2023年7月26日更新

『キングダム』昌平君(しょうへいくん)を実写版で演じるのは玉木宏!史実でのラスボス説なども考察

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キングダム

『キングダム』は週刊ヤングジャンプ誌上で連載されている、古代中国を舞台とした歴史戦国漫画です。のちの始皇帝である、秦王・嬴政(えいせい)が、元下僕の少年・信と共に中華統一を目指していく物語です。 統一を目指す嬴政に、秦国内で大きな壁として立ちはだかるのが、丞相・呂不韋でした。彼が抱える呂氏4柱の一角を担うのが、昌平君でした。彼の能力や活躍を史実を交えながら解説します。 ※この記事には『キングダム』の重要なネタバレが含まれます。読み進める際は注意してください。

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『キングダム』昌平君(しょうへいくん)のプロフィール

昌平君は秦国の軍総司令官です。秦国王・政(せい)と権力争いを行う呂不韋(りょふい)に仕える呂不韋四柱の一角であり、秦の敵国・楚の公子でもあるという複雑な背景を持つ人物です。 原作漫画では8巻からの「暗殺者襲来編」で黒幕である呂不韋(りょふい)の部下として初登場。呂不韋の謁見では文官然とした佇まいながら、「中華最強」を自負する猛将・蒙武(もうぶ)に並ぶ武将としての格を持つことを示唆されるほどの実力者です。 政と対立する呂不韋陣営に所属する彼ですが、秦の命運をかけた数々の戦いにおいては類稀なる軍才を発揮して秦を救うために尽力しました。そして政と呂不韋の政争が決着する「嬴政(えいせい)加冠編」で呂不韋陣営から離反、政の下に就きます。 秦国軍総司令官にして右丞相となった昌平君は、まさしく秦にとって「王の右腕」ともいえる重要人物です。

実写版『キングダム』で昌平君を演じるのは玉木宏

キングダム 昌平君 玉木宏
(C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会

実写映画「キングダム」で蒙武役を演じているのは玉木宏(たまきひろし)です。『ウォーターボーイズ』や『のだめカンタービレ』などに出演する人気俳優です。 昌平君はシリーズ2作目の『キングダム2 遥かなる大地へ』から登場しており、2023年夏公開の『キングダム 運命の炎』にも出演が決定しています。あまりにも昌平君のイメージにピッタリで、ファンからもとても好評のようです!

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昌平君(しょうへいくん)は秦軍の総司令官!

秦国軍総司令官である昌平君は秦の戦いにおいて数々の戦略を練り、秦の危機を救ってきました。 彼の戦略が最も輝いた戦いと言えば「合従軍(がっしょうぐん)編」の函谷関(かんこくかん)の戦い、及び蕞(さい)の戦いでしょう。「合従軍編」は趙の「三大天」李牧(りぼく)が5ヶ国による合従軍を率いて秦を滅亡させようと侵攻してきた戦いを描いた物語です。 そもそも李牧が合従軍を興した最大の理由は、昌平君が中華統一のために魏の要所・山陽攻略を真っ先に指揮したことに由来します。中華統一を見据える彼の戦略眼を李牧は危険視したのです。 函谷関の戦いでは蒙武に楚国軍総大将・汗明(かんめい)を討ち取らせる策を与え、蕞の戦いでは呂不韋の意に反する形になってでも政に策を授け戦場へと送り出しました。 「合従軍編」は正しく秦存亡の危機であり、呂不韋らの思惑すらも「小事」と言ってのけた姿は秦国軍総司令官に相応しい在り方です。

嫪毐(ろうあい)の乱とは?昌平君の過去を解説

政の成人を祝す「加冠の儀」を背景に、政と呂不韋、そして政の母である太后による権力闘争を描いた「嬴政加冠編」で起きた戦いが嫪毐(ろうあい)の乱です。太后の愛人・嫪毐が主導した乱ですが、その黒幕は太后すらも利用した呂不韋であり、秦国都・咸陽(かんよう)を舞台に愛憎入り混じる内乱が巻き起こりました。 呂不韋陣営の手引きで咸陽内部まで侵攻してきた反乱軍を抑えるため、信(しん)率いる飛信隊が向かいますが、その援軍に昌平君が自分の兵を送ったのです。呂不韋陣営の彼は「加冠の儀」の場で呂不韋に向かい離反を宣言、自ら軍を率いて反乱軍を討伐します。 幼少期は親友の猛将・蒙武より強かったという彼は敵将の首を自ら討ち取り、嫪毐の乱を終結させました。政もまた呂不韋と太后に大王としての覚悟を示し敗北を認めさせ、秦国は真の意味でひとつとなったのです。

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【史実】いずれ秦を去ることに?昌平君ラスボス説を検証

秦による中華統一を果たすべく秦国軍総司令官として尽力している昌平君ですが、ファンの間では彼が後に秦から離反するのではないかと予想されています。中には『キングダム』のラスボス説まで囁かれていますが、その理由は史実の彼が実際に反乱を起こしているからです。 史実の昌平君の来歴ですが、現在まではほとんど漫画と変わらない経歴を辿っています。楚の考烈王(こうれつおう)が人質の時に公子として生まれた彼は秦に仕え、呂不韋の補佐に就きます。政の代になると嫪毐の乱を鎮圧します。 史実の彼が他の戦いで活躍したという記録は特に残っていませんが、嫪毐の乱の翌年に右丞相に任命されているため、文官として極めて優れた人物であったことは間違いないでしょう。そんな彼が秦を去ったのは紀元前226年、祖国である楚へと彼は帰還します。

王翦に続いて罷免され、楚へ

右丞相の地位にあった昌平君ですが王翦(おうせん)が将軍を罷免された際に政を批判し、自らも罷免されます。右丞相の地位を失った彼は楚の旧都・郢陳(えいちん)へと左遷、楚の公子として民の安撫を命じられます。 翌年に楚を滅亡させるために秦の将軍・李信(りしん)が侵攻するも、郢陳で起きた反乱の鎮圧に向かう所を楚の将軍・項燕(こうえん)に奇襲され大打撃を受けます。更に翌年、楚王・負芻(ふすう)が秦の捕虜となり、昌平君は項燕によって次代の楚王として祭り上げられました。 楚王として名乗りを上げた昌平君ですが、かつての仲間である秦の将軍・王翦と蒙武によって鎮圧され楚は滅亡します。

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『キングダム』で対楚戦争はどのように描かれるのか?

史実では最後の楚王として秦に背き、そのまま討ち取られる昌平君ですが、楚滅亡までの一連の流れには漫画版での重要人物が数多く登場します。 まず初めに楚に侵攻した将軍・李信は漫画版主人公の信のモデルであり、彼の活躍は語るまでもありません。そして李信の後に楚の侵攻を行った王翦と蒙武もまた秦の大将軍として描かれています。 『キングダム』作中での蒙武は、昌平君の幼馴染かつ親友として描かれており、彼らの対決が強く期待されます。また、危険思想の持ち主として冷遇されてきたという王翦ですが、史実では楚への侵攻の際に政との不和を解消した逸話が残されており、不気味な王翦の真の思惑が描かれる可能性もあります。 さらに楚国には「合従国編」で活躍した女傑・媧燐(かりん)を始めとした重要人物が多く存在し、彼らが一堂に会する対楚戦争は、極めて重要な物語となるに違いありません。

アニメ『キングダム』で昌平君を演じた声優は諏訪部順一

諏訪部順一

アニメ版で昌平君を演じたのは声優の諏訪部順一。諏訪部の代表作といえば『テニスの王子様』の跡部景吾や『Fate/stay night』のアーチャー、『呪術廻戦』の宿儺などであり、主人公ではないものの作中屈指の人気の誇るキャラクターを演じることが多いベテランの人気声優です。 諏訪部が演じる昌平君は、どこまでも生真面目で冷静な軍師にぴったりな落ち着いた声が印象的でしたが、2020年に放送予定の第3シリーズは「合従軍編」です。秦滅亡の危機においても冷静さを保ちつつも熱き信念を胸に策を練り上げるという、彼の持つ新たな一面を演じる諏訪部に期待します。

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『キングダム』昌平君(しょうへいくん)は本当に離反するのか?ラスボス説の真偽にも注目

秦国軍総司令官である昌平君が秦のために全力を尽くしていることは何度も描かれてきています。それ故に彼が秦を離れて敵となるという予想は外れてほしいですが、史実の彼の来歴が彼の離反を裏付けています。 『キングダム』における秦の敵国としてのイメージが強いのは「三大天」の李牧や龐煖(ほうけん)が居る趙国ですが、「合従国編」以降の楚国は急激に存在感を増しています。主人公・信達との因縁が出来た人物も多く、作中屈指の大国として描かれる楚が漫画版のラスボスとなる可能性も高いです。 また、楚の大将軍兼宰相まで上り詰めた媧燐には生き別れの弟がいることも示唆されています。もしも彼女の弟が昌平君だったならば、彼女の存在も昌平君にとって大きな意味を持ちそうです。