2020年3月10日更新

『ジョジョの奇妙な冒険』第1部のウィル・A・ツェペリを徹底解説!波紋法を伝えた要人

このページにはプロモーションが含まれています
ウィル・A・ツェペリ サムネイル

AD

『ジョジョの奇妙な冒険』ウィル・A・ツェペリは物語の運命を変えた男爵【ネタバレ注意】

「ジョジョ」シリーズといえば、超能力を具現化・擬人化したスタンド能力を使うバトルが有名ですが、実は第1部の時点でスタンドは存在していませんでした。代わりに登場人物たちは「波紋エネルギー」を使った戦闘を繰り広げており、主人公のジョジョに波紋法を伝えた人物こそウィル・A・ツェペリです。 ツェペリは一見ユニークな人物ですが、壮絶な過去を背負っており、彼の働きはジョジョがディオを倒す一助となりました。本記事では、そんなツェペリのプロフィールや活躍、名言の数々について紹介します! ※本記事では『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意下さい。

ウィル・A・ツェペリは波紋法をジョジョに伝えた重要人物!

ウィル・A・ツェペリは、1838年1月19日生まれのイタリア人男性。作中での年齢は50歳で、自身のことを「男爵」と名乗っています。シルクハットを被り、礼服と蝶ネクタイを着用した口ひげ姿が特徴的です。 本人いわく、子供はいないそう。ひょうひょうとした性格ですが、実はかなりの実力の持ち主で、ツェペリから「波紋の呼吸法」の指導を受けたジョジョは、見事に波紋の才能を開花することが出来ました。

ジョナサンとの出会いが衝撃的だった!“座ったまま跳躍”を披露した名場面

ジョジョはジョースター邸でディオと決闘して大けがを負うも、エリナの献身的な看病で回復します。ジョジョとエリナが歩いている道中、サンドイッチを食べるウィル・A・ツェペリを目撃しました。 驚くことに、ジョジョに気づいたツェペリは座ったまま跳躍を始め、骨折したジョジョの腕を波紋エネルギーですぐに治したのです。 実はツェペリは、ディオの持つ「石仮面」を破壊するために波紋エネルギーを研究してきた人物でした。彼はディオがまだ生きていること、そして波紋エネルギーこそ吸血鬼に対抗する唯一の策である事をジョジョに明かします。 これを聞いたジョジョは、ツェペリとともにディオを倒すことを決意。ジョジョはツェペリから波紋の呼吸法を学び、ゾンビたちと闘って修行を積んでいきました。

AD

過去の事件をきっかけに波紋法を習得するツェペリ 師匠からは死の運命を告げられる

学者の家に生まれたツェペリは若い頃、父親の大学の遺跡発隊に参加して世界各国を旅していました。そしてメキシコのアステカ地下遺跡で、何も知らないツェペリは「石仮面」を発掘してしまうのです。帰国途中、隊員の1人が仮面を被ってしまった事で吸血鬼化し、船員たちを次々と殺戮していきました。 命からがら海へ逃げこんだツェペリは、朝日で消滅していく吸血鬼の顔を見て、初めて自分の父親だったと知ります。その後、生き延びたツェペリは、消えた石仮面を探して世界中を旅しました。インドの港町に立ち寄った彼は、人にエネルギーを流し込む「波紋」の存在と、チベットで波紋の修行を行っているトンペティという人物のことを知ります。 ツェペリは石仮面の力に対抗するため、トンペティの下で波紋の修行を積むことを決意。しかしトンペティは、ツェペリが波紋法を体得することで彼の運命が変わり、“いずれ残酷な死を迎えることになる”と宣告するのでした……。

ツェペリは死の運命を受け入れ、ジョジョに全てを託す!

歴史上の騎士であるブラフォードとタルカスが、ディオの手によってゾンビとして蘇ります。ジョジョはブラフォードを倒すも、遺跡内でタルカスの放ったチェーンに捕まってしまいました。ツェペリはタルカスと対峙しますが、昔トンペティに宣告された「自らの死の運命」が彼の頭をよぎります。 そんな中、ジョジョ同様ツェペリもチェーンに捕まり、タルカスによって下半身をもぎ取られてしまいました。ツェペリは上半身のみの姿となってしまいますが、倒れているジョジョの体に手を触れます。「ジョジョ継いでくれ、わしの意思を!」そう叫んだあと、ツェペリは深仙脈疾走(ディーパスオーバードライブ)を使って、ジョジョの体に最後の生命エネルギーを流し込みました。 ツェペリの生命波紋が宿ったジョジョは復活し、圧倒的な力でタルカスを倒します。ツェペリは最期、自らの運命に満足していると言い残し、この世を去りました。ツェペリの力や生き方、高潔な精神を引き継いだジョジョは、この時に主人公としての完成形へ到達したと言っても過言ではないでしょう。ツェペリの亡き後は、スピードワゴンが彼のシルクハットを引き継いで被るようになりました。

AD

ツェペリには孫がいた!?ジョジョ史上に残る伝説の間違いについて

実は週間少年ジャンプ掲載時、ツェペリは“結婚しておらず家族もいない”という設定でした。しかし「ジョジョ」第2部で、なんとツェペリの孫であるシーザー・A・ツェペリが登場してしまいます。さらに、シーザーは主人公・ジョセフの仲間にして親友であり、第2部のメインキャラクターでした。 この矛盾に対して、一部ファンからクレームが集まってしまいます。批判を受けた原作者の荒木飛呂彦は、単行本4巻に謝罪文を掲載。謝罪文の最後に書かれた「おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです……」というフレーズは、ジョジョファンの間で有名になりました。その後、単行本で“若い頃に結婚していた”という台詞に訂正されています。

第7部でツェペリの名が再登場!その名もジャイロ・ツェペリ

ジャイロ・ツェペリは、ジョジョ第7部「スティール・ボール・ラン」の主人公の1人です。第7部の舞台はパラレルワールドのため、ウィル・A・ツェペリとの血縁関係はありません。 1部のツェペリはイタリア人で学者の家系でしたが、ジャイロ・ツェペリは死刑執行人の家系であり、ネアポリス王国が出身国となっています。しかし一方で、主人公に対して面倒見が良かったり、抜けていそうに見えて高い実力を持つなど、1部ツェペリの面影を感じることも……。 ジャイロ・ツェペリは波紋の能力を持っておらず、代わりに特殊な「鉄球」を代々継承してきました。「ニョホホ」と笑ったり、レース中にギャグを思いついてはジョニィに披露するなど、お茶目な一面も持っています。 ジャイロ・ツェペリは「スティール・ボール・ラン」レースの参加者の1人ですが、その理由は莫大な賞金ではなく、国家反逆罪となった無実の少年を救うためであり、とても情に厚い青年です。

AD

【メメタァ】ツェペリの名言を紹介!中には作品テーマを代表するセリフも

「「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!「恐怖」を我が物とすることじゃあッ!」

ディオの能力によってゾンビ化した切り裂きジャックと闘う際に、ツェペリが発した台詞です。 人は恐怖を感じると、呼吸が乱れてしまいます。しかし恐怖を克服するという「勇気」を獲得することで、波紋の呼吸法を使いこなす事も可能になるのです。

「人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!!人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!いくら強くてもこいつら屍生人(ゾンビ)は「勇気」を知らん!」

ツェペリが切り裂きジャックの顔面を攻撃する際に放った台詞です。ツェペリは、頭を使わずにところかまわず攻撃してくるゾンビを見て、“「勇気」とは呼べんな”と否定しました。 ツェペリの戦闘に対する理念を象徴し、第1部のテーマである「人間讃歌」について言及している代表的な台詞の1つです。

「自分の運命に満足しておる…すべて受け入れておるよ…わしはこれからお前の中で生きるんじゃ」

最後の生命エネルギーを全てジョジョに送ったツェペリは、この台詞を言い残して亡くなりました。事前に「自らの死の運命」を知っていても、抗うことなく使命を全うしたツェペリは、強い正義感の持ち主であることがわかります。 この悲しい別れが、ジョジョをより一層成長させることとなりました。

「メメタア」(効果音)

ツェペリが波紋エネルギーでカエルを殴った際の擬音です。ツェペリはジョジョに波紋エネルギーが何なのか説明するため、カエルを通り越して下の岩盤だけを割りました。もちろん、カエルは無事です。 とても個性的な効果音のため、ジョジョファンの間でも人気が高いシーンとなりました。

AD

アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』でツェペリを演じる声優は塩屋翼(画像右)

ウィル・A・ツェペリを演じるのは、プロ・フィットに所属する男性声優の塩屋翼(画像右)です。声優界の名脇役として有名な声優で、代表作に『スラムダンク』の宮城リョータ役や、『科学忍者隊ガッチャマン』の燕の甚平役などがあります。 アニメ映画とPS2用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』では、小山力也がツェペリの声を担当しました。塩屋翼版のツェペリとはだいぶイメージが異なっており、小山力也の演じるツェペリは渋くダンディーな声質を披露しています。

『ジョジョの奇妙な冒険』ウィル・A・ツェペリの高潔な精神は次世代に受け継がれていく

以上、「ジョジョ」第1部に登場するウィル・A・ツェペリについて紹介しました。ツェペリは第1部の途中で亡くなってしまいますが、第2部では孫のシーザー・A・ツェペリが登場したり、第7部のパラレルワールドでジャイロ・ツェペリが大活躍するなど、作者の彼に対する思い入れが伝わってきます。 名言の数々からも高潔な人物である事がうかがえ、ツェペリとの出会いが無ければジョジョはディオ相手に勝利することは困難だったでしょう。ツェペリは第1部の物語だけでなく、それ以降のシリーズでの戦闘にも影響を与えたとても重要な人物です。