2021年2月25日更新

映画『キャビン』はホラーの定石を覆す!?ネタバレあらすじからモンスターの解説まで

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キャビン
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映画『キャビン』山小屋でパニック!お約束だらけなのに面白いのはなぜ?

山小屋に男女5人が集まり、二転三転していく状況の中でパニックに包まれていく映画『キャビン』。 本作は『LOST』や『クローバーフィールド HAKAISHA』のドリュー・ゴダードと『アベンジャーズ』で監督を務めたジョス・ウィードンがタッグを組んだスリラー映画です。 スリラー映画にありがちなベタな展開もある一方で、コアな映画ファンをも次々と魅了するその理由は一体何なのでしょうか?この記事では、鑑賞後に知るともっと本作を楽しめる情報をネタバレ解説します。

映画『キャビン』のあらすじ

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©Lionsgate/Photofest/zetaimage

大学生のデイナ、マーティ、ホールデン、カート、ジュールズの5人は、カートのいとこが購入した別荘で休日を過ごすことに。田舎道の先にある山小屋で過ごす日々を楽しみにしていました。 山小屋への道中あるガソリンスタンドに立ち寄ると、持ち主が何度も何度も変わっているなど、山小屋に関する少し不吉な話を聞かされます。 山小屋に到着すると、どこか不穏で不気味な空気を感じる5人。せっかく来たのだから楽しもうと水遊びやパーティを楽しみますが、実は彼らは複数のモニターで監視されていたのでした。

物語は思わぬ方向へ……

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突然地下室の扉が開き、デイナはそこでとある日記を発見します。その日記は少女ペイシェンスが1903年に書いたもので、彼女の家族やバックナー一家が犯してきた殺人について記されていました。 日記の最後に書かれていたラテン語の呪文を読み上げると、なんと森に埋められていたバックナー一家らしきゾンビたちが小屋へと向かってきたのです。 その後ゾンビたちは、まずジュールズをノコギリで殺害。彼らの動きを監視している秘密組織は、ゾンビたちが彼らを襲いやすいように誘導していきます。 秘密組織の目的は、地下にいる「古き神々」に「淫乱・戦士・学者・愚者・処女」の生贄の血を与えて封印することでした。それは人類の存亡を保つための重要な儀式だったのです。

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謎の組織に観察されていた!?気になる結末は……

5人は続々と襲われていき、デイナを除いた4人が殺されてしまいました。監視していた秘密組織のスタッフたちが喜んだのも束の間、マーティが監視カメラの届かない場所で生存していることを知ります。 マーティはゾンビに襲われそうになったデイナを助け、秘密組織がいるエリアへと忍び込んでいくことに。管理室の室長は、黒ずくめの警備隊に2人の抹殺を命じます。 追い込まれた2人は怪物たちが閉じ込められた檻を開き、その結果警備隊や職員たちが次々と皆殺しに。 マーティとデイナは儀式が行われる場所にたどり着きます。そこに館長を務める女性ボスが現れ、隠された真実を話すのです。 彼女が言うには、「儀式に用いる石板にはシナリオ通りにマーティの血を捧げなければならない」「そうでなければ巨大な邪神が復活し人類が滅亡する」とのこと。 マーティを殺せば助かると知らされていたデイナは、マーティに銃を向けます。彼が抵抗しているところで怪物たちが乱入し騒ぎとなり、館長やゾンビたちも地下へと転落していってしまいました。 儀式は失敗、そして“人類の終わり”が始まったのです。

あるある定番ホラー映画と思いきや……斬新な世界観に引き込まれる

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男女で訪れた旅先で恐ろしい事件へと巻き込まれてしまう展開や、ゾンビに1人また1人と殺されていってしまう展開は、ゾンビ系のホラー映画のお約束。 しかし『キャビン』はこれまでのホラー映画にはなかった斬新な世界観で注目を集めました。彼らを監視する謎の組織の存在や人類滅亡を防ぐ儀式、その生贄……。物語は予想だにしなかった方向へと進んでいきます。

ホラーにお決まりのキャラ設定!5人の役割を解説

カート/クリス・ヘムズワース

キャビン クリス・ヘムズワース
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ホラー映画には必ず登場すると言っても過言ではない、正義感と勇敢な心を持つ男。本作でその役割を担ったのがカートです。 生贄の「淫乱・戦士・学者・愚者・処女」の中で「戦士」の役割を持ち、勇猛果敢な行動が目立ったものの、結局は救われず悲惨な死を遂げてしまいます。

マーティ/フラン・クランツ

キャビン フラン・クランツ
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「愚者」の役割を持ったマーティは、ハッパを吸った“ラリっている”存在で、組織にとっては一番の厄介者。 案の定ダークホースとして活躍し、組織が企んでいたシナリオをひっくり返します。彼が死を拒み最後まで生き残ることによって、本作は単なるゾンビスリラー映画に収まらない作品となっているのです。

デイナ/クリステン・コノリー

キャビン クリステン・コノリー
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「処女」の役割を担っていたデイナは、控えめでかわいらしい女性。 大人しい性格でありながらもゾンビには勇敢に挑み、マーティの助けもあって最後まで生き残ります。マーティを殺せば生き残れると言われながらも、最終的には殺せなかったことで人類の滅亡が始まるのでした。

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ホールデン/ジェシー・ウィリアムズ

「学者」の役割を担っていたホールデンは、その見た目からも伝わってくるような真面目な青年。 他のキャラクターに比べれば影が薄い印象がありますが、友人たちからは一目置かれる存在。いいところまで生き残るものの、結局は殺されてしまいました。

ジュールズ/アンナ・ハッチソン

「淫乱・戦士・学者・愚者・処女」の中で「淫乱」の役割を持っていたジュールズ。 恋人がいるにも関わらず浮気な性格で、躊躇うことなくセクシーな姿も見せてしまうなど奔放な姿が描かれながらも、あっさりと殺されてしまいます。

貞子も登場!?アメリカからみた日本のホラーのイメージ

リング 貞子
©️OMEGA PROJECT/zetaimage

『キャビン』にはさまざまなホラー映画のオマージュが含まれていますが、ジャパニーズホラーも例外ではありません。 組織のメンバーたちが各国の儀式の様子を監視している際、日本で行われている儀式が映し出されますが、長い黒髪のおぞましい幽霊が浄化されていきます。その見た目はまさに貞子であり、海外においても「日本のホラーと言えば貞子」というイメージを持たれているのではないでしょうか。 また本作では日本支部が優秀な支部として登場します。これはつまり、ジャパニーズホラーはアメリカのホラーファンの間でも評価が高いということかもしれませんね。

あの有名キャラのオマージュだった!エレベーターから登場するモンスターたち

ヘルレイザー 2
©︎NEW WORLD PICTURES/zetaimage

男女が5人で山小屋へと向い恐ろしい事件に巻き込まれていくという設定や、謎の呪文で悪霊が復活してしまうといった流れは映画『死霊のはらわた』(1981年)と共通しているポイント。 さらに、閉じ込められていたモンスターたちの中には「IT」シリーズのペニーワイズのようなピエロが見られます。また、デイナがエレベーターで鉢合わせてしまうモンスターのルックスは、『ヘルレイザー』(1987年)に登場するピンヘッドにそっくり。 『キャビン』にはさまざまなホラー映画の金字塔をオマージュしたモンスターたちが勢揃いしているのです。

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映画『キャビン』は知れば知るほど面白いホラー映画だった

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ベタなホラー映画かと思いきや、面白い仕掛けや予想だにしないまさかの展開が待ち受けている映画『キャビン』。本作は一味違う恐怖を体験したいあなたにおすすめの作品と言えるでしょう。