2021年12月6日更新

【ネタバレ】漫画『シャドーハウス』のあらすじを解説!生き人形たちが暮らす不穏な館の正体は?

シャドーハウス
(C)ソウマトウ/集英社・シャドーハウス製作委員会

漫画『シャドーハウス』は、ソウマトウによって『週刊ヤングジャンプ』で2018年から連載されているゴシックミステリー作品。2021年12月現在、コミックスは9巻まで発売されていて、2021年4月からはアニメ版も放送されました。 本記事ではそんな本作について、ネタバレも交えながらあらすじと魅力を詳しく解説していきます!

まずは基本情報を解説!生き人形とは?

シャドーハウスとは

まずは物語の舞台である、シャドーハウスについて解説しましょう。断崖に佇むシャドーハウスは、訪れる人のいない大きくて不思議な館。 貴族のまねごとをしている顔のない「シャドー家」や、彼らの「顔」として従えられている「生き人形」のほかに、返事をしない顔のない人形などが暮らしています。彼らが外出することは禁止されていて、外にはいくつもの罠が仕掛けられているとのうわさも。 シャドー家の人々は負の感情を持つと体からすすが出るといった特徴があり、すすで汚れた部屋は生き人形たちによって毎日掃除されている模様です。 また彼らは“お披露目”という儀式を経て成年と扱われ、シャドー家のトップ「偉大なるおじい様」に認められることを望んでいます。

生き人形とは

「生き人形」とは「シャドー家」の1人1人に専属で付いている、精巧に作られた人間のような心を持った人形とされています。しかし真相は不明。食事や睡眠を必要としており、人間と同じ特徴を多く持っています。 彼らはシャドー家への強い忠誠心を持っており、主人の「顔」として鏡のような存在になることを求められています。

【1巻~】ケイトとエミリコ

シャドー家の1人・ケイトが従えている生き人形の少女・エミリコは、ケイトの顔としてふさわしくなるために、すすで汚れる部屋の掃除や文字の勉強に勤しんでいました。 シャドーハウスの常識から外れたエミリコの数々の行動にケイトは驚かされつつ、2人は少しずつ距離を縮めていきます。 ある日エミリコは窓の外をのぞくと、上の階で掃除をしていた生き人形の少女・ミアと出会いました。それからしばらくすると部屋の外の掃除の日になり、ミアはエミリコを迎えにきます。 彼女に連れられ初めて部屋の外にでたエミリコは、大きな部屋やたくさんの生き人形たちの姿に驚くのでした。 エミリコが外の掃除を終えた数日後。彼女にとって初めての、班で知らないことを教え合う「授業」を行っている最中に、すすの集合体である「こびりつき」の、さらに集合体「亡霊」が現われます。「こびりつき」は、生き人形を殺してしまうこともある危険な存在です。 生き人形・ローズマリーが犠牲になりかけるものの、エミリコがかけた花瓶の水によって、なんとか「亡霊」を退治するのでした。

【2巻~】“お披露目”のはじまり

こどものシャドーたちは“お披露目”で資質が試され、“お披露目”をクリアしたシャドーは成人として扱われます。ケイトとエミリコは同期たちとともに、“お披露目”に臨むのでした。 「おじい様と共にある棟」に住んでいる特別な生き人形・エドワードによって、長い廊下の先にある“お披露目”の会場に案内されます。そこにはたくさんの食事や飲み物が。 パーティ会場を再現した場所で、いかにシャドーと生き人形が正しく振る舞えるか、という内容の1次選考が行われました。 シャドーと生き人形がペアとなってダンスを踊った後に、シャドーたちは美しい庭園に招待され、生き人形たちは会場に留まるよう指示されます。しかしシャドーたちはいつまで経っても戻ってきません。残された生き人形たちは閉じ込められた部屋から脱出するための手がかりを探します。 その頃シャドーたちは、庭園のあちこちにある檻に囚われてしまうことに。これは囚われたシャドーを生き人形たちが助ける、という“お披露目”の2次選考でした。 なんとかパーティ会場から脱出した生き人形たちは、エドワードにいくつかのルールを告げられ、難解な仕掛けがある庭園へと足を踏み入れていきます。

【4巻~】振る舞われたコーヒーの中身は……?

“お披露目”の2次選考は、シャドーの同期であるシャーリーとラムを除いて全員が突破という結果になりました。 成人になった彼らは祝杯され、飲めば不安もなくなるというコーヒーを飲むことに。このコーヒーには「偉大なるおじい様のすす」が入れてあり、生き人形たちは洗脳されてしまいます。 コーヒーを飲んだエミリコの異変を察知したケイトは、「こびりつき」を体内に取り込んでしまうとかかる病気・すす病の対処方法である“水を大量に飲ませる”ことを試み、エミリコの正気を取り戻すことに成功。 シャドーハウスに疑問を抱いていたケイトは、その思いをエミリコに伝えるのでした。 それから手紙を用いて、同期のジョンとショーンへ協力を求めることに。すす入りのコーヒーを与えられる「喜びの会」という、毎週行われる星つき主催のイベントの存在を知ったことをきっかけに、ケイトとエミリコは星つきを目指すことを決意します。 1週間後の「喜びの会」にて、以前すす病になった生き人形・ローズマリーから突然大量の「こびりつき」が出現。「亡霊」も現れて場が混乱する中、エミリコの活躍によって騒ぎが再び収められるのでした。

【6巻~】“亡霊騒ぎ”の犯人発覚

“亡霊騒ぎ”の犯人として星つきから疑いをかけられたケイトは、この事件の解決を条件に1度は見逃してもらうことに。彼女は同期のシャドー3人とともに情報収集をしながら推理していき、ローズマリーの主人・マリーローズが犯人であることを突き止めます。 マリーローズはシャドー家のこどもの最年長者として、シャドーが生き人形の体を取り込む儀式「一体化」を近々にする予定とのこと。2度に渡る“亡霊騒ぎ”は自分の生き人形であるマリーローズの人格が無くなってしまうことを受け入れられず、反抗するために起こした事件だったのです。 謎のシャドー・ローブ様の正体として姿をあらわしたマリーローズは、「こびりつき」を操る能力を持っていることが判明。能力を使ったローズマリーにケイトとジョンは追い詰められたものの、エミリコとショーンの協力もあって、なんとか彼女を取り押さえることに成功しました。 星つきへと引き渡されたマリーローズは「おじい様と共にある棟」に運ばれることに。運ばれている最中、彼女は亡霊をつくって廊下の壁を破壊し、エドワードを襲った上でローズマリーとともに崖下へ飛び降り、心中するのでした。

【7巻~】生き人形の過去が明らかに

7巻では星つきの過去が明かされていきます。バーバラの前任者であるクリストファーは、とても優秀な人物でした。 しかしクリストファーは“お呼ばれ”の真実を知って自害。その事実を彼の生き人形であるアンソニーが、マリーローズに伝えたのです。これが後にマリーローズが“亡霊騒ぎ”を起こす理由になったのでした。 マリーローズの身投げ後、ケイトとエミリコの前にアンソニーが現れます。マリーローズたちの身投げ計画をすすの力で手助けしていたケイトにリーダーの資質を見出したアンソニーは、「君には僕が必要だ」と言い残して姿を消します。 騒動の真実は隠蔽され、エミリコは再び日常へ。欠員が出たことで、ケイトとエミリコが10班の班長になり、新たにイザベル&ミラベルとその生き人形・ベルが班に加わります。

生き人形たちは星つきの失態により、2週間近く“珈琲”を飲んでいない状態でした。“珈琲”を断たれたことで、洗脳が少しずつ薄れていく生き人形たち。 その兆しを見て取ったケイトとエミリコは実は生きていたシャーリーとラムも招き、同期会を開催。ついに館の秘密を打ち明けるのでした。生き人形も以前の記憶を取り戻し始め、リッキーら4人は同じ村出身で、エミリコは村に来ていたサーカス団の一員だったことが判明。 さらにケイトも出生の秘密をエミリコに明かします。彼女はミラー家という50年も前にモーフに乗っ取られた貴族の生き残りでした。すす病に冒された母から生まれたケイトは成長と共にシャドーの姿となり、やがてシャドーハウスにたどり着いたのです。

メインの登場キャラクターを紹介

主な生き人形

エミリコ本作品の主人公で、ケイトに仕える少女。明るくおてんばな性格から、周りからは「お花畑」とも揶揄されている。
ミアサラに仕える少女。エミリコがはじめて出会った他の生き人形で、元気で明るい性格。
ショーンジョンに仕える少年。目が悪いものの、主人に合わせるために普段は眼鏡を付けていない。
ラムシャーリーに仕える少女。内気な性格で、他の生き人形たちにからかわれている。
ルウルイーズに仕える少女。主人のルイーズからは溺愛されている。

主なシャドー家のキャラクター

ケイトエミリコを従えているシャドー。自分のすすを操る能力を持っている。
ジョンショーンを従えているシャドー。ケイトに一目惚れし、婚約を持ちかけるも断られている。
偉大なるおじい様生き人形の生みの親とされている、シャドー家のトップ。「シャドー家を統率するシャドーハウスの王」「生き人形の生みの親」「偉大なる創造主様」と生き人形たちから呼ばれている。

ほのぼのなのに不穏?『シャドーハウス』の魅力

ほのぼのな日常に不穏な空気が迫る……?

本作では主人公の少女・エミリコが陽気に暮らしている様子が描かれていますが、彼女が住むのは「外から訪れる人が一切いない大きな館」という謎深き設定。 またエミリコが初めて出会った生き人形・ミアは明るく友好的な性格ですが、主人と共にいるときは性格が大きく変わってしまいます。 洗濯や食事の配膳などの仕事をする、返事をしない顔を隠された人形。生き人形たちがすすの掃除しないと現れる「こびりつき」という化け物の存在も、不穏な空気を醸し出しています。

エミリコとケイトの関係性が素敵

元気で前向きな性格のエミリコと、思慮深くて頭の良いケイト。性格が正反対の2人の関係性は、今作での注目ポイントです。生き人形の名前はシャドーに似せるのが一般的ですが、個人として生き人形を尊重するケイトは、自分の生き人形に「エミリコ」という名前を付けています。 シャドーハウスのルールでは、生き人形はシャドーの「顔」としての役目を忠実にこなすもの。感情豊かなエミリコはケイトの鏡のような存在にうまくなりきれず、周りからはバカにされてしまいます。しかし2人は協力して館で起こる問題を解決していき、評価を得ていくのでした。

まだまだ明かされない!シャドーハウスにまつわる謎

話の序盤から登場する「顔のない生き人形」。2021年12月現在、彼らの正体の仮説は立てられていますが、完全にその正体は明かされていません。 またシャドーハウスを統べる者・偉大なるおじい様についても、詳しいことはまだまだ明らかにされていない模様。今後の連載からも目が離せません。

『シャドーハウス』の謎は明らかになるのか……?

ここまで『シャドーハウス』の基礎知識やネタバレ、魅力について解説してきました。本作はゴシックな世界観だけでなく、可愛らしいキャラクターが登場するのとは裏腹に、不気味で謎が多い設定が魅力の作品です。 まだまだ考察が深まっていく本作。ぜひ読んでみてくださいね。