2024年3月1日更新

『キングダム』王翦(おうせん)は裏切るのか?素顔の正体・強さ・息子との関係性を史実と比較して解説!

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2006年から「週刊ヤングジャンプ」で連載されている原泰久による『キングダム』。その中でも、最強の呼び声高い武将のひとりが、王翦(おうせん)。彼は、六大将軍並みの強さを誇りながら、仮面の下に隠された本性はあまり明かされておらず、今なお疑問が多く残るキャラクターです。 今回はそんな王翦(おうせん)の正体や彼が裏切る可能性、史実での活躍について解説していきます!* ※この記事は『キングダム』の重要なネタバレを含みます。

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『キングダム』王翦(おうせん)とは何者なのか?

役職 大将軍蒙驁の副官→秦将軍→大将軍→六大将軍
年齢(予想) 40代
声優 堀内賢雄

画像、奥の人物が王翦

秦に仕える武将のひとり王翦(おうせん)。常にアイマスク状の兜をつけており、その素顔は謎に包まれています。仮面の下に隠された本性は「自らが王になる」ことを目指している野心家で、ときには上官よりも自分の安全を優先するなど、かなり利己的な性格をしている様子。 そんな王翦が初登場したのは、秦が魏国の山陽をとるための戦いを描いた「山陽攻略編」です。秦国側の総大将を務めることになった蒙驁(もうごう)の副官として登場しました。王翦の実力はかなり高く、作中でも六大将軍と同等の実力者と評されています。 王翦は、主人公・の良きライバルである王賁(おうほん)の父親であり、六大将軍の1人・王騎(おうき)の親族です。王騎や王賁、さらに王翦という顔ぶれから、王家がいかに優秀な一族であるかが伝わるでしょう。

王翦(おうせん)の正体・目的は?その為に裏切るのか

王翦は王になり「自分の国を建国する」という野望を抱いています。そのため秦のなかでは危険人物として扱われており、高い実力を持ちながらも国内で冷遇され続けていました。作中でもその野心がチラホラと見えており、なんと敵国の李牧に対し「私と一緒に来い」と発言したことも。 そのシーンでは「お前が私と組み力を貸すなら、二人で全く新しい最強の国を作ることできる」と豪語していました。つまり王翦は自身の野望のためなら敵であろうと手を組む覚悟があるということ。これは仲間から警戒されるのも仕方ないと感じてしまいますね。 現状はっきりとした裏切り行為はないものの、これまでの行動を見るに王翦がの中華統一に何の文句もなくついていくとは思えません。裏切りの可能性は非常に高く、秦国内部に大きな混乱を招くのではないでしょうか。

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王翦(おうせん)の最後は?『キングダム』では死亡するのか

史実上の王翦は、燕(えん)・代連合軍を破り、秦国にとっての北方の脅威を無力化させました。秦王・政は、次に強敵である楚(そ)を落とすために必要な兵力を将軍たちに問います。ここで自分の意見を聞き入れられなかった王翦は、病気を理由に将軍を辞し故郷での隠居を始めるのでした。 しかし、若い将軍たちに任せた楚との戦いで秦軍は大敗。政からの要望を受け、王翦は将軍として復帰し、秦国のほぼ全軍を預かり進軍したのです。副官の蒙武(もうぶ)とともに楚を破り、これが秦国の天下統一実現への最後のひと押しとなりました。 そののち王翦は中華統一が達成されるまで、秦の将軍として尽力。また全ての戦いが終わってからは一線を退き、それからどうなったのかは不明とされています。つまり王翦は戦いのなかで死ぬことなく隠居。おそらく『キングダム』のなかでも、彼が戦死することはないと思われます。

王翦(おうせん)の史実での活躍

史実でも強かった!3国を陥落させる

紀元前236年、王翦は桓騎楊端和(ようたんわ)とともに趙(ちょう)国の鄴(ぎょう)を攻めました。王翦は軍をまとめ、鄴を落とすなどの功績をあげます。 その後、前229年に秦国は再び趙に攻め入り、王翦も軍をまとめ活躍しました。王翦の前に李牧(りぼく)が立ちはだかると、王翦は苦戦を強いられることに。しかし、秦国は趙王側の家臣・郭開(かくかい)に賄賂を渡し、李牧らが謀反を起こそうとしていると嘘をつかせます。 これにより、李牧は誅殺されることに。大敵のいなくなった趙を、王翦は羌瘣(きょうかい)とともに滅ぼしたのです。 また王翦は趙のみならず、燕や楚などの大国も落としています。その戦いには彼を象徴するようなエピソードがあり、楚攻めの際に王翦は「60万の兵が必要」だと発言。この数は李信があげた「20万」という数字のなんと3倍!このシーンだけで王翦の慎重な性格が伝わってきます。 結局秦は李信の20万という数を採用しますが、その戦いで大敗を喫することに。そののち王翦は60万の兵を用意することを条件に楚との戦争に参加し、見事に勝利を収めたのです。王翦の慎重さと戦局を見通す冷静さがよくわかるエピソードですね。

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王翦(おうせん)の兜は史実?素顔は見られるのか

彼のトレードマークとも言えるアイマスク状の兜ですが、史実でこういった装備をしている描写はない模様。つまりこの出で立ちは『キングダム』独自のものということ。もしかしたらこれは「素顔を晒したくない」という印象を読者に与え、彼の慎重な性格をイメージづけるためのものかもしれません。 あるいは自分の顔色や作戦を悟らせない、戦術的な意味合いが隠れている可能性も。また一部界隈では息子である王賁(おうほん)と深い関りがあるのではという考察も存在。怪しいマスクの下は王賁似のイケメン?それともまったく別の顔?今後の展開に要注目です。

最強?王翦(おうせん)の強さをあのキャラと比較

王翦(おうせん)の強さは王騎(おうき)お墨付き

王翦は秦の大将軍・王騎の親戚で、しかも王翦の方が本家となっています。彼らはときに「同等の実力を持つ」と評されることもあり、王騎自身も趙の将軍・廉頗に対し「退屈したら蒙驁軍と戦え」と発言。王翦たちの実力を高く評価していました。 ではここからは王翦の戦績を見ていきましょう。戦績でいえば、彼はこれまでの戦ですべて勝利を収めています。彼は勝てる戦以外はしないと言い切るほど、「勝ち」に対して執着しており、実際にその言葉通りに勝っているのです。 王翦の強さは、軍略家として秀でている点にあります。合従軍編では、楚国の大将軍であり戦の天才といわれる媧燐(かりん)による策を読み、秦国の窮地を救いました。 鄴を攻略する際には、現地での予想外の状況を瞬時に判断。もともとの作戦を破棄する大胆さも持ち合わせていることがわかりました。天才と呼ばれる軍師たちを翻弄する王翦は、自ら負けなしの状況をつくりだす最強武将のひとりに間違いありません。

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王翦(おうせん)と桓騎(かんき)はどちらが強い?

負けなしの王翦ですが、『キングダム』にはもう1人勝ち続けている武将が登場します。それが桓騎(かんき)です。王翦は代々続く王一族の当主で、いわばエリート。一方で、桓騎は野盗から成り上がってきた将軍で、2人は実に対称的な生い立ちをしています。 その生い立ちの違いは戦い方にも出ており、桓騎は型破りで野蛮な戦い方です。それに対し王翦は、学びと経験に基づく重厚な策を得意としています。 王翦と桓騎のどっちがより優れているか、というところはファンからすれば気になるところ。しかし2人とも秦国の将軍であり、史実から見ても彼らが本気で相対することはないと思われます。 あえて2人が戦うと仮定したら、桓騎のトリッキーな策に対して、王翦が柔軟に対応して、さらにその上をいく策で反撃するのではないでしょうか。

王翦(おうせん)と李牧はどちらが強い?

「軍略の才だけで六大将軍の席に割って入る」と語られるなど、その知略を高く評価されている王翦。作中でも最強クラスの軍師・李牧と比べると、その実力はどちらの方が上なのでしょうか。 公式のガイドブックによると武力では王翦が僅かに勝っているものの、指揮力や知力は李牧の方が上になっています。そのため真正面から2人が斬り合えば王翦の方に分があると思われますが、同数の兵を与えられて戦った場合は李牧に勝利が傾きそうな予感。 しかしながら王翦は作中で李牧軍と対決をした際、李牧の戦術を見破り互角の戦いを展開しています。最終的にこの戦は秦の勝利となりますが、王翦はあくまでも手駒の差だと考えていました。つまり知略の差はほとんどなく、王翦と李牧の実力は非常に近いと言えそうです。

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王翦(おうせん)と息子王賁(おうほん)の関係

王翦の息子であり、信のライバルでもある王賁。槍の腕前は超一流で知略の面でも優れた結果を出す、才能あふれる人物です。これだけ優秀な息子であれば王翦も鼻が高いはず……。ですが、2人の関係は決して良好ではありません。 王翦は息子が小さな頃から滅多に接することがなく、武芸の指導を少ししただけでも周囲に驚かれていました。また彼が成長してからもその関係性は改善されていないようで、王賁自身も父との深い溝を感じている様子。ただ父の言う事には黙々と従うなど、反抗的な態度を見せることはほぼありません。 そんな彼らの関係性の裏には、王賁の出生に関わるある秘密が隠れている様子。なんと王賁の母は「王翦の妻になる前に身籠っていた」と噂されているのです。つまり王翦たちは血が繋がっていない可能性があるということ。これが真実ならば2人の関係性がギクシャクしていることにも納得がいきますね。

王翦(おうせん)の『キングダム』での活躍

【山陽攻略編】王翦の活躍が初めて描かれた戦い

王翦が初めてその手腕を発揮したのは、魏との大規模な戦いを展開した「山陽攻略編」となります。彼はここで桓騎とともに秦軍の総大将・蒙驁の副官として登場。王翦は左軍を指揮し、姜燕軍と激突します。 彼は壁軍を囮にしながら敵軍を包囲することに成功し、見事姜燕軍に勝利!しかしそこに廉頗が現れたため、王翦は後退することに。本来なら勝てる可能性もあった戦いですが、彼は「絶対に勝てる戦いしかしない」という信念に基づき撤退を決意したのです。 そしてそれ以降は密かに作った砦を利用し籠城作戦を実行。そこから出陣することはありませんでしたが、この兵力温存により敵を惑わせ、彼は間接的に秦軍の勝利に貢献することになります。

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【合従軍編】知略により敵を翻弄!王翦の本領発揮

趙をはじめとする6国が集結した合従軍の侵攻から、秦を守る戦いを描いた「合従軍編」。王翦はここで燕軍を相手取り、函谷関の防衛戦を繰り広げます。敵の兵数が非常に多く王翦は苦戦すると思われましたが、彼はここで持ち前の軍才を遺憾なく発揮。 その計略により燕の大将軍・オルドは多数の兵を失うことになり、そのうえオルドは姿をくらませた王翦軍に怯え要塞に籠城することに。王翦はその隙をつき別の敵軍を食い止め、函谷関の防衛に大きく貢献します。 この戦いは王翦の実力を天下に知らしめる結果となり、彼は蒙驁の死とともに秦の将軍に昇格。そののち魏の城を落とすことにも成功しています。

【鄴攻略編】恐ろしい奇策により作戦を完遂

趙国の都市・鄴への侵攻に楊端和・桓騎とともに参戦した王翦。彼はその戦いのなかで昌平君の策が通じないことがわかり、即興で攻略作戦を立案します。その作戦の内容は鄴の近辺にある城を落としたうえでの兵糧攻め。 王翦は周辺の城を落とすことで難民たちを鄴に集中させ、そのうえで桓騎軍に包囲網を展開させます。さらに難民に紛れ込ませた兵を使い食糧庫を襲撃させ、食糧難になった民衆に暴動を起こさせることに成功。これにより王翦は見事、鄴を攻略! しかも王翦は兵糧攻めのさなかに李牧軍との戦いも繰り広げています。この大車輪の活躍により王翦の実力は高く評価されることになり、彼は六大将軍が復活した際に第三将に指名されることになるのです。

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王翦(おうせん)の声優は堀内賢雄

堀内賢雄

アニメ『キングダム』で王翦役を演じているのは、ベテラン声優の堀内賢雄(ほりうちけんゆう)です。堀内はDJを目指していくなかで、ナレーションの仕事などを担当するようになり、1980年代からアニメなどに出演しています。 海外ドラマや映画の吹き替えを多数担当しており、ブラッド・ピットやベン・スティラーの吹き替えを担当。「ブラピ声優」としてテレビ番組で紹介されることもあります。 堀内はダンディな二枚目のキャラクターを演じることが多い声優ですが、力強さと渋さを兼ね備えた声で王翦を熱演。アニメの王翦を魅力的な将軍として表現しました。

実写映画版『キングダム』では誰がキャスティングされるのか!阿部寛がピッタリ?

阿部寛『祈りの幕が下りる時』
(C)2018 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会

2019年実写映画版『キングダム』が公開されました。本作は公開直後から口コミで高い評価を得て、一気に大ヒット。近年、次々と実写映画化される作品のなかでも大成功といえる作品です。 続編への期待が高まる本作。気になるのは未登場キャラクターを誰が演じるのか、という点です。王翦もその1人。王翦はマスクをつけているため、顔のほとんどが隠れています。それだけに目に印象がある人、さらに何を考えているのか分からないミステリアスな雰囲気の人が適役でしょう。 予想で1番名前が挙げられているのが、阿部寛。眼力があり、強そうな体格も王翦役に向いています。他にも目の印象が強い筧利夫、市川海老蔵、唐沢寿明といった俳優陣の名前も。1作目の再現度の高さが好評だっただけに、続編でのキャスティングにも注目が集まっています。

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『キングダム』王翦(おうせん)は目的の為に裏切るのか?正体を見逃すな

『キングダム』は史実をベースにしながらも、フィクションの要素も多数盛り込まれています。作中にも、史実通りのエピソードのなかに、オリジナルの展開が盛り込まれており、これによってより多くの読者を惹きつけています。 王翦に関しても、この記事で紹介したような史実がありますが、『キングダム』ではどんな人生を送ることになるのかまだ未知数です。これからどんな活躍をしていくのか、王翦から目が離せません。