2023年7月26日更新

『キングダム』河了貂(かりょうてん)を徹底解説!飛信隊に欠かせない娘軍師

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キングダム 河了貂 橋本環奈
(C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会

『キングダム』は2006年から原泰久によって「週刊ヤングジャンプ」で連載されている、秦の少年・と秦の国王・嬴政(えいせい)の活躍を描く壮大な歴史漫画です。実写映画化の2作目の公開が決定しています。 本記事では、信が率いる飛信隊の軍師・河了貂(かりょうてん)というキャラクターに焦点を当てて、原作での彼女の魅力や活躍、などをエピソードを交えてお伝えします。

※本記事では『キングダム』のネタバレを含む恐れがあります。注意して読み進めてください。

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『キングダム』河了貂(かりょうてん)のプロフィール

所属飛信隊
役割軍師
誕生日不明
身長不明

河了貂は原作の1巻から登場するキャラクターで、主人公の信とも付き合いが長いキャラクターの1人です。山民族・梟鳴(きゅうめい)族の末裔で、祖父とともに黒卑村に流れ着き日銭を稼いで暮らしている頃に信たちと出会いました。 信たちと出会う前は過酷な生活を強いられていたようで、悪党の手下にでもなるほど泥臭く生きてきた人物です。ショートカットで中性的な顔立ちをしているため、登場当初は性別不明でした。実際に信は男性だと思っていましたが、彼女の性別は女性です。 1巻登場時は鳥の姿を模した蓑を着ている一風変わった子供という印象の強い河了貂。ですが、天涯孤独の身で生きていくために学べるものはどんどん吸収していこうという強さを持っている人物なのです。

河了貂は実在した?モデルはいるの?

実在する人物が多数登場する『キングダム』。作中で活躍する将軍などの重要人物は、ほとんどが史実に名前があるキャラクターです。しかし河了貂はオリジナルのキャラクターであると、作者の原泰久によって語られています。 河了貂は歴史に実在せず、モデルもいません。もともと信と政とともに行動するのは、羌瘣の設定でした。しかし全員が強いのはどうかと考え、そこで誕生したのが戦いに慣れていない少女の彼女だったのです。当初の原案では信の妹や、山の民の王である楊端和の部下といった設定もあったそうです。

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実写版で河了貂を演じるのは原作大ファンの橋本環奈

キングダム 橋本環奈
(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

実写版で河了貂を演じるのは、原作ファンを公言している橋本環奈です。貂といえば、原作では途中まで信に男だと思われていたキャラクター。そんなキャラを、美少女のイメージが強い橋本がどう演じているのか注目です。 実写映画第1作では、河了貂が軍師になる前まで、奪還編の5巻までのエピソードが主に描かれました。貂は戦闘タイプというより頭脳戦を担当するキャラクターです。 河了貂が得意とする吹き矢のシーンは入っていますが、彼女の場合、見どころはアクションよりも蓑姿かもしれません。 意外と重かったという鳥の蓑姿でピョコピョコとしている姿は想像するだけで愛くるしいものがあります。その可愛らしさと、信を支えようとするまっすぐな姿のギャップがハマり役となっています。

2023「キングダム3/運命の炎」にも出演決定!

2023年公開の「キングダム3/運命の炎」でも、河了貂(かりょうてん)の登場が決定しています! 羌瘣の推薦により敵側である呂不韋陣営に送られ、軍師としての修行を積むこととなった河了貂。王宮奪還の際に共に戦った仲である、信と政に並ぶため、彼女も自分の才能を磨いていくこととなります。河了貂の成長に期待ですね!

河了貂が軍師を目指すようになったきっかけ

軍師になることを決意する

物語の序盤、信と政、貂の3人は王都を目指します。最初は金銭のために2人についていった貂ですが、やがて彼女のなかで気持ちが変化していきました。 5巻では、王弟反乱での武勲の褒美に信にささやかな家と土地が与えられ、信と貂は共に生活します。幼くして天涯孤独となった貂と信にとって帰る場所ができたのです。彼女の生い立ちを思えば、その場所がいかに特別なものかが想像できます。 いつも元気いっぱいな彼女が、分かりやすく寂しい表情をしたシーンがあります。それは信が百将になったと知ったときです。 信が頭角を現す前から、彼のことを近くで見てきた貂。だからこそ、彼の目覚ましい成長に焦りと寂しさを感じたのでしょう。8巻で描かれる政の暗殺計画では、信の強さを目の当たりにしてついに軍師になることを決意します。

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ついに飛信隊の一員に

キングダム
©︎原泰久/集英社

河了貂は10巻で軍師学校へ入学、23巻で信の率いる飛信隊に軍師として合流します。新米軍師として、信のために奮闘する姿は頼もしい限りです。 著雍攻略編ではうかつにも敵に囚えられてしまった河了貂。その際、魏火龍七師の1人・凱孟から戦場にいる意味を問われます。それに対し彼女は、信と一緒に幸せになりたいのだと強い意志のこもった眼差しで答えました。 また信も、家族のように大切な貂をなんとしても救出したいと仲間を説得していました。お互いに大切に思っていることが言葉で表現されたこのシーンからは、2人の間に結ばれた深い絆を感じ取ることができます。

活躍を紹介

飛信隊千人をまとめあげる

信が飛信隊で活躍するようになると同時に、河了貂は軍略家として名高い昌平君のもとで学び、飛信隊の軍師になります。 魏軍に勝利した信は、晴れて千人将に昇格します。千人もの隊員を抱え、飛信隊は更なる成長を遂げました。しかし羌瘣が抜けたことで軍師を欠いた彼らは連戦連敗を記録、そこに現れたのが軍師として成長した河了貂だったのです。 最初は見知らぬ少女である彼女を、認めていなかった飛信隊のメンバー。しかし河了貂は直後の戦いで千人を見事にまとめ、隊を念願の勝利に導いたのです。 この戦いを機に、彼女は飛信隊の一員として認められました。

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万極軍との戦い

万極軍は長平の戦いで非道なおこないをした秦国に、恨みを募らせていました。そんな万極軍との戦いが続く飛信隊は、味方の無事もわからない乱戦状態です。軍師である河了貂は、自ら乱戦の中に立ち入り味方を集めだします。 中から隊を立て直すため戦場に入り、彼女は飛信隊のメンバーを見つけては信のところに集まるよう指示をだします。そして自身が隊を率いて、万極と対峙する信と合流しました。 万極は状況をみて、軍の後ろに逃げようとします。味方の動きを操り彼の逃走を阻止したのも、貂でした。そして最後は信が万極を討ち取り、飛信隊が勝利します。

合従軍との戦い【蕞攻防戦】

身につけた軍師力で秦に貢献

合従軍との戦いで秦国は、李牧の策略により大ピンチに陥ります。兵力はほぼなく一般人しかいない蕞に、李牧率いる3万の兵が攻めて来たのです。 民兵が中心となった攻防戦で、河了貂は南壁の飛信隊に指示をだします。信の気合を入れた戦闘により、南壁の戦いは有利に進んでいました。そして彼女は南壁だけでなく、他の将軍が守る壁にも助言を送ります。 藨公軍の扱いなどに策を巡らせ、河了貂は蕞の攻防戦の勝利に大きく貢献したのでした。

カイネとの絆

カイネは趙軍の剣士で、常に李牧の側にいる人物です。カイネと河了貂は、馬陽防衛戦を見学していた際に出会いました。敵同士である2人ですが、カイネは河了貂が女性であると見抜き、どこか気にかけている様子でした。 そして2人は蕞にて再会します。信の攻撃によって、城壁から落ちそうになるカイネ。貂は思わずカイネに手を差し伸べます。 その極限の状況下で彼女は、無駄に死なずに、自分と一緒に来いと貂にいいます。しかし河了貂はそれをキッパリと断ったうえで、借りがあるからと彼女を助けたのでした。

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成長を続ける河了貂の今後は?

軍師となってから、山陽攻略戦では信をおとりにして奇襲をかけ、劣勢をひっくり返すなどの功績をあげています。一方で、天才軍師・李牧が合従軍を率いて秦軍にしかけた「流動」という高度な作戦に翻弄されてしまうなど、軍師としてはまだ発展途上とも読める場面もありました。 戦歴を積んでいくにつれ、軍師としての能力は次第に周りにも認められるようになっていきます。信への確固たる信頼があるからこそ成り立つ作戦も多く、それは貂ならではの強みとなっているのです。上記したように、彼女は本作のオリジナルキャラクターです。そのため今後の展開も読みづらい人物となっています。 しかし信は、史実上は中華統一以降も生き延びています。そう考えると、最後の戦いより前に貂が死ぬ可能性はかなり低いでしょう。彼女は天下の大将軍となった信が信頼する、秦国イチの軍師になるのかもしれません。

河了貂に訪れる度重なる危機!

蕞で死亡?

蕞にて河了貂は、自分を気にかけていたカイネと再会します。葛藤の中戦う2人ですが、河了貂はカイネに敵わず敗北してしまいます。彼女は捕虜にされそうになってしまうものの、信が登場し助かりました。 危機を脱した後には、ピンチになったカイネを河了貂が救う姿が描かれています。

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著雍で捕まる

基本的に軍師は戦の際、戦地より高い場所で戦況を見ながら指示を出します。しかし河了貂は自ら戦地に入り、間近で戦況を見ながら指示を出すスタイルです。 その戦い方が災いし、彼女は著雍攻略戦で信と一騎討ちをしていた凱孟の部下である荀早に捕らえられてしまいます。気づいた羌瘣は荀早を捕らえ返すことに成功するものの、河了貂は奪い返せませんでした。 飛信隊のメンバーは、彼女を奪還するため無茶をすることに賛成しません。しかし信が河了貂は妹のような存在だと語ったため、人質交換に乗り出しました。 一方の貂も凱孟将軍から問われ、自分は信とともに幸せになりたいと口にします。それを聞いて笑った凱孟は人質交換を受け入れ、彼女は飛信隊に帰還しました。 もし羌瘣が荀早を捕まえられていなければ、河了貂は殺されていてもおかしくない状況です……!

河了貂と信の関係を解説!『キングダム』の正式ヒロイン?

信とキス!?

信にとって河了貂は、政に並ぶ戦友です。信自身も作中で、貂はたった1人の妹のような存在だと語っています。対する河了貂は信を信頼し幸せを願っているものの、恋愛感情を持っているかはわかりません。しかし『キングダム』には、2人がキスをしている描写があるのです。 万極を討ち取った信のもとに、麃公将軍が酒を持ってやって来ます。そして背中を強く叩かれた信は、丘を転がり落ちてしまいました。そして下で休んでいた貂の上に落ち、偶然唇が唇に重なってしまったのです。このキスシーンは読者に大きな衝撃を与えました。

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ヒロインは河了貂か羌瘣か

本作に登場する女性のメインキャラは、河了貂以外に羌瘣もいます。今のところヒロイン説が濃厚なのは、羌瘣でしょう。羌瘣は信に特別な感情を抱いているようですし、信と河了貂はあくまで家族に近い雰囲気です。 しかし河了貂も可愛らしさ満点の人気キャラなので、今後3人の関係がどうなっていくのか楽しみです!

アニメ版『キングダム』では釘宮理恵が声優を務める

釘宮理恵

アニメ版は2012年NHKで放送開始されました。アニメ版で河了貂を演じたのは釘宮理恵です。 ツンデレ系ヒロインを得意としていますが、「鋼の錬金術師」シリーズのアルフォンス・エルリックなどの少年役もこなす実力派声優のひとり。少年のような河了貂をはつらつとした演技で好演しました。 作品の扱うテーマがテーマなだけに、雄々しいシーンが多い本作。男性声優陣の猛々しい台詞の合間に彼女の声が入ることで、この作品がとっつきやすくなった視聴者も多いかもしれませんね。

『キングダム』河了貂(かりょうてん)は可愛くて賢い軍師!

キングダム2 遥かなる大地へ キングダム
(C)原泰久/集英社 (C)2022映画「キングダム」製作委員会

河了貂は主人公である信が隊長を務める、飛信隊の軍師です。そのため信がさらに昇格していけば、より重要な存在となっていくでしょう。 そして2023年7月28日に、実写映画第3作となる『キングダム 運命の炎』が公開です。貂はどのような活躍をみせてくれるのか、原作とともに目が離せません!