2020年10月23日更新

『憂国のモリアーティ』の魅力とあらすじをネタバレ解説!ホームズの宿敵、モリアーティ教授が“歪んだ世界”を正す

憂国のモリアーティ
©竹内良輔・三好 輝/集英社・憂国のモリアーティ製作委員会

『憂国のモリアーティ』はモリアーティ教授がロンドンに仕掛ける陰謀が描かれるハードボイルドなクライム・サスペンス。ミステリー好きにはたまらない本作の事件を徹底解説します!ウィリアムの計画の全貌やシャーロックの活躍とあわせてネタバレありで紹介します。

目次

『憂国のモリアーティ』の魅力を徹底解説!陰謀渦巻くミステリーの世界【ネタバレ注意】

『憂国のモリアーティ』は世界中に熱狂的なシャーロキアンを生み出すコナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案としたクライム・サスペンス漫画です。構成を竹内良輔、作画を三好輝が担当し、2016年以降「ジャンプスクエア」にて連載されています。 2019年からミュージカル化・舞台化され、2020年10月からはTVアニメ版もスタートし各メディアで盛り上がりを見せる『憂国のモリアーティ』。2020年10月現在12巻まで発売されている本作の内容を、事件ごとにネタバレありで解説します。

『憂国のモリアーティ』のあらすじ

『憂国のモリアーティ』の主人公は、原案ではシャーロック・ホームズの宿敵として登場するモリアーティ教授です。モリアーティ教授ことウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、もともと孤児でした。 貴族の気まぐれで弟・ルイスと共にモリアーティ家に引き取られたウィリアムは、貴族なら何をしても許されるという社会の腐敗を目の当たりにします。実は天才的な頭脳を持っていたウィリアムは、モリアーティ家の長男・アルバートとルイスとともに、モリアーティ家を乗っ取る計画を立て……。 完全階級制度によって腐敗した大英帝国を闇から正すべく、ウィリアムたちは暗躍を始めるのでした。

『憂国のモリアーティ』主要キャラクター紹介

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは元孤児で、現在はモリアーティ家の次男。表向きはダラム大学で数学を教える若き教授です。私立相談役(コンサルタント)を副業にしており、市民から持ちかけられた問題事の解決をしています。 さらに裏では犯罪相談役(クライムコンサルタント)として暗躍。仲間のリーダー的な存在として、社会の腐敗を打ち倒すべく様々な計画を立案・実行します。彼の天才的な頭脳によって導き出された計画は常に完璧で、本作ではシャーロック・ホームズですら彼の掌の上で転がされている状態です。 彼はもともとモリアーティ家にいた次男・ウィリアムの成り代わっているため、彼自身の本名は不明。その出自も孤児であること以外不明ですが、幼い頃から天才の資質を持っていました。

アルバート・ジェームズ・モリアーティ

アルバート・ジェームズ・モリアーティは一家の長男にあたる伯爵で、もともとモリアーティ家に生まれた貴族。孤児の中からウィリアムを見出した張本人でもあります。 貴族ながら貴族のあり方や現状の社会に不満を抱いており、同じ志を持つウィリアムに賛同。序盤はイギリス軍に所属しており、のちにウィリアムの活動がスムーズに行えるようにMI6の指揮官・Mとなります。

ルイス・ジェームズ・モリアーティ

ルイスはウィリアムの実弟で、彼と共に慈善事業の一貫としてモリアーティ家に引き取られました。現在はモリアーティ家の三男として、家を空けることの多い長兄に代わり敷地の管理などを行っています。 幼い頃は心臓病を患っていましたが、その後手術で完治。ウィリアムを心酔に近い形で慕っており、彼の作戦を完遂させるためにはどんな犠牲も厭わないと思っているようです。

シャーロック・ホームズ

シャーロック・ホームズは諮問探偵(コンサルティングディテクティブ)を自称する人物。鋭い洞察力の持ち主で、たまたま裏でウィリアムが糸を引く事件に対し見事な推理を展開したことから、ウィリアムの目にとまりました。 ウィリアムによって民衆に社会の腐敗を知らしめるための英雄役として担ぎ出され、意図せず事件に関わっていきます。

セバスチャン・モラン

セバスチャン・モランはウィリアム陣営の1人で、元軍人。表向きはモリアーティ家の使用人として振る舞う、ウィリアムの右腕です。 彼は銃の扱いに長けていて、その腕前はウィリアムの作戦の要になることも。過去の出来事からウィリアムには忠誠を誓っており、彼に命を預けています。巧みな話術を活かして重要な情報を引き出すこともできる、実働部隊の要です。

フレッド・ポーロック

フレッド・ポーロックはモランと同じく、ウィリアム陣営の構成員でモリアーティ家の使用人をしている青年。陣営の中では最も幼く、無口で無表情な人物です。 その正体は犯罪相談役の窓口であり、彼自身が犯罪ネットワークそのものと言われる存在。彼は変装も得意で、女性になりすますこともあります。運動能力も高く、モラン同様作戦実行に欠かせない人物です。

ジョン・H・ワトソン

ジョン・H・ワトソンはシャーロックとベーカー街の221Bでルームシェアをしている元軍医。シャーロックの相棒として、彼の高い推理力を目の当たりにしていくことになります。 彼と共に事件に巻き込まれることも多く、その出来事はコナン・ドイル名義で小説として発表。これがきっかけでシャーロックはロンドンで最も有名な探偵になっていきます。

事件1:モリアーティ伯爵家の火災事故

貴族の身分にあぐらをかき、上流階級以外の人間を見下しゴミのように扱うモリアーティ家の両親や次男・ウィリアム。その姿に嫌悪感を抱いてきたアルバートは、孤児院で正しく悪の道を説く、とある兄弟を養子として迎え入れます。 彼らが養子になってから約1年後。アルバートは理想の社会を築く第1歩として、腐った貴族である両親と弟を正義のために殺す相談を、兄弟に持ちかけるのでした。圧倒的な知識と知恵を持つ兄弟の兄は、事故に見せかけた完全犯罪を立案。 屋敷中にある燭台の皿に水を張ることで、小規模な爆発を起こし屋敷を丸ごと燃やすことにします。家族3人と使用人9人が屋敷と共に焼ける中、奇跡的に助かった哀れな兄弟として3人は生還。ルイスはこの時、兄の計画をより確実なものに近づけるため、炎で自らの顔面を焼き傷をつけます。 こうして本物のモリアーティは焼け死に、代わりに計画を立てた養子の兄がモリアーティに成り代わります。以降3人は両親も屋敷も失ってしまった3兄弟として生きていくことに。 アルバートの貴族としての権力や財産、そしてウィリアムの頭脳が手を取り合ったこの時から、後に「犯罪卿」と呼ばれる彼らの理想の国を作るための戦いが始まります。

事件2:大英帝国の醜聞【帝国の機密が盗まれた!?】

元女優で高級娼婦のアイリーン・アドラーによって、帝国の機密情報が盗まれ、MI6に彼女の暗殺任務が下ります。同じ頃シャーロックの元に舞い込んだ依頼をきっかけに、彼はアイリーンと接触することに。実はこの接触自体が、アイリーンが自身の身の安全を確保するために仕組んだものでした。 MI6の指揮官でもあるアルバートは、犯罪卿としてアイリーンと交渉します。抹殺命令が下っている彼女を救う代わりに、機密文書を彼らに手渡すという内容でした。これまで娼婦として自分を犠牲にしながら自分なりに悪と戦ってきた彼女は、犯罪卿の言葉に心動かされ文書を渡す決意をします。 その文書の内容は、帝国がフランス革命を陰で操っているというものでした。好奇心からアイリーンが隠そうとしているものを探っていたシャーロックも、文書の中身を知り、同時に彼女の交渉相手が犯罪卿であることを見破ります。 アイリーンの命を確実に守る方法を模索するシャーロック。彼が出した結論は犯罪卿に彼女を守ってもらうことでした。犯罪卿との直接取引の末、彼女の命は守られることになります。 表向きでは彼女は死に、元アイリーンはMI6の7番目の工作員、ジェームズ・ボンドとして新たな人生を歩み始めるのでした。

事件3:犯人は2人【ミルヴァートンVSシャーロック】

英国一のメディア王であり、裏では脅迫王として多くの人を苦しめているミルヴァートン。ジョンの婚約者・メアリーも彼に脅迫されてしまい、シャーロックは脅迫の証拠を彼の屋敷から盗み出そうと考えます。 同じ頃、ウィリアムたちはミルヴァートンがここ最近起きている事件の裏側にいたことを掴んでいました。しかし彼は自分が死んだ場合、世間に犯罪卿がウィリアムだという情報を拡散する手はずを整えていたのです。 シャーロックが屋敷に潜入すると、そこにはミルヴァートンとウィリアムの姿が。一連の事件は、最初からミルヴァートンが2人を引き合わせるために仕組んだ計画だったのです。ミルヴァートンはこの場で名探偵に犯罪卿を逮捕させようとします。 しかしシャーロックはそうしませんでした。ウィリアムが犯罪卿であってほしいと思い続けていた彼は、それが現実だったことに喜びを噛み締めながら、逃げようとするミルヴァートンを銃殺。脅迫の証拠を屋敷ごと燃やしてから、警察に出頭します。 ようやく面と向かって宣戦布告しあったシャーロックとウィリアム。ウィリアムはいずれシャーロックが自分を殺してくれるという確信に胸踊らせ、モリアーティプランを早急に進めていこうと決意するのでした。

事件4:最後の事件【ウィリアムの最終計画】

ウィリアムは計画の最終段階に取り掛かることにします。当初の計画では犯罪卿の正体を明かしたのち、全員で姿を闇に紛れさせる予定でしたが、ウィリアムはその計画を変更。彼は自らを単独犯の見せる犯行声明を出し、単身でリストアップしていた貴族たちに手をかけていきます。 女王はマイクロフトにウィリアムの逮捕を命じ、街では貴族や市民からモリアーティ家が非難の声を浴びせられます。貴族と市民の共通の敵となるというウィリアムの計画は順調に進んでいくのでした。 ひとりで黙々と殺人を続けていくウィリアムは、計画の最後には命を絶つつもりでした。しかし社会のためにウィリアムが命を落とさなくてはならないことに、ルイスやフレッドは納得がいきませんでした。そこで2人はシャーロックに助けを求めるしかないと考え始めます。 ウィリアムによってロンドンの街から活気が失われ、打つ手を失った女王はシャーロックを頼ることにします。彼は過去の事件やウィリアムのことを調べ直し、これまでの彼の計画を知ったうえで自分がどうすべきかを考えるのでした。 シャーロックとジョンが女王のもとへ向かう頃、アルバートの元に集うウィリアム陣営の面々。彼は計画の最終段階としてロンドンに火を放つと宣言しました。

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暗躍するモリアーティを待つ結末は?『憂国のモリアーティ』は手に汗握るクライムサスペンス

憂国のモリアーティ
©竹内良輔・三好 輝/集英社・憂国のモリアーティ製作委員会

シャーロック・ホームズが解いてきた様々な難事件の裏には、モリアーティプランを進める犯罪卿、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティの暗躍がありました。そんな大胆な設定が目を引く『憂国のモリアーティ』は、2020年10月からアニメの放送も開始しています。 本作で描かれるモリアーティ教授はただの悪人ではなく、自らの正義のために悪に手を染めていきます。そして彼がヒーローに仕立て上げたシャーロック・ホームズもまた、犯罪卿の事件の真意に気づいてからは自分なりのやり方で自身の正義をぶつけていくことに。 事件と悪と正義が絶妙なバランスで絡み合う本作の結末は一体どうなるのでしょうか。アニメを楽しみつつ、原作漫画でいち早く先の展開を楽しんでみてください。