『キングダム』六大将軍の新旧メンバー一覧!最後の1人は誰なのか?
天下統一を狙う秦国の大きな武器の1つ『秦国六大将軍』。古くは昭王の時代から制度が確立、政によって再び結成された『新六大将軍』は趙国との戦で早速中心的な役割を担っていきます。 今回はそんな『秦国六大将軍』を新旧に分けて1人ずつ解説!「六大将軍の暴走」や「6人目の考察」まで徹底的に深掘りしていきます。 ※この記事は『キングダム』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
『キングダム』秦国六大将軍とは?
「秦国六大将軍」とは「王の命令なし」に戦争を行う特権を持つ6人の将軍の総称です。王の指示を待つより実際に戦っている将軍が判断をしたほうが、的確な戦いができるとの狙いから六大将軍は作られたと伝えられています。彼らが活躍した時代が「秦国が最も強力だった時代」とも言われていました。 戦神と恐れられた昭王の時代に誕生した秦国六大将軍を「旧六大将軍」、政の時代に誕生した秦国六大将軍を「新六大将軍」と呼ぶことで区別しています。
旧六大将軍一覧
① | 王騎(おうき) |
---|---|
② | 摎(きょう) |
③ | 白起(はくき) |
④ | 王齕(おうこつ) |
⑤ | 胡傷(こしょう) |
⑥ | 司馬錯(しばさく) |
王騎(おうき)
王騎は中華全土で有名な武人で、かつては昭王に仕え「秦の怪鳥」と呼ばれるほど様々な戦場に参戦し猛威を振るっていました。戦闘時には周りを冷静に見渡し考える力と、個人的戦闘力どちらも兼ね備えており凛とした性格で六大将軍の中で最強の武人です。 王騎は戦友や昭王の死をきっかけに、戦うことへの意欲がなくなり一線を退きました。しかし、退いた後も政の動きに介入し、昭王の後継者として手出しをして再び復帰し蒙武を倒し秦軍総大将となります。趙軍との戦いで挟み撃ちにあい、最後は亡くなってしまいました。
摎(きょう)
六大将軍の中で最もミステリアスで謎多き人物です。昭王の実の娘ですが母親の身分が低く暗殺されてしまう危険に晒されていたので、王騎が引き取り育てることになりました。 召使として育てられ、いつも身近で王騎の武芸を見ていたのでいつしか摎にも身につき、最年少ながら六大将軍一の戦いぶりを見せました。 幼い頃に王騎と結婚する約束をし、側近として戦場に何度も参戦しています。 数年後には6代目の大将軍となりましたが、龐煖との戦闘で命を落とし王騎との結婚は果たせぬまま終わりました。
白起(はくき)
六大将軍の筆頭頭で、周囲から真の怪物・戦いにくいと恐れられるほどいとも簡単に次々と敵を倒していきます。目がせり出し血走っている特徴的な顔立ちも印象的です。 46日間も絶食状態が続いたという長平の戦いで秦国の総大将となり、40万人もの趙兵を、兵糧に余裕がないことと反乱を理由に独断で生き埋めにすると決断しました。 大量の兵を失った趙国に攻め込むチャンスでしたが、これ以上白起に手柄を取られたくないという見方により阻止されてしまい、その後自害に追い込まれ亡くなってしまいます。
王齕(おうこつ)
六大将軍一の怪力と呼ばれていて、大斧を自由自在に操り立派なひげと大きな顔の傷が特徴的です。かつて汗明との一騎打ちに敗れ逃げてしまったという話がありますが、真相は分からずもし本当であれば蒙武は相当強いということになります。 王齕はすでに亡くなっていて、死因は明らかになっていません。
胡傷(こしょう)
六大将軍の一人ですが、詳しいプロフィールや武器については公にされていない謎多き将軍で、縦に長い被り物と顎鬚が特徴的です。 紀元前269年に趙南部の閼与の地を侵略しようとしましたが、趙奢の奇策によって敗北してしまいました。 また、魏の巻、蔡陽、長社を攻めてこの地方を取り、15万もの首級を斬ったとされています。
司馬錯(しばさく)
司馬靳の祖父で司馬遷の八世の祖でもあります。紀元前316年に蜀で内乱が起き、この同時期に韓が秦に侵攻してきました。 王から対応について相談され、広大な領土を一気に奪い国を強めるという司馬錯の意見が採用され、大将として任命され中華国の統一の第一歩に貢献した人物です。
新六大将軍一覧
① | 蒙武(もうぶ) |
---|---|
② | 騰(とう) |
③ | 王翦(おうせん) |
④ | 楊端和(ようたんわ) |
⑤ | 桓騎(かんき) ※現在は空席 |
⑥ | 空席 |
①蒙武(もうぶ)
蒙恬、蒙毅の父で六大将軍の復活を求めた呂不韋四柱の一人です。蒙武の戦い方は力業が多く沢山の兵たちで一気に攻める体制で、昌平君からは策があっても力で破られると恐れられています。 趙軍襲来で秦軍の副将に就任し、兵の士気を上げ王騎からこれから秦国の顔となる存在と賞賛を受け秦国を託されました。王騎の期待の存在とも言われています。
②騰(とう)
騰(とう)はいつも王騎の側にいる王騎軍の副官で、常に冷静新着でポーカーフェイスなのが特徴です。その反面お茶目な一面もあり、王騎が亡くなった後に笑い方を真似たり臨武君の戦いで勝ったとき死んでもいない録嗚未の名を挙げるなど周囲を呆れさせていました。 趙軍との戦では大将代理・趙荘を討ち取り、王騎自身から王騎に負けない戦いぶりや判断力があると王騎軍の全てを託されるなど深い信頼関係で結ばれています。
③王翦(おうせん)
王翦(おうせん)は王賁の父であり、蒙驁軍の副将でもあります。秦国で一番の危険な存在とされ、仲間を見る目つきも鋭く目元を隠した仮面を付け鎧を身につける姿は化物だと周囲から呼ばれています。 対合従軍戦では燕軍に山砦の中心部を襲われるも、一度退散したそぶりを見せ主力八千を引き付け一気に全滅させました。王翦は墜落の危機から救った人物であります。
⑤楊端和(ようたんわ)
楊端和(ようたんわ)は山の民のトップに君臨する人物で、女性ながら「山界の死王」と恐れられるほどの実力者。秦国が6国による合従軍侵攻を受けた際、守りの最後の拠点となった蕞(さい)に楊端和率いる山の民が援軍として駆けつけ秦国の窮地を救いました。 これにより彼女は大上造(大将軍)の爵位を貰い受け、秦国の大将軍のひとりとなります。
⑤桓騎(かんき)※現在は空席
桓騎(かんき)は蒙驁軍の副将で、元々は秦南方の野盗団の首領でした。野盗団の頃城邑を攻め落とした際、全員の首を一人で斬ったことから「首斬り桓騎」と呼ばれ、将軍となってからも兵を次々に斬っていく残忍な性格の人物です。 対合従軍戦で魏軍の巨大井闌車を焼き払い、巨大井闌車を逆に利用し魏・韓の大軍の中に紛れ込み韓軍総大将を討ち取りました。 しかし、漫画69巻で描かれた趙国との戦いで、李牧に敗れ死亡したことで、桓騎の枠は空席になっています。
⑥空席
5人に匹敵する人物がおらず6人目を「空席とする」と答えた政。五大にしなかったのは絶妙なバランスで保っていた旧六大将軍を知っているから、そして逆に7人など多くしなかったのは上が多くなれば下が足らず取り合いとなる結果「速さ」が失われると説明しています。
六大将軍の復活の経緯
41巻で呂不韋が秦国を陥れようとしましたが、主人公・嬴政(えいせい)がようやく秦国を本当の意味で統一し煩わしい内政問題がなくなります。嬴政はもう一人の主人公・信に「あと15年で六国を統一する」と伝え、本格的な中華統一の幕開けとなりました。 嬴政は秦国六大将軍を復活させることを決意、そして62巻で嬴政は「年明け早々六大将軍を復活する!!」と宣言しました。そして任命の儀で5人の名前が呼ばれたのです。
新六大将軍最後の1人は誰?
信は王騎から矛を受け取っていたり、桓騎から六大将軍任命の儀で貰った首飾りを受け取っていたりと六大将軍の思いを組む人物であるため一番有力な候補と言われています。 ここからは6人目の新六大将軍候補を5人紹介していきます!
信
信は『キングダム』の主人公で身分の低い戦争孤児ながら大将軍になることを夢見る少年です。秦王である嬴政を呼び捨てにするなど礼儀作法がなっていないところもありますが、自分より格上の相手でも倒すことが出来ると漂から太鼓判をおされています。 趙軍侵攻編では「飛信隊」という名を王騎から授かり、龐煖の夜襲で大勢の隊員を失うものの、仲間たちと王騎の最期に立ち会い矛を王騎から譲り受けました。
王賁(おうほん)
王賁(おうほん)は王騎と同族で、玉鳳隊という特殊三百人隊を率いる三百将です。武器は槍で必殺技は、「龍指」という変則的軌道を描く突き技を持ち副長からも凄い腕を持っていると評価されています。 著雍争奪戦では独立遊軍の五千人隊となり、魏火龍・紫伯と戦い重傷を負いますが、戦いを繰り返し紫伯を討ち取りました。この戦いで成功を収めたことにより、信と共に五千人将に昇進を果たします。
蒙恬(もうてん)
蒙恬(もうてん)は蒙武の息子で蒙毅の兄、祖父に蒙驁を持ちます。過去には楽華隊という特殊三百人隊を率いていたこともあり、若くして多くの功績を挙げていますが、文官を志望するなど周囲の期待には答えようとしません。 対魏攻略戦終結後に、千人将に昇進し後の対合従軍戦終結で論功行賞によって二千人将に昇進を果たしました。
羌瘣(きょうかい)
羌瘣(きょうかい)は信より一つ年下の「蚩尤」の後継者として育てられた羌族の少女です。蚩尤を決める“祭”で羌象を殺された過去を持ち、それをきっかけに復讐することに命をかけ生きていくと決心します。しかし“祭”で勝ってもいない羌瘣に対し、一族から裏切り者と呼ばれてしまいます。 著雍争奪戦では、魏軍本陣の司令部へ最初に突入をし総大将の呉鳳明を逃がしてしまいますが、周囲一帯を焼き払うことに成功しその狼煙で秦軍勝利を伝えました。その後に、五千人将に昇進しています。
羌礼(きょうれい)
羌礼(きょうれい)は羌族の少女です。姉のような存在であった羌職と祭で一騎打ちとなります。優勢だった羌職がとどめを刺すのを躊躇したため羌礼の突きが羌職を貫き、羌礼が蚩尤となったのです。 祭の出来事から闇落ちした羌礼は羌瘣の前に現れます。飛信隊に入隊するも身勝手な行動が目立ち他の隊員から疎まれる事態に。そして彼女は羌瘣と飛信隊を殺すために現れたと白状しました。しかし羌礼は羌瘣との闘いで羌職の遺言を思い出し、正気を取り戻したのです。
新六大将軍の暴走とは?
673話では「早くも懸念されていた六大将軍の暴走がおきてしまうのである」とあります。六大将軍の暴走とは任命の儀で昌平君が伝えていた「一般人の虐殺・暴虐または反乱」のどれかと考察されてきました。 そして王翦・楊端和・桓騎による趙攻略の侵攻で1つの事件が起こります。戦いの最中、桓騎軍のNo.2である雷土が拷問ののちバラバラにされてしまったのです。桓騎は戦での大逆転勝利を収めた後、捕虜10万人を虐殺してしまいました。 桓騎による10万人大虐殺が673話で示唆されていた「暴走」ではないかと言われています。
王翦が自分の国を作ろうと反乱を起こす?
新六大将軍の暴走は1つとは限りません。もしかしたら王翦も今後「暴走」する可能性が考えられます。本能では戦わず少しでも勝率を上げられる方法を選ぶ将軍・王翦は時に降伏した敵の兵士を仲間に引き入れるという大胆な行動に出る一幕も。 さらにあの李牧も仲間に引き入れようとしており、その際には「2人で全く新しい最強の国を作れる」という言葉を残しています。自分の国を作るという野心によって反乱を起こす可能性があるのです。
王翦が反乱を起こす可能性は低い
しかし現状では王翦が反乱を起こす可能性は低いと言われおり、その1番の理由は史実にあります。史実での王翦は桓騎を殺した李牧に変わって台頭してきた趙葱に勝利したり、趙の幽繆王を捕らえたりと活躍。その後も引退まで秦国の将軍として様々な戦で活躍する様子が記されていました。 またあくまで考察ですが、秦国相手に裏切りを起こすことは、桓騎の暴走により六大将軍への監視も厳しくなっていることもあって敵国に攻めるよりリスクの高い行動であると思われます。負け戦には参加しない潔さを持っている王翦がそのような行動を起こすのは難しいのではないでしょうか。
六大将軍は史実に存在する?
「六大将軍」という名称は史実では登場せず『キングダム』オリジナルの名称と言われています。そのため自由に戦を出来るという特権も実際にはありませんでした。ただ六大将軍に入っていた6名は史実に残っている武将です。 史実では白起が5名よりも大きく抜きん出た存在で作中にも登場した長平の戦いで40万人を生き埋めにしたのも含めて100万人ほど斬首したとまで言われているのです。 王騎と結婚を約束した摎は史実で女性とは書かれていないとのことでもしかしたら男性だった可能性も。史実と異なる点でいえば六大将軍を裏で操っていたとされる胡傷は知将と呼べる活躍をほとんど残しておらず、将軍として出てきたばかりの趙奢の奇策に敗れて表舞台から消えています。
『キングダム』その他の将軍キャラクター
秦国の将軍たち
麃公(ひょうこう)
麃公(ひょうこう)は秦国大将軍の1人です。王騎に勝利した龐煖との一騎打ちで腕を切り落とすなど善戦するも敗北、死に際に愛用する盾を信に授け「ここは貴様の火を燃やし尽くす場所に非ず 咸陽へ行け」と伝えました。 六大将軍に匹敵する力がありながら前線での戦いを好み、自らも六大将軍への興味がない正に戦に生きる男です。
蒙驁(もうごう)
蒙武の父、蒙恬・蒙毅の祖父にあたる人物で秦国筆頭大将軍です。斉国出身で廉頗に勝てなかったため秦国に流れ着いた過去があります。山陽編で40年ぶりに廉頗と戦い、信の助言や桓騎の援軍によって勝利、山陽を攻略しました。 「凡将」と言われる一方で桓騎や王翦といった曲者を従える人間力が魅力。最期は病に倒れ、信と蒙恬らに見守られながら死んでいきました。
張唐(ちょうとう)
張唐(ちょうとう)は昭王の時代から活躍し続けた秦国大将軍の1人です。合従軍との函谷関での戦いで守将の1人に任されます。しかし韓軍の成恢による毒で余命7日となってしまったのです。文字通り命を懸けて桓騎とともに戦い、成恢を打ち破りました。 昭王の時代は旧秦国六大将軍が隆盛の時代。自分の活躍が6人の影に隠れていたため六大将軍を嫌っていました。
録嗚未(ろくおみ)
録嗚未(ろくおみ)は秦国六大将軍のひとり・王騎(おうき)が率いる王騎軍の第一軍長。王騎の死の知らせを受けた際は暴走し、万極(まんごく)軍に大打撃を与える活躍をしました。 彼は鄴(ぎょう)編以降は王騎の副官だった騰(とう)の率いる軍にて活躍。王騎軍では騰の次に最強とされる、激情家です。
魏国の将軍たち
呉鳳明(ごほうめい)
呉鳳明(ごほうめい)は魏国筆頭大将軍で、合従軍では魏軍総大将として登場しました。父親は魏火龍七師(ぎかりゅうしちし)のひとりにして筆頭を務めていた呉慶(ごけい)。 彼は父親譲りの知略を得意としており、巨大井闌車(せいらんしゃ)や床弩(しょうど)を駆使した戦法で、函谷関(かんこくかん)の守りに大きな被害を与えました。
呉慶(ごけい)
呉慶(ごけい)は魏火龍七師筆頭の実力者で、顔に入れた墨が印象的な人物。知略に長けながらも前線で長剣を振り回し自ら道を切り拓いていく武人です。 蛇甘平原(だかんへいげん)編では秦将軍・黒剛(こくごう)を討ち、3つの丘すべてを占領しました。秦国大将軍・麃公(ひょうこう)と一騎討ちの末、倒れます。
霊凰(れいおう)
霊凰(れいおう)は魏火龍七師のひとりで、呉鳳明の師。彼は冷酷無慈悲な軍略家として他国にも知られている人物で、戦う必要がある際には乱美迫(らんびはく)という手練の腹心に戦わせています。 14年間の幽閉の後に著雍(ちょよう)防衛戦に突如として現れ、周囲の城をわずか1日で陥落させました。最期は呉鳳明によって身代わりにされ討たれてしまいます。
凱孟(がいもう)
凱孟(がいもう)は魏火龍七師のひとりで、大矛を獲物とする人物。彼は腕っぷしでのし上がった人物で、知略などは巡らさず強さで相手を黙らせようとします。 地下牢から解放後は霊凰らと共に著雍戦へ出向き、飛信隊と対戦。彼は信と壮絶な一騎討ちを繰り広げますが、その後撤退命令が出たため決着はつきませんでした。
紫伯(しはく)
紫伯(しはく)は魏国史最強の槍術師と言われるほどの腕前を持つ、魏火龍七師のひとり。妹・紫季歌(しきか)が彼の心の拠り所となっていましたが、同じ魏火龍七師の太呂慈(たいろじ)に惨殺されてしまいます。 これをきっかけに魏火龍七師内での内乱となり、紫伯は太呂慈をはじめとする3人を討ち取りました。著雍戦では王賁(おうほん)に重傷を負わせますが、最期は王賁に討たれます。
廉頗(れんぱ)
廉頗(れんぱ)は魏国大将軍ですが、元は趙国最強の3大将軍・三大天(さんだいてん)の筆頭だった実力者。百戦錬磨の猛将であり、豪快な人物です。 山陽編では蒙驁(もうごう)の片腕を切り落とす活躍を見せますが、山陽を失った責任を問われ楚国へ亡命しています。
輪虎(りんこ)
輪虎(りんこ)は廉頗四天王のひとりで、自ら「廉頗の剣」を名乗る双剣使いの将軍。四天王の中でも最も危険視されている人物です。 信とは何度も剣を交えることに。当初は信を圧倒していた輪虎ですが、戦いの中で成長する彼に時代の移り変わりを感じ、最期は信に討ち取られました。信の中でも強敵として記憶に刻まれている人物です。
介子坊(かいしぼう)
介子坊(かいしぼう)は廉頗四天王の筆頭を務める廉頗の右腕。自身も大きな体躯をしており、部下にも巨漢の精鋭を多く抱えています。変則的な戦い方は苦手としていますが、真っ向勝負では廉頗に匹敵するとされる実力者。 山陽戦では桓騎(かんき)軍本陣を半壊させる活躍を見せ、その後は廉頗と共に亡命しています。
玄峰(げんぽう)
玄峰(げんぽう)は廉頗四天王の頭脳で、かつては廉頗の師も務めていた軍略家です。山陽戦ではゲリラ戦に苦労する介子坊に代わり指揮を執り敵本陣を見破る活躍を見せます。 しかし伝令兵に扮装していた桓騎に気づくことができず、最期は桓騎に首をはねられ戦死しました。
趙国の将軍たち
李牧(りぼく)
李牧(りぼく)は三大天のひとりにして、秦国の前に立ちはだかる強敵。趙国の司令塔として秦国の中華統一を阻みます。 馬陽戦では彼は迅速かつ緻密な戦略を練り、突如4万の軍を率いて参戦し王騎を驚かせていました。この急襲が王騎の死のきっかけとなり、王騎を討ち取った功で彼は趙国宰相を襲名します。
龐煖(ほうけん)
龐煖(ほうけん)は新・趙国三大天のひとりで自らを武神と称する人物です。馬陽編では王騎に致命傷を負わせるものの彼を超えられた感覚が得られず、さらに修行に没頭することに。 合従軍編では李牧軍に同行し麃公(ひょうこう)を討ち取りました。彼は信とも因縁深く、成長する信に王騎の気配を感じながら、最期は信に討ち取られます。
藺相如(りんしょうじょ)
藺相如(りんしょうじょ)は旧・趙国三大天のひとりで、李牧から智謀と勇敢を兼ね備えた大策略家と評される人物。作中ではすでに故人で、同じく三大天だった廉頗とは兄弟のような強い絆で結ばれていました。 藺家十傑(りんけじゅっけつ)は彼自身が持たない武力を補う十将の配下。後に信と一騎討ちをすることになる尭雲(ぎょううん)もそのひとりでした。
趙奢(ちょうしゃ)
趙奢(ちょうしゃ)は廉頗・藺相如と共に旧・三大天の一角をなした人物。作中ではすでに故人で、そのエピソードはほとんど描かれていません。史実では閼与(あつよ)の戦いで秦国の軍勢を撃退した活躍が有名です。 長平の戦いで王騎に討たれた趙国大将軍・趙括(ちょうかつ)は彼の息子でした。
楚国の将軍たち
李園(りえん)
李園(りえん)は宰相・春申君(しゅんしんくん)の食客だった人物です。春申君と共に王位継承に関する企てを謀っていましたが、春申君が心変わりしたため彼を暗殺。 その後李園は大将軍・媧燐(かりん)と共に楚国宰相の地位につき、王と春申君亡き後の混乱した国をまとめていきます。
媧燐(かりん)
媧燐(かりん)は「戦の天才」と評される楚国の女大将軍。巨人の異名を持つ汗明(かんめい)と同等の高身長を誇り、高い身体能力と手段を選ばない狡猾さを持ち合わせる人物です。 合従軍編では楚の第二軍を率い、あらゆる策を用いて秦軍を追い詰めました。後に李園の頼まれ、楚国の宰相も兼任するようになります。
項翼(こうよく)
項翼(こうよく)は媧燐軍の千人将として登場した信の同世代の武人。楚国の期待の若手で、合従軍編ではもともと仕えていた臨武君(りんぶくん)の仇である謄(とう)に真っ向勝負を挑み、引き分けに持ち込みました。 後に1万5千の兵を率いる将軍へと出世、臨武君の仇をとるため再度謄軍に挑んでいます。
バミュウ
バミュウは媧燐軍副官を務める将軍です。彼はドSな性格の媧燐によくいたぶられていますが、ひどい扱いを受けても満更でもない様子を見せています。 本作のところどころに登場する濃いキャラのひとりで、インパクトのある風貌をしているバミュウ。しかし意外にも常識人できっちりと副官らしい働きを見せます。
汗明(かんめい)
汗明(かんめい)は楚国大将軍で、「楚の巨人」の異名を持つ全戦全勝の猛者。合従軍編では楚軍の総大将として蒙武軍を迎撃しました。 蒙武と汗明との一騎討ちではお互い腕をつぶしあいながらも倒れない激闘を見せます。しかし最期は激昂した蒙武により致命傷となる一撃を食らい戦死しました。
臨武君(りんぶくん)
臨武君(りんぶくん)は「楚の剛将」の異名を持つ楚国将軍。巨漢を活かした怪力で大槌を振るいます。 合従軍編では王騎軍と対峙。王騎軍第5軍長・同金(どうきん)を瞬殺し、王騎軍最強と謳われる録嗚未(ろくおみ)も圧倒する力を見せました。しかし謄との一騎討ちでは討ち取られ戦死します。
燕国の将軍たち
オルド
オルドは燕国大将軍のひとりで、北の山岳族の王でもあります。合従軍では燕国の総大将を務め、王翦(おうせん)軍と対峙。15日かけて王翦軍の立てこもる山岳要塞を攻略しますが、常に王翦の策が一枚上手を行っておりオルドは苦汁をなめる結果に。 その後も彼は趙東部への侵攻の際に活躍しますが、司馬尚(しばしょう)に阻まれ撤退しています。
劇辛(げきしん)
劇辛(げきしん)は燕国筆頭大将軍で、樂毅(がくき)とともに国の復興に貢献した英雄とされる人物です。元は趙人で、そのまま国にいれば三大天に上り詰めただろうと評されるほどの実力者。 趙燕戦争では李牧の策を見破り本陣に迫った末に、龐煖(ほうけん)と一騎討ちに。しかし武神と恐れられる龐煖の実力の前に為す術なく、討ち取られてしまいます。
楽毅(がくき)
楽毅(がくき)は以前の燕国筆頭大将軍。軍神と呼ばれるほどの圧倒的な力を持ち、秦国の六大将軍や趙国の三大天に匹敵するとされる伝説的な人物です。作中では故人。 彼はかつて滅亡寸前だった燕国を復興させた英雄です。さらに当時強大な力を持っていた斉国に対し合従軍を率いて侵攻し、滅亡寸前まで追い詰めました。
韓国の将軍たち
張印(ちょういん)
張印(ちょういん)は筆頭大将軍・成恢(せいかい)傘下の将軍です。成恢亡き後、後任の筆頭大将軍に。大将軍代理として登場した彼は、他国の総大将の威圧感に気圧される場面も描かれています。なかでもSっ気のある楚国の媧燐(かりん)にいじられることが多い人物です。
成恢(せいかい)
成恢(せいかい)は韓国筆頭大将軍で、顔にひび割れのような黒い血管が浮かび上がる異様な容貌をした人物。彼は毒物の扱いに長けており、異様な顔も長年の猛毒研究の副産物です。 合従軍編では秦国大将軍・張唐(ちょうとう)を毒で瀕死に追いやりますが、彼の最後の力を振り絞った一太刀で成恢は討ち取られました。
奈棍(なこん)
奈棍(なこん)は成恢軍将校で、傷だらけの顔が印象的な人物です。合従軍編では韓軍本陣の守備長を担いました。精鋭部隊を率いていたものの、成恢を目指す張唐軍と相対し、最期は張唐に討たれました。
馬関(ばかん)
馬関(ばかん)は韓の二千人将です。彼は趙・魏・楚の国境地帯にある城ひとつ分の小さな国家・徐(じょ)国を滅ぼすため独立軍を率いていました。その最中偶然、飛信隊に遭遇。飛信隊の襲撃を受け、信に討ち取られています。
『キングダム』六大将軍たちの活躍に今後も目が離せない!
『キングダム』各国の名だたる将軍たちを紹介しました。史実に名が残る名将もそうでないオリジナルの登場人物も、いずれも『キングダム』らしい味付けによって魅力的な武人として描かれています。 乱世を描く作品なだけに、次々と作品を代表する将軍たちが討たれていくことに……。魅力的な人物が死んでしまうのは残念ですが、その死に様もそれぞれに濃厚なドラマがあり、死もまた本作の醍醐味のひとつとなっています。 そして時代は進み次世代の将軍たちも次々と登場している『キングダム』。まだまだ進化を遂げる本作と、登場する将軍たちから目が離せません。