんど忘れられている往年の映画スター・ヴィック・エドワーズ(バート・レイノルズ)のもとに、ある映画祭から1通の招待状が届きます。 彼に功労賞を贈りたいと言うので気分転換にと参加したエドワーズですが、無名の素人の映画祭であることがわかって激怒。2日目の予定はすっぽかして、車で数時間のところにある生まれ故郷の街を訪れます。 その街で自分が育った家や大学時代に活躍したフットボール・スタジアム、さらに最初の妻のもとを訪れるエドワーズの胸に様々な感情が迫ってくるのでした。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019年)

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』エマ・ワトソン、シアーシャ・ローナン、フローレンス・ピュー、イライザ・スキャンレン
©︎ COLUMBIA PICTURES / WILSON WEBB/zetaimage

『レディ・バード』で注目を集めたシアーシャ・ローナンを主役にして、19世紀少女文学の名作を現代に甦らせた青春映画。『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督がローナンと再びタッグを組んでいます。 現代人の価値観により響くように、四姉妹それぞれが多様な女性の幸せを追い求める姿に焦点を置いたストーリーになりました。 アカデミー衣装デザイン賞を受賞した華やかで美しい映像に社会派なメッセージ性も込められて、今の時代にぴったりな物語です。 共演にエマ・ワトソンやメリル・ストリープといった有名女優や、今をときめくティモシー・シャラメなど豪華キャストを実現。特にエイミー役を演じたフローレンス・ピューはアカデミー助演女優賞にノミネートされています。

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『オン・ザ・ロック』(2020年)

ソフィア・コッポラ監督が『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)のビル・マーレイと再びタッグを組んだコメディ映画。ビル・マーレイ演じる主人公が夫婦の危機に悩む娘と夜のニューヨークの街を駆け巡ります。 ニューヨークで暮らすローラ(ラシダ・ジョーンズ)は仕事に行き詰まっていたところ、夫が女性同僚と残業を繰り返すようになり夫婦関係にも不安をいだきます。彼女が相談相手に選んだのは、事もあろうにプレイボーイの父・フェリックス(ビル・マーレイ)! 詳しく調査すべきだと言うフェリックスの意見を真に受けたローラ。彼女は父と2人で夫を尾行してニューヨークのおしゃれスポットを徘徊、ついにはメキシコまで飛ぶことになるのでした。

怖いだけじゃない!多様なホラー系作品4選

『ウィッチ』(2015年)

魔女伝説を下敷きにしたホラー作品。グリム童話のダークな部分をあらわにしたようなダーク・ファンタジーテイストが評判となりました。監督が新進気鋭のロバート・エガース、主演がアニヤ・テイラー=ジョイであることも話題となった作品です。アニヤ・テイラー=ジョイは本作の評価でM・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』ヒロインに抜擢されました。 舞台は1630年のニューイングランド。敬虔なキリスト教徒である5人の家族は、街を追い出され森に暮らしていました。ある日、末っ子でまだ赤子のサムが何者かに連れ去られてしまいます。そして、父ウィリアムは、美しく成長したトマシンが魔女であり、サムを連れ去った犯人なのではないかと疑心暗鬼になって行きます……。

『イット・カムズ・アット・ナイト』(2017年)

2015年『ザ・ギフト』で映画監督デビューを果たしたジョエル・エドガートンが主演したことも話題になったホラー作品です。公開初週の興行収入は予想よりも低かったものの、批評家たちの評判は上々でした。 具体は未知の病原体が発生した世界。ジョエル・エドガートン演じるポールは、妻と息子の3人で暮らしていましたが、ある日彼らの家にある家族が避難してきます。最初は良好だった2組の家族ですが、次第に不信感が募って行きます。そして、家の外側に蔓延する恐怖だけでなく、ポールの内面に眠っていた怪物もまた目を覚ましてしまうのでした……。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2018年)

不条理な世界観と独特の映像美で知られるヨルゴス・ランティモス監督の手になるサイコ・ホラー・サスペンス。子どものひとりを生贄に殺すことを迫られた家族が、「誰を犠牲にするか?」という究極の選択を迫られる物語です。 心臓外科医・スティーブン(コリン・ファレル)は美しい妻(ニコル・キッドマン)と可愛い2人の子どもに恵まれ、幸福な生活を送っていました。ところが、ある日突然子どもたちが次々と原因不明の病気になって歩行不能に。 途方に暮れるスティーブンに、亡くなった患者の息子・マーティン(バリー・コーガン)が「子ども1人を犠牲にしなければ家族全員が死ぬことになる」と告げます。究極の選択を迫られたマーティンは誰を犠牲に差し出すのでしょうか?

『ヘレディタリー/継承』(2018年)

 『へレディタリー/継承』ミリー・シャピロ
© PALMSTAR MEDIA/zetaimage

A24が才能を発掘して育てた監督の良い例としては、『ヘレディタリー/継承』と『ミッドサマー』を立て続けにA24で発表してホラー映画の常識を打ち破ったアリ・アスターをあげることができます 米国映画協会(AFI)の修士課程におけるアスターの卒業制作である短編映画がネットで人気になったことにA24が注目して、彼の映画監督への道が開かれました。 アスターの長編映画監督デビュー作である『ヘレディタリー/継承』は彼自身の言葉によれば「悲嘆が家族の力学に与える可能性のある腐食的影響力」を描いた作品です。 安定した生活を送っていた一家が、長女の事故死をきっかけに崩壊していく恐怖が描かれます。映画の驚愕の結末は、「トラウマがある人を全く別人に変えてしまうこと」の比喩になっています。

『ミッドサマー』(2019年)

『ミッドサマー』
© 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

『ヘレディタリー/継承』の翌年に公開された『ミッドサマー』はアリ・アスター監督自身の恋愛関係の破局からも着想を得たフォーク・ホラーです。 フローレンス・ピュー演じる主人公・ダニーは家族が無理心中で死んだため精神的にどん底状態の女子大生。長いこと付き合ってきたボーイフレンド・クリスチャンと別れたくない彼女は、クリスチャンが友人たちと計画していた旅行に無理やりついていくことにします。 彼らの目的地は90年に一度の夏至のお祭りが行われるというスウェーデン奥地の村。最初は村人たちから歓迎されるダニーたちですが、お祭りが始まると村は不気味な雰囲気に包まれていくことに……。 カップルで観ると別れる、と話題になったこの映画の公開時には、A24がカップルセラピーを無料で提供したことでも注目を集めた作品です。

痛快な展開に病みつき!コメディ&クライム作品2選

『ライフ・アフター・ベス』(2014年)

2014年に公開されたホラーだけどコメディ作品の『ライフ・アフター・ベス』。 主人公でデイン・デハーン演じるザックは、恋人であるオーブリー・プラザ演じるベスを亡くし悲しみに暮れていました。しかしなんとベスはゾンビとなって蘇ったのです。喜ぶザックですが、ゾンビのベスは暴力的だし気分の上げ下げも激しくなっています。そして彼女を同じゾンビ状態の人が他にも現れ始め……。 めでたしめでたしで終わらない、ホラー仕立てのラブストーリーは、カルト的な人気を誇っています。

『スプリング・ブレイカーズ』(2012年)

『チャールズ・スワン三世の頭ン中』と同じ2013年に発表され、A24の名前をさらに有名にした作品です。 セレーナ・ゴメス、ヴァネッサ・ハジェンズ、アシュレイ・ベンソンの3人が春休み中の大学生に扮し、旅行するために強盗で資金を得ようとする衝撃的なストーリー。強盗に成功し、3人はフロリダで春休みを満喫するものの、警察に見つかってしまいます。そんな彼女らをジェームズ・フランコ演じる麻薬の売人が助けるのですが…… ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で金獅子賞を争い、アメリカでは興行収入ランキング初登場6位を記録した作品です。

今大注目の「A24」が作る映画から目が離せない!

イット・カムズ・アット・ナイト
(C)2017 A24 Distribution,LLC

この記事では2012年に創業したばかりの映画配給・製作会社・A24の基本情報やおすすめの24作品を紹介しました。 大手映画スタジオを幅広い層のニーズに応えるデパートにたとえるならば、A24は他にはないセンスの良い商品を集めているブティックのようなものでしょうか。 A24が関与しているというだけで面白いに違いない、という期待をファンに抱かせるブランドのイメージが定着し、これからも目が離せない映画会社です。